船長への昇進が決まった若き航海士エドモン・ダンテスは、恋人メルセデスとの結婚式を控え、幸せの絶頂にあった。
だがエドモンに嫉妬する同僚ダングラール、貴族のフェルナン、保身をはかる検事補のヴィルフォールの陰謀にあい、無実の罪を着せられて投獄される。
彼らへの復讐を胸に誓ったエドモンは難攻不落の牢獄シャトーディフから脱獄し、モンテクリスト伯と名乗って復讐を開始する。
宙組公演の再演。開幕前のオーバーチュアから聞き馴染んだ音楽に期待が膨らみます。 シャトーディフの背景画が迫力あってリアルで、実際に見に行った時のことを懐かしく思い出しました。 気持ち悪い女教師のストーリーテラーがいなくなって、ベルツッチオとルイジ・ヴァンパが進行役を一手に引き受けてました。 初演見たときとにかく嫌だったので、すっきり見やすくなって分かりやすいし、最初からこうして欲しかった。 礼真琴のエドモン・ダンテス。 凰稀かなめや愛月ひかるの甘ったれた青年がどん底に落とされて変わっていく感じが印象的だったけど、真琴ちゃんはそこまで落差は感じなかった。 牢獄での絶望感はあまり感じなくて、モンテ・クリスト伯になってからの安定した演技がよかった。 少年ぽいビジュアルだけど、案外少年役は似合わないんだと思う。 舞空瞳のメルセデス。 エドモンが死んだと聞かされて1人で生きていけないからフェルナンにすがった・・・という脆い少女には見えないのだけど、その分後半の母としての演技に感動した。 なこちゃんはジュリエットのようなヒロインらしい役より、強い女性が似合う。 瀬央ゆりあのフェルナンの格好良さ、貴族らしいビジュアルにあの目力、どうやっても目が行ってしまう。 最後まで救いようのない役だけど、格好良すぎて文句なしです。 輝咲玲央のダングラールは出てきた瞬間からフェロモン出しまくり。 悠未ひろも好きだったけど、このフェロモンはすごすぎる。 エロイーズの有沙瞳も色っぽい悪女なものだから、2人が絡むとクラクラします。 でも奥さんに対しては優しくて、離婚しようと言い出すところは彼女に対する愛情を感じました。 妻のエルミーヌ(音咲いつき)も姑は嫌ってたけど、夫とは不仲ではなさそうだったし。 瀬央玲央の銀橋の罠にかけてやるのナンバーが好き。 悪役が格好いいと最強です。 暁千星のベルツッチオ。 月組時代に芝居下手な印象を持っていたけど、ストーリーテラーも芝居も普通に上手でした。 緒月遠麻が過剰なくらいエドモンの面倒を見てる感じだったのに対して、ありちゃんはもっと自然に接してて、むしろこのくらいのほうがいい。 ルイジ・ヴァンパは天華えまを楽しみにしてたので休演が残念だったけど、代役の蒼舞咲歩良かったです。 進行役もちゃんとセリフ通るし、ちょっと間抜けで陽気な海賊も上手。 夕陽真輝のヴィルフォールも、本当はいい人なのに保身とあれこれで悪に染まっていってしまう感じがちゃんと出てた。 有沙ちゃんがぐいぐい引っ張ってあげてる感じが、いい具合にはまってた。 急遽の代役はセリフ、役作り、歌、ダンス、動き、立ち位置、衣装、小道具、段取り。 想像を絶するくらい大変だろうに、全然それを感じさせないいい舞台でした。 代役の人はすごく頑張ったのだろうけど、本役の人はさらに頑張ってフォローしたんだろうって思う。 ショーは会場の手拍子がすごくて、生徒さんもすごくパワフルで、見れて本当によかったです。 |