星組
記憶にございません
Tiara Azul


2024年11月15日
於・東京宝塚劇場



三谷幸喜原作「記憶にございません」
横暴で超感じ悪くて国民の支持率も最低の黒田総理が、選挙演説中に一般人の投石に当たって記憶喪失になってしまう。 記憶を失ったことは家族にすら伝えられることなく、秘書たち一部の人間のトップシークレットにされる。 それまでの記憶を全て失った黒田は、同時に横暴なキャラも失って常識人になり、それまで自分が行ってきた政策やこじれた家族関係を正そうと奔走する。

黒田啓介、礼真琴。 琴ちゃんは宝塚らしい役よりこういう普通の役の方が似合う。 中年には見えないけど、そこは宝塚なので。 初めの超感じ悪いキャラと、記憶が戻らないでおろおろするあたりが面白かった。

黒田聡子、舞空瞳。 奔放だけど憎めない。 映画の細かいところは覚えてないのだけど、ダンスのくだりは宝塚オリジナルかな? 秘書と不倫するし、現実だとこんなファーストレディは許されないだろうけど、なこちゃんだから成り立ってる。

秘書の井坂、暁千星。 映画では誰が演じてたんだっけ?と思ったらディーン・フジオカだった。 真面目でイケメンで切れ者な秘書、ありちゃんもディーン様もお似合いです。

鶴丸大悟、輝月ゆうま。影のボス、官房長官。 貫禄が、存在感がすごい。え?同期?ってなる。 いい味出してて、貴重な専科さん。

フリーライターの古郡祐、極美慎。 あの派手な衣装をスタイリッシュに着こなしてしまうのは流石。 ひょろっとしてそうで肝が据わってて、男役らしくなったねと見守り目線になる。

イケメンを完全封印した輝崎玲央と天希ほまれ、もったいない気もするけど芝居で魅せてくれた。
オノダッチのひろ香祐もコメディに振り切ってた。
星組上級生の芸達者ぶりは楽しい。
水乃ゆりちゃんのキャスター、あのビジュアルだしずばずば意見言うし、人気の看板キャスターに違いない。

宝塚らしい作品ではないけれど、三谷さんの作品は大好きなので楽しく見られました。 献金マンボ、うっ!献金マンボ、はっ!が頭の中でリピートし続けてる。
高校生の団体が入ってたのだけど、どう感じたのか気になります。 コメディだし、選挙とかアメリカ大統領とか話題がタイムリーだったので、楽しんでくれてたらいいな。

ショー「ティアラ・アスール」

華やかなプロローグ。
なこちゃんのリアル・ディズニープリンセス。
そしてフィナーレの黒タキ男役群舞。 うっかり輝崎玲央氏のキザりをオペラ越しとは言え浴びてしまったものだから、その後目を離せなくなってしまった。 あの大人の色気はヤバいです。
キレイどころの水乃ゆりちゃんが退団してしまうのは残念だけど、今回も美しかったです。