雪組
Shall we ダンス?
Congratulations 宝塚!


2014年1月8日
於・東京宝塚劇場



 日本でもハリウッドでも上演された映画。大学の時に競技ダンスをやっていたので、とても懐かしい世界です。
 平凡なサラリーマンが、ふとしたきっかけで社交ダンスを習い始めて、周りの人との交流を深めながら、段々はまっていく話。 ハートウォーミングなコメディでした。

 ヘイリー・ハーツ、壮一帆。平凡なサラリーマン。役所広司の役。 途中ダンスをやめるとか言ってウジウジしているところはイラっとしたけれど、まあ本当に平凡なサラリーマンでした。

 ヘイリーの妻ジョセリン、愛加あゆ。夫が浮気してるかもと疑いはしたけれど、基本的に明るくてグジグジしてないのが好感持てます。 変に暗く考え込むようなタイプだと、そりゃあ夫も外に逃げたくなると思うけれど、あゆちゃんみたいな妻だったら、本当に何も不満はないけれどちょっとした刺激が欲しくなったんだろうなと思えて、ストーリーが深刻にならない。あゆちゃんにぴったりの役でした。

 エラ、早霧せいな。草刈民代の役。最初つんけんして本気で可愛げのない女と思ったけれど、途中から少しづつ角がとれていく感じが自然でした。 ちぎちゃんは芝居心あるからその辺は何の文句もないのだけれど、女役やっていても歌声が悪声なんだな・・・ 残念。ダンス姿はとても素敵でした。

 ドニー、夢乃聖夏。竹中直人の役。 出てきた瞬間から会場笑いの渦。ずっとクネクネしてて、小心なんだか熱いんだか不思議なテンションで、完璧にさらってました。 受けを狙ってるわけじゃなくて、本人は極めて真剣なんだろうというところが、かえって笑いのつぼに入ります。 クネ男とか気持ち悪いとか散々言われていたけれど、きちんと格好良く決めたら格好いいっていうところが、さすが宝塚です。

 バーバラ、大湖せしる。渡辺えり子の役。 せしる君はどうしても綺麗なので、お笑いにならない。ドレス着てしまうと本気で綺麗だし、倒れるまで苦労してるようにも見えないし。 とは言え、押しの強い話し方はさすがもと男役だし、演技的にも何の文句もないです。 せしる君は女役に転向してから、一皮むけて素敵になったと思います。

 ダンス仲間のジャン、鳳翔大&レオン、彩風咲奈。 大ちゃんはあんなに大きいのにずっとモジモジしてて、いつまでも自信なさそうなヘタレ君。 咲奈は俺って格好いいだろうという勘違いの入ったチャラ男。 どっちもキャラが立っていて、ともみん、せしる君あわせてすごく個性豊かで、小芝居しててもおかしかったです。

 トップダンサー、アルバート、未涼亜季。怪我が治ったのは何よりですが、今をときめくトップダンサーのキラキラ感は感じられなかった。 まっつはいぶし銀の魅力なので、現役を引退した指導者なんて役ならいいんですけどね。 ちょっと違う感じでした。

 宝塚のなんちゃって社交ダンスじゃなくて、わりと本格的な競技ダンスだったのが嬉しかったです。 経験者的には、リーダーのことをパートナーと言ってしまうところだけは残念でした。ちゃんとリーダーと言っているところもあったのに。 パートナーというのは競技ダンスでは女性ダンサーのことをさすので、エラが「私のパートナーになって」という言い方をすることは絶対にないんです。

 ショー「Congratulations 宝塚!」
 テキーラの男役の色気あふれるナンバーに悩殺。男役というか、ピンポイントでともみんです。 もともと礼音くん仕込みの濃くて男気あふれるダンサーではあったけれど、このところさらに色気と男っぷりに磨きがかかってきている。 たっぷり男の色気を見せてくれたあとは、一転して爽やかにピンクの衣装でカンカン。 カンカンのロケットボーイというと、これまた礼音くんを思い出します。 雪組には大型のダンサーは少ないし、ともみんにはこの勢いのまま突っ走ってもらいたいです。
 あれはお笑いなのだろうか?とよく分からなかったSAGIRIとか、娘役のナマ腹三昧のナンバーもすごかったです。 テンションMAXで始まったので、最後の方がちょっと尻つぼみになってしまった気もするけれど、なかなか楽しめました。