星組
宝塚ジャポニズム
めぐり会いは再び2nd
Etoile de Takarazuka


2013年1月11日
於・東京宝塚劇場



  第1部「宝塚ジャポニズム」
 3部構成で、さくらさくら、仏教の神々、荒城の月が各15分づつ。 どうしても単調になりがちな日本物のショーなのに、チョンパもなく、ひたすら群舞が続く・・・。 2部は男声の読経というのが葬式のようで、どうにも馴染めない。 こんなショーに45分も裂くなんて!

 第2部「めぐり会いは再び2nd」
 「めぐり会いは再び」の続編。 花婿選びのすったもんだの末結ばれたドラントとシルヴィアだったが、1年後の結婚式前夜に大喧嘩。 そこにシルヴィアのフィアンセだと名乗る騎士が現れて、さらにややこしいことになってしまう。

 ドラント、柚希礼音。前回同様の俺様キャラだけど、どうでもいいことに大騒ぎする彼女を面倒くさく思うのは、よく分かる。 彼女のことが嫌いとかじゃなくても、本当に面倒くさいよね。

 シルヴィア、夢咲ねね。シルヴィアって、男性受けしようとしてかわい子ぶる女の子が嫌いって言ってなかったっけ? なのにあのぶりっ子炸裂キャラは何!? 女の子だからドレスやケーキが気になるのは仕方ないとしても、あんなにイヤイヤ〜とか駄々をこねる面倒くさいタイプじゃないと思ってたよ。 あれはシルヴィアじゃなくて、ねねちゃんでしょう。 他のキャラは前作通りのイメージだったのに、シルヴィアのバカ女っぷりにげんなりしてしまいました。

 ブルギニョン、紅ゆずる。エルモクラート、真風涼帆。前作同様のへたれた2人。ブルギニョン、いいパパにはなるかもしれないけど、大丈夫かぁ〜? エルモクラートは、もう筆を折った方がいいと思います。

 新キャラのクラウス、十輝いりす。憎めない悪者でした。というかエルモクラートの被害者なんですよね、気の毒に。

 同じく新キャラ、オルゴン家の末弟ルーチェ、礼真琴。真琴君、ずいぶん劇団に押されてますね。 ルーチェ自体は人騒がせなお坊っちゃんでしかなかったけど。

 残りの主要キャラは、退団&組替えでいない人ばかり。一応劇中劇で紹介していたけれど、あれじゃ前作を見てない人には全然分からないでしょうね。

 マリオ(涼紫央)は愛されアピールの強すぎるレオニードに嫌気がさして、一言置き書きして屋敷を出てしまった。侍女コリーヌ(稀鳥まりや)はマリオを探しに出かけている。
 リゼット(白華れみ)はブルギニョンと結婚し、まもなく出産という身のため里帰り中。
 リュシドール(夢乃聖夏)との年齢差を考えた伯爵夫人は、どうしても離婚に踏み切れず、またも別れ話を切り出してしまった。
 アジス(美弥るりか)が足しげく王都に通い、女性からの手紙をもらっているのを発見してしまったコレットは、2人の仲が終わったと嘆く。

 よく話をまとめたな〜と感心するし、5人が舞台上にいるんじゃないかというくらい存在感があって、前作を見た私としてはすごく楽しい展開でした。 ユリウスの天寿光希君が芸達者な声色で手紙を読むので、大団円のシーンにはこの5人が現れるような気がしてしまいました。 前作を見ていて、星組ひいきの人には楽しめるコメディかもしれないけど、大劇場で上演するにはちょっと厳しい気がします。

 第3部「Etoile de Takarazuka」
 12星座をテーマにしたショー。これは楽しかったです。日本物のショーのつまらなさを帳消しにしてくれました。

 黒燕尾の男役さんとピンクのドレスの娘役さんが大階段から降りてくるプロローグは、初っ端から華やか。

 続く銀橋シーンは、軽妙なパリジャン&パリジェンヌっぽいデュエットなのだけれど、よく見るとねねちゃんのヘアスタイルが羊の角になってたりして、おひつじ座だってことが分かります。どのシーンもベタに星座を表現してなくて、ショーとしても楽しめてよかったです。

 男役さんたちのジゴロのナンバー。いや〜、格好いいです。ここはおうし座。手で牛の 角を表現している振り付けがあるくらいで、ひたすら格好いいダンスナンバーです。

 そしてふたご座。半分男で半分女の怪しいジェミニは、ベニお得意のお笑いシーン。 結構歌で聞かせるシーンなので、本当は実力者が歌いあげてくれた方が逆に面白いんじゃないかと思うんですけどね。 まあ面白かったからいいです。 巨大な娘役2人(汐月&麻央)は、若干こわかったです。

 礼音くんのヘラクレス。ここでやっと神話っぽい世界になりました。昔らんとむがやったヘラクレス(@Takarazuka舞夢)に比べて、このヘラクレスは格好よくていいです。 綺麗な女性が現れて踊っていたら、化けガニだった? 赤いパンツの衣装、あれはねねちゃんくらいのプロポーションの人でないと着こなせないですね。たにちゃんもびっくりのナイスプロポーションでした。

 しし座のライオンは、もうちょっと魅せてくれると嬉しかったんだけど、十輝くんにはあまり萌えないかも。

 この後、Lucky Starなど星がテーマの歌が続きます。長く宝塚を見てると、あの時の曲だ〜と懐かしくなります。 ねねちゃんのセ・マニフィークは大健闘。英真さんのゴスペルは、すごく安心感があって、ほっこり嬉しい気分になりました。

 礼音くんのサソリ。これは圧巻です。ダンサー柚希礼音を堪能できたという感じで、大満足です。

 シャンパンゴールドの衣装はいて座。弓を射るような振り付けがある以外は、星座抜きで綺麗なナンバーです。 礼音くんは金色がよく似合います。 白にピンクのベストはどうかと思ってしまいましたが。

 フィナーレはアクエリアス。男役のナンバーが格好よかったです。

 盛りだくさんで見ごたえのあるショーで、あっという間に終わってしまいました。こんな変則的な3本立てじゃなければよかったのに〜。