星組
黒豹の如く
Dear DIAMOND!


2015年4月3日 & 5月1日
於・東京宝塚劇場



 「黒豹の如く」
 大航海時代スペイン、黒豹と呼ばれた海賊がいた。 囚われの姫君を助け出した海賊ソルの活躍は、今も伝説になっている。
 時は流れて第1次大戦時代。 スペイン海軍の参謀長を務めるアントニオ・デ・オダリスは、海賊ソルを先祖に持ち、黒豹という別名で呼ばれる切れ者。 彼の前に、昔別れた恋人カテリーナが現れる。 家を救うために愛のない結婚をしたカテリーナだったが、今は未亡人になっていた。 2人の間に再び愛が芽生える。 そこに実業家のアラルコン公爵が現れ、アントニオにきな臭い話を持ち掛ける。

 礼音くんのさよなら公演。 柴田先生脚本、謝先生演出・振付ということで、それなりに期待して見に行ったのですが、見事に肩透かしでした。 もうちょっとやりようがあったんじゃないかと思う作品でした。

 海賊ソルとアントニオの2役、柚希礼音。
 海賊で出てきたときはすごく格好良かったのですが、それはあくまで伝説の物語。 いくら子孫だとしても、伝説の海賊と同じふたつ名で呼ばれるってのもどうかと思うし、アントニオの私服が海賊ソルと同じって言うのも違和感ある。 アントニオは切れ者の軍人らしいのですが、真面目な常識人ぽいシーンしかなくて、見ていて格好いいところがない。 礼音くんは格好いいんですけどね。 役が面白味なさすぎて。

 カテリーナ、夢咲ねね。 綺麗なんだけど、役として特にどうってことない。 家族を救うために望まぬ結婚をしたってところ、過去形の逸話にするんじゃなくて、ちゃんと芝居で見せてもらったら、もうちょっと違ったのかもしれない。 出てきたときはすでに未亡人だし、アントニオも独身だし、最初からハッピーエンドでいいんじゃないの?って感じ。 ラスト、アントニオが単身赴任する必要もないし。

 悪役アラルコン公爵、紅ゆずる。 唯一キャラクターがしっかりして、面白味のある役だった。 こういう小賢しげなワル、ベニは上手ですね。 公爵だし、見た目も十分格好いいし、別に悪に手を染めなくたって十分いい人生を送れるだろうに、ベニが演じると悪事が趣味なんだろうって納得できてしまう。 オーシャンズのベネディクトもそうだったけど、生き生きとワルをやってる。
 でも別にラスト殺さなくてもいいのに。 刑務所に入れられて、ぼろぼろになって出所してくる方が、アラルコン公爵的には屈辱だろうし、見てる方も楽しい。 あっさり殺してお終いってのは、何か違う。

 ラファエル、真風涼帆。 前回のようなプレイボーイよりも、真面目な青年という方が似合ってる。

 アルヴィラ、妃海風。 アラルコン公爵が本気で好きだったんだなと思うと、可哀想になる。 悪女というより女の悲しさを感じられて、納得の演技力です。 次期トップ娘役、おめでとう。

 礼音くんのさよなら公演に、英真さんが特出するのは嬉しい。

 ストーリー的にもキャラクター的にも盛り上がりようがなくて、最後もせめて結婚式とかでめでたく終わればいいものを、無理に別れの場面にするし、ん〜という作品でした。

 「Dear DIAMOND!」

 こちらも割とフツー。なぜみこしだったのか分からない。 2階席に礼音くんが来てくれて、A席最前列に座っていたので、往復2度タッチをもらったのは嬉しかった。しばらくいい香りが残ってました。

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 2度目の観劇。

 芝居はやっぱりピンとこない。生徒さんそれぞれはいい味出してるのだけど、ストーリーがどうにも入りこめない。 これで最後かと思うと、どうにも残念です。

 ショーは、クラブシーンのあのファッションセンスはどうなの?とか、御輿にする必要はあるの?とか突っ込みたいところはあるけれど、みんなが生き生き踊ってるのは単純に見てて楽しいです。 礼音くんのイメージカラーは、やっぱりゴールドですよね。 これで見納めなのは感慨深いです。