雪組

るろうに剣心


2016年5月3日
於・東京宝塚劇場



 幕末に人斬り抜刀斎として恐れられていた緋村剣心は、平和な明治の世になり、 殺さずの誓いをたてて流浪人として暮らしていた。
 東京に抜刀斎を名乗る辻斬りが現れた。 その正体は、町道場の乗っ取りをたくらむヤクザ者。 剣心はヤクザ者を追い払い、道場主の神谷薫のもとに転がりこむ。 剣心と薫は、ヤクザに使われていた弥彦、ケンカ屋の左之助、訳ありの美女恵と共に、 裏家業で財を成し、日本を牛耳ろうともくろむ加納惚三郎や武田観柳に立ち向かう。

 プロローグは幕末から明治維新にかけて。
 新選組ファンとしては、新選組と維新の軍服の群舞はたまらなくテンション上がります。 そして土方ファンなので、左三つ巴の紋をつけた隊士がいたら、それだけで注目してしまいます。 それがかなとくんだったりした日には、もうありがとうとしか言いようがない。

 緋村剣心、早霧せいな。 少年漫画の主人公を演じたら、ちぎちゃんの右に出る人はいないでしょう。 ルパンも当たり役だったけど、剣心もぴったりでした。 抜刀斎の時の冷ややかなまなざしと口調、剣心のぽや〜んとした雰囲気、ギャップがすごいです。

 神谷薫、咲妃みゆ。 飾らない江戸っ子っぷり、曲がったことが大嫌いと言ってる強がりな感じが可愛い。 きれいごとを語られても、この子だったらありだなと思ってしまいます。

 加納惚三郎、望海風斗。 だいもんは妖艶系の悪役はあまり似合わないと思うのだけど、カリオストロ伯爵に引き続き再びです。 演技はさすがだし、ビジュアル的にもきれいではあるのだけど、個人的にはこういう役がはまり役の人にやってもらいたい。 ベニとか。 真面目な悪役はちょっと見ててつらい。

 斎藤一、彩風咲奈。 めちゃくちゃ格好いい役なのは分かる。 江口洋介は本当に格好良かったし。 たたずまいとか、牙突のキメポーズとか、それらしい感じは出してる。 でも何か物足りない。 大人の色香とか余裕とか? はまる人がやったらしびれるんだけどな・・・

 武田観柳、彩凪翔。 よくぞここまでやってくれました。 香川照之もすごいと思ってたけど、負けてない。 出てくるだけで笑えました。

 相楽左之助、鳳翔大。 あの大きな刀を振り回す大ちゃんがすごい。 BASARAの武器もどうだってくらいすごかったけど、これも負けてない。 歌舞伎調の見せ場もあって、良い感じの存在感でした。

 高荷恵、大湖せしる。 大人の女の色香たっぷり、さすがです。 せしるくんは本当に娘役転向して大成功だったと思います。

 四乃森蒼紫、月城かなと。 これは反則でしょ。 逆裁のエッジワースとかBASARAの政宗様とか、ゲームから抜け出てきたみたいと思ったけど、 かなとくんは抜け出てきてすらいない。 CGのまま動いてる。 あんな耽美な御庭番がいたら、目立って仕方ないってもんです。 本当に目の保養でした。 ありがとう〜

 手下たちがはまりすぎてて、誰が誰だか分からないし、完成度高すぎるってのもどうかと思うくらいです。 そのままのメイクで格好いいフィナーレの群舞に出てきてて、オペラで見たら驚いてしまいました。

 剣心の影、永久輝せあ。 こちらも麗しい。雪組にも長身の綺麗どころが出てきて嬉しいです。

 弥彦、彩みちる。 好演はしていたけど、まあこんなものかな。

 久々に文句なしに楽しめた作品でした。