オスカル 雪組
ベルサイユのばら

2006年7月11日
於・相模大野グリーンホール

ロザリー


 ダンスの発表会で例年使っているグリーンホール。その同じ舞台に生徒さんが立つなんて、とても嬉しいです。袖や舞台裏の様子も知っているので、なんだか得した気分。

 全国ツアーバージョンのベルサイユのばらは、大劇バージョンとちょっと違っていました。やめてくれ〜!と思ったペガサスに乗ったオスカルと、ラストのガラスの馬車がなくなっていて、すっきり。やっぱり、これはないほうがいい。ペガサスオスカルのシーンがなくなった分、ブイエ将軍が衛兵隊士の剣が街で売られていることを知って、それをオスカルがとりなすというシーンが増えていました。でも・・・なんでオスカルそんなに物分りがいいの?隊士を全く叱らず、買い戻した剣を皆に返して終わり。激しやすいところが、オスカルらしいところなのに。

 オスカル、水夏希。お人形のようなこむオスカルとはタイプが違うのだけれど、水オスカルも綺麗でした。宙組ベルばらでオスカルを演じていた時から5年。前は自然な感じがよかったけれど、今回はどうなるかと思っていたら、やはり自然で人間らしいオスカルだった。無理に女っぽくしていないのに、アンドレといるときは、どこか女らしいというか、気を許した感じがあって、ナチュラルな感じがよかった。
 水ちゃんの笑顔は、見ていて幸せになる明るさがあるので、オスカルの華やかな雰囲気がよく出ていた。オスカルは、どうしても演技力とか技術とか以前に(演技力も必要だけど)、見た目の華やかさが必要な役だと思うので、水ちゃんは似合っていました。
 衛兵隊士たちに子守唄を歌うシーンは、やっぱり好きになれない。アランと剣を交えた時以外はいつも穏やかで、余裕にあふれていたけれど、オスカルはもっと短気で、ギリギリのところで頑張っているイメージがある。ロザリーに対して優しいのはとてもほほえましくていいのだけれど、野郎ども相手には強気でいってほしかった。

 アンドレは、壮一帆。いつも壮くんは、いっぱいいっぱいなのか空回っている印象を持っていたのだけれど、今回アンドレは、オスカルの影に程よく控えていて、無理のない感じだった。オスカル役よりアンドレ役の方が華やかな印象だったり、変に目立つとおかしいので、水壮のバランスはよかった。壮くんは線の細いイメージだったので、アンドレの包容力が出るかどうかと思ったけれど、目立たなかったアンドレが、急に感情を爆発させてオスカルに告白するのが、自然に見えた。

 アラン、緒月遠麻。男っぽい荒くれ者のアラン。これまでのアランも、皆荒っぽく演じてはいたけれど、これほどまでの野郎系ははじめて見ました。特に背が低いわけではない水ちゃんが、充分女性に見えるくらい大きくて、たくましい。これ以上のアランは、これからもなかなか現われないのではないでしょうか。

 ジェローデルの沙央くらまは、普通っぽくて、ジェローデルらしくみえなかった。とにかくジェローデルは、ありえないくらいナルシストでフェミニストで少女漫画の世界を体現してくれる人だと思っているので。本公演ほど出番が多くなかったので、別にいいんですが。

 ベルナール、悠なお輝。雪組のベルナールは、おじさん路線で決まってしまったのかな?若さゆえに突っ走ってしまうベルナールを見たかった。

 ロザリー(舞風りら)、ディアンヌ(山科愛)は、本公演と同じ。どちらも可愛い。マロングラッセ(美穂圭子)がおちゃめ。アランママと2役とは、芸達者。エトワールの歌声も、いやされます。

 全国ツアーには、大道具を全部持ってこれなかったのか、ペガサスとガラスの馬車以外に、バスティーユのセットも省略されていました。客席方面にバスティーユがあるという設定なので、叫ぶアランも瀕死のオスカルも、みんな客席を向いて芝居してくれるので、顔がよく見えて嬉しかった。

 フィナーレ、ボレロのまーちゃんのダンスが素敵。まーちゃんのダンスは、とても好みです。水ファンのはずなのに、水ちゃん見ないでついまーちゃんを追ってしまった。