雪組
はばたけ黄金の翼よ
Music Revolution!


2019年10月13日
於・カルッツかわさき



 イル・ラーゴの領主ヴィットリオは、隣国ボルツァーノとの戦で勝利をおさめ、和平のしるしとしてクラリーチェ姫を妻に向かえることになった。 非情な支配者として生きてきたヴィットリオは、クラリーチェに出会って徐々に変わっていく。 始めはヴィットリオを憎んでいたクラリーチェも、だんだん彼に惹かれていく。 だが、それを快く思わない腹心のファルコや、クラリーチェの兄ジュリオの策略により、ヴィットリオは窮地に追い込まれる。

 初演を見たことがないのだけど、なんかいろいろ変わってるそうです。

 ヴィットリオ、望海風斗。 ヴィットリオのイメージは、クールで俺サマだけどセクシーで、まさに少女漫画の主人公。 なんだけど、だいもんってビジュアルの人じゃないので、出てきた瞬間のおお〜って感じがない。 この役って、立ってるだけで格好いい人向けの役な気がする。 持ち味的にも、だいもんは非情で俺サマなキャラよりも、真面目でいい人の方があってる気がして、いまいち似合ってない。 最後の眼帯姿は良かったし、ジュリオに温情を与えて、クラリーチェとも心を通わすあたりは、さすがなんだけど。

 クラリーチェ、真彩希帆。 一路が演じたってことは聞いてるけど、確かに意思の強い姫君で、古い作品だけど今見てもイラっとしないヒロイン像です。 少年姿はかわいかったし、全体として悪くはないのだけど、何であんな裏声で話すんだろう? 役柄的には、もうちょっと地声に近い話し方の方があってると思う。

 ファルコ、朝美絢。 最初、白い衣装で出て来て爽やかに群舞を踊るもんだから、ずいぶんアーサらしくない役だと思ったら、ストーリーとは全く関係ないナンバーでした。 改めてファルコとして現れたときは、暗いオーラがすごかった。
 ファルコは、ヴィットリオが好きすぎて、クラリーチェに取られるって思ったら、歯止めがきかなくなってしまった人。 「俺は女は愛せない」的なことを言ってるし、サンジュストかってくらいだいもんラブ。 友情とか敬愛とかじゃなくて、あ〜真性のゲイねって思ってしまった。 最後の4人口のナンバーも、ジャンヌへの愛に応えられないとかじゃなくて、ヴィットリオへの愛を歌ってるようにしか思えなかったし。 いや、もうそれでいいんですけどね。

 ジュリオ、永久輝せあ。 何かすごく中途半端な印象の役。 ひとこのイメージが優しげで爽やかな御曹司なので、そういうタイプの人かと思ったら、部下の策略に乗って非道な手段もいとわない。 野心家なのかと思いきや、部下にいいように使われてる。 ムチ打ちの拷問するわ、ヴィットリオの目をつぶすわ、やってることはかなり残酷なのに、最後妙にヘタレてる。
 キャラが一貫してなくてよく分からないと思ったら、初演ではムチ打ちも目つぶしも別の人だったらしい。 小柳先生、やたら出番増やせばいいってもんじゃないでしょ。

 ロドミア、朝月希和。 ファルコの妹ってことなんだけど、何か年上に見える。 見た目もだけど、ヴィットリオへの愛がおかしな方向に暴走していて、全然かわいくなかった。

 和央・花總コンビ、水ちゃん2番手あたりの宙組でやってくれたら、すごくはまってただろうなって思いました。