ラダメス 星組
王家に捧ぐ歌


2003年10月24日
於・東京宝塚劇場
アイーダ


BGM*アイーダの信念

 
 2度目の王家。今回も泣いてきました。

 わたる君がアイーダを見るときのまなざし。アイーダを語るときの目。本当に恋する男の表情をしていて、見ている方も幸せになれる。あんなにストレートに愛されたら、この人に全てをかけようと思えるっていうもの。
 はじめも、新たな将軍に選ばれるのは私だ、と台詞は野心的なのだけれど、ワンマンな野心家という感じはしない。戦友とは仲間という感じで、戦友たちもラダメスと同等に接していて、本当に実直な人なんだな〜。わたる君の人柄だな。

 3度のドラのシーンでは、曲が流れるだけで、条件反射で涙がでそうになる。わたる君も見たいけれど、下手袖にいるトウコちゃんも気になる。で、前回は見る余裕がなかったケペルの立樹遥の「なぜだ〜!」彼女と待ち合わせか?飲みに行こうぜ〜なんて言っていた友が、まさか自分たちと国を裏切るなんて。泣きながらラダメスを捕らえて、石室に入れるシーンが、さらに涙を誘いました。しいちゃん、3度のドラの歌を笑顔で歌いながら大階段を下りてくるのは反則だよ。悲しくなるじゃない。

 最後のラダメスとアイーダの銀橋芝居。アイーダが、ここで初めてラダメスに向かって「愛している」って言うんですね。ラダメスの「愛している」は、飾り気なくてすごくストレートだったけれど、アイーダの「愛している」は、包容力というのかな、ラダメスを包み込むような愛を感じた。アイーダは、どんな逆境にあっても負けない強い心を持っていて、きっとラダメスはそんな毅然としたところに惹かれたんだろうな〜と思いました。

 アムネリスが、「貴方はいったい誰を愛しているのです〜♪」とラダメスにしなだれかかる芝居が、今回はラダメスにキスをせまっていました。シナをつくるだけよりは、この方がいい。でも、もっともっと恋する女の顔をしてほしい。そうでなくてもお高くとまっている芝居が多いのだから、1度くらいとろけるような表情を、ラダメスに向けたらいいのに・・・と思ったり。ファラオになってからは、ちゃんと女心見えるんだけど。

 フィナーレのデュエットダンスでも、わたる君の相方を見る目が優しい。それに比べて、檀嬢はほとんどわたる君を見ていない気がする。ひざまずく振りのせいもあるのだけれど、女王様に仕える家臣のように見えてしまうから、デュエットではもっと見つめあおうよ。