星組
天使のはしご


2012年3月8日
於・日本青年館



 イギリスの田舎町に住むベネット家。 娘には相続権がないため、父親のベネット氏が死んだら、財産はすべて遠縁のコリンズ牧師に渡ってしまう。 それまでに何とか5人の娘たちに良縁をと夫人が望んでいたところ、近所に資産家の青年ビングリーが引っ越してきた。 舞踏会でビングリーと長女ジェーンはいい雰囲気になるが、次女のリジーはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を持つ。 リジーが心惹かれたのは士官のウィカムだったが、ダーシーとウィカムは過去に因縁を持っていた。
 ビングリーとジェーンの仲を引き裂いたり、中流階級の人間を見下げる発言をするダーシーに、ますます嫌悪感をつのらせるリジー。 だが、意外にも召使いたちの評判は非常によかった。 そんな中、ウィカムが末妹リディアと駆け落ちしたという知らせが入る。 リジーはダーシーから、堕落した生活を送っていたウィカムが、財産目的でベネット家の娘に近づいたのだと教えられる。 頑なな態度に誤解を招きやすいダーシーだったが、リジーに本心と真実をしたためた手紙を送ったことにより、誤解が解ける。

 登場人物が多くて、どんどん話が進んでいくので、初めはついて行くのに精一杯。 同時進行で4人の恋話が進行していくし、もうてんやわんやです。

 ダーシー、涼紫央。 高慢で感じの悪い男。本当はいい人だとか言われても、あんな態度を取り続ける男はいい人とは言わない。 まったく興味なし。 肖像画がしめさんに似てるな〜と思いました。

 リジー、音波みのり。 はっきりと物を言う、知的な女性で好感持てます。 誤解が解けたとして、いきなりそれが好意に変わる?ダーシーの何が良かったのか分からないけれど、ある意味似た者同士なんだろうか?

 ウィカム、夢乃聖夏。 男役の色香だだ漏れ。どんなワルでも、こんな男に騙されるなら、女は幸せかもしれないって思います。 リディアもすごく幸せそうで、うらやましいくらい。 堕落してるとか言っても士官だし、そしてその制服姿が似合ってる。
 ブラックなウィカムの周りで踊る黒い影たちが、また格好いいんです。 女をたぶらかしてニヤリとした表情のともみんもいいし、ダンサーもいい。

 ビングリー、美弥るりか。 誠実で人の良さそうな恋する青年。周りに翻弄されたけど、ハッピーエンドおめでとう。

 コリンズ牧師、天寿光希。 お笑い担当の濃いキャラ。出てくるたびに何かやってくれる。 ここまでベタでやってくれたら、なんにも文句ないです。

 ベネット夫人、英真なおき。 同じくお笑い担当だけど、憎めない。 いいキャラです。

 シャーロット、音花ゆり。 婚期を逃すくらいなら、ちょっと変だけど財産のあるコリンズ牧師と結婚するという割り切り方が潔い。 財産目的だけのしたたかな女には見えないところが、さすがです。

 5姉妹の長女ジェーン、華雅りりか。町随一の美人とは思わなかったな。割と普通。
 末娘リディア、綺咲愛里。天真爛漫で、ウィカムの甘い言葉に騙されていることにも、最後まで気がついてない感じ。 本人は全然意識してないけれど、その明るくて可愛い性格がウィカムを更生させるのだから、たいしたものです。

 フィナーレのナンバー、群舞の男役がめちゃくちゃ格好よくて、これぞ宝塚、これぞ星組! ともみんとみやるりは星組ッ子のイメージが強いので、異動はちょっと残念ですが、異動しても応援するからね〜