星組
夜明けの光芒


2024年6月16日
於・ブリリアホール



「夜明けの光芒」
ディケンズの大いなる遺産。
両親を亡くし、姉夫婦の世話になりながら鍛冶屋で修業をする少年ピップ。 憧れのお嬢さんに釣り合う男になるため、ロンドンに出て紳士になることを夢見ていた。 成人したピップは、匿名の資産家の相続人に指名されたと弁護士から知らせを受け、ロンドンに出て紳士としての生活を始める。

ピップ、暁千星。 田舎の鍛冶職人が紳士の扮装で現れたとき、全然野暮ったくなくて、既に非のうちようもない紳士なのは宝塚あるある。 ピップが欲しかったのはエステラの愛だけなのか、社交界での名声なのか分からないけど(きっと両方)、仕事もせずにあんなに散財してたらいつかは行き詰るって誰か教えてあげて。 ピップがそんなに野望に満ちてるように見えなくて、最後まで純朴な心を持ち続けてるのは、ありちゃんの持ち味なのだろうな。

ピップの内面の影、天飛華音。 心象を表現するダンスナンバーが格好良くて好きだった。 エステラにプロポーズする社交界の中心人物も演じてるけど、影とオーバーラップすることが多くてちょっとややこしい。 華音くんはパワフルで現実的な役が似合うので、こういう幻想的な色悪はあまり得意じゃない気がする。 大人の階段を上ってほしいです。

憧れの女性エステラ、瑠璃夏花が華やかで美しかった。
出番の多かった子役2人。 子ピップの藍羽ひよりちゃんは女の子に見えがちなのを除いて好演してたし、子エステラの乙華菜乃ちゃんは大人エステラの高慢で美しい感じのままの少女だった。

稀惺かずとはピップの親友役。 爽やかな御曹司感はとても似合いだけど、そろそろ男っぽい役も。

星組が誇るイケオジ、イケ兄3人そろい踏み。 みきちぐさんがやさしくて、本当にいい人。 朝水りょうの兄貴はちょっとひと癖ある弁護士で、輝咲の玲央さんは存在感スゴイ。 イケオジ、イケ兄好きです。

2幕からは怒涛のサスペンス劇場でした。 ちょっと上手くまとめすぎとも思うけど、クセのないありちゃんが主人公なので違和感なく見れました。