デ ス ノ ー ト
前 編

 

 

健康な人間が心臓発作で死ぬ事件が多発していたが、犠牲者はいずれも犯罪者か容疑者だった。それは死神が落としていった「デスノート」に彼らの名前を書き込んだ夜神月(藤原竜也)によるものだったが、世間はそれを「闇の救世主キラ」が行っていると噂していた。犯罪者の大量死に警察は不審を抱き、月の父総一郎(鹿賀丈史)を指揮官に捜査本部を立ち上げる。協力者として、数々の事件を解決してきたという謎の人物「L」(松山ケンイチ)は、キラの正体をあぶりだす作戦を開始する…。

「少年ジャンプ」で大人気だったコミックの映画化。構成は前編後編の2部作という形で、今回はそのパート1です。
日本テレビのオープニングロゴをいじった導入部から引き込まれました。
映画は月(ライト)とLの頭脳戦に焦点を絞って、近年にない「そうだったのか!」のどんでん返しの連続には大興奮でした。僕は原作を読んでいないので余計にそうだったかもしれませんが、快調なテンポで2時間余りフルに楽しめました。
今回は前編ということで、映画は「続く」という形で終わります。しかしこのラスト、後編への期待をいやがおうにも高めるような終わり方で、後編が待ち遠しくなります。

キャラクターの名前が「ライト」や「エル」だとか、FBIが出てくるなど、ありえねえだろ、と思う箇所もご愛嬌でしょう。原作の世界観を変えずにてらいなく堂々と使っているのに、スタッフが原作を尊重している姿勢を感じます。まあこういう部分を変えてしまったら、原作ファンからクレームが山のように来ると思いますが。
ただデスノートの使い方が英語というのは、人間に近い感じが過ぎて気になりました。常人には読めない死神の言語で書いてあって、指でなぞると言葉が頭の中に入ってくる、なんて風にでもした方が、この世のものでない感じがしたと思います。
死神リュークはけっこうおちゃめで好感が持てるキャラですが、アップになると質感がCGと分かってしまうのが気になりました。ロングでは背景に馴染んでいるのですが。

ライトが犯罪者を憎む理由が今一つ分からないし、そのくせあっさりと犯罪者以外の人間を殺していってしまうのは少し引っかかりました。テンポ重視で割愛したかもしれませんが、彼が変質していく迷いも描いてほしかったところです。せっかくリュークという、心情を語れる相手がいるんだし。
ただライトを演じる藤原竜也も、Lを演じる松山ケンイチも存在感はありました。意外なキャストでは「ウルトラマンマックス」青山草太の活躍もチェキ!でしょう。ライトの妹を演じる、同じく「マックス」の満島ひかりも「マックス」の時より素ぽく、アイドル好きなら要チェックです。

エンドロールが終わると後編の予告が、セリフのみだけでちょっとだけ入ります。興味がある人は、クレジットが終わるまで席を立たない方がいいです。

先ごろ裁判が差し戻しになった広島の母子殺人事件、もしデスノートがあれば、きっと犯人は真っ先に処刑されてたろうなあ…。

 

 


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デ ス ノ ー ト
the Last name

 

 

夜神月(藤原竜也)は計画通り、L(松山ケンイチ)の懐に飛び込むことに成功する。だがLは月をキラと疑っていることを隠そうとしない。そんな時「第2のキラ」と名乗る人物が現れ、月は予想外の事態に動揺する…。

大ヒットした「デスノート」、完結編となる後編です。
月とLの対決に、今回はさらにミサミサや新たなキャラクターが加わったことで駆け引きが前編以上に複雑になり、緩むことの無いテンポに目が離せなくなりました。最後のどんでん返しには前編よりも驚愕!したし、ラストは完結編にふさわしく切なさが漂います。
クライマックスには前編ではあまり語られなかったライトの行為の善悪の問いかけもあり、やはりこの作品は前編後編で語るべきものでしょう。
前編ではひたすらクールだったライトは、今回は感情を爆発させます。Lも人間性を見せてくれて、後編でやっと彼らのキャラが出てきました。藤原竜也は安定した演技を見せますが、特に松山ケンイチはこれでブレイク間違いなしでしょう。

前編では影が薄く、戸田恵梨香がいまひとつ合ってなさそうだったミサミサが、今回は大いに活躍して、前のイメージが覆りました。戸田恵梨香にとっては、今までの出演作品でも一番合ったキャラになったのではないでしょうか。
今回重要な新キャラとなる片瀬那奈は、このごろTV「鉄板少女アカネ」とか「信長の棺」とか、やけにTVや映画に出まくってる感じがします。彼女の上司に「サラリーマンNEO」で存在感が抜群だったマギーをキャスティングしたのは、旬な感じです。
しかし片瀬那奈のライバル格になる上原さくらは、人気キャスターという役柄なものの、しゃべり方がゆっくり過ぎてキャスターに見えないしヘアスタイルもレトロすぎて、この人だけミスキャストに思えました。

映画で残念だった点は、新登場の死神レムが、リューク以上にCGぽく見えたことでした。リュークと差別化しようとしてるのは分かるけど、髪の毛は何とかしてほしかったものです。骨のような体形のデザインは面白いのに。

映画の冒頭、前編の場面の紹介で前のエンドクレジットで使っていた「ダニー・カリフォルニア」がかかるのがいい感じでした。前はあまり関心持たなかったけど、これで好きになれました。

ワーナーはこれまで「妖怪伝さくや」や「天使の涙」など、日本映画では駄作が目立ちましたが、この「デスノート」でやっとクオリティに納得できる日本映画が配給できたことになるでしょう。

 

 


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