Aパターン、主な役替わりメンバーは以下の通り。
ティボルト・愛月ひかる ベンヴォーリオ・瀬央ゆりあ 死・天華えま パリス・綺城ひか理 マーキューシオ・極美慎 愛ちゃんの死がインパクト強すぎたBパターン、死が支配する街ヴェローナって副題つけてもいいんじゃないかってレベルだった。 Aパターンは順当なキャスティングでそれほど意外性はないんじゃないかと思ってたけれど、こっちも良かった。 天華の死は歴代の死とはタイプが違った。 死と言えば真風系の威圧感のある男っぽいイメージで、愛ちゃんはその究極バージョンだったけど、天華はもっと自然と言うか、ふと気がつくとそこにいる感じ。 不敵な笑みばかりじゃなくて、普通に楽しそうだったり、表情が自然。 ぐいぐい人間たちの世界に入り込んでくるわけじゃなくて、愛と同等に成り行きを見守ってるようでもあり、人間の影のようでもあり。 ちゃんと存在感はあるし色気もあるんだけど、過剰じゃなくて、そっと存在してる感じがかえって不気味。 ロミジュリとしてはこのくらいがちょうどいいのかもしれないと思ったりもした。 (でも愛ちゃんの死はやっぱり好き) その愛ちゃんのティボルト。 あの死からのティボルトだし、もっと言えばラスプーチンやプガチョフからのティボルトだから、 ドロドロに濃くてギラギラしてて大人の色香ぷんぷんのティボルトを想像してたら、若くてさわやかな好青年で逆に驚きました。 いや、十分に濃くて色気だだ漏れなんだけど、「キャピュレットの貴公子」って揶揄されるのがただの嫌味じゃないくらいには好青年。 瀬央ティボルトは見てて痛かったし、ジュリエットを愛するというより崇拝してるレベルだったけど、 愛月ティボルトは変にこじらせてないし、ジュリエットもお兄ちゃんとして慕ってる。 とことん濃い役を演じつくした愛ちゃんだからできる技ですね。 そういえば、最初バルコニーにバラを投げ返すところ、届かずに落ちてた。 今まで何度も見たけど、届かなかったのってはじめて。 そんなところも完璧じゃない感が出てて、良かったかも。 正直あまり期待してなかった極美マーキューシオが、予想に反してとても良かった。 天華もそうだし、これまでのマーキューシオってイキった切れキャラが多かったけど、極美はとても自然体。 髪こそピンクで気合入りまくってるけど、あまり考えなしに調子に乗ってるだけの男の子って感じでかわいい。 同期2人の中に入って浮いてしまうこともなく、ちゃんと3人組に見えるのが大したものです。 ロミオのほっぺをムギュってしたりね。 ロミオとベンヴォーリオが大好きで、皆でつるんでるのが楽しかっただけなのに、はずみで死んでしまった。 それでも大好きなロミオの腕の中で、責めることもせず笑ってて、そのギャップがかえって悲しい。 愛されキャラのマーキューシオ、かわいかったです。 ティボルトとマーキューシオはギラギラしてるイメージだったけど、よく考えたら2人ともいいとこのお坊ちゃん。 こういう普通の青年っぽいのがむしろいいかもしれない。 瀬央のベンヴォーリオは、琴ロミオと本当に仲が良さそう。 ロミオの前に滑り込みダイブするところとか、そう来たかって感じ。 最初の方は3人してふざけまくってて、誰か1人突出して目立つわけじゃなくて、すごくバランスが取れてる。 皆でつるんでるのが楽しいって感覚があふれ出てました。 そんな仲良しだったから、どうやって伝えようが胸に痛い。 瀬央の演技は、あの目力と相まっていつも胸が痛くなります。 パリスの綺城。 こちらもあまり期待してなかったのだけど、そこまで奇をてらってなくて良かった。 確かに自己陶酔してるけど、そんなに嫌味なわけでもないし、何より見た目が紳士的。 政略結婚だとしても、そこまで悪い話じゃないと思う。 ジュリエットは、以前にも増してしっかり者になってました。 バルコニーで乳母の呼びかけに答えるときなんて、けっこう太い声で返事してるし。 舞空ジュリエットは自分の意思で生きてて、ロミオの方が運命にもてあそばれてる感じがする。 個人的にはジュリエットはもうちょっとかわいくてもいいんだけど。 乳母はモンタギューの若者たちに取り巻かれて、まんざらでもない様子。 ベンヴォーリオはむしろ紳士的なくらいで、そりゃああれだけのイケメンに囲まれたら嬉しいよね。 ロミオにバラの花を渡されたときも、すごくはしゃいでてかわいかった。 ロミオ、あれは罪だわ。 Aパターンはとてもバランスの取れたロミジュリで、作り込みすぎて突出する人もいないし、かと言ってキャラが弱くてイマイチって人もいない。 Bパターン最強と思ってたけど、Aもすごく良かったです。 フィナーレの愛ちゃんは、死メイクじゃなくなって格好良さ倍増。 銀橋の歌がセオじゃなくなったから、本当にワンマンショーのようでした。 |