「深きエルベのほとり」 故郷に戻ってきた船乗りのカールは、ビア祭りで家出娘のマルギットに出会う。 マルギットは名家の令嬢だが、親の決めた結婚に反発して家を飛び出してきたのだった。 2人は惹かれあうが、住む世界が違うことに気がついたカールは、再び船に戻る。 これ名作?なんとも古臭くて、途中何度も意識を失ってしまった。 カール、紅ゆずる。 荒くれた船乗りと言うには線が細いし、根はいい奴なのにわざと悪ぶってるというよりは、単なるお調子者にしか見えない。 ベニに合ってないというか、正直ベニにトップは無理だったんじゃないかと今さらながら感じてしまう。 柚希の下であんなに楽しそうで勢いもあったのに、今は何演じてもお調子者の小者にしか見えない。 もうちょっとお嬢が惚れるだけの何かがあれば話も違って見えたのだろうけど、そもそもこの男のどこがいいか分からないから、ラブロマンスとして成り立って見えなかった。 マルギット、綺咲愛里。 ステレオタイプな令嬢で、目新しさがない。 後先考えずに家出したり、船乗りに惚れたり、やってることは向こう見ずなのに、全体的に妙に昔っぽい。 カールと新しい生活を送るとか言いながら結局家に戻ってきてるし、反感買うに決まってるのに婚約パーティ開いたり、おかしいでしょ? マルギットの許嫁フロリアンの礼真琴。 いい人キャラにしても訳わからない。 自分の入り込む隙がないから、マルギットの幸せのために身を引くっていうジェローデルキャラならまだしも、マルギットをカールとくっつけようとする意味が分からない。 トビアス、七海ひろき。 海に別れを告げて新しい人生に旅立つ的な、銀橋の歌がさよなら仕様だった。 最後にとってつけたように出てきて結婚するって言うんじゃなくて、もっとストーリーに絡めて欲しかった。 恋人の子だけが変に訛ってるのも不自然だし。 あの子が訛ってるなら、兄のカールだって訛ってていいでしょ? 主演コンビだけで話を進めていく作風と言い、ご都合主義なストーリー展開と言い、 もしかして主演に問答無用の演技力やスターオーラがあれば違って見えたのかもしれないけど、つまらなかった。 古典には古典の良さがあるんだろうけど、これは単に古臭いだけの駄作に感じてしまった。 「ESTRELLAS」は楽しかった。 開演前、ミラーボールが客席も照らしてたり、星雲みたいな照明が当たってたり。 ショーの最中にも、客席に向けてレーザー光線を当てるのがすごく格好いい。 最近の美術や照明さんのセンスの良さには感動します。 好きだったナンバー、まず1つは「星夢(スタム)」。 トップさんはほぼ踊れないから置いておくとして、漣・ひろ香2人のダンス技術の高さにはしびれました。 とくに漣氏。 前回も思ったけど、大柄な上にダイナミックなダンスを見せてくれるから、目が離せなくなる。 次のまこっちゃんメインのk-pop風男役ナンバーが、また素晴らしい。 あの複雑な振り付けをあそこまで完璧に踊りこなすなんて! この2シーンだけで、芝居の残念さを補って余りありました。 「星鷺」ジョバンニとカンパネルラとは思わなかったというか、それなら少年で行ってほしいところだったけど、きれいなシーンでした。 2階席からフォーメーション見るのがいい感じ。 赤いのは炎かと思ったら、サソリ? 格好良かったのでOKです。 娘役のナンバー。 ショートカットのあーちゃんが色っぽくて、はるこさんも大人の色香たっぷり。 瀬央はぐいぐい来てるし、海ちゃんはちゃんと見せ場があった。 ベニはもうちょっと楽しませてくれるかと思ってたので、トップになってからは残念な感じがぬぐえないけど、次が最後だしまあいいか。 さよなら公演は持ち味にあった役だといいな。 |