雪組
ファントム

2019年1月5日
於・東京宝塚劇場 



   4回目の再演。彩凪アラン・ショレ、朝美シャンドン伯爵バージョン。

 プロローグの演出が変わっていて、マリア様のような女性がたくさん出てきた。 その中に母の姿を見つけるエリック。 以前のオペラ座の屋根にいる演出は幻想的できれいだったけど、今回は母を求める少年の寂しさが感じられて、より人間ドラマっぽくなってた。

 エリック、望海風斗。クリスティーヌ、真彩希帆。 歌のうまいコンビということで、安定感はある。 ただ個人的に歌はあまり重視しないので、従者のキレのあるダンスのほうに目が行った。 今回は娘役さんも加わってて、でも男役とか女役とか関係ない見ごたえのあるダンスが素晴らしかった。
 プロローグの演出が変わったこともあるけど、エリックがクリスティーヌに母の面影を重ねてる感じが強くて、あまりラブロマンスっぽく感じなかった。

 シャンドン伯爵は、最初女の子はべらせ系な感じで出てくるのはあまりアーサにあってない感じがしたけど、 クリスティーヌを取り返そうと単身エリックに立ち向かう男気あるところはよかった。

 アラン・ショレの凪翔は好演してたのに、カルロッタの舞咲りんがムリだった。 いじわるで嫌な役なのは分かるけど、単に笑いを取りに行ってるようにしか見えなくて、笑ってる人はいたけど、私はどうにも受け付けなかった。 凪翔が気の毒なレベル。

 キャリエール、彩風咲奈。今までのキャリエール史上、一番エリックを愛してた。 積極的な行動力はないけど、息子を精一杯守って、愛してたのが伝わる。 エリックの最期を見守るときに笑ってるのが、ぞわっと来るレベルだった。 あまりに父と子の愛情が強かったから、そのあとクリスティーヌの前にエリックが現れてデュエットを踊るのが蛇足に感じてしまったくらい。

 ヤング・キャリエールと団員の永久輝せあ。 それなりに出番はあるし、ショーナンバーはきらきらしてるんだけど、やっぱりアンサンブル感は否めない。 一本ものはそのあたりが残念。

 ラブロマンスというより、親子の愛の物語感の強いファントムでした。