太陽王と異名を持つフランスの国王ルイ14世だが、若いころは母アンヌと枢機卿マザランに実権を握られていた。
ルイはマザランの姪マリーと恋に落ちるが、国王に自由な恋愛は認められず、2人は引き離されてしまう。
失意のルイを慰めるモンテスパン夫人との関係も、やがて終わりを迎える。
国王ゆえの孤独と戦いながらも、枢機卿の死後名実ともに実権を握ったルイは、最後にマントノン夫人との出会いで心のよりどころを得る。
ルイ14世、柚希礼音。 とにかく格好いい。文句なしの格好よさ。 これでもかと言うくらい踊ってくれるし、歌も聞かせてくれるし、衣装はゴージャスだし。 4人の女性と関わるのだけど女ったらしというのではなくて、心のよりどころが欲しかったんだっていうのがよく分かるし、でもヘタレでもない。 安定の存在感です。 ルイの弟ムッシュー、紅ゆずる。 道化師のような派手な服装に、軽口三昧のお調子者。 芝居で道化を演じてるのかと思いきや、本気で王座に興味はなく、お兄ちゃん大好きっ子。 モンテスパン夫人を送り込む画策をするくらいだから本当のバカじゃなさそうだけど、あの軽いお調子者っぷりはベニー以外には考えられない。 暗いシーンの後でも、ベニーが出てくるとパッと盛り上がります。 マリー、綺咲愛里。 つつましやかでしっかりした女性。 ルイの方が精神的に頼りきっていたようだけど、見た目は男心をくすぐる華奢で守ってあげたい感じというか、なるほどねねちゃんではなかった。 最後身を引くところまで、いじらしかった。 モンテスパン夫人、壱城あずさ。 妖艶な大人のオンナ感が出ていて、つけぼくろも色っぽかった。 ルイとの関係も賢く立ち回って泥沼化しそうもないタイプに見えるのに、モンテスパン夫人自身もそう思っていたのに、まさかの自分のほうが本気になってしまったパターン。 黒魔術にまで手を出して、見ていて切なくなりました。 王妃マリー・テレーズ、優香りこ。 王妃なんて誰もがそんなものだろうけれど、政略結婚の末の愛のない生活に悩み苦しむ。 控えめで影の薄い女性だし、恋愛感情もないけれど、それでも唯一の正式な妻として尊重しているって、ルイの男の身勝手だね。 かわいそうだけど、王妃の宿命。 マントノン夫人、妃海風。 苦労の多い人生だったけれど、それをすべて飲み込んで他人にやさしくできる、素晴らしく人間的にできた女性。 王妃の寝室で語るシーンは、見せ場です。 風ちゃん、こんなに芝居うまかったんだ。 これと言った押し出しの強さは何もないのに、ルイが追いかけてでも妻に迎えたいと言うのが分かる。 女性陣みんな芝居上手で、4者4様の性格がすごくよく分かりました。 枢機卿マザラン、十輝いりす。 政治的な実権を握ってはいるけれど、純粋に国のためだけを思ってるという堅物。 国王の親戚になってさらなる権力を手に入れるつもりもなければ、皇太后とよろしくするつもりもない堅物っぷりが、十輝くんならでは。 ボーフォール公、真風涼帆。 王族でありながら民衆の先頭に立っているという意味で大事な役だったのだろうけど、なんかピンと来なかった。 鉄仮面の正体だってくらいで、あとは・・・格好はいいんだけど、歌もよく聞き取れなかったし。 すごかったのは黒ミサ。 夏樹れい君もすごい存在感だったけど、周りも妖しくてぞっとするナンバーでした。 フロンドの乱はじめアンサンブルも見ごたえあるし、歌って踊ってすごかった。 |