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星組 花舞う長安 ロマンチカ宝塚'04 2004年12月7日 於・東京宝塚劇場 |
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唐の玄宗は優れた皇帝だったが、楊貴妃と出会い、愛に溺れるようになり、国をかえりみなくなる。やがて安禄山率いる兵が乱を起こし、悪の根源である楊貴妃は処刑される。 セットはゴージャス。群舞も揃っていて、見ごたえがあった。 玄宗の湖月わたるは、いつものようにスケールの大きい皇帝だった。堂々とした姿は男らしくて、格好よかった。わたる君は、こういう器の大きい役が本当によく似合う。女に道を見誤るようなタイプに見えないのに、楊貴妃の何がそんなによかったんだろう。 楊貴妃、檀れい。新聞評では美しいと褒められていたけれど、私にはどこがいいのか理解できなかった。玄宗ほどの皇帝がほれ込むほどのものを感じない。 梅妃との女の戦いのシーン。梅妃は立ち姿も美しくて、妃の気品を感じるけれど、檀の楊貴妃は立ち姿だけでももたついている。酒を飲んで酔っ払うシーンでは、妃の気品は全くなかった。髪飾りに薄布を引っ掛けて取れなくなって、側近の人たちにはずしてもらっている姿は、無様。 玄宗に対して、梅妃を追い出して!と無理を迫るシーン。わざと無理を言って女心を伝えたいんだろうな、といういじらしい感じは全然なくて、この人は本心から梅妃を抹消したいと思ってるんではないか、という女の怖さを感じた。 成り上がりの身分の低い女が、自分の武器である色香で皇帝を迷わせて、ライバルの妃も蹴落とし、自分の親族には高位をつける。この話の中の楊貴妃が、そういう設定なら文句はないけれど、とにかく見ていて気分が悪くなった。そろそろ退き時でしょう。 安禄山の安蘭けい。濃いです。皇帝に仕えてるときからあんなに胡散臭いのは、どんなもんでしょう。陳玄礼が、安禄山には気をつけろって何度か忠告してたけど、あの安禄山だったら誰が見ても怪しいと思う。私的には、最初は忠誠を示しているように見えたのに、意外!という方がよかったな。安禄山の乱のときは、トウコちゃんの本領発揮という感じで、格好よかった。 梅妃(陽月華)は、楊貴妃とのバトルでかなり意地悪なことを言うけれど、後から現われた楊貴妃に玄宗の寵愛を奪われて悔しいんだな、という気持ちがよく分かる。見ている私がアンチ楊貴妃だったので、もっと言ってやれ!と思ってしまった。 楊貴妃の親族。3姉妹の幕前芝居の、あまりに昔の宝塚調には引いた。このベタな幕前芝居は、そろそろやめて。 楊国忠(立樹遥)は、楊貴妃のおかげで宰相の地位にまでのし上がり、最後民衆の反感を買うけれど、しいちゃんはそんな悪人に見えなかった。もっと野心家に演じられたらよかったのだろうけど。3姉妹も、素敵な贈り物に囲まれて幸せ〜と何も考えていないみたいだし。最後「楊貴妃はなにも悪くない」と玄宗たちが言うけれど、楊一族が悪人ぽくないので、やっぱり諸悪の根源は楊貴妃に見えてしまった。 うんざりして終わった芝居。ショーでは、前回同様、檀れいはほとんど出番なしだったので、少しほっ。 幕開けいきなり、すごい華やか!ヴェネチアの情景。リアルト橋の下にはゴンドラ。あまりの綺麗さに、思わず歓声が出てしまった。ゴンドラの上には、安蘭けい。ディアボロという通し役なのだけれど、精霊のようなもの?手首から指にかけるチェーン飾りをつけていたり、すごく色っぽかった。カルナヴァルのシーンは、大人の雰囲気で素敵だった。 水兵たちのシーンは、皆楽しそう。ちょっとコメディタッチで。しいちゃんの笑顔は、こういうシーンでは100人力ですね。そして、またも礼音くんがロケットボーイで、すばらしい回転技を見せてくれました。これは星組の定番になるのかな?私は嬉しいけど。 陽月華ちゃんが、トップ娘役のごとく踊りまくります。きれいな体のライン。妖しくセクシーなトウコちゃんは、歌声も素敵。妖艶なシーン、爽やかなシーン、大人な雰囲気と、なかなか楽しめました。 |