星組
オーシャンズ11


2012年1月11日
於・東京宝塚劇場



 ハリウッド映画の舞台化。
 詐欺罪で服役していたダニエル・オーシャンが、仮釈放で出所してきた。 妻のテスにはラスベガスのホテル王、ベネディクトという恋人がいて、ダニーに離婚を求めてきている。 テスに未練のあるダニーは、ベネディクトが裏であくどい商売を行っていることを知り、ホテルの金庫から金を盗み出す計画を立てる。 旧友のラスティをはじめ10人の仲間を集め、Ocean's11として、強固なセキュリティを誇るベネディクトのホテルの金庫破りに成功する。

 ダニエル・オーシャン、柚希礼音。 肉体派のちょいワル風が、格好いいです。テスに未練たらたらなのも、強気な態度で女々しくはない。 オーシャンズ11をひきつれてのダンスナンバーも格好いいのだけれど、それ以上に蛇のダンスが素晴らしかった。 ダンスはもちろん、目つきがすごい。もっとダンスナンバー見たかったな。

 テス、夢咲ねね。 割と普通の女の子。 メジャーデビュー前なので、ショースターとしてのオーラがあるわけでもないし、のし上がってやろうと言う野望もほとんどない。 プロモーションで称されていた「ラスベガス1のいい女」というより、本当に普通の女性っぽいのに、なぜか悪党にばかり愛されてしまって気の毒。

 テリー・ベネディクト、紅ゆずる。 スーツ姿がクールで、実業家っぽい雰囲気が格好いい。 テスや公に向けるジェントルマンな顔はいいのだけれど、成り上がりの悪党という裏の顔がいまいちワルそうに見えない。 人がよさそうなのはベニの持ち味なのだろうけど、もっともっと色気のある悪党を研究してもらいたいです。

 11たち。映画でも11人も必要?と思ったけれど、舞台でも計画にどこまでかかわっていたのか分からない人もチラホラ。 それでも、全員が勢ぞろいすると圧巻です

 ラスティ、涼紫央。 芸達者っぷりが発揮されてました。肉体派のダニーと頭脳派のラスティで、ちょうどバランスが取れている感じ。
 フランク、夢乃聖夏。ディーラーの制服を着ていると、脚の長さが際立ちます。 詐欺師のくせにいい人っぽそうなのは、ベニ同様持ち味なんだろうけれど、もっとチャラくてもいいんじゃないかと思います。
 リビングストン、美弥るりか。一番計画に貢献しているのが分かった人。 パソコンおたくな青年っぷりが、すごくいい。ノリノリでパソコンをいじっている姿が、楽しそうです。
 ライナス、真風涼帆。押しの弱いヘタレた感じがぴったり。キュウリ野郎って言われて、演技じゃなくちょっと傷ついてそうなところが可愛い。
 未沙さんのソール。とぼけた味がぴったり。 いい味の専科さんが退団してしまうのは、残念です。 余談ですが、ソールが持っていたロマノフのイースターエッグ、色違いのを持ってます。  

 ダイアナ、白華れみ。ベネディクトたちをひっかきまわすパワーがすごい。 テスにポジションを奪われそうであせっているけれど、ラスベガスのショースターのオーラは感じます。 イルージョンまで披露して、大活躍。

 何気においしかったのが、ベネディクトのボディガード。SP風のツインタワーも格好良かったけれど、汐月しゅう君が最高です。 頭空っぽな超肉体派が、出てくるたびに笑える。神崎もよかったけど、この役も美味しいです。

 友会貸切公演だったので、終演後のあいさつがありました。 パレードのおじぎで張り切りすぎた礼音くんが、最後羽根がひっかかって変になって、困った顔してるのが可愛かった。 エマさんに直してもらって、きちんとあいさつできました。 イルージョンの薔薇の封印マントも、ポールに引っかかって降りられなくなってたけど、衣装さばきは大変そうです。