アンツ

 

キャラの顔が今一つ気に入らなかったので期待していませんでした。CGネタでなかったら見ていなかったかもしれません。でも見てみたら、予想以上に面白い作品でした。宣伝もあまり浸透してないようなので、すぐ終わってしまうのも無理ないと思いますが、残念です。
ディズニーのようなセル(今はデジタルですが)アニメで、有名な役者が声を担当しているキャラの表情が、その役者に似せて描かれる、ということがありますが、「アンツ」でもキャラの表情は、役者が声を演じた時の表情を参考にして作られたのだろうと思えます。表情の描写は細かく、各々のキャラに見せ場があるので、見ると気に入ってきます。
声の主演はウディ・アレンですが、飛んだり走り回ったり、と実写ではまずやらないであろう演技を彼がしていると思うと、笑えます。アドベンチャーの話なんて、彼の映画ではまずやらないだろうから、結構楽しんで演じてたのではないかと想像します。
ジーン・ハックマンの声の演技はカリスマ性を感じさせ、役そのものと思わせてくれます。初めは冷たい感じのクリストファー・ウォーケンのキャラはおいしい役です。シルベスター・スタローンのキャラなんか、モロに「ランボー」を思わせるようなシーンがあって、この役もそのものという感じでした。ただ、シャロン・ストーンが声を演じたヒロインは、世間知らずな女の子がタフになっていく、というアメリカのアニメではよくあるパターンだと思いました。
アリたちの群れるシーンは凄い迫力でした。群れて球体になっていくシーンや、天井に上がっていくシーン(伏線にしているのはうまい展開)など、さすがPDI自慢の群体作成用ソフトを使っただけのことはあります。
インセクトピアを探す話ということは知っていましたが、結局インセクトピアなんてない、という展開になるのかと予想していました。しかし、インセクトピアをああいう場所にするとは思いつきませんでしたが、確かに虫たちにとってはあの場所はインセクトピアでしょう。
しかし、なぜ主人公一匹だけが他のアリと違い、「みんな同じ事をして面白いのか?」という考え方をするようになったのでしょうか? ウディ・アレンがアリに生まれ変わったのかな?

 

 


 

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