「ノバボサノバ」
リオのカルナバルの幕開けに、義賊のソール、盗賊のオーロ、物売りのマール、その許婚者ブリーザたちが集まってくる。 観光客の娘エストレーラのネックレスに目を付けたソールとオーロが奪い合い、最後にオーロの手下ボールソが手に入れる。 警察に追われるオーロは、追手を逃がすためにブリーザにキスしてごまかすが、この瞬間に2人は恋に落ちる。 一方、ソールはエストレーラと恋に落ちる。 恋人を奪われたマールは怒り、ブリーザをめぐってオーロと争うが、はずみでブリーザを刺し殺してしまう。 ブリーザの亡きがらを前に悲嘆に暮れるマールを、カルナバルの雑踏が包み込んでいく。 嘆き悲しむオーロを、彼に心を寄せる娘ラービオスが慰めるが、彼女の気持ちはなかなか通じない。 ソールは、エストレーラのためにネックレスを取り返す。だが、カルナバルの終わりは、2人の恋の終わりでもある。 悲しみをこらえて別れる2人。 傷心のオーロのそばにはラービオス。 マールは釈放され、最後のカルナバルが始まる。 肝心のネックレスは、最後にはシスターの義援金箱に収まった。 雪組(轟)、月組(真琴)に続いて、「ノバボサノバ」を見るのは3度目。息をつけない盛り上がりのショーですが、今の星組がやるとさらに熱い。 ただ、衣装がごてごてしすぎていて、もう少しシンプルな方がいいのにと思いました。 ソール、柚希礼音。文句なしの存在感。裸足が似合うというか、大地にしっかり立っている感じがいい。 これでもかという素晴らしいポイント(つま先)が見られて、満足です。 シナーマンもすばらしい迫力だし、全く文句はないのですが、くず拾いの軽いノリの部分は、大阪弁を交えて頑張っているのだけれど、やっぱりまじめっぽい。 それが礼音くんの持ち味なんで、いいんですけど。 女装は案外可愛かった。 エストレーラ、夢咲ねね。 この役は、誰がやってもあんまり面白みがない。可愛いんだろうけど、だから?という感じで。 オーロ、今回は夢乃聖夏。 濃いというか、濃すぎてうさん臭い。 女をたらしこんで、上手いことネックレスもゲットしてやろうと言うのではなくて、ぎらぎらした目でネックレスしか見てない。 前夜祭の映像ではもうちょっとイケメンぽかったのに、そこまでやるか〜!という感じ。 トコトンやってくれるのは、嬉しいんですけど。 そんな濃すぎるオーロなので、当然女装はイケてない。 フィナーレのピンクのウロコの衣装は、似合わなさすぎると言うか、装飾過剰で嫌だ〜! マール、真風涼帆。 目立つね〜。ブリーザとラブラブしてるのがすごく幸せそうで、好感持てて、いいカップルだなって思って見ていられた。 それなのに恋人に心変わりされて、さらに自分の手で殺してしまうなんて。 こっちまで悲しみが伝わってきました。 本当に好青年なマールでした。 ブリーザ、白華れみ。情熱的な女性という感じがよく出てました。 マールと一緒で充分幸せだったのに、ワルなオーロに惹かれてしまう感じとか。 やっぱりブリーザはいい役です。 役替わり、エストレーラの母メール夫人は、紅ゆずる。 思ってたより意外に美人でした。 酔っぱらいのシーンとか、好き勝手できて楽しそうでした。 ボールソ、美弥るりか。 こういう元気いっぱいの少年って、ぴったり。 メール夫人にお姫様だっこされて、翻弄されているのが、また可愛い感じで。 群舞も迫力あるし、他にも見たいところは沢山あるのだけれど、どこを見ていいのか分からないくらい盛りだくさんでした。 ソール&エストレーラ、オーロ&ブリーザの2組のデュエットダンスは、本当両方見たいのに! 思わず目が釘付けになったのが、柚美姉さんのマダムXの胸の谷間メイク。そこまでやるか!? ヴィーナスも描いてけど、礼真琴くんは全体の露出も多くて、逆に健康的に見えたけど、柚美さん・・・妖艶過ぎ。 「めぐり会いは再び」 伯爵令嬢シルヴィアは、5人の求婚者の中から花婿を選ばなくてはならないと言われるが、素直に従う気になれない。 男たちの本当の姿を見定めるため、侍女のリゼットと入れ替わる一計を案じる。 求婚者の1人ドラントも、召使いのブルギニョンと入れ替わって、相手の本性を見極めようと企てていた。 ドラントは気の強いシルヴィアに心ひかれ、侍女リゼットと召使いブルギニョンもお互い惹かれあうが、変装していることを告げられないまま、花婿選びの日がやってくる。 濃厚なショーとはうってかわって、軽いタッチのラブコメ。黒塗りからのチェンジは大変だっただろうと思います。 花婿候補その1、ドラント、柚希礼音。 強気の俺様キャラでありながら、憎めない。 結構複雑な少年時代を過ごしたみたいだけれど、言うほどひねくれてはないのがいい。 シルヴィア、夢咲ねね。 気は強いけれど、まだ少女の域を出てない感じの可愛い娘。 ただ、時々ぶりっ子っぽい感じになるのが残念。 シルヴィアはあくまでストレートなタイプだと思うので。 ブルギニョン、紅ゆずる。 今回一番おいしい役。こういうへたれた役をやらせたら、紅くん以上の人はいないでしょう。 ビジュアルが2枚目なので、どんなにへたれた3枚目でも、きちんと宝塚の男役さんに見えるのが立派です。 冒頭の銀橋の長台詞を言いきったことを礼音くんに褒めてもらい、観客の拍手ももらい、紅くんよかったね。 リゼット、白華れみ。 シルヴィアに翻弄されまくって気の毒な、素朴な女の子。 ブルギニョンとはお似合いです。 花婿候補その2、リュシドール、夢乃聖夏。 騎士スタイルがさまになる2枚目風なのに、年上の伯爵夫人に入れ込んで、格好悪いくらい純朴な青年。 オーロのあの柄の悪さはどこに行った!?という変わりよう。 候補その3、第24王子アジス、美弥るりか。 アラブ風の衣装が似合ってて、ちょっと小生意気な弟キャラが可愛い。 候補その4、レオニード、音波みのり。 つれない想い人に会いに行くため、本当の花婿候補である兄に一服盛って、男装までする一途な娘。 思いこんだら一直線って、下手したらうっとおしいのだけれど、うまい具合にコメディで面白い。 娘役さんの男装って、本当にちまちましてます。 候補その5、エルモクラート、真風涼帆。 貴族衣装に眼鏡って、なんか新鮮。芝居でも、やっぱり見栄えします。 シルヴィアの兄マリオ、涼紫央。 「表も裏もインケン」と妹に言い放たれる、潔いほどの嫌味キャラ。 さら〜っと流して見られる芝居で、キュートでハッピーになれる話でした。 フィナーレは本当に短いのだけれど、ブルーグレーの衣装のダンスナンバーがすごく格好いい。 星組でこそショーを見たいのに、なかなか普通のショーが見られないのが残念です。 次回も1本ものだし、とことん礼音くんのダンスを堪能したい。 |