「チュシンの星が輝く夜に生まれた王子が、真のチュシンの王になる。そして、それは現国王の弟の息子、タムドクである。」 高句麗で長らく待ち望まれていたチュシンの王の誕生について、天地神堂の巫女の神託が下った。 余命いくばくもない国王は、弟に王座を譲り、ゆくゆくはタムドクに王座を譲ることを言い残して崩御した。 一方、王の妹にも同じくチュシンの星が輝く夜に生まれた息子、ヨン・ホゲがいた。 ホゲの両親や、陰謀をたくらむ火天会の最長老プルキルは、どんな手を使ってでも、ホゲをチュシンの王にしようと画策していた。 チュシンの王になるためには、4つの神器を集める必要がある。プルキルは、朱雀の神器を持つ巫女キハを幼少のころ誘拐して、操っていた。 タムドクとキハは恋に落ち、ホゲもキハに想いを寄せる。周りの陰謀に翻弄され、仲の良かったタムドクとホゲは、敵対していく。 大筋は花組バージョンと同じなのですが、最初の神話の部分がばっさりカットされていました。 挿話としては出てくるけれど、あくまで昔の神話としてなので、花組のように輪廻とか運命を感じることはなくて、人間味が強くなっていました。 タムドクがチュシンの王だと神託が下りるシーンとか、5部族のシーンが増えていて、ストーリーも分かりやすくなりました。 タムドクの柚希礼音。まっすぐな瞳と純粋な心を持ったタムドクは、礼音くんにぴったり。 ホゲと塀の上で語らうところは、本当に仲がよさそう。どうしてこの2人が敵対しなくちゃいけないのか、歌の通りにどちらが国王になってもよかったのにって思います。 真飛タムドクほど大人でない感じで、そのぶんキハが心の支えとして絶対必要で、最後神器や王座よりキハを選ぶのが当然の流れにみえます。 キハと結ばれた後の幸せそうな表情とか、キハに裏切られたと思って玉座に倒れこむところなんて、恋する青年そのもの。 ヨン・ホゲ、凰稀かなめ。祐飛くんのホゲも当たり役だと思ったけれど、かなめちゃんのホゲもまた違った味わいで、格好いい。 タムドク同様やっぱり大人になりきっていなくて、プルキルや両親の陰謀に巻き込まれていくのが痛々しいくらい。 生まれも育ちもよくて、武術に長けて、ルックスも申し分なし。 何ひとつ不自由なく生きてきたのだろうから、王座もキハもタムドクにとられてしまうなんて、想像もできなったんだろうなぁ。 盾の群舞シーンが、最高に格好いい。格好よければ格好いいほど、虚勢をはっている感じがして、やっぱり痛々しい。 雪組時代のかなめちゃんは、ビジュアル系のクールな優男タイプだと思っていたけれど、印象変わりました。 キハ、夢咲ねね。どこか影がある大人っぽい感じで、何より華がある。 タムドクがチュシンの王よりキハを選んで、ホゲが自分の人生を狂わせてしまうくらいなのだから、やっぱりいい女じゃないと。 この主演3人は、並びもきれいだし、今後が楽しみ。 プルキル、涼紫央。幕開けそうそう、プルキルの悪だくみで始まって、迫力の存在感。 すずみんの悪役ってあまり記憶にないのだけど、似合ってる。 神話部分がカットされていたから、分かりやすく諸悪の根源でした。 コ将軍の彩海早矢。副官をやらせたら、こんなに渋くて格好いい人はいないでしょうね。 親衛隊長、蒼乃夕妃。花組バージョンではほとんど印象にないのだけれど、ハキハキしていて目立ってました。 ショーの「らっしゃい♪」(青龍)は、熱くて元気で、わたるくんのDNAを受け継いだ星組パワーを感じました。 男役の群舞がとにかく格好良くて、短いけれど楽しいショーでした。 |