ヤジャマン

踊るマハラジャ２

この作品はタイトルこそ「踊るマハラジャ２」となっていますが、昨年公開された「ムトゥ踊るマハラジャ」より前に作られた作品です。続編ではないのに、スタッフが同じという理由だけで「パート２」として公開される例は日本では珍しくないですけど。
「ムトゥ踊るマハラジャ」のビデオリリース用のプロモビデオで、この作品の紹介が入っていましたが、ダンスシーンのカット割りがやけにゆっくり（「ムトゥ」はカット割りの速さが気持ちよかった）な感じだし、前記のように「ムトゥ」より前に作られた作品でもあり、この予告を見る限りあまり期待できそうにないと思いましたが、思った通りでした。
時間が長いわりには同じような場所ばかり出てくるのでシーンのめりはりが無いし、ギャグのセンスは今一つだし、アクションや音楽のカット割りが早くないためテンポが悪い、というような点で、「ヤジャマン」と比べると「ムトゥ」はやはり別格であったことが分かります。ただ、「ヤジャマン」があったから「ムトゥ」に発展できたという見方もできるかもしれません。
「ムトゥ」では始まりの部分はストーリーに関することは何も描かず、キャラクターの紹介も無しで、まず主人公ムトゥが歌うシーンで始まりますが、そんな映画のリズムが快調でした。「ヤジャマン」は普通の映画のように、音楽ではなく話から始まります。それが悪いとは言いませんが、まずこれで「ムトゥ」に比べるとテンポが悪い感じがしてしまいました。
また、一応ハッピーエンドではありますが、悪人の最後には後味の悪さを感じました。この辺も「ムトゥ」の方がスマートだったと思います。
これを見たのが土曜の夜だったのにもかかわらず、客席のあまり多くない銀座シネパトスでも、観客の入りは７割くらいで、満席でなかったのも無理ないと思います。

「ヤジャマン／踊るパラダイス」というビデオが劇場公開直前にリリースされましたが、パンフ（ポスター兼）によればやはりこれと同じ作品だそうです。ビデオ版の方が違法に権利を取得して、配給側の中止要請にもかかわらず、一方的に出してしまったそうです。
そういう経緯ならば、映画ファンとしてはこの作品は劇場で見てほしいとは思うのですが、この作品に関しては１８００円払う価値があるのか疑問ではあります。

「ヤジャマン」は「ムトゥ」の前に作られたせいか、ヒロインを演じるミーナはまだ初々しい感じがしました。しかし、物を吐くシーンをまともに見せたりして、ヒロインなのに以外とグロい描写も見せます。
ポンニ役のイスワリヤが着衣のまま体を濡らして、ヤジャマンを誘惑しようと踊るシーンは、性描写が制限されているであろうインド映画としては、これが性的描写の限界なのだと思いました。しかし、このやり方って下手にヌードを見せるよりセクシーな感じがします。
「ムトゥ」でムトゥの同僚の召し使いとして出ていた小柄で太っちょの役者、センディルが、ミーナの召し使い役で出ています。なじみの顔が出てくるのは嬉しいです。
この作品では「スーパースター・ラジニカーント」のクレジットが、アニメパターンの出方ではありませんでした。「ムトゥ」以降にアニメにしたのかな？

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

交渉人

警察内部の不祥事に交渉人である主人公が巻き込まれ、無実を証明する話ですが、展開に「頭脳戦」という感じがあまりせず、退屈はしなかったものの、期待外れでした。
むしろ「交渉人」というタイトルである以上、例えばものすごくイカれた常識の通用しない集団、あるいは「ダイ･ハード」のテロリストのような頭のいい集団を相手に人質救出の交渉をしていくような、冷静沈着＆臨機応変に犯人に対処していく交渉人のスキルを全般に生かした話にすべきだったと思います。
しかしこの作品では、そういった事は冒頭にだけ、交渉人とはどういう仕事か、という紹介のような形で見せただけで、話が違う感じがしました。
予告編に取り上げられていたこの映画の批評で「今年もっとも手強い映画」という文がありましたが、どこが「手強い」？と言いたくなります。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

エンカウンター３Ｄ

（ＩＭＡＸ）

３Ｄ映像の歴史をたどる作品で、進行役の博士とロボットの掛け合いはバラエティぽく進みますが、エルヴァイラが出て踊るなど、意味もなく時間を埋めていたように思えるシーンが多く、他の３Ｄ映像が少なすぎたのは不満でした。
主人公の博士が「画期的な３Ｄ」と言うクライマックスの映像は、ただのシミュレーションライドとしか思えませんでした。３Ｄのアイマックスなら、むしろ「T-REX」の方がまだリアルなインパクトを感じました。
ロボットや背景はほとんどＣＧで作り、役者の人物を合成したようですが、合成が浮いてるように感じられた箇所が多かったです。
掛け合いという内容のせいか、日本語の吹き替えは爆笑問題が担当していますが、特に彼らの特徴が出てるとは感じられず、誰が吹き替えをやってもあまり変わらなかったと思います。雰囲気をぶち壊しにはしていない分、まあいいのではないでしょうか。
この作品のように、たまに洋画でコメディアンが吹き替え、あるいは字幕監修をすることをウリにすることがありますが、それで意味があったと思える作品なんて見たことがありません。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

老人と海

（ＩＭＡＸアニメ）

まさに「動く油絵」です。尺は短いものの、時間をかけて贅沢に作られた作品です。作画をやる本人はいいとしても、周りのスタッフはいつ完成するのか、何年もやきもきしたであろうし、作品を作るテンションを維持していくのが大変だったろうと同情してしまいます。
絵を１枚１枚描いていくわけですから、フレームごとに作画が違ってしまいますが、それがこの作品の味でしょう。主人公の老人が狙うカジキが、海の中から姿を見せるカットは、本当に海の中という感じがしました。
手作りの味を残しつつも、デジタルを使って作画の統一感を持たせた「となりの山田くん」の対極にある感じがします。

老人の頑張りはすごかったと思いますが、カジキを捕まえていた釣り糸もあれだけ酷使してよく持ったものだと思ってしまいました。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

アイズワイドシャット

話の筋そのものは分かった、と自分では思います。トム・クルーズの経験したことが本当にあったことか、それとも彼のためにしかけられた罠だったのか、という事は分かりませんでしたけど。とはいえ、これがウソかホントかという点は重要でないと思います。
しかしクレジットが出てから、「だから何？」と言いたくなりました。キューブリックは何を言いたかったんでしょうか？夫婦であっても、他人とセックスしたいと思っている、ということなのでしょうか？これが企画された７０年代だったら、そういうテーマはまあセンセーショナルだったでしょうが、現在では「失楽園」や「義務と演技」といった作品やあまたのＴＶ番組で言い尽くされた感じで、驚きもしません。
トム・クルーズはいつものごとく、清らかなお坊ちゃんの感じでしたが、ニコール・キッドマンは、眼鏡の時の上目遣いの表情とか、色っぽくて合ってたと思います。
自分に正直なのはいつでも女で、男はそれに振り回される、ということなのでしょうか。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

アルナーチャラム

踊るスーパースター

「ムトゥ／踊るマハラジャ」と比べると、前半に関しては「ムトゥ」の方がいいと思うのですが、後半は「アルナーチャラム」の方が「ムトゥ」より盛り上がります。
「ムトゥ」の時は途中休憩無しで一気に上映しましたが、「アルナーチャラム」は本国通りに休憩がつきます。しかも、その休憩が入るタイミングが「あっと驚く意外な事実！これからどうなる！？」という上手いところで入ります。
後半が盛り上がる一番の理由は、アルナーチャラムがある期限付きの課題を出され、それをいかに解決するかのスリルゆえでしょう。期限付きの課題といえば、「電波少年」や「しあわせ家族計画」などのバラエティでも人気がありますし、日本人には身近に感じられる話ではないかと思います。
「ムトゥ」でも「ヤジャマン／踊るマハラジャ２」でも全編田舎が舞台でしたが、「アルナーチャラム」では都会が出てくるのが、今までの作品と感じが違っていいです。ラジーニ君もスーツを着たりしていろんなファッションを見せてくれるのも見物です。
ダンスシーンについても、「ムトゥ」の後に作られた作品だけあって、カット割りは短く、テンポがいいです。
アルナーチャラムの出生の秘密など、例によって御都合主義ありありの話ですが、その御都合主義もギャグのネタとして笑えます。
ラジニカーントの次回作もインドではすでに公開したそうですが、早く見たい！
ヒロインは今回も主人公が惚れる女性と、主人公に惚れる女性２人というパターンですが、今回も２人とも美人です。特に後半に登場するランバーは色白で、目の色も違うようで、白人ぽい感じがしました。ミニスカ姿がまた…（映画の話じゃなくなってくる）。

今回は主役のアルナーチャラムが初めて出てきて歌う時、「ヒーローには何でもできる」という内容の歌詞が「ムトゥ」より鼻に付きました。初めて見た人は何だこの男、と思うかもしれません。なので前半のノリは今一つな感じがしました。

大森にある「キネカ大森」で見たのですが、後ろの席に子供が３人くらいいて、終ってから「面白かった！」と言ってました。子供にも面白いと思われるなら、本物でしょう。
僕が見に行った日は入場料１０００円の日（「キネカ大森」は毎週水曜の入場料が１０００円）にもかかわらず、「ムトゥ」の時ほど客は入っていませんでした。前の方とかパラパラと席空いてたし。ま、「アルナーチャラム」は大森で、「ムトゥ」は渋谷だったという違いもあるかもしれませんけど。もっと人が入ってほしいけど、「ヤジャマン／踊るマハラジャ２」でミソをつけてしまったかな？

この作品のパンフは１０００円でした。絵葉書やらカレンダーやら妙な付録がいっぱい付いているためのようです。１０００円はあまりに高いし、付録が余計なので、他に「アルナーチャラム」のプレスシートが３００円で売っていたのでそちらを買いました。でも女の子の写真がパンフに比べて少ない（目当てだったのに）のが悲しかった…。

ちなみに「アルナーチャラム」は、３０回見た人にはこれのビデオがプレゼントされることになっているそうで、１００回見た人にはインドでのラジニカーントの新作撮影見学ツアーにご招待だそうです。でも１００回も見る人いるんか…。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

オースティン・パワーズデラックス

昨年公開のパート１は自分としては今一つと感じましたが、パート２はアメリカで「スター・ウォーズ：エピソード１」を蹴落としたし、前売りが１０００円という価格は魅力なので見てみましたが…。
途中で寝てしまいました。
「ウエインズ・ワールド」もそうでしたが、どうも、マイク・マイヤーズの作品はどこか乗れない部分があります。今回マイク・マイヤーズは３役と大変でしょうが、彼の自己満足のための映画なのではと思ってしまいます。日本では今回は前作より拡大公開ですが、東京以外で果たして受けるのか疑問です。
しかし途中で寝たとはいえ、テントでの下ネタのシーンや「インデペンデンス・デイ」のシーンは笑えました。
ヘザー・グラハムもセクシーで良いです。「ロスト・イン・スペース」（これもアメリカでは「タイタニック」のヒットを初めて破った作品でした）よりこちらの方が生き生きしている感じがします。
オースティンが過去に行くストーリーですが、彼が「自分が同じ時間に二人存在していいのか」というタイムトラベルの疑問を一応言うものの、直後に開き直ってうやむやにするのはこの映画らしいです。
前作のヒロインを、映画の冒頭であっさり消してしまうのは、２を作るためとはいえ、いいのだろうか？と思いました。ま、当の女優本人が出ているのだからあまり気にしていないのだろうけど。オースティンも「また独身だぜ！イェーイ！」と喜ぶし。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

シンプル・プラン

大金（約４億！）を手にしてしまった、普通の男が落ちて行く話。あの「死霊のはらわた」の監督サム・ライミの最新作です。
初め慎重だったまじめ男の主人公、ビル・パクストンが人の道を踏み外していく度合いが楽しませてくれます。彼はお金を隠そうという以外は、悪いことをしようとは思っていないのに、次々と悪いことをしていく結果になってしまうのが、不幸のドミノ倒しという感じで、深刻な話であるものの笑えますし、こういうところがやはりサム・ライミという感じです。分不相応なお金は持つものじゃない、という教訓でしょうか。
普通の男が主人公で、計画外のことが起こって運命が狂っていく、という話はコーエン兄弟の名作サスペンス「ファーゴ」を思わせます。雪が舞台というのも同じです。

主人公の妻をブリジット・フォンダが演じていますが、一見虫も殺せないような感じに見えながら、主人公にあれこれと陰謀を吹き込んでいくキャラは面白いというか、怖いです。彼女が一番の悪役かもしれません。
特に作戦を主人公に話す時のシチュエーションなんか、話の内容とのギャップが凄まじく、こんな所でそんな怖いことを言うか？と驚かされます。外面は「ルームメイト」の主人公で、内面は「ジャッキー・ブラウン」で演じた不良娘てところでしょうか。
主人公の兄を演じるビリー・ボブ・ソートンは、「アルマゲドン」の時とは全然違うキャラですが、ある時は弟思い、ある時は弟に反発する複雑な性格を違和感を感じさせずに演じています。鈍そうに見えながら、時々鋭い発言をするのが怖いし、意外性があって面白いキャラです。

サム・ライミは「ダークマン」でメジャーの仲間入りをしたと思うのですが、その「ダークマン」も特異な作品という感じがしました。この「シンプル・プラン」でやっと普通の映画ぽい感じになったと思います。
ラストは宣伝文句の通り、「普通の人が一番怖い」という感じです。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ロック、ストック＆

トゥー・スモーキング・バレルズ

ここ数年盛り上がりを見せているイギリス映画です。
街の顔役に大金を返さなければならなくなった４人の若者が、偶然聞きつけた強盗計画を知り、その金を横取りしようとする話です。といっても、この部分はきっかけにすぎず、話は意外な展開を見せてくれます。
この作品では色々な悪党のキャラが出てきますが、その悪党同士がいつの間にやら戦うようになってしまう、シナリオ（状況）の持っていき方はとても上手いです。
ラストも上手い終わり方で、あの後どうなるんだ？と見た人同士で盛り上がれます。

主人公たちには今一つ個性が感じられませんでしたが、悪党たちは銃マニアとか、子連れの用心棒とか、個性的なキャラが目立って面白いです。悪党キャラ陣の個性に主人公キャラ陣が食われた感じです。

映像面ではストップモーションを多用しているのが特徴でしたが、手法は面白いとは思うものの、効果的とは思えませんでした。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ヴァーチャル・シャドー
幻影特攻

まだ見ていない人

ＣＩＡでヴァーチャルリアリティーを使った、戦闘技術の向上を研究していた香港の研究員達がテロリストと戦う話です。

この作品の一番のウリは、ヴァーチャル技術によって、コンピューターから自分の体に戦闘技術をダウンロードする、というアイデアです。
このアイデアは「マトリックス」でも見られました。ただし、「幻影特攻」は香港では９９年正月公開ですから、「マトリックス」をパクったわけではないと思います。
もっとも、香港から参加した「マトリックス」のスタッフからアイデアが流れた、といううがった見方もできないことはないでしょうが。

この作品では、「マトリックス」では描写されなかった、戦闘技術のダウンロードの過程を見せています。しかしそのイメージが、単にカンフーで戦っているシーンの早送り、という誰もが思い付くようなパターンだったのにはがっかりしました。

この作品にとって最大の難点は、話が暗いことです。親しい人が殺されたための復讐という話は、香港映画や日本のＶシネでよくあるパターンですが、復讐を果たしても、キャラが幸せにならないのは見ていて後味が悪いです。

話は暗いし、ヴァーチャルネタ以外には新味はなく、クライマックスの戦闘はクアラルンプールでロケしたようだけど、やたらと長いだけだったし、あまり薦める気にはなれない作品です。

ヒロインをＴＶ「鬼の棲家」やコンタクトレンズのＣＭに出ているケーリー・チャンが演じていますが、きれいです。彼女は英語の発音が上手いせいか、アメリカでの科学者役もそれなりにサマになってる感じがしました。
逆に、主演のイーキン・チェンと陳小春は、アクションシーンでは「欲望の街」コンビ再現を思わせていい感じですが、今一つ科学者には見えませんでした。そのせいか、イーキンと小春、そしてケーリー・チャンの三人がなぜヴァーチャル技術に熱心に取り組むのか（取り組むようになったのか）納得できませんでした。
敵の親玉を演じる、テレンス・インは顔が高橋克典に似ています。クライマックスのアクションは結構がんばっていました。

「ダウンタウン・シャドー」の時もそうだったのですが、チラシに、中盤までの詳しいストーリーが書いてあるため、誰がどういう目にあう、ということが事前に分かってしまい。驚きが無くなるのは不満でした。
チラシは普通映画公開前に配るものなのだから、ラストでなくても、話の肝心な部分のネタばらしは止めて欲しいです。
　

すでに見た人

ヴァーチャル技術に暴力性を高めてしまう副作用があり、薬で押さえなければならないという設定になっているのですが、こんなパターンはどこかで聞いたような覚えがあります。
どこかで聞いた話といえば、ＴＶ電波を使って密かに人々を洗脳する、という敵の作戦もそうでした。さらにその目的も、洗脳電波で人々に暴動を起こさせ、それによって引き起こされる経済の混乱に乗じて自分たちが株を儲ける、ということですが、「株を儲ける」こと自体があまりにもちゃちいというか、ありふれた話でがっかりしました。

ラストの、両手を広げて飛び降りる小春はまるで「エイリアン３」のラストでした。
恋人は錯乱した親友に射殺され、その親友は自殺し、主人公は記憶失ったままだし、こんな結末、ホントーに後味悪いったらありゃしない。香港映画ってたまにこういう嫌なラストになる作品がありますね。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ユニバーサル・ソルジャー

ザ・リターン

まだ見ていない人

前作の「ユニバーサル・ソルジャー」は大作のような感じはしたものの、退屈に思った作品でした。
今回は話に都合良すぎる設定が目立ちますが、話の内容はそこそこにして、アクションと色気に重点を置いた感じで、Ｂ級に徹した感じです。これは正解かもしれません。
劇場で見るほどの価値があるとは思えません（映画の日に、映画館で見ましたが）が、ビデオで、何も考えないで見れば楽しめると思います。

ジャン・クロード・ヴァン・ダムが再び前作のキャラを演じています。前作では彼はユニソル（「ユニバーサル・ソルジャー」を略して、劇中でもこう呼んでました）を否定して終ったと思ったのですが、今回はそのユニソルの継続に積極的になっているのには違和感を覚えました。
前作はダムや砂漠のシーンがあってせいで、話はつまらなかったものの、スケール感があったように思ったのですが、今回の舞台はほとんど基地の中で、外に出るのはしょっぱなの川での演習くらいです。市街地に出るユニソル兵は２人だけだし、大作感はありません。でも、Ａ級作品を狙って滑った前作よりは、今回はＢ級作品らしくこじんまりとまとまっているとは言えます。

出てくるキャラクターは、ヴァン・ダム始めほとんど筋肉男ばかりなせいか、女性キャラは少ない変わりに、美人を選んでるみたいです。ユニソル基地でヴァン・ダムのパートナーであったギアナ・トムと、ヴァン・ダムと行動を共にすることになるハイジ・シャンツはきれいでした。
ハイジ・シャンツが主人公と行動を共にする理由は、無理してもヴァン・ダムとこの女を一緒に行動させようというシナリオの都合が見え見えな感じでした。鼻っ柱の強い女性はパターンになってきたような気がします。ただし彼女、「トルーマン・ショー」の時はださい感じ（それが狙いだったのだろうけど）でしたが、その時よりはきれいだと思いました。

前作のストーリーはよく覚えていないのですが、ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンの戦いがやたらと長かったような記憶があります。今作も敵は結構強い（ユニソルだから当然）のですが、戦闘はあまり長くはやりません。ロミオは、演じた人がプロレスラーのせいか、演技は二の次にしてあまりしゃべらせず、素を生かして不気味さを出した形は正解でしょう。

　

すでに見た人

ユニソルを統括するスーパーコンピューターが反乱する話ですが、設定自体がいかにも「２００１年宇宙の旅」です。極秘である話を、このコンピューターが知るシーンも、カメラから人間の唇を読んでいるので、ますます「２００１年宇宙の旅」という感じです。パロディみたいに笑える感じで見せてるわけではなく、パクりとしか言いようがありませんが、これもＢ級な感じです。

ギアナ・トムは途中で改造され、主人公を殺そうとしたくせに、ラストでヴァン・ダムを救うのは都合よすぎると思いました。
ラストではヴァン・ダムと彼の娘、そしてハイジ・シャンツら３人で抱き合います。しかし、ヴァン・ダムの娘は事件後主人公と離れていたから、事件後にヴァン・ダムと行動を共にするようになるハイジ・シャンツをほとんど知らないはずです。なので、抱き合った時に「何この女？」とは思わなかったんでしょうか？

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

タイムトラベラー
きのうから来た恋人

６０年代、事故により核シェルターに閉じ込められ、３０年後に地上に出てきた男がギャップを抱えながら現代を体験していく話です。
話は先読みできますが、軽快なテンポで楽しめます。６０年代へのあこがれがプンプンな作品ですが、これのスタッフは年寄りじゃないみたいだから、別世界を想像するような思いで作ったのでしょうか。
シェルターと地上との時間の流れの方のギャップ、主人公たちが地上に出てからの時代的なギャップ、そして主人公アダムが経験する６０年代と９０年代のスタイルのギャップが笑わせてくれます。

主人公アダムを演じるブレンダン・フレイザーは「ハムナプトラ」でブレイクした感じですが、あの童顔なので、コメディ役者として合ってる感じです。「ハムナプトラ」もコメディ的な部分は上手かったですし。
主人公の父親を演じるクリストファー・ウォーケンは、お笑いの演技の中に狂気ぽい性格をのぞかせて、彼のキャラが生きた役柄でした。
そんな彼の妻を演じるシシー・スペイセクは、淡々と夫に尽くすものの、夫と違ってまともな神経を持っているゆえに不満を抱える性格をうまく出しています。
アダムの恋人、イブ役のアリシア・シルバーストーンは、どうも遊び好きのねーちゃんという感じに見えて、愛を探しているようなキャラには見えませんでした。

６０年代の「清く正しい」スタイルから見て、今の９０年代の人間を、「ミュータント」と皮肉るところは、なるほどと同意できます。やはり６０年代というのは、現代より家族や地域の絆がしっかりして、性の乱れもなく、犯罪も少ない時代、というあこがれなのでしょう。

ポルノショップの中のシーンが出ますが、画面にＡＶビデオのジャケットが入ると、オッパイにさりげなくボカシが入っていたのはやっぱりな感じでした。ボカシを入れなかったらＲ指定になってしまい、年齢層が制限されるために観客が減ってしまうゆえの対策でしょう。

アダム一家が住む核シェルターは、菜園や、食用の魚を育てるための水槽まで完備してあり、シェルターと呼ぶよりも地下住宅と言った方が合っています。でもいくら便利でも、ここで３５年も暮らしたら狂います。そこでさらに長く暮らそうと言い出すクリストファー・ウォーケンはやっぱキレてます。　

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

フー・アム・アイ

やはりジャッキー・チェンの映画はアクション！です。
特にＣＭでも流れた、「ビルの壁下り」は近年のジャッキー映画の中では最も危険なアクションと言えるのではないでしょうか。こいつは「プロジェクトＡ」でのポール落ちに匹敵する凄さだと思います。しかも恒例のエンディングのＮＧ集を見ると、このアクションを１回限りでなく、何回もテイクを撮っているようで、４０を超してもこんな命がけのアクションに挑むジャッキー・チェンは大した男だと思います。
ただ、ジャッキー映画の欠点はいつもストーリー部分で、都合良すぎたり、話が脇にそれたりして話に入り込めないことが多いのですが、今回も例外ではありませんでした（その点「ラッシュアワー」は上手くやっていました）。

ジャッキーの相手役でＴＶ「ブラックアウト」や「不夜城」の山本未来が出ています。あまりキャラクター性が感じられない役でしたが、英語の発音の上手さには驚かされました。
あと日本人俳優では、ケイン・コスギがチョイ役で出演しています。

ジャッキーは今回全く広東語をしゃべらず、セリフは全て英語です。他のキャラも西洋人はもちろん、チャイニーズのキャラも英語オンリーで、英語以外の言葉が出てくるのは、山本未来がごくたまに日本語でグチるとこくらいです。

実写とＣＧの合成シーンが出てきますが、「ゴジラ２０００」よりいい出来でした。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

海の上のピアニスト

世紀の変わり年、１９００年に豪華客船ヴァージニア号で拾われ育ち、その船内でピアニストとして過ごした「ナインティーン・ハンドレッド」の運命を、共に働いていたトランペッター、マックスが語る話です。

ラストでは泣いてる人がいましたが、僕は全然泣く気になれなませんでした。
嵐に揺れる船の中で、ナインティーン・ハンドレッドがピアノを弾きながら滑っていくシーンは詩的できれいなシーンだし、ナインティーン・ハンドレッドとジャズの創始者ジェリーとのピアノ競争のシーンは乗って見れたし、映画自体にはいくつか面白いシーンがあります。
しかし、ナインティーン・ハンドレッドの性格が今一つ掴めなかったし、特にクライマックスでの彼のセリフはどうにも理解できず、感情移入できなかったので泣けなかったのかもしれません。

あと印象に残ったのはナインティーン・ハンドレッドが恋をする女の子、メラニー・ティエリーの、透明な感じのきれいさでした。その恋の結果はリアルです。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

サスペリア・ナイトメア

幼少時を過ごしたさびれた島に戻ったエリザベスが、そこの修道院に滞在するうちに、忘れていた過去の記憶を思い出す…という、ホラー作品です。
燃える十字架を持った尼僧の列など、おどろどろしい雰囲気のあるカットがちょこちょこあるのはいいのですが、とにかくシーンが冗長です。見ててあまりに退屈したので、早送りしたシーンもあります。
クライマックスの展開はありがちだし、ラストも取ってつけたような感じで、話の論理性が感じられません。海外で賞を取ったらしいですが、どこが？て感じです。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ワイルド・ワイルド・ウエスト

南北戦争直後の時代、アメリカ大統領直々の密命を受けた特別捜査官２人が、政府の転覆を狙うマッドサイエンティストと戦う話です。

この映画、アメリカであまりヒットしなかったという話を聞いていたので、期待していませんでしたが、その通りでした。西部劇は嫌いというわけではない（「シルバラード」は好きな作品です）し、特撮ネタだし、Ｋ．クラインやＫ．ブラナーなど役者も面白そうだし、話に乗れる要素はいろいろあるのに、眠りました。
この作品は日本では１２月初めに公開されたのに、１２月末の時点で劇場が少なくなっているようで、日本でもあまり客が入っていないみたいです。日本では南北戦争なんてアメリカよりなじみが薄いから余計に人が引くでしょう。
西部開拓時代の話に、巨大ロボットメカなどのＳＦチックな世界観のミスマッチを楽しもうという作品なんでしょうが、本当にミスマッチで、無理だけ感じます。

主人公のジム・ウェストをウィル・スミスが演じていますが、彼はいつも同じような調子のいいキャラクターで、「メン・イン・ブラック」あたりまではよかったものの、今回は個性が感じられません。と言うよりは、相棒のケビン・クラインが女装とかしてもさっぱり笑えないので、ウィル・スミスの方も生きなかったようです。ヒロイン的な位置づけのサルマ・ハエックも結局ただのいい人で、面白味がありません。

ケネス・ブラナー演じる悪役は下半身の無い障害者という設定（下半身はデジタルで消去？）です。しかし、彼がウェストと対決している時に動けなくなり、ウェストが彼を見下ろすシーンは、まるでウェストが障害者いじめをしているように見えました。そのせいか、Ｋ．ブラナーは機械に頼らなければ何も出来ない、弱い悪役に見えました。
障害者の悪役といえば、「バットマン・リターンズ」のペンギンがいましたが、あれくらいのふてぶてしさがほしかったと思います。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ファイト・クラブ

平凡なサラリーマン、ジャック（エドワード・ノートン）は飛行機で知り合ったタイラー（ブラッド・ピット）と「ファイト・クラブ」という殴り合いだけを目的としたグループを作るが、やがてタイラーはそれを秘密組織めいたものに変貌させていく。彼の行動に恐れを感じるジャックは、タイラーを止めようとするが…。
現代社会は、富を得るのは一部の人で、そうでない人はずっと下働きや、果ては浮浪者という身分を選ばざるを得ないという、不平等さが出るシステムになっています。
その不満が今暮らしている中で、何となく感じるいらつき、ムカつき、そして「キレる」ことにつながると思いますが、そういったイライラを意識する「今」の感覚が良く出ている映画です。
テーマは現代的でいいと思いますが、眠くなりました。とはいえ、この映画を好きな人も多いようで、賛否両論あるみたいです。
ジャックとタイラーの関係の真実は映画の後半で明らかにされますが、ありがちで、テーマとは関係ないと分かっていても興をそがれました。しかもその設定だと、２人の行動の論理的なアラがかえって気になってしまいます。

主人公ジャックが「患者の会」に行くのが病み付きになる、ヘンなキャラクターなのは可笑しいし、彼のアパートが目の前で爆発してしまった、とかの状況で笑えるシーンなんかは面白く、コメディ的なセンスはいい感じです。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

ヤジャマン 踊るマハラジャ２

ヤジャマン

踊るマハラジャ２

交渉人

交渉人

エンカウンター３Ｄ （ＩＭＡＸ）

エンカウンター３Ｄ

（ＩＭＡＸ）

老人と海 （ＩＭＡＸアニメ）

老人と海

（ＩＭＡＸアニメ）

アイズ ワイド シャット

アイズ ワイド シャット

アルナーチャラム 踊るスーパースター

アルナーチャラム

踊るスーパースター

オースティン・パワーズ デラックス

オースティン・パワーズ デラックス

シンプル・プラン

シンプル・プラン

ロック、ストック＆ トゥー・スモーキング・バレルズ

ヴァーチャル・シャドー 幻影特攻

ヴァーチャル・シャドー 幻影特攻

ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン

ユニバーサル・ソルジャー

ザ・リターン

タイムトラベラー きのうから来た恋人

フー・アム・アイ

フー・アム・アイ

海の上のピアニスト

海の上のピアニスト

サスペリア・ナイトメア

サスペリア・ナイトメア

ワイルド・ワイルド・ウエスト

ワイルド・ワイルド・ウエスト

ファイト・クラブ

ファイト・クラブ

ヤジャマン

踊るマハラジャ２

エンカウンター３Ｄ

（ＩＭＡＸ）

老人と海

（ＩＭＡＸアニメ）

アイズワイドシャット

アイズワイドシャット

アルナーチャラム

踊るスーパースター

オースティン・パワーズデラックス

オースティン・パワーズデラックス

ロック、ストック＆

トゥー・スモーキング・バレルズ

ヴァーチャル・シャドー
幻影特攻

ヴァーチャル・シャドー
幻影特攻

ユニバーサル・ソルジャー

ザ・リターン

タイムトラベラー
きのうから来た恋人