アンドロメディア

 

 

まだ見ていない人

スピードは好きなんですよ。シングル数枚買ってるし。その彼女らが出る上に、お話がバーチャルキャラクターネタであれば、見たくもなるってもんじゃないですか。

封切り第1週目に川崎に見に行って、時間ぎりぎりに映画館に着いたら、目の前で「満席」という札が出されてしまって、この時は見るのをやめ(にもかかわらず、券を買って入る中高生らしい人たち数人)、翌週横浜に見に行ったのですが、この時はガラガラでした。そして、この週の「王様のブランチ」の映画トップ10には「アンドロメディア」は入ってもいませんでしたが、映画を見たら、ムリもないと思いました。

話がわかりにくいです。良く解釈すれば、監督が観客に想像させようという意図があったのかもしれないけど、それにしても説明不足過ぎる。悪役の方のやろうとしてることもさっぱり分からん。唐渡亮(この人見ると、今だに「淀橋」って言いたくなるなぁ)も何考えてるか分からないし。コンピューターに関するイメージも古臭くて70年代って感じ。

スピードの4人はとてもいいし、CGのクオリティも日本映画にしては悪くない(モノがモノだけに、DK−96を思い出してしまいました…そういや今どうしてんだろう)。原作とは全く方向性の違う話にしているので、やり方によっては面白くなったろうに、シナリオと演出がそれをぶち壊してます。コンピューターのことを良く知らないおじさん達が、よく理解しないままに、こんなもんだろうと思って作った映画、という感じです。特にラストは某大ヒット映画と全く一緒のパターン!パンフ買う気も無くした(料金700円はボッたくりだ!)。

スピードが撮影中に話についていけなかったという噂を又聞きしましたが、本当なんですかね?ま、本当だとしてムリないと思うけど

 

 

すでに見た人

原作は読んだことが無くて、映画がひどかったので、原作も同じくらいひどいのかと思って読んでみたのですが、原作と映画は、バーチャルキャラクターが出ることとキャラクターの名前が同じであること以外は全く別物でしたね。原作はホラーで、映画は感動モノという感じです。原作の方は、さすがに渡辺氏だけあって、コンピューター関連の描写は納得いくものでした。ただし、中盤の、コードや基盤がユウを襲う描写は、それまでリアルだったものが、いきなりファンタジーになってしまった感じで興ざめしてしまいましたけど。

映画がホラーでなく、感動モノになっているのは、スピードのイメージを悪いものにしたくないプロダクションサイドの要請じゃないかとも思います。話さえ面白ければそれはそれでよかったんですけど。

予告では「増殖」や「コピー」という言葉が出てきたのに、映画ではそんなシーンは全くありませんでした。予告編を作った人が原作のイメージで作ったせいではないかと思いますが、それにしても、映画でこの辺の設定を生かしてれば、もう少し面白くなったかもしれないのに。

冒頭の舞とユウのキスシーンはいい雰囲気だったと思います。この映画で数少ない、まともな描写でした。ま、こういうシーンだったらコンピューターも関連してなくて、誰でも(作ったおじさん達にも)分かるから作りやすいんだろうなあ。

ユウと上原多香子(役名忘れた)の間にも何か関係があったみたいだけど、よく分かんなかったです。多香子ちゃんは、ユウのことを思っていて舞のことを妬んでいたんだろーか?アイを敵に売ったくせに、その後に人質になるとあっさり「私はどうなってもいいから」と言うし。この心変わりは何なんだ?

島袋寛子演じる舞がトラックにひかれ(舞がひかれた瞬間に、彼女の体がトラックにひき込まれるカットはリアルで、交通事故死した知り合いがいる人にはつらい描写かも)、その後でトラックが止まり、竹中直人らしい足が下りてきて歩く描写があって、舞は殺されたということを匂わせていますが、この足のカットが何のために出てくるのかさっぱり分かりません。後で事故死ということになってる舞の死亡原因が殺人だったということが判明して、ドラマに何らかの流れが出るのかと思っていたら、全然そういうことはなくて、じゃあ、あの足のカットは何のために出したの?と思ってしまいました。これでは出す必要も無いだろうに。

優の学校に、かって唐渡亮(役名忘れた)が作ったというコンピュータールームが出てきます。だいぶ前に作った部屋という設定だから、古いのは当たり前なんだろうけど、それにしてもこの、大掛かりなパイプや基盤をおどろおどろしく組み合わせたデザインは、70年代に作られたコンピューター物のような、古臭いイメージに感じました。こういうデザインは映画やコミックでもよく見かけたイメージだから、今更って感じでした。もっとすっきりとした方が今っぽい感じになったと思います。

クライマックスでは、なぜかここの部屋のパイプや基盤類が動き出し、唐渡亮を取り込んで十字架みたいにはりつけにしてしまうんですが、このシーンの意味がさっぱり分かりませんでした(まさか妹を売ったしょく罪のつもりってんじゃあるまいな)。パイプや基盤類が動き出すのも、バーチャル世界ならまあ分かるけど、唐渡亮がいるのは現実世界なんで、なぜそんな現象が起こるのかわけわからん。

クリストファー・ドイルの悪役は、軽すぎて親玉っぽい感じがしませんでした。ラストで彼の後がまになった椎名桔平の方がまだ貫禄が感じられます。それに、クリストファー・ドイルがバーチャルキャラクターのアイを狙う理由が、バーチャルキャラクターになれば永遠の命が得られるというような、よく分からない理由でしたが、だいたい、バーチャルキャラクターになったところで、現実世界の方の自分はいつかは確実に死ぬのだから、永遠の命を得たことにならないだろうに(この辺は、原作を読めば想像つくと思うんだけどなあ)。

ダパンプが出てくるシーンでは車のエアコンが故障して、彼らが氷漬けになったり、黒焦げになったりとかいうカットがギャグのつもりで出てきますが、笑えませんでした。で、こいつら車が炎上して助かった後に、いきなり踊り出すし(主役のスピードのライブのシーンは無いのに、なぜかダパンプはあるんだよなあ)。シリアスな話に、唐突に間の悪いギャグやライブシーンを入れられても中途半端です。

クライマックスで、竹中直人が記憶を転写しようとする(あそこはそういうシーンだと解釈したのだが)マシンは、すげー大掛かりな、おどろおどろしく、いかにもな感じで笑ってしまいました。CGはいいけど。

いかにもといえば、中盤でノートパソコンを持ったユウ達が海岸にいると、サングラスに黒スーツ姿の外人4人がユウに迫るシーンがありましたが、これも笑わせてもらいました。あんなんじゃ、いかにも俺達はワルだって言ってるようなもんです。まさか製作者達は、ここまでしないとメインの観客層であろう中高生に分からないと思ってこんな描写にしたのか?と疑いたくなります。

ラスト、バーチャルキャラであるアイが自分を殺して、とユウに言い、ユウがその通りにする…って、どこかで聞いたシチュエーションだと思いません?機械が「自分が生きてるとためにならないから殺してくれ」と…これって「ターミネーター2」のラストですね。元々、ラストが暗い映画は嫌いなのですが、その上パクリだってんだから、救いようがないラストでした。

TBSで深夜に「アンドロメディア」のスペシャル番組やってましたね。映画を見る前に見たんで余計にワケがわからない話だったけど。しかし、ドラマの中の仁絵ちゃんの扱いって異様に小さくてかわいそう。

 


 

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