トート 雪組
エリザベート


2007年7月16日
於・東京宝塚劇場
エリザベート


BGM*愛と死の輪舞

 
 水ちゃんのお披露目公演。エリザベートそのものはいい作品で大好きなのだけれど、そろそろ飽きてきたかな〜。

 トート、水夏希。グリーンをベースにした銀髪とクールなルックスが、ロックっぽいトートのイメージにぴったり。歴代トートの中で、ビジュアル的に一番好み。ただ、芝居はあまりぴんとこなかった。歌もあまり心に響かなかったし、残念。
 エリザベートに拒絶されると、かなり激怒しているのだけれど、そんなに素直に感情をあらわにしていいの?トートを怒らせるとあとが怖そうっていうのではなくて、なんだか失恋して普通に悔しがってる青年のようで。上手く手玉に取れたときに浮かべる、不敵な笑みは格好よくていいのだけれど。個人的には水ちゃんは、アオセトナやトートのような妖艶系の役より、ステラマリスやエスペランサの時のような普通の青年の方が、色気を感じてしまいます。

 エリザベート、白羽ゆり。落ち着いた大人っぽい雰囲気があるので、シシィのキャラにはあってなかった。少女時代が特に厳しい。パパみたいに自由に生きたいとか、おとなしい人形になんかなれないとか、私の望むまま奔放に生きたい、縛られていて窒息しそう!という激しさがなくて、きちんと地に足をつけた生活をしている人に見えました。このシシィだったら、ゾフィとあんなにバトルせず、上手くやっていけそうな気もするし、義務を全てほったらかして放浪しそうにもないけどな・・・

 フランツの彩吹真央。歌が上手いし、優しげで落ち着いた皇帝は無理なく見れました。ルドルフよりも、フランツの方があっていると思う。ちょっと優しすぎるのが頼りなげで、もうちょっとしっかりしろ!と言いたくなるけれど、最後までシシィを愛していたのが分かります。

 ルキーニ、音月桂。きむちゃんは上手いね。小柄なところが、よりイタリア人らしくて。歌も響くので、トートよりもルキーニが民衆を扇動しているように聞こえました。
 2幕最初のアドリブは、「綺麗な人がいると思ったら、女優の岡江久美子さん。はなまるな時間をすごしてますか」みたいなことを言っていました。

 ルドルフの凰稀かなめ。すらりとしていて見目麗しい。闇が広がるは、ビジュアル的には最高でした。

 ゾフィーの未来優希。歴代ゾフィーの中で、これほど適役の人はいないというくらいの迫力。帝国のためシシィに皇后教育をしなくてはならないとか、そいういう域を超えて、息子を奪った嫁が憎くて仕方ないとしか見えない。フランツと帝国の実権をかけて、シシィと徹底抗戦するぞ!という怖さを感じました。

 トートとシシィが持ち味にあってなかったのと、歌唱力が売りの人ではないので、全体に印象が薄くなってしまいました。