雪組
凱旋門
Gato Bonito!


2018年8月9日
於・東京宝塚劇場




  第2次世界大戦下のパリ。ドイツからの亡命者ラヴィックは、恋人を亡くして生きる希望を失った女ジョアンと出会い、恋をする。 他にも多くの亡命者たちが、息をひそめて暮らしている。 時代に翻弄され、ラヴィックはジョアンを失い、亡命者たちは強制収容所に送られるのだった。

 初演の時にすごく感動したのだけど、細かいシーンは覚えてないところもチラホラ。 幕開けの盆回しの演出が素敵で、劇中のダンスナンバーも格好いい。 娼婦のナンバーは、あれいいのか?男性客ドキドキするんじゃないのか?レベル。

 ラヴィック、轟悠。 演技的には何の不服もないけれど、さすがに歌声に伸びがない。 もう大劇場の主演はいいんじゃないかなあ。

 ジョアン、真彩希帆。 初演の月影瞳がすごく退廃的で男に寄りかかるタイプの女性だったから、それに比べるとちょっと軽薄なだけの普通に恋する女性に見えた。 ラヴィックにすがるのも、アンリのもとに走るのも、そこまで切羽詰まった感じはしない。 初演が本当にギリギリで生きている2人という感じだったから、割と普通の悲恋なラブストーリーになってた。

 ホテルに集まる亡命者たち。
 ボリス、望海風斗。 主演カップルの後ろで歌を聞かせてたり、強制連行されて行く亡命者たちを見送ったり、ストーリーテラーっぽい存在であまり印象に残らない。
 ハイメ、朝美絢。 唯一の希望の存在。かなりの儲け役。雪組に異動して来てからのあーさ推しがすごい。
 マルクス、煌羽レオ。 裏切者と言うよりは、とにかく生き延びたいだけ。黒髪にシャープなスーツが格好いい。
 ローゼンフェルト、永久輝せあ。普通の青年って感じであまり印象に残らない。
 個々の役としてはそれほどインパクトないのだけど、ダンスナンバーがとにかく格好良かった。 あーさはダンスになると、脚が悪い設定はなくなるらしい。

 アンリ、彩風咲奈。 ヒロインを取り合う役と言えばそうだけど、それほど描き込まれてるわけじゃないし、かなり割食った感。 南仏のダンスナンバーでセンター踊ってるって言っても、何かね。

 ラスト、凱旋門の前で立ち上がる群衆のスローモーションがなく、あっさりした終わり方になってた。

 ショーはラテン。熱く盛り上がりました。 幕開けせり上がりが組長って言うのが超いらないんだけど、咲奈がオケボックスから銀橋によじ登って来たあとはテンションあがります。
 だいもんは真面目っぽくてネコ科のセクシーなイメージがないので、誘うような振り付けはそそられない。 こういうのは蘭とむとか、色気振りまくタイプがいいな。 この日、客席に蘭とむが来ていたらしいです。
 女装の4人。ひとこちゃんが可愛いのは分かってるけど、咲奈が思いのほか素敵だった。 痩せたよね? あーさは、逆にいまいち可愛くなかった。素顔は可愛いのに。
 そのあーさは、ヒョウのナンバーで色気を振りまく。 顔立ちがネコ科なので、似合う似合う。 娘役たちもセクシーで、芝居に引き続き男性客悩殺されてないか心配になる。
 他にも燕尾ダルマのロケットとか、アフリカンっぽいナンバーとか、縣くんも随分推されてるし、みんな活躍してて楽しかった。 雪組にここまで踊るイメージがなかったので、これからもガンガン踊って欲しいです。