ＣＵＢＥ

まだ見ていない人

閉ざされたＣＵＢＥからどう脱出していくか？というアイデアは秀逸です。こんなシュールな設定を考えつく人はそういないでしょう。低予算でいかに頭を絞って面白い作品を作るかという、これこそが「才能」だと思います。

しょっぱなからＣＵＢＥの中で始まり、観客（キャラクターも）が「何だこれは？」と思っているうちにトラップを見せ、引き込む展開もさすがな力わざです。

ＣＵＢＥの中という設定に加えて、トラップに捕まるサスペンスと、脱出のための推理とアイデア、そしてキャラクターどうしの葛藤をうまく並べて飽きさせません。

登場人物がＣＵＢＥにいた理由とか、黒幕の目的は明らかにされませんが、ここはそれで良かったと思います。彼らが推理する、ＣＵＢＥの作られた理由とかが、いつまでも終わらない公共事業を批判するような意味ありげなセリフですが、そういう主張ぽい部分をストーリーでは強調せずに、あくまで脱出に焦点を絞っているので良いテンポが持続したのでしょう。

細い針金の格子など、トラップは目に見えて分かるものではないので、別の部屋に入っていく時は見ていて常に緊張して、「来る来る」と目を背けたシーンもあります。罠のアイデアもグロくて怖いです。

セットが１つのせいで、同じような背景が多くなりがちなのですが、カメラを動かしたり、カット割りを早くしたりして画面を飽きないように見せています。

監督によれば、セットが単調になりがちなので、ＣＵＢＥの模様には気を使ったそうですが、独創的なシュールさが感じられる面白いデザインでした。暗号解読の概念は、数学はダメなせいかよく理解できませんでしたが、いかにもそれらしく思えて上手いと感じます。

場所がＣＵＢＥオンリーで展開するせいか、プレステの「Ｉ．Ｑ」で走っている人間を連想しました。発想には関係はないでしょうが、「ＸＩ」も思わせます。

ロングショットやトラップのシーンではＣＧを使っているらしいのですが、照明とかでうまく質感をごまかしてるのか、違和感は受けませんでした。アクションで、ここはＣＧを使っているとしか想像できません。

パンフは８００円と高いのですが、絵コンテが載ってたので買ってしまいました。未使用のトラップが載っているのはいいのですが、ＣＧカットの作り方を知りたかったので、プロダクションノートを入れてほしかったです。

この作品はカナダ政府の補助を受けて作ったそうですが、こういうシステムってうらやましいです。日本の官僚はやろうとも思わんだろうけど（黒澤明に、死んでから国民栄誉賞与えるような国だもんなあ）。

すでに見た人

外に出て行けたのは結局一人だけでしたが、女の子も殺さないで行かせてほしかったです。子供を殺したことで少し後味の悪さを感じました。

ラストカットはホワイトアウトさせて、外の景色を見せないのは良かったです。外を見せたら「吸血鬼ゴケミドロ」と同じパターンという感じも受けたかもしれないし。

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裏町の聖者

キャラクターの人間関係が分かりにくいです。出てきた時に、この人は何だろう？と思ってしまうキャラがいました。また、外見や顔が似てて、ぱっと見た時に区別できないキャラもいました。見ているうちにだんだん関係が分かってはきますけど。

キャラの関係が分かりにくい上に、展開がスローなので、話が間延びした感じになって眠気を感じました。終わりはさわやかで良かったのですが。

主人公のトニー・レオンは「いいひと」すぎる感じはしましたけど、いつも通りかっこいいです。クライマックスの手術シーンは主人公の性格が出ていて面白いです。ここは予想がつく展開ではありましたけど。

クレジットには、日本のコミックを元にしたとちゃんと記述されていたのは良心的でした。過去には日本の原作であっても、それを勝手にパクったような映画、例えば「スト２」のパクりとしか思えない「超級覇王」とか、「クライング・フリーマン」を一部パクった「Dragon from Russia」とかありました。これも、今や香港映画も著作権にうるさくなってきたということでしょうか。いいことだとは思います。

恐らくフィルムのつなぎの個所でしょうか？音が途切れる時がありました。後半、全体的に音がブレて聞こえたりしていたのも気になりました。劇場ではフィルムの録音状態が悪いプリントを使用した感じがします。散々使った破棄寸前のようなフィルムでも使ったのでしょうか。

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アベンジャーズ

話の展開のスピードはハイペースでしたが、どうも整理の仕方が悪くてついて行けなかったせいか、途中で寝てしまいました。おかげで余計に話が分からなくなりましたけど。

これを見に行った時は特に体調が悪いというわけでもなかった（本当に面白い映画であれば体調なんて関係なく楽しめるものです）のですが、眠気は最後まで取れませんでした。どんなに眠たくなるアクション映画でも、クライマックスあたりでは目が冴えてくるのですが、近年ここまで退屈した映画というのも珍しいです。

主役のレイフ・ファインズとユマ・サーマン、そして悪役を演じるショーン・コネリーは楽しんで演じている感じはしました。

オープニングタイトルはかっこいいです。それから、クライマックスでレイフ・ファインズとユマ・サーマンが敵の本拠に乗り込んでいく時の、風船のようなものに入って乗り込んでいくシーンも変わった感じで面白いシーンでした。

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ハーフ・ア・チャンス

アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドの久々のコンビが売りの作品です。実は、彼らが全盛の頃は、フランス映画には興味がなかったので、彼らが出ている映画はほとんどまともに見たことなかったのですが、２人とも年齢に似合わず、と言うより、この年齢だからこそ出せる、元気いっぱいオヤジのいい味が出ています。「ルパン三世」を思わせる、どんな状況にも深刻にならない軽めの会話が、彼らに似合っていました。アラン・ドロンがこの作品で引退表明をしたそうですが、まだ現役でがんばれそうで、もったいないです。
内容は主人公たちが偶然にトラブルに巻き込まれる話ですが、この形はジャッキー・チェンの映画でよくあるパターンで、使い古された感じがして感心しませんでした。
監督はパトリシア・ルコントで、この人は「髪結いの亭主」の監督だったと思います。ああいう作品を作った人がアクションものを監督するのは以外でしたが、演出もサマになっていました。
ドロンとベルモンド、どちらかの娘であるはずのヒロインですが、彼女の前歯の間が開いているのが妙に気に障りました。メイクの技術で、元の歯並びが汚くても修正は出来るだろうに、それを残したのは何か意図があったのでしょうか。
ドロンが敵の屋敷に潜入した時に、ちょこまか付きまとう（？）子供がいます。この子供の存在に特に意味はないような感じですが、これがどこかユーモラスで、他のアクション映画と違う感じが出ています。
ドロンとベルモンドの敵になる暗殺者はロシア人ぽいですが、凄腕の感じが出ていました。

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イン＆アウト

ゲイと言われた汚名を晴らそうとじたばたする男の話だと思っていたら、結局ゲイのカミングアウトの話になって、面白くなくなりました。監督のフランク・オズは「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」や「だまされてリビエラ」など、面白いコメディ映画を作っているので期待していたのですが、予告編の方が面白いです。
バーブラ・ストライザンドが好きだとゲイなのでしょうか？この辺のギャグが分かりませんでした。アメリカでは有名なネタなのかな？「イェントル」は何となくゲイ向けのストーリーぽい感じはしますけど（まともに見てはいませんが、筋は知ってます）。
アカデミー賞授賞式のパロディはよく出来てました。ウーピー・ゴールドバーグやグレン・クローズを持ってきたのはいかにもそれっぽいです。「ホモに生まれて（「To Serve and Protect」がなんでこういうタイトルなのか？まあいいけど）」もアホらしくて笑えます。もっとも、本当のアカデミー賞だったらフィルムを流すのは作品賞だけだし、こんなに長くは紹介をやりませんが。

中盤まで、主人公はノーマルだと思っていた（考えてみれば、ゲイと思われる伏線もいくつかあったが）のが、途中でゲイだ、と言うところは意外で面白くはありました。でも映画が面白かったのはその個所までで、後は失速した感じです。
ゲイならばなぜ女性の恋人がいて、彼女にプロポーズし、結婚式までやったのかがよく分かりません。しかも自分からその結婚式ぶち壊すもんなあ。相手の迷惑を考えない、ひでえ男。お母さんは息子が結婚してほしいと思っていたはずなのに、ラストではそれもうやむやになってしまい、主人公がカミングアウトしただけで現実は何も変わらず、問題が何も解決していない感じがしました。
ケビン・クラインのカミングアウトのきっかけになったと思われる、トム・セレックとケビン・クラインのキスシーンはかなり長くて、この人たち実生活でもやってんのかな、と思ってしまいました。ここでケビン・クラインが足をトムの腰にからみつけてしまうとこは伏線でしょうか。

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６デイズ７ナイツ

まだ見ていない人

ハリソン・フォードとアン・ヘッシュ（役名忘れた）の乗った飛行機が孤島に不時着する。一見事故に見えたが、実は無人島で人間狩りを楽しむ一団が巧妙に飛行機を落としたもので、ハリソンとアンは彼らの追撃をかわして脱出しなければならない．．．。
という話かと、予告を見て想像したのですが、違いました。
話は単に、無人島から脱出するもので、ハリソンたちが悪い奴等に追われるシーンもありますが、こいつらはただの海賊の一味で、しかもあまり登場しません。
おそらく、海賊の存在の意味はいつまでもハリソンとアンを島でのんびりさせないためか、あるいは映画に緊張感を持たせたいためでしょう。
話自体は平凡で拍子抜けでしたが、エピソードが適度にちりばめられているので、退屈はしませんでした。昔「流されて．．．」という映画がありました（見てないけど）が、この映画からＨな部分を抜いた話、というところでしょうか。

すでに見た人

ラストでハリソンがアンと過ごすために都会に行く決心をし、一見二人が結ばれてハッピーエンドになりますが、絶対うまく行かないと思います。ハリソンは都会に疲れてまた島に帰ってくることでしょう。無理にハッピーエンドにした感じです。
ハリソンの彼女になっている女のコはなかなか色っぽいです。アンの彼氏がやってしまうのも当然て感じッス。

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ブラック・マスク

北の某国が脳手術により最強の兵士を作り出していたが、その強大すぎる力を恐れた政府は彼らを抹殺する。一人逃れた主人公は香港で平和な生活を営んでいたが、麻薬組織の抗争の事件で、彼の部隊が殺人を繰り返していることに気づいた主人公は、マスクで顔を隠し、かっての彼の仲間達に戦いを挑む…。
話だけ聞くと、「グリーン・ホーネット」＋「仮面ライダー」のような感じがしましたが、「パーフェクト・ソルジャー」の方が近いかもしれません。
この映画の一番のウリであるジェット・リーのアクションはいつもながら早いです。ワイヤーが見えてしまうカットもありましたが、迫力は出てるから良しとしましょう。鎖にぶら下がってポーズを取るねーちゃんもかっこいい！
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」でもそうでしたが、ジェット君には工場や地下水路のような、狭い場所のアクションが似合っている感じがします。また、彼は優男系の顔のせいか「リーサル・ウェポン４」のような悪役よりも、この作品のようないい役の方が似合う感じがしてしまいます。
鉄塔でのジェット君のファイトは合成には見えず（アメリカだったら合成は間違いないが、香港なら…）本当に登って戦ってる感じでドキドキしました。それに、大きな見せ場ではないでしょうけど、墓場でワウ・シンタンと戦うシーンが妙にリアルな感じがしました。
「欲望の街」シリーズで変なおじさんヤクザを演じて印象的だったアンソニー・ウォンがここではもっと変態的（「八仙飯店之人肉饅頭」は見てない）な麻薬組織のボスを演じています。しかしチラリと出てくる、彼の娘が･･･のシーンって、ハリウッドじゃまずこんな描写見せないよなあ。「始皇帝暗殺」でもそうでしたが、中国は子供の扱いにも容赦はしないようで。
電影工作室が絡んでるせいなのか、合成が多い感じを受けました。カットの内容はハリウッドでよくやるような、爆発の煙と人物の合成がほとんどでしたが、そのカットになると「なぞの転校生」のように、画質が荒くなるのでバレバレでした。
クライマックスでは死神博士みたいな悪の親玉が、「イレイザー」に出てきたレールガンのような武器をぶっ放します。弾道はＣＧと分かってしまいますし、弾が当たっても突き抜ける（これも合成）だけで、レールガンみたいに爆発はしないので、威力がありそうには見えず、特撮をやりたいためだけにこの銃を出したような感じがしました。
オープニングとエンディングのクレジットに英語が併記されていたのは海外公開を狙った感じがします。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ＆アメリカ
天地風雲

リー・リン・チェンもとい、ジェット・リーの当たり役の久々の復活です（といっても、僕は１本しか見ていないのですが）。
ジェット・リーは前に見たシリーズのイメージから全然変わらない（この人年取ってるのか?）のですが、ロザムンド・クァンはしわが目立ってきた感じがします。彼女を始めて見た「サンダーアーム」が８５年くらいだったと思うので、年を取るのも当然なのですが。
ツイ・ハークが関わる映画にはストーリーを期待しない方がいいと思っているのですが、この作品も例外ではありません。ご都合主義とバレバレの展開で話が進みますが、こんなものかと思って見ていたので気にはなりませんでした。
何といっても、ウォン・フェイ・フォン（ジェット・リー）がアメリカに来る、という設定自体がすでに無理があると思います。たぶんウォン・フェイ・フォンとカウボーイを戦わせてみよう、というとんでもないコンセプトでこの企画が立てられたと思うので、話にケチをつけるだけヤボかもしれません。ま、この映画のメインはジェット・リーのアクションですから。
ジェット・リーのアクションはその速さといい、動きのキレといい、いつもながら惚れ惚れとさせられます。この人はジャッキー・チェンとは違い、苦痛の表情よりも余裕で戦う表情が良く似合います。
話で笑えたのは、ジェット・リーが記憶を無くしてしまい、インディアン、じゃなくてネイティブアメリカンの部族に世話になるところで、ここは「ダンス・ウィズ・ウルブス」のパロディぽい感じがしました。
ただ、この部族のしゃべる言葉が、インディアンの言葉と英語をごちゃ混ぜにしていた点が気になりましたが、パロディとして見るならいいのでしょう。
ウォン・フェイ・フォンが訪問する目的の相手となる、中国人の院長の男の顔は、アメリカの落書きに出てくる出っ歯の東洋人にそっくりの顔でした。これって意図したのでしょうか？

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Ｔ－ＲＥＸ
BACK TO THE CRETACEOUS

アイマックスの映画、それも３Ｄです。長いことアイマックスの専用映画館は博物館くらいにしかなくて、見たいと思っても交通の便が悪くて行きにくかったのですが、新宿高島屋に常設館ができたおかげで見やすくなりました。
アイマックスの３Ｄは専用の眼鏡、というよりもゴーグルみたいなものを着けなければならないのが面倒ですが、このゴーグルはメガネの上からも着けられるのは便利です。以前ジョイポリスでやった３Ｄゲームでのゴーグルは、メガネ不可で、コンタクトをしたら画面がぼやけて見えてしまいました。
特殊ゴーグル、じゃなくて眼鏡をかけたアイマックスの３Ｄというのは、どこかの万博（たぶん横浜博）で見た、ＣＧの「ザ・ユニバース２」がそうだったと思いますが、内容が単調すぎたあまり、寝てしまったことしか記憶にありません。
実写の３Ｄ映像を見るのは「Captain Eo」以来ですが、ゴーグルをして見る実写は今作が初めてです。
その効果ですが、見え方のリアルさは驚きでした。人物が本当に目の前にいて、動いたり、話をしているように見えます。３Ｄということに加えて、たぶんゴーグルで視野が狭められているため、目の周辺の情報が入ってこないので、よけいにリアルに感じたのかもしれません。映像体験というのはまさにこのことだと思います。
ただしあまりに人物がリアル、というか身近に見えるせいか、人物のバストショットあたりまではちょうどよく感じるのですが、顔がアップのシーンになると、不自然に大きい感じがして、かえって見にくい感じがしました。
顔がアップになるシーンはヒロインの少女が多かったのですが、彼女にあまり魅力が感じられなかったせいか、余計に顔のアップは苦痛に感じました。
話自体も夢落ちみたいなもので、あまり面白いとは感じられません。これが４５分の尺なので耐えられましたが、２時間近くになっていれば眠っていたかもしれません。
しかしクライマックスとなる、Ｔ－ＲＥＸと少女が心を通わせる（映画だからよしとしましょう）シーンは音楽も盛り上がり、感動的でした。
Ｔ－ＲＥＸやプテラノドンなどの恐竜は、「ジュラシック・パーク」と同じくフルＣＧで作られていて、これが最大の売りです。たまに恐竜の質感がＣＧぽく見えてしまうカットがありましたが、アイマックスは普通の映画に比べて、フィルムや画面が大きいので、それだけアラが見えやすくなるためかもしれません。
とはいえ、博物館の遺物が飛んできて、恐竜時代へタイムワープしていくシーンは３Ｄの効果をうまく使ったイメージだったし、恐竜そのものの作りや、隕石の衝撃波で発生する煙の幕のクオリティは高いし、３Ｄ体験とＣＧを見るだけでも、お金を払って見る価値はあると思います。

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ユー・ガット・メール

まだ見ていない人

作品で使われてるＥメールのプロバイダーはＡＯＬなので、いい宣伝になるでしょう。映画館にＡＯＬの無料配布のサインアップ用ＣＤが置いてありました。パッケージにメグ・ライアンとトム・ハンクスの写真を使って、あなたもトムやメグになれる！て言ってるみたい。
話は予定調和的で、先が読めます。特にラストはあまりにも明白すぎて、感動もできませんでした。展開に意外性があるからこそ感動できるのに、シナリオがご都合主義的で、お手軽に作ったのではないかと思うような話です。
トムやメグのコンビは度々やってるせいか、息が合ってる感じでした。特にメグ・ライアンは三枚目入った女性を演じるとハマります。トム・ハンクスは悪くないけど、単なる「いいひと」という感じしかせず、彼のキャラクターが今一つ見えてこない感じがしました。
二人が知り合ったのがチャットというのは納得いきました。間違いのメールが偶然来て…などというきっかけだったら某ＴＶドラマと同じで嫌だなと思っていたので。
同じといえば、森田芳光監督で、深津絵里が主演し、相手役が内野聖陽（これが彼の映画デビュー作だったと思います）だった「（ハル）」もメールで知り合った男女が恋に落ちる話でした。「（ハル）」はこの「ユー・ガット・メール」ほどめまぐるしいストーリーではないものの、落ち着いたムードのある話で、余韻を残したラストといい、僕としては同じメール恋愛ものなら「（ハル）」の方がよくできてると思います。
考えてみれば「ユー・ガット・メール」と「（ハル）」の比較って、ハリウッド典型恋愛映画と日本の独立系映画のいい比較対称になりそうです。

すでに見た人

メグ・ライアンがメールの相手の正体に気付くのがラストだというのは、にぶいと思いました。トム・ハンクスが病気の彼女を訪ねてきたときに、いくらでも気付くきっかけがあったでしょうに。無理矢理ラストまで引っ張ろうという意図が見え見えです。
メグ・ライアンとトム・ハンクスにはそれぞれ別のパートナーがいましたが、後半で二人ともパートナーと分かれてしまうのも都合良すぎる展開です。
ＯＰの画面の出方はパソコンぽい面白いパターンだったのに、スタッフの名前は普通にフェードインで出てちょっとがっかりしました。エンディングロールも普通の出方で、パソコンネタの作品なんだから最後までこってほしかったと思います。
スターバックコーヒーが協賛なのか、店はよく出るし、主人公二人もよくスターバックのカップを持ってました。僕もスターバックは好きで（僕にとってはこれがアメリカンコーヒーの味です）ちょうど飲みながら見ていたので嬉しかったです。

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スネーク・アイズ

まだ見ていない人

冒頭の長回しは前評判通り、よくやったと思います。ただ、トム・ハンクスとブルース・ウィルスが出ていたけどコケた「虚栄のかがり火」でもデパルマ監督は、冒頭を同じような長回しのシーンで撮っていたはずで、大変だとは分かるけど、新鮮味は感じませんでした。この長回しシーンが特に効果的とも思えなかったし。
もし全編ワンカット撮影にしたら、そんな映画はまだ作られていないから（ワンカットで作られているというヒッチコックの「ロープ」も、実際は１ヶ所カットを割ってるし）凄いと思いますけど。
ボクシングの試合が始まってから、カメラが何度か急激にパンしますが、ここでカットを変えてることも考えられます。
事件の手がかりはビデオテープで判明していくし、容疑者をホテル内のモニターで追っかけるし、ニコラス・ケイジはこの事件でＴＶに出たために人生が変わってしまうし、ＴＶモニターがこの作品のもう一人の主役ともいえます。
クライマックスの展開には納得いきませんでした。悪い奴は報いを受ける、という展開に強引に持っていった感じです。デパルマ監督は、かって「ミッドナイトクロス」ではヒロインを殺してしまうような、非情だけど納得のいく展開を見せてくれたのに。
悪役に狙われることになる、デミ・ムーアを若くしてふっくらさせたような、ショートカットのねーちゃんは美人でした。ナイスバディなのも○。
音楽は坂本龍一でしたが、「ラストエンペラー」とは違い、記憶に残らない音楽でした。
特撮でＩＬＭがクレジットされています。特撮シーンなんてあったっけ? と思ったんですが、たぶんハリケーンの中でアリーナの看板である、でかい地球のような球体がゴロゴロと転がっていくシーンだと思います。「ジュラシック・パーク」のソフトを使って暴風雨をＣＧで作ったかな?

すでに見た人

ゲーリー・シニーズは途中から敵役になりますが、「身代金」でも、出てきたときはいい役のようで実は悪い奴というキャラでした。あの面構えだとそう見えるのも分かるのですが。
クライマックスで、パトカーが突っ込むことでニコラス・ケイジが助かってしまう展開は、都合よくお茶を濁された感じがします。さらにパトカーに乗っていた警官達が、まるでゲーリー・シニーズが悪い奴だと分かっているように、強い口調で「銃を捨てろ」と言ったのがなぜなのかよく理解できませんでした。
彼ら警官にとってはゲーリー・シニーズはただの軍人で、彼が殺しをやってたことは知らないはずですし、彼が銃を持ってるだけであんなに強い調子で「銃を捨てろ」と言うだろうか? と思います。警官達がニコラス・ケイジの同僚だったので、彼の危機を察してゲーリー・シニーズに向かって銃を構えた、という裏設定も考えられますが、だったら彼らがケイジを知ってるという描写を入れるべきです。
この後のニコラス・ケイジの運命がハッピーエンドではなく、ＴＶで有名になったことで没落していくのは皮肉ぽく、リアルな感じでいいです。

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ベイブ
都会へ行く

今回は前作で主役だったホゲットじいさんはあまり出ないで、前作では脇に回っていたおばさんが主役になります。
ホゲットじいさんのキャラは好きだったので、今回はあまり出なくて残念なのですが、それ以上に不満を感じたのは、おばさんがベイブに対して、ホゲットじいさんほどの愛情を持っておらず、ただのブタとしか思ってないように見えた点です。
前作ではホゲットじいさんが、病気になったベイブに踊ってみせたりして、ベイブへの愛情を感じられたのに、今回はおばさんにはそう感じられるシーンはなくて、おばさんがベイブを探す理由もホゲットじいさんの所にベイブを戻すためで、ベイブ自身のためではない感じがしました。
今回はチンパンジーやオランウータン、金魚など、前作より動物キャラの種類が多くなりましたが、その分前作ほどキャラ達の個性が感じられず、印象に残りません。
ベイブがホテルの窓から見ることになる、都会の外観のデザインは、ニューヨークやサンフランシスコの高層ビルやシドニーのオペラハウス（だったかな？有名な建物）を掛け合わせた、シュールな感じで面白い形でした。おとなりは「Hollywood」だし。
また、おばさんがさまようことになる都会のストリートは、カリフォルニアにいるような、水着でローラーブレードで走ってる奴や、ニューヨークにいるようなストリートギャングらしい奴らでゴロゴロしててシュールな感じでした。人のごみごみ度は「マッドマックス」を思わせます。

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パッチ・アダムス

個人の自由を抑えようとする権威に反抗する話は、同じロビン・ウィリアムス主演の名作「いまを生きる」（イーサン・ホークのデビュー作だったような…）を思わせます。「真実の物語」ということで、結末は予想はつきますが、それなりにジーンとはさせてくれます。
ギャグもシリアスもこなせるロビン・ウィリアムスには、このパッチ役はハマっていました。主人公が初めは精神病（というほど重くもない感じ）で、それが今までいなかったタイプの医者を生むバックグラウンドになるのが面白いです。
ただし、主人公の性格が、自分が正しいと思えば周りの人間の事情も考えずに自分のペースに巻き込んでしまう正確なのが引っかかりました。後半でパッチが友人に「君が僕を巻き込んだ」となじられるシーンもあるし。普通、こういう奴と付き合うとろくな目にはあいません。
後半、落ち込むロビン・ウィリアムスに蝶がまとわりつくシーンがありますが、虫にこういう動きをさせるのは不可能だと思うので、ＣＧで作ったものだと思います。「スワロウテイル」で蝶をＣＧで作っていた例があったし

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キラー・コンドーム

コンドームの怪物が人間を襲う話です。着想がアホッぽくて面白いと思ったのですが、映画自体には期待していたおバカな部分があまりなく、意外にまじめな話になってしまっていて、がっかりでした。
内容がまじめな話でも、興味が持てる話ならいいのですが、メインは主人公である、キラー・コンドームを追う刑事をめぐる、ゲイの恋愛話です。男同士の恋愛なんて興味ないし、きれいなねーちゃんが出てくるわけでもないので、絵面も面白くなく、眠ってしまいました。
男同士の恋愛でも、「イン＆アウト」みたいに、有名スターがそういう話をやれば面白味もありますが、「キラー・コンドーム」に出てる俳優は知らない人達なので、そういった意外性も感じることができません。
それに舞台はニューヨークなものの、製作国がドイツであるせいか、言葉が全編ドイツ語なので、何をしゃべってるのかほとんど分からず、英語の場合なら少しは分かる、スラングとかの言い回しの面白さも感じる事ができませんでした。
この映画で唯一面白かったのは、一番のウリであり、タイトルになっている、コンドームの怪物です。デザインはあのＨ．Ｒ．ギーガーで、宣伝によれば「今までで一番満足した仕事」と言ってるそうですが、その発言の真偽はともかくとして、造形はよくできています。ゴムの生物なのだから、他のクリーチャーネタの作品に比べ、生物感を強調する必要がないのが強みでしょうか。コンドームそのものは皮が厚そうで、牙が無くても着けたいとは思えません。
今年のワンダーフェスティバルでは、ラテックスあたりで作った原寸サイズのキラー・コンドームが出るような気がします。

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ライフ・イズ・ビューティフル

まだ見ていない人

予告編が感動を売り物にしている感じだったので、「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいな、涙の大感動を期待したのですが、あまりにもあっさりと終わってしまったのは拍子抜けでした。
ストーリーに関しては、伏線を生かした箇所が多々あって、それなりに練られてはいます。特に主人公とヒロインであるドーラがデートするシーンでは、その伏線が爆発していくことで、ドーラがだんだんと主人公に引かれていきます。こんなデートがしたいよなあー、と主人公がうらやましくなる、しゃれたシーンでした。
後半、主人公が収容所に入れられてから以降は描写が主人公とその子供に集中し、そのため話の焦点がボケることはないのですが、その分、前半に登場した主人公の友人などが出なくなったことで、あの人はどうしたんだろう？と思ってしまいました。主人公の妻の元婚約者が、ナチの協力者になっていた、というような描写でも入れてもよかったと思います（でもそういう描写を入れると「ホロコースト」みたいな展開になってしまうか…）。
そういったことから、全体の作りが今一つ粗雑な感じがしました。シナリオとか、もっと練れたと思います。アカデミー外国映画賞受賞は、単にホロコーストを扱ったせいじゃないか、とも勘ぐってしまいます。
とはいえ、主演のロベルト・ベニーニは、一見軽いけど、奥さんと子供のことを一直線に思いつづける根性のある父親を熱演していました。アカデミー主演男優賞も納得できます。
特に収容所で必死に子供を守る主人公の努力は凄まじいものがあります。心を休めるヒマも無いだろうし、本当だったら神経が持たないだろうと思います。

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話は完全に過去の物語として語られますが、「ニュー・シネマ・パラダイス」のように、現代につなげる部分がほしいと思いました。そうであれば、ラストにも違った感動があったかもしれません。
主人公はクライマックスで子供と奥さんを守るため、涙ぐましく頑張りますが、そこまでしなくても、おとなしく収容所に閉じこもってさえいたら彼は殺されずに済んだと思います（あ、そうしてしまうと奥さんが殺されてしまうか）。ここは主人公が収容所から出る以外に助かる道はない、という形に追いつめて、「出なけりゃいーじゃん」とは思わせない展開にしてほしいです。
ホロコースト物といっても、劇中にモロに悲惨な描写はほとんど出ませんが、それだけに、主人公が見る死体の山のシーンは、霧が晴れると主人公の目の前に死体の山が現れる、というインパクトのある演出で、恐いシーンでした。

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フェアリーテイル

まだ見ていない人

世界的に有名になった、妖精の写真をめぐる、「コティングリー妖精事件」（今でいう東スポの「宇宙人はいた」記事のようなもの？）の顛末の話です。
しかしこの作品のテーマは、妖精の写真の真偽ではなく、この事件による人々のリアクションです。この事件で癒される人や「トリックは絶対明かさない」マジシャン・フーディーニを出すことで、単なる歴史的見世物の話に終わらない厚みが出ました。「信じること」が素直に報われるラストにはジーンとさせられました。
また、妖精の写真を撮ることになる、主役の２人の女の子はかわいいし（笑顔が実にいい！）演技も上手いです。
最後に「リーサル・ウェポン」シリーズで有名なあの人が、ノンクレジットでチラリと顔を出しますが、声で分かります。

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作品中に妖精を本当に出すとは思いませんでした。それもティンカーベルのような、ただ光っているだけの妖精ではなく、この作品に出てくる妖精達は、服や体型がおのおの違います。デザインや合成は大変だったろうと思いますが、その苦労はラストに実を結んでいます。
９９年４月末にＴＶ朝日系で放映された「驚きももの木２０世紀」で、この作品の公開に合わせたように「コティングリー妖精事件」を取り上げました。この中では、８０年代になって写真の中の妖精は模造であることを、老女となった２人が告白したと語っています。番組では２人が妖精の写真を「撮った」理由は、森に行くことを許さなかったフランシスの母親を納得させるためだったと解釈してます。しかし、９０年代での写真鑑定の結果、５枚中最後の１枚だけは贋物と断定できなかった、というのは意味深です。
この「フェアリーテイル」では、写真の真偽をはっきり断じはしませんが、後の彼女らの証言を匂わせるシーンは出てきます。この作品は、事件の調査結果を踏まえた上で、確かなストーリーを作っていったことが感じられます。

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８ｍｍ

タイトルが「８ｍｍ」というのは、ニコラス・ケイジが見せられる、事件の発端となるフィルムが８ｍｍであるから、というだけの理由のようです。なので、このフィルムが８ｍｍである必然性はなく、ビデオであってもいいので、このタイトルには意味が感じられません。この場合はサブリミナル等、フィルムの特性によって事件が発展していくような話にすべきだったと思います。
事件を追うに従い、ケイジは次第にアンダーグラウンド世界の深みを見ることになりますが、彼が最後までノーマルなのは引っかかります。ここは、ケイジが徐々怪しい世界に染まっていき、「I'm O.K..」と悩む話にならないと面白くないです。それこそが人間の怖さだと思うんだけど。
そのため、この映画の何が面白いのかよく分かりませんでした。獣姦などのアンダーグラウンドポルノの存在でしょうか。それともスナッフフィルムの存在でも知らせたいのでしょうか？このテの話はスキンマガジンにならいくらでも書いてあるし、インターネットでもこういう話題は珍しくありません。もしかしたらスナッフフィルムのサイトだってあるかもしれないし。これらの存在は今やショックでも何でもないと思います。

日本の予告編でこの作品のタイトルを「ハチミリ」と発音しています。確かにそうなのですが、正面きって「ハチミリ」と発音されると、何か軽く聞こえて、コワい感じがしませんでした。ここは英語で「Eight Mirimator」と言った方がかっこよく聞こえると思うんだけど...。

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恋におちたシェイクスピア

まだ見ていない人

９９年度アカデミー作品賞受賞作品ということで、期待したのですが…今一つ、話に乗れませんでした。ま、アカデミーを取ったからっていい作品とは限らない例は山ほどありましたけど、今回も、僕にとってはそうなりました。
役者やら劇場の所有者、さらに貴族や商人が絡んだりして、人間関係が把握しづらかったです。日本語字幕無しだったら、話が完全に分からなかったかもしれません。
アカデミー主演女優賞を取ったグィネス・パルトロウはやはりきれいです。ただ、演技の面ではそう際立った感じはしなかったので、作品自体の力で賞を取った気がします。
シェイクスピアと、男装のパルトロウがキスするシーンは、パルトロウが髪を短くして（あんな小さな頭で、どうやって髪の毛を隠してんだろう？）ひげを付けているので、どうもユニセックス的な倒錯めいた雰囲気がしました。これもこの映画が受けた理由の一つかもしれません。
ベン・アフレックは途中から登場します。出方はかっこいいのですが、それ以後あまり出番はなく、チョイ役な感じでした。

すでに見た人

クライマックスでの「ロミオとジュリエット」初演では、シェイクスピア自身がロミオ役をやっていますが、脚本家が主役を兼ねてよかったのでしょうか。シェイクスピアて役者もやれるほど多才だったのかなあ？
この時代のステージは女子禁制だったそうですが、「ロミオとジュリエット」初演では声変わりした男優に変わり、パルトロウがジュリエットを演じます。これってイギリス演劇史上初めて女優を使ったケースになるのでしょうか。「ロミオとジュリエット」初演で女優がステージに立ったというのは本当の事なのでしょうか？（ま、映画だからウソでもいいんだけど）
女王がいつの間にか「ロミオとジュリエット」初演に潜り込んでいて、役人のいちゃもんを丸く収めてしまうのは、最後に水戸黄門が出てきて、自分のご威光でトラブルを収めるのと同じような感じがしました。

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キャメロット・ガーデンの少女

アメリカ郊外に紛れ込んだ「異邦人」が、誤解の果てに追放されるという、「シザーハンズ」を思わせる話です。
主人公である少女デヴォンが、勝手に自分達とは異質の世界の男であるトレントに近づいていって、結果的にトレントが被害を受けてしまいますが、デヴォンが何もしなければ、彼には何も起こらなかったわけで、迷惑な女だと思います。トレントをかばうかと思えばそうでもなく、気まぐれすぎて同情できませんでした。主役の女の子の演技は上手いですが。
ただし、クライマックスの、伝説が現実になるシーンは音楽が盛り上がり、感動的なシーンでした。
デヴォンの下着が見えたり（前半多いが、わざとか？）、銃を撃ったりとか、アメリカの劇場でかけるにはヤバそうな描写が目立つので、アメリカ本国では普通の劇場では上映できず、ミニシアター系の劇場で公開されたのではないかと想像します。

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ヴァイラス

電波を使って機械を操る生命体と人間が戦う話ですが、電波と機械生命体を結び付けてしまう発想がいい加減な感じで、Ｂ級と呼ぶのにふさわしい作品でしょう。そもそも、「ヴァイラス」とは「ウィルス」を意味するのに、なぜ電波が出てくるんだ？と思うのですが。
話の舞台が船で、中にいる敵をせん滅しつつ、主人公達も生き残ろうとする展開は「ザ・グリード」と同じパターンで、舞台が限定されてところもＢ級ぽい感じです。
主演のジェミー・リー・カーチスは「トゥルー・ライズ」とかに出たにもかかわらず、相変わらずＢ級映画専用女優から抜け出せない感じです。作品に恵まれないのかなあ。
ジェミー・リー・カーチスがきれいだと思った作品は「トゥルー・ライズ」と「ダイヤとワンダと優しい奴ら」でしたが、「ヴァイラス」ではただの年増という感じ（貫禄はあるけど）で、むしろ途中から活躍する、ロシア人のねーちゃんの方がかわいい感じがしました。
敵が「新スター・トレック」のボーグみたいな、機械と人間を合わせたようなハイブリット生命体であるせいか、ＳＦＸにはＣＧはあまり使わず、アニマトロニクスを多用していると思われます。しかし、まさかドナルド・サザーランドがボーグもどきの扮装をやるとは思いませんでした。ご老体に特殊メイクはつらかったでしょうに。
クモの形をしたような小型ロボット達が出てきますが、これによく似た形の組立ロボットのおもちゃが８０年代にあったと思います。もしかしたらおもちゃそのものを映画でも使っているかも。
ラストはまるで「キャリー」でした。ホラーのお約束（だからＢ級なのかなあ）。

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ザ・ソウルガーディアンズ
－退魔録－

まだ見ていない人

この世に復活する悪魔を善の側が封印する話です。話の構図はありがちですが、韓国映画でこのテの作品（と言うより、韓国映画自体めったに見てない）は初めて見るので、その意味では新鮮でした。
いわくありげな神父や退魔師が出てきたり、ＣＧを使ったりして、映画全体の雰囲気は、日本や香港のホラー物と比べて遜色を感じません。「エコエコアザラク」の感じに近いものがあり、これからの韓国ホラー作品には大いに期待が持てそうです。
特にオープニングタイトルは、コーラスを使ったりして、おどろおどろしい感じがよく出ています。漢字、そして韓国語へと変わるタイトルの出方もかっこいいです。
タイトルもそうですが、ＣＧ合成などデジタルを思ったより多用していて、韓国映画の特撮技術は日本と同レベルに達していることが分かります。ＣＧソフトのインターフェイスの発達が、コンピューターさえあれば誰でも高レベルのＳＦＸを作れるようにした証明と言えると思います。ＳＦＸシーンになると画質か変わるのが分かるのが気になるところですが、これは経験を積めば解決していく問題でしょう。
生きているように飛び回るナイフのＣＧはスピード感があって気持ちいいです。このナイフを操る退魔師のおにーちゃん（パンフに名前が載ってないので何という人か不明）は、常人離れと、哀愁を兼ねた雰囲気を漂わせたいい顔をしています。飛んでくるナイフをつかむシーンは決まってます。
キャラが持つ雰囲気はいいのですが、キャラ同士の関係が初めはよくつかめませんでした。特に、超能力を持っている少年は一体何なんだろう？
人の首が飛ぶところをまともに映したり、結構グロい描写が出ますが、日本とかの他のアジア圏映画の例にもれず、韓国もグロい描写には寛容みたいです。「エコエコアザラク」の影響という感じもしてしまいますけど（製作者が見ている可能性は高いと思います）。
ラストの展開は予想できてしまいました。意外性が無いのはもの足りませんでしが、それは今後の作品に期待することにします。
この映画のホームページは韓国語ですが、映画祭のパンフにはあまり載っていなかった写真もふんだんにある（ヒロインの女のコのモデルぽいポーズの写真もあり）し、リアルプレイヤーで予告編も見れます。この予告編はまさに韓国版「エコエコアザラク」という感じで、ホラー映画好きな人には是非見てもらいたいです。

すでに見た人

悪魔は２０年後に復活することになりますが、２０年間悪魔はどこで何をしていたのかが気になりました。初めのうちは黒い霧のような存在の悪魔が人や物に乗り移りますが、２０年間この姿だったのかなあ？悪魔にしてはなんか情けない姿。
クライマックスで、ヒロインがいつの間にか悪魔になってしまったのは唐突な感じでした。愛が世界を救う、という終わりもありがちだと思いますけど、韓国ではこういう展開の映画は始めてだったかもしれないので、今回はこれで納得しましょう（←えらそーな言い方）。
中盤、警察が退魔師らのアジトを襲った時にガス爆発が起こり、彼らは追跡から逃れますが、ガスが充満しているようなカットも無かったので、何でこんな爆発が起こったのか分かりませんでした。

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ささやく廊下
～女校怪談～

まだ見ていない人

タイトルからだと韓国版「学校の怪談」という感じですが、女子校が舞台なので、印象としては女の子が目立った「新生トイレの花子さん」に近い感じです。こっくりさんも出てくるし。
ホラーの話ではありますが、クライマックスは感動的でした。ラストカットはホラー物のお約束です（いい意味で）。
これを見ると、韓国にもいじめやセクハラや生徒の喫煙があって、日本と変わらないこと分かります。しかし、これが普通だと思われるのは韓国の学校関係者も嫌でしょう。
日本の韓国系の学校だとチマチョゴリぽいイメージがあるのですが、この映画に出てくる学校の制服はブレザーで、先生もジャージを着てたりして、ぱっとみると日本の学校みたいな感じです。出てくる役者も日本人みたいな顔立ちの人ばかりで、親しみが持てます。
パンフには出演者の名前のデータが書いてないので、誰が何の役か分からないのですが、幽霊に魅入られていく（？）女の子は鈴木沙里奈をお嬢様ぽくした感じで、ポスター（メインキャラ）ではお下げですが、本編のポニーテールの方がかわいい感じがしました。
他にもブレザーのかわいい女の子が何人も（女子校が舞台だから当然や）出てくるので、「新生トイレの花子さん」を、制服の女の子が出てくるから、と見ていた人は要チェックでしょう（思いっきり曲がった味方だなあ）。もちろん、中味も面白いけど。
韓国にもこっくりさんがあるようですが、「出てきてください」の発音がほとんど日本語のように聞こえました。日本から持ち込まれたのかな？
この作品のホームページは韓国語なので意味は分かりませんが。写真が結構あっておすすめです。韓国新世代映画祭のパンフにはほとんど写真無かったし。

すでに見た人

クライマックスはいいシーンだったのですが、幽霊がなんで何年間も生徒になりすませていられたのかは疑問でした。学費とか親とかについてはどう学校をごまかしていたのでしょう？
学校中に血が流れていくシーンは「悪魔の棲む家」みたいで、普通はおぞましいシーンに見えますが、ＢＧＭがきれいな曲なので、幽霊の悲しみを洗い流しているような、新鮮なイメージを感じました。

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ＣＵＢＥ

裏町の聖者

アベンジャーズ

ハーフ・ア・チャンス

イン＆アウト

６デイズ ７ナイツ

ブラック・マスク

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ＆アメリカ 天地風雲

Ｔ－ＲＥＸ BACK TO THE CRETACEOUS

ユー・ガット・メール

スネーク・アイズ

ベイブ 都会へ行く

パッチ・アダムス

キラー・コンドーム

ライフ・イズ・ビューティフル

フェアリーテイル

８ｍｍ

恋におちたシェイクスピア

キャメロット・ガーデンの少女

ヴァイラス

ザ・ソウルガーディアンズ －退魔録－

ささやく廊下 ～女校怪談～

６デイズ７ナイツ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ＆アメリカ
天地風雲

Ｔ－ＲＥＸ
BACK TO THE CRETACEOUS

ベイブ
都会へ行く

ザ・ソウルガーディアンズ
－退魔録－

ささやく廊下
～女校怪談～