High&Low the 戦国

2024年2月9日
於・シアターミラノ座


ハイローは宙組で見たので雰囲気は分かってると思ってたけど、今回は舞台を戦国に移してたので全然違う感じでした。 国ごとに覇権を争うって言うのがバイオレンスなイメージじゃなくて、逆に普通に格好良かった。 LDHだからダンスはキレキレだし、アクションも迫力あって格好いい。

砂漠の国、須和国(すわのくに)の長は黄斬(きざん)片寄涼太。 幼馴染で親友の吏希丸(りきまる)が瀬央ゆりあ。
水の国、乃伎国(のぎのくに)の長は湧水(ゆうすい)水美舞斗。 献身的に支える家臣の弦流(げんりゅう)藤原樹。
鍛冶の国、尊武国(そんぶのくに)の長、玄武がRIKU。
他2つの国を合わせた5国がそれぞれ独立して均衡が保たれていたところに、ヴィランが現れたことで争いがおこる。

5つの国が存在するって話のところで「花!月!雪!星!宙!」からの「専科!」をポーズつきで披露してくれるセオ吏希丸。 めちゃくちゃ拍手が起こってました。 拍手と言えば、すごくいい場面の後にも拍手が起こらないんですよね。 LDHの舞台だから宝塚というかミュージカル流儀を持ち込むのはよくないかと我慢したけど、拍手したくなるいい場面がたくさんありました。

素化粧のセオがイケメンすぎて宝塚化粧より男っぷりが上がってるし、ヒール履いてないのに男性陣にまじって見劣りしないのもすごい。 殺陣もあって、めちゃくちゃ格好よかった。
もともと心根の優しい黄斬だけど、刀の封印を解いたことで後悔の念にとらわれて全く戦えなくなってしまって、このままではヤバいと思った吏希丸。 表面的には黄斬を裏切ってヴィランについたように見せかけて、セリフにもどこにも本心を匂わす場面はないのだけど、セオの繊細な演技と目力で思いが全部伝わってくる。 男同士の重すぎる友情、これは愛情じゃなくて友情だと思うけど、自分を犠牲にしても相手を助けたいって、こんなの嫌いな女子いないでしょう。 ラストシーンは涙なくして見られない。

乃伎国って、水が美しい方が長だから水の国なのか。 そしてバレエっぽい優美なダンスを踊る主従の2人。
若くして長になり、国を治めるために自分の心を抑えて非情にふるまう湧水。 湧水を陰から見守り報われぬ恋に身を焦がし、愛しい人のためならわが身を犠牲にしてもかまわない弦流。 なんかもう、オスカルとアンドレか?状態でした。 男と男の恋は実ることないとか言ってたけど、マイティがとても中性的だったので、あまり性別にこだわらず主従の恋は禁断の恋って言ってくれた方が個人的には萌えた。
湧水を逃がして孤軍奮闘し、ラストは愛する人にバックハグまでされた弦流、よかったね。 マイティの大粒の涙がこぼれるのを見て、ここも涙なしでは見られなかった。

ヴィラン、名前からして悪役なんだけど、徹頭徹尾悪役魂を貫いているのがいい。 悪役万歳です。

2時間半ノンストップは疲れるんじゃないかと思ったけど、引き込まれてあっという間でした。 2階サイド席は斜めからとは言え、すごく舞台が近くて迫力満点。 衣装も凝ってたし、見ごたえありました。