製作でジョン・ウーが関わっていて、監督がカーク・ウォン(彼の監督作である「新ポリス・ストーリー」は全然覚えてないのですが)ということで、やはりガンアクションや格闘アクションに香港を感じます。主人公が階段の手すりを転がりながら銃を撃つ、なんて以前のハリウッドのアクション映画には無かったでしょう。香港テイストが入ったことで、よりハリウッドのアクションがグレードアップしたと感じます。
ただ逆に言えば、今までアクション面でピカイチだった香港映画(スタントに要求される危険度がハリウッドより高いということもあるだろうけど)のお株がハリウッドに持っていかれて、それがいずれ普遍的になっていき、香港映画の独自性が薄れていってしまうような危惧も感じます。
アクションは香港ですが、ビルの爆破シーンでは合成を使っていたりして、ハリウッドの特撮技術もうまく組み合わせています。合成はモロに分かってしまいましたけど。
主人公メルが誘拐してしまったケイコの世話を押し付けられ、それがちょうど彼の婚約者の両親が来ているときで、彼らがケイコを見つけないように主人公が立ち回るシーンも、香港のコメディ映画で見たようなパターンでした。笑えたからいいんだけど。
主人公が押し付けられることになるヒロイン、チャイナ・チャウはケイコという日本人の女子高生役ですが、アメリカナイズされすぎて、日本人という設定には無理を感じました。彼女の話す言葉は全部英語で、唯一しゃべった日本語は「やめて」だけだったようだし。
とはいえ、チャイナ・チャウはとても魅力的な女のコではありました。制服のミニスカが妙にセクシーで、主人公が彼女と一緒にトイレに入って、下着を降ろしてあげるシーンはそそられるシーンでした。キスシーンも、このキスの仕方は西洋人にしかできんだろう、と思うほどセクシーで、とても日本のコギャル役とは思えません。
ケイコの父親である、ニシが映画を作ったために破産してしまう、というのは皮肉なのかただのギャグなのか、笑える設定でした。彼がふんどし締めてハラキリやろうとするシーンはギャグのつもりなんでしょうねえ、たぶん。このシーンは「奇妙な果実」に出るだろうなあ。
4人組の殺し屋たちのキャラが個性的なのがいいです。主人公メルは人がいい故に女や友達に利用されっぱなしだけども、追われてる時にちゃんとビデオ(しかも「キングコング2」!)を返しに行く律義さが面白いです。彼に敵対することになるルー・ダイヤモンド・フィリップスも主人公を利用しまくる調子のいい感じがうまく出ています。女よりもマ○ー○ー○ョンが好きという黒人クランチなんて、こんなシュミの殺し屋今までいたか?と思います。ただ、ビンスだけが印象に残りませんでしたが、メインの誘拐話に絡まなかったからでしょうか。
日本ではあまりヒットはしてないようですが(宣伝が悪いのか?)、アクションは迫力あるし、笑えるシーンもいっぱいあるし、気軽に楽しむには最高の作品でしょう。