雪組
ロミオとジュリエット

2011年3月11日
於・東京宝塚劇場 



 星組に続いての再演。初演が素晴らしかったので、キャストが変わることに変な先入観を持たずに、真っ白な気持ちで見ようと思って観ました。

 ロミオ、音月桂。 小柄で少年らしいルックスは、オーソドックスなロミオのイメージ。 礼音くんのロミオより、内面的に年齢より成熟した感じでした。

 ジュリエット、舞羽美海。自然体で可愛いジュリエット。 ねねちゃんはちょっとぶりっ子っぽい感じもしたけれど、みみちゃんはもっと自然体でした。

 ティボルト、緒月遠麻。 ジュリママとのいちゃいちゃシーンが減ったのか、あまり不倫関係は見えませんでした。 まじめにジュリエット一筋で、かなめちゃんのような触れたら切れるナイフのような繊細さというよりは、もっと獰猛な野獣の怖さを秘めている感じがしました。

 マーキューシオ、早霧せいな。 いきがった若者なのだけれど、やり場のない悲しみとか憤りを隠そうとして、あえて突っ張っているように見えました。 ティボルトを挑発するシーンは、体も大きく堂々として男らしいティボルトがいかにも「ローマの戦士」ぽく見えるのに対して、 何もできない上に華奢で体格的にも負けている自分にいらついているのかな?という感じ。

 ベンヴォーリオ、未涼亜希。 珍しく若者役だったのですが、やはりちょっと落ち着いて老成した感じでした。

 パリス伯爵、彩名音。 ここまで突拍子なくやってくれれば、文句なしです。

 乳母、沙央くらま。 もともと男役さんなので、包容力や低めの声が、れみちゃんよりより乳母らしく見えました。 銀橋で、ジュリエットを想って歌うシーンが、思わず泣けてしまいました。

 1幕はまずは導入で、2幕からいよいよクライマックス・・・のはずが、未曾有の大地震で中断されてしまいました。 ロミオとジュリエットが結婚して、キャピュレットとモンタギューの抗争がその後どうなるのかは分からないけれど、 とりあえずティボルトもマーキューシオも死なず、ベンヴォーリオも嘆くことなく、めでたしめでたしのロミジュリでした。
 地震があったのが幕間だったので、生徒さんの危険も少なかっただろうと思うと、不幸中の幸いでした。