雪組
ROBIN THE HERO
OVERTURE


2025年5月9日
於・東京宝塚劇場



ロビンフッドの物語。 父親を無実の罪で殺されたロビンは、仇を討つため牢を抜け出す。 シャーウッドの森の盗賊の仲間になり、かつての恋人を取り戻し、敵を倒すために正義のヒーローとして立ち上がる。

もっと冒険活劇風なのかと思っていたら、ゆるゆるのファンタジーだった。 登場人物が無駄に多くて散漫になるし、正直あまり盛り上がらなかった。

黒地に赤いもふもふをつけた瀬央ゆりあが、いかにも悪そうに軍勢引き連れて銀橋に現れるプロローグ。 お約束通り敵役なのだけど、貧しい暮らしを抜け出して幼馴染の愛する女を幸せにしたい、どんな悪事にも手を染めるって、ベタだけど格好いい。

朝美絢のロビンはかたき討ちのために戦うようになるけど、本質は争いごとが嫌いなゆるキャラ。 あーさのおとぎ話の主人公キャラはパックや魔法使いのアダムに続くけど、劇団やファンのイメージ的にはそうなのかな? 私は宝塚の男役としてファンタジーの主人公は格好いいと思わないので、またそれか〜って感じなのだけど。

対する恋人のマリアンの夢白あやちゃんは、快活で勝気な姫君。可愛いね。

途中でこの2人の中身が入れ替わるのが面白ポイント。 あやちゃんの演技が上手で、全く違和感なくロビンとして見れてしまう。 あーさは若干わざとらしくなよなよしてて、マリアンってそんなになよついた女の子じゃないよね?って思ってしまった。 (実際本当に入れ替わってるんじゃなくて、催眠術で入れ替わったと思い込まされてるだけだったから、ロビンってマリアンのことそういう風に思ってたのねってことで良し?)

本筋に関係ないキャラが多すぎて、わちゃわちゃしてる間に終わってた。 シャーウッドの仲間を裏切って敵の手下になってたかせきょーが、最後何事もなかったかのように恋人とハッピーエンドになってるんだったら、せおだって殺す必要ないのでは? 邪魔者殺してハッピーエンドってストーリー展開が好きじゃないし、ゆるいファンタジーならなおさら。 最近ふわふわした作品が多い気がするので、そろそろ見ごたえあるのをお願いしたいです。