まだ見ていない人

同じ隕石衝突ネタとして、「ディープ・インパクト」と比べられてしまうのはしょうがないでしょう。しかし、地球上でのシーンに重きを置いたために、破滅を待っているような暗い感じになってしまった「ディープ・インパクト」に比べると、「アルマゲドン」は破滅に立ち向かうイケイケ的な話になっているのがいい所です。また、アメリカ国内だけでなく、ヨーロッパやアジアのシーンが出てくる点も「ディープ・インパクト」よりスケール感を感じさせます。
SFXカットの量も「アルマゲドン」の方が「ディープ・インパクト」より多い印象があります。特にニューヨーク、上海、パリの崩壊シーンは凄まじい迫力がありました。各都市の崩壊の過程も、NYは数十個の小さい隕石で徐々に各個撃破的に崩壊していき、パリは1発の大隕石で消滅し、上海はその中間、とおのおのの都市で違えているのがうまい点でした。中でもパリ消滅のシーンは時間も短いし、カメラも固定でしたが、一番迫力を感じました(アニメ版「ジャイアント・ロボ」の第1話に出てきたパリ崩壊シーンも同じようなアングルだったかも)。SFXを見ると「メテオ」時代からの進歩を感じます。
スペースシャトルのテイクオフのシーンは、実際の打ち上げを撮って合成して加工したそうですが、このくだりも迫力でした。シャトルが1機だけではなく、2機というのがまたかっこ良く見えるポイントでしょう。2機のシャトルが高速で飛んでいくシーンも戦闘機を思わせるかっこいいイメージです。実際のスペースシャトルのスピードはすごく速いはずなので、あんな感じに見えると思います。
隕石地表のデザインも、セット然と見えた「ディープ・インパクト」に比べると、地獄っぽいイメージが強くて、それっぽく見えました。


NASAの長官を演じた、ビリー・ボブ・ソートンは初めて見たのですが、いい味出していて存在感がありました。
ブルース・ウィリスが部下に任務を説明した後、部下たちがみんな宇宙に行くことに同意しますが、ここでスティーブン・ブシェミが言った、「連れてってくれ」と字幕では訳されていたセリフが、本当は「スター・トレック」に引っかけて、「Beam me up Scotty!」=「転送してくれ」と言ってたのに、ニュアンスが訳されなかったのは残念な感じがしました。もちろん、日本ではアメリカほどSTが一般的でないから、ここで「転送してくれ」という字幕にすると、「転送」の説明が必要になることは分かるんですが。


最終的に世界の命運は2機のスペースシャトルだけに託されることになるのですが、これが本当の話なら、ロシアなど、スペースシャトルを持っているであろう他の国もシャトルを打ち上げて、隕石に穴を開けようとするのではないでしょうか。アメリカはすでにシャトルを持っているから飛ばせたのでしょうが、映画に出た2機以外にもスペースシャトルはあるはず(冒頭で1機失ったけど)なのだから、他のシャトルも使えばいいのに、と思いました。隕石に開ける穴が二つだけ(当初のプランでは)というのも、もっといっぱい穴を開けて核を埋めた方が効果がありそうな感じがします。
アメリカは隕石発見後、かん口令を敷きましたが、いづれ外国のアマチュア天文学者がアメリカの発表より早く見付けてしまっただろうと思います。


メイキングビデオに入ってる、エアロスミスの主題歌「I don't want to miss a thing」のプロモビデオは一見の価値があります。NASAでのシャトル打ち上げをエアロスミスが歌って盛り上げる、という感じの構成ですが、本編のフィルムと彼らを上手く合成&編集しています。
予告編は感動的でした。特に「I don't want to miss a thing」の歌が流れてくるとウルウルしてしまいます。「集結せよ」というコピーの出るタイミングも効いてました。

 

 

すでに見た人

隕石に取り付いた後、離れていたA.J.がブルース・ウィリスの元にマシンを持って来たり、最後にB・ウィリスが残ったりといった展開は読めます。
宇宙に行った全員が死なないで帰ってくる明るさは「ディープ・インパクト」と違う、好感の持てるところでした。映画はやっぱハッピーエンドが良いです。でももしかしたら、当初の話では全員死ぬはずが、「ディープ・インパクト」で宇宙飛行士を殉職させたので、同じパターンは避けようと思ってああいう展開になったのかも。

B.ウィリスが核爆発のボタンを押すのを手間取ってしまっている時に、ビリー・ボブ・ソートンが「早く押せ」と言っていたカットでは、そんなにB.ウィリスを殺したいのか?と思ってしまいました。
ロシアの宇宙ステーションが爆発していくくだりは、時間稼ぎのような余計な感じがしました。
ウィル・パットンの別れた妻が復縁してくるところは、感動的なシーンなのですが、彼が有名になったから彼女が戻ってきた、という感じにもとれました。

 

 


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