サラマンダー

ロンドンの地下鉄の工事現場で、新しい坑道に入った少年クィンは眠っていたドラゴンを目覚めさせてしまう。以来、人類が大好物なドラゴンたちは異常な繁殖力で増加し、全世界は廃墟となった。２０年後、クィン（クリスチャン・ベール）はわずかに生き残った人々とイギリスの地方の要塞で息を潜めて暮らしていたが、そこにアメリカからやってきた｢ドラゴンスレイヤー｣ヴァンサン（マシュー・マコノヒー）の戦車部隊が一夜の宿を要求してくる…。

ドラゴンが出る映画といえば、ファンタジーというのが一般的な見方だと思いますが、この映画は時代設定を近未来にして、ドラゴンと人間との生き残りを賭けた戦いを描きます。
話の着想はＢ級ぽい匂いがしますが、確かに映画はお金をかけた感じはあまりしません。映画の舞台の大部分は岩場にあるクィンの要塞で、冒頭とクライマックス以外は場面はあまり代わり映えしません。
また冒頭で語られる、人類がドラゴンに追われる歴史のシーンも、実際のデモや戦争などのフッテージからそれらしい映像をコラージュした形と、雑誌の写真のみで済ませてしまい、この辺のシーンで語られる事件の映像は出てきません。予算の都合で仕方なかったのでしょうが、ドラゴン群の都市襲撃なんて、見かったシーンです。
このあたりを含め前半は、ドラゴンをじっくり見れるシーンがほとんど無くてもどかしい感じがしました。しかし、後半くらいでようやっとドラゴンの全体像などの姿がちゃんと分かるシーンがチラホラと出てきてくれて、少ないシーンながらも、迫力は出ています。

とはいえ、時代設定が近未来なわりには、ドラゴンと戦う武器が銛やボウガンというのは中世的な感じがします。戦車も出てくるんだし、どうせなら戦闘機など、現代兵器でドラゴンと戦うシーンを見せてほしいものでした。ファンタジーが舞台というイメージのドラゴンが、世界を滅ぼすというぶっ飛んだ物語なのだから、そういうシーンこそ見せ場になると思います。ま、それをやると怪獣映画と変わんないものになりそうだけど。

前半には某有名映画のワンシーンを劇で再現するシーンが出てきますが、こういう描写は、人類が現代文明を失って中世に戻った感じがして面白いシーンでした。もしかしたら、初めのシナリオでは舞台が中世であったのを、製作途中で近未来に変えてしまったのかもしれません。ドラゴンと現代兵器の絡みが無いのはそのためかも。

主人公クィンを演じるクリスチャン・ベールは、｢太陽の帝国｣の主人公の少年役で鮮烈な印象を残しながら、その後はパッとしませんでしたが、近年「アメリカン・サイコ」や｢リベリオン｣などで顔を見るようになってきて、徐々に復活してきてる印象があります。
戦車部隊の指揮官を演じているマシュー・マコノヒーは「U-571」でも指揮官を演じてはいましたが、今回はああいった青二才的なイメージとは大違いの、以外にもマッチョな体を見せてくれます。

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星　願
あなたにもういちど

目が見えず口もきけない障害のある青年オニオンは、病院の中で暮らしている。彼は時折髪を切ってくれる若い看護婦オータムに好意を持っていたが、ある晩車の前に飛び出して死んでしまう。天国に来た彼はちょうど600億人目の訪問者になり、受付の天使から特典として１つだけ願いがかなえられると言われ、５日間の期限で生前とは別の人間の、保険外交員となって地上に戻るが、オータムに再会しても天国の規則によりオニオンだと告白できない。そのオータムは同僚の医者から交際を申し込まれていたが、オニオンの事故で病院を辞めようと考えていた…。

香港で大ヒットしたというラブストーリーで、竹内結子と吉沢悠主演の「星に願いを」はこれのリメイクです。
主人公は生きている時は好きな女性の顔が分からず、告白もできなかったのに、それができる（かもしれない）時は、相手は自分のことが分からない、というシチュエーションが逆転したような辛さがよく出ています。
それだけに、出てくるキャラに悪い人がおらず、みんな優しいのにホッとさせられました。特にオニオンの友人を演じているエリック・ツァンは「金枝玉葉」などでワキでいい味を出していましたが、今回も出番は少ないものの、情感を漂わせるキャラを演じています。

ラストはファンタジックすぎる感じも受けますが、きれいなシーンになっています。
それだけに、本筋の話が終わるとすぐにエンドタイトルになってしまうのは気になりました。今の香港映画はそうでもありませんが、数年前までは話が終わるといきなりエンディングで、余韻も何もないという悪い形が目立ちました。この話はキャラがいいだけに、主人公たちの「その後」が気になる話で、エピローグをつけてほしかったと思います。

目が見えなかった時には無欲だったのに、見えてしまうことで相手が欲しくなってしまうという、欲に対する考えはなるほどと思います。どこか仏教的なテーマがするのが、アジア映画らしいところです。

主人公の外見は、再び地上に戻ったときは生前と別人で、知ってる人が見ても分からないという設定なのですが、主人公を演じている役者が死後も同じ人なので、違う人に見えてるという感じがしませんでした。ま、割り切ればいいんでしょうけど。

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スピリット

アメリカ西部。生まれた子馬はたくましく成長し、群れのリーダーになる。ある夜、山の中に怪しい光を目にした「彼」は好奇心から山に入ってしまい、キャンプをしていた兵隊たちに捕まってしまう。だが営巣地に連れて行かれても彼は決して、何人たりとも他の馬のように人が乗ることを許さなかった。そこにネイティブのリトル・クリークが捕らえられてきて、「彼」は隙を突いてリトル・クリークと共に営巣地を脱出する…。

本年度のアカデミー賞の長編アニメーション部門に、「千と千尋の神隠し」と並んでノミネートされた、「シュレック」に続いてドリームワークスが放つアニメ映画です。
同じくアカデミーにノミネートされていた、「リロ＆スティッチ」が今ひとつだったこともあって期待していませんでしたが、「リロ＆－」とは違い、クライマックスでは涙腺ウルウル状態になりました。宣伝文は「きれいな涙」や「あの人が、泣いた」など、泣きを前面に出したキャッチコピーで、やりすぎに思いましたが、それも伊達ではない感動作です。

この作品では動物はしゃべりません。その代わり、主人公の独白となるナレーションとバックに流れる歌で、主人公の馬の気持ちを表現しています。
「ダイノソー」や「アイス・エイジ」のように、動物キャラが人間のようにしゃべる話は今は当たり前になっていますが、言葉を発しないのが動物本来の姿と思えるので、やはり「スピリット」の方がリアルな感じがします。
話は単純ですが、子供にも分かりやすく、力強さのあるストーリーに仕上がっています。主人公とリトル・クリークが友情を結ぶ過程はポイントを押さえて丁寧に描かれているし、敵役となる将軍も極悪非道でない描き方がキャラクターを感じさせて爽やかで、アカデミーのノミネートも納得の作品です。

これの前にドリームワークスが手がけた「シュレック」は３ＤＣＧの質感を前面に出していましたが、「スピリット」はセルアニメタッチの作画になっています。しかし動物でも人間でも、動きが３Ｄくさい感じがするので、たぶん動きを３ＤＣＧで作って、質感をセルアニメ風に加工しているのでしょう。

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リベリオン

２１世紀の初めに起こった第３次世界大戦が終わり、行き残った人々は、次に世界大戦が起これば人類が死滅すると危惧した。彼らは人間の感情の高まりが戦争に繋がると思い、国民の感情を薬物で制御し、絵画、小説、音楽などを禁じた独裁政治を作り上げる。その体制を守るため、銃や剣の攻撃を素早い判断で回避し、敵を壊滅させる武術「ガンカタ」が生まれ、その使い手は「グラリック」と呼ばれた。その中でも最優秀であるプレストン（クリスチャン・ベール）は芸術に親しもうとする「反乱者」を取り締まる任務についていたが、彼自身のパートナーが発禁である詩集を読んでいることを知り、彼を処刑する。だがそれはプレストンの胸に小さな疑問の火を灯し始めた…。

「スピード」や「ツイスター」の監督、ヤン・デ・ボンが製作に関わったアクション映画です。
映画のウリは、劇中で「ガンカタ」と呼ばれる、カンフーアクションで銃を撃つような、銃と東洋武術の型を融合させたというアクションでしょう。
「デスペラード」のガンアクションはダンスぽく見えたし、ジョン・ウーのガンアクションもダンスぽいと言われたことがありますが、この映画ではそれよりさらにダンスに近い、華麗な銃さばきが見られます。もちろんリアルではありませんが、かっこよさに徹したアクション描写は速くて爽快です。

主人公を演じるクリスチャン・ベールは、子役時代に主演した「太陽の帝国」で有名になって以来、あまりパッとしていませんでしたが、近年は「アメリカン・サイコ」などで名前を聞くようになりました。とはいえ、アート系の志向と思えた彼がこういうアクションをやるとは以外でした。見せ方が上手いせいでしょうが、動きもちゃんとしてて、かなりサマになっています。
映画にはあまり有名な役者は出ていませんが、ハリウッド映画やビデオ等でワキで見たことのある顔が何人か出ているのは、映画ファンにはお楽しみでしょう。
主人公に重大な影響を与えるキャラでエミリー・ワトソンが出ていますが、この人は「レッド・ドラゴン」で重要なキャラを演じていたので、Ｂ級ぽいこれに出ているのは以外でした。

話は一度映画になった「１９８４」を暴力的にした感じです。それなりに盛り上がるし、ラストは意味深な感じがあります。でも独裁とか圧政なんて古臭い感じがしたし、ガンカタの必要性は取ってつけたように思えました。これならむしろ「北斗の拳」みたいに、ガンタカの流派を巡る戦いの話にでもした方が、話とアクションが合ったように思います。
都市のデザインも「メトロポリス」のコピーみたいな感じで面白味がありません。アクションだけに注目して楽しむべき映画です。

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デアデビル

マット･マードック少年は、かつてボクサー時代に「デビル」と恐れられた父親が誇りだったが、その父親の恐喝の仕事を目撃してしまった後、事故で産業廃液を浴びて盲目になってしまう。だが自責にかられた父は立ち直り、再び賭けボクシングで勝利を続け、マット少年も事故以来身につけた超人的な聴力や感覚を持つレーダーセンスに磨きをかけるが、八百長を拒否した父は殺されてしまう。以来マードックはこの世の悪と戦うことを決意し、成人してからは昼は貧しい人々の味方の弁護士、夜はデアデビルとなり、法律で裁けない悪を討つ…。

マーベルコミックスが「スパイダーマン」に続いて放つ、アメコミヒーローの映画化です。
僕は原作は読んだことがありませんが、デアデビルは盲目でありながら、「レーダーセンス」（原作でもこう言ってるのかな？）と呼ばれる、人間を超えた聴覚と感覚を持っていて、空気や水の流れを感じることで弾丸などを避けてしまう能力を持っているそうです。
映画の一番の見所は、このレーダーセンスの映像化でしょう。ここは普通の映像をデジタル加工で砂絵のように見せていて、これが立体的な感じになり、納得の描写でした。そして彼をヒーローたらしめているこの能力が、同時に弱点にもなりますが、バットマンでもスパイダーマンでも、弱点らしい弱点はあまり見られなかったので、かえって新鮮な感じがしました。
「スパイダーマン」でも主人公は悩んでいましたが、この「デアデビル」での主人公の苦悩は「悪」の捉え方で、自分がやってることは正義なのか？と悩みます。悪人と決め付けて人をバタバタ殺す大方のアクション映画と違い、こういう風に物事の見方を一面的にしない考え方が、このコミックが何年も愛されてきた理由かもしれません（ブッシュ大統領に爪のアカでも飲ませてやりたい）。ま、こんなことは日本のヒーロー物ではウルトラシリーズや仮面ライダーなんかでとっくにやってたとこですが。

映画では主人公の過去や思いをちゃんと語っているのにも関わらず、キャラの魅力は今ひとつで、主人公以外のキャラクターも薄い感じがしました。
全体的な話は退屈しませんでしたが、中盤のエレクトラに関する展開には香港映画を思わせる後味の悪さを感じました。でもラストのベン君の表情は…ハッピーエンドなんだろうか？

主人公とエレクトラとの出会いはなかなか笑えるシーンでした。こういった肉体アクションはそれなりに迫力を出していますが、デアデビルのシーンで、引き目になるといかにもＣＧといった、人間じゃないような動きが見られたのは残念なところです。ＶＦＸはリズム＆ヒューズとデジタルドメインという２大ビッグスタジオなのに、手抜きだなあ…。

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銀杏のベッド

画家のスヒョン（ハン・ソッキュ）は恋人で医者のソニョンにプロポーズをしようとしていた。そんな時彼はさびれた街の路地で大きな銀杏のベッドを拾ってくるが、それは最近彼が夢に見たものだった。その夢には一人の美女がいたが、ある日アパートに帰ってきたスヒョンは唐突に現れたその女ミダンに手を引かれ、彼らを追いかける昔の武人ぽい謎の男から逃げ回る。二人は辛くも男から逃れるが、その直後にミダンは「帰らなければ」と消えてしまう。再びベッドを拾った街に来たスヒョンは琴を弾く老人に出会い、彼の前世とミダン、そして彼らを突け狙うファン将軍との因縁を聞く…。

「シュリ」で韓国映画の名を高めたカン・ジェギュ監督とハン・ソッキュのコンビが、その前の９６年に作っていた映画です。
この映画を一言で言えば、時空を超えた三角関係の話、というところでしょう。この場合、主人公にすでに彼女がいる、というのがミソですが、主人公スヒョンが急に、あっさりと過去の女ミダンの方に入れ込んでしまうのがひっかかりました。今の彼女ソニョンにプロポーズまでしてるんだし、いくら前世の因縁があるからといって、簡単に乗り換えないでもっと悩めよ、と言いたくなりました。
ただ、前世の因縁には関係していないソニョンの、本筋への絡め方は上手いと思います。彼女の行動原理には納得できましたが、医者としてはあまりに荒唐無稽すぎると思いました。その問題解決も強引に結論づけてしまった感じがします。何で殺さなきゃならんのよ？
でもクライマックスは感動的で、余韻の残るラストでした。

初めの方でのファン将軍の、主人公たちをどこまでも追う姿はターミネーターを思わせます。話の部分でも過去と未来という違いはあれど、別の時代から来たキャラに命を狙われる、という点では「ターミネーター」に似ています。
その「ターミネーター」の第１作は低予算が目に付いた映画でしたが、「銀杏のベッド」も同様に、話のスケールは大きいものの、キャラクターは多くないし舞台は限られていて、合成シーンやＣＧではアラがかなり見え、Ｂ級映画と言っていい作品です。

「シュリ」の後にカン・ジェギュが監督した「燃ゆる月」はこの「銀杏のベッド」の前日談に当たる、と聞いたことがありました。そのせいか日本公開は両作品とも同時期になりましたが、実際比べてみると、銀杏の木が出てくる以外に共通点は分かりませんでした。

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クローサー

香港のコンピューターセキュリティ会社に「天使」と名乗る女性が現れる。天使＝リン（スー・チー）は絶対突破不可能な警備をかいくぐって社長を暗殺し、妹クワン（ヴィッキー・チャオ）の操る衛星を使った監視ネットによる援護で脱出するが、その帰途で以前別れた彼氏に再会してしまう。捜査に乗り出した女性刑事コン（カレン・モク）は独自のカンで彼女らに近づこうとして、クワンがそんなコンを挑発する。そして彼女らに新たな殺しの依頼が来るが、彼氏とのつきあいが順調なリンは辞めたいと言いだし、クワンは姉に内緒で一人で仕事を遂行しようとする…。

「トランスポーター」のスー・チー、「少林サッカー」のヴィッキー・チャオ、そして「食神」のカレン・モクと、香港映画界トップ３大女優の豪華顔合わせで見せるアクション映画です。
そのアクションは、「マトリックス」みたいな「できるわけねえじゃん」的シーンの連続ですが、動きが女らしく？華麗で、動の合間の一瞬に見せる静の表情とポーズが決まっていて、かっこよさにしびれてしまいました。
３人ともそれなりに出演作があるワリには、ここまでハードなアクションを見せた映画は初めてだと思いますが、各々に見せ場が出るように活躍シーンがバラけているし、アクションが連続するワリにシチュエーションを違えているので見ていて飽きません。ハイヒールなどを使った独特のアイデアにも感心します。
従来の香港での女性主人公のアクション映画は、「００７」や「グリーン・デスティニー」などに出ていたミシェル・ヨーみたいに、ちゃんとアクションができる人がやっていて、その経験があまりない人が主役というのは例がなかったように思います。これも近年のワイヤーアクションやデジタル技術の発達のおかげでしょう。さすがに格闘シーンになると、彼女らの動きが多少遅いと思えるところがありますが、仕方のないところでしょう。

女性が主人公であれば、セクシー系の描写も期待したいところですが、この映画はそれにもちゃんと応えています。特にヴィッキー・チャオは、一番若手という設定のせいかミニスカや短パンのシーンが多く、おみ足を拝める健康的なセクシーショットを存分に見せてくれます。スー・チーもカレン・モクと下着丸出しで戦ってくれます。カレン・モクはずっとパンツスタイルで、フェロモン系の描写はないかと思っていたら、ワンカットだけの着替えのシーンでけっこうエッチな写し方が見られました。

しかし肝心の物語はパターン気味な展開で、アクションを目当てに見るべき映画です。リンとクワンの姉妹にはある過去がありますが、それがアクションの設定のみに使われるだけで本筋に絡まないため、彼女たちへの感情移入が今ひとつ踏み込めないものになってしまったのは残念です。
３人の女性のアクションということで、見る前は「チャーリーズ・エンジェルズ」みたいな話なのかと思っていましたが、むしろ「キャッツ・アイ」の方が近いと思います。キャラが身軽でハイテクに強く、警察に追われるのは同様だし、「キャッツ－」をハードに、血なまぐさくした感じの作品です。

スー・チーは「トランスポーター」とは違った、冷静沈着なキャラで、その妹を演じるヴィッキー・チャオは対称的なキャピキャピ（死語？）娘という感じです。ヴィッキーは日本では「少林サッカー」で有名になったはずですが、ブスメイクだった「少林－」より当然、こちらの方が愛らしさが出ているし、後半には激しさも見せて、「少林－」の前に公開された「決戦！紫禁城」ともまた違った魅力が出ています。
ブルース・リーブームの時に作られた和製ドラゴン映画に何本か出ていた、倉田保昭が敵の用心棒役で出ています。この人はたまに香港映画で見かけますが、ずいぶん久しぶりに思いました。今回は最後の強敵という役どころで、主人公たちと戦う時間が一番長くなっています。アクションがチャンバラなのは、日本人てことを意識したゆえかなあ？

映画は香港モノですが、コロンビア映画のブランドとして公開されるようで、初めにコロンビアの女神ロゴが出ます。日本でもワーナーが「さくや：妖怪伝」を配給したり、「ＯＵＴ」が２０世紀フォックス映画として公開されたことがありましたが、それと同じ流れなのでしょう。「グリーン・デスティニー」や「ザ・リング」なんかのヒットで、ハリウッドのアジアへの注目度は役者や監督だけにとどまらず、作品自体にまでなってきたのかもしれません。

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タキシード

スピード狂いのタクシードライバー、ジミー・トン（ジャッキー・チェン）はその運転技術でスカウトされ、謎の大富豪・クラーク・デヴリンのお抱え運転手になる。仕事にはいくつかルールがあり、その中にはデヴリンのタキシードに手を触れないこともあった。だが車が何者かに狙われ、デヴリンは爆弾に巻き込まれて重傷を負い、倒れる間際に「ウォルター・スライダー」と謎の言葉を残す。トンは主人の仕事を遂行しようと、ためらった末にタキシードに袖を通すが、それは腕時計で設定したモードでどんな状況でも肉体を対応させる機能を持っていた…。

今回のジャッキー・チェン映画を配給しているのはドリームワークスで、ここはスティーブン・スピルバーグの製作会社です。そのせいなのか？今回はワイヤーを多用して、単に肉体を駆使するだけでないアクションを見せています。
ジャッキー・チェンはハリウッド進出の理由として、いつまでもアクションスターではいられないだろうから特撮を勉強したい、とどこかの雑誌で語っていました。この作品は、彼がその方面にシフトしようと試みているように思えます。
しかしその分、従来の彼らしいアクションが抑え気味になり、ジャッキーの映画としては満足できません。ギャグシーンも、彼のアクションやリアクションのおかしさで笑わせるより、シチューエーションで笑わせるシーンが目立ちます。ま、映画のウリであるタキシードの機能はなかなか笑えて楽しめますが。

今回はアクションだけでなく、ラブコメタッチの描写もあり、ジャッキーはアクション以外の新機軸を狙ってるように思います。しかし全般的に、大方の彼の映画と同様、彼を初めとしてキャラクターに厚みが感じられず、相手役であるジェニファー・ラブ・ヒューイットもアクションぽい？動きを見せてがんばっていますが、添え物ぽく見えます。物語の展開もかなりイージーで、突っ込みたくなる箇所が多々あります。
とはいえ話のペースはいいので、そういった部分を気にしなければ楽しめる映画です。記憶に残らなそうだけど。

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リロ＆スティッチ

銀河連邦のマッドサイエンティストが、遺伝子操作実験で小さくて頭のいい凶暴な生物を作り出してしまう。連邦議会は６２６号と呼ばれるその生物の追放を決定するが、それは警備の隙を突いて脱走し、乗った宇宙船は辺境地域の地球にあるハワイのカウアイ島に墜落する。一方、この島で姉ナンと暮らす、事故で両親を失った少女リロはペットを欲しがり、６２６号は「イヌ」に成りすましてリロに引き取られ、スティッチと名づけられる。だが福祉局はナンの養育能力に疑いを持ち、スティッチの暴走はその疑いに拍車をかけることになる。そして連邦議会から派遣された２人組の追っ手が、スティッチの捕獲を狙っていた…。

今年度のアカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされた、ディズニーアニメです。
ディズニーの映画で描かれる家族像はたいがい、両親が揃っているといった模範的なものです。例外は傑作「ノートルダムの鐘」くらいでしたが、この「リロ＆スティッチ」も主人公リロには姉しかおらず、両親はいないという例外パターンです。そして最後に描かれる家族像にはそのよりどころを「血」ではなく「心」や「共通体験」にしているところが、離婚や人工授精など、家族間の血のつながりが希薄になってきているであろうアメリカ社会の現実を思わせます。
とはいえ、スティッチがかなりいやな奴なのに、何でリロがそこまでスティッチにこだわるのか、という一番肝心な描写が足りないおかげで、今ひとつキャラクターに感情移入できません。話は退屈しませんが、いつものディズニーアニメのごとく調子いい展開になってしまって、感動もできませんでした。
結局「リロ＆スティッチ」はアカデミー賞の最優秀賞を取れませんでした。受賞した「千と千尋の神隠し」のクオリティに及ぶ出来ではなく、当然の結果でしょう。

でも後半での宇宙船のチェイスシーンは、巨大感とスピード感がよく出ていて、この映画の一番の見どころでしょう。ここは雲を使う見せ方など、「千と千尋の神隠し」の宮崎監督が手がけた「風の谷のナウシカ」での巨大船の戦闘シーンを参考にしたように思えますが、「ナウシカ」時代には無かったＣＧを使ってその迫力に迫っているのは、技術のあるディズニーの底力を感じます。

映画の設定は「アイアン・ジャイアント」を連想させます。宇宙から降ってきたのが「アイアン－」はロボットで、「リロ＆－」は生物という違いはありますが、真っ白な心だったジャアントに比べて、スティッチは初め悪の心に染まっていた分、善の心に変えていく演出がやりにくかったのかもしれせん。

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ド　ー　ル　ズ

ジュディーは父母と車で旅行をしていたが、継母であるローズマリーは金持ちだけどわがままで折り合いが悪く、実の父デビッドはそんな妻に降り回されっ放しだった。彼らの車はある田舎道で急に雷雨にたたられ、ぬかるみにはまって動けなくなる。デビッドたちは近くで雨宿りできそうな館を見つけて入るが、中は人形だらけだった。そこの年老いた主人ガブリエルは妻と共に人形を作って暮らしていて、ジュデイーにミスター・パンチと名づけた人形をくれる。そんなところにラルフ、そしてイザベルとイーニッドの女性２人のグループが、やはり雷雨にあって車が動けなくなり、一夜の宿を求めにくる。全員があてがわれた寝室に入るが、金目のものを探そうと部屋を出たイザベルは何者かに襲われる。その現場を目撃したジュディーは親に言うが信じてもらえず、ラルフにも言う。初め彼は信じなかったが、ジュディーのスリッパが血まみれなのに気づき、イザベルが消えた部屋に向かう…。

タイトルは北野武の映画と同じ（あちらは「Dolls」）ですが、こちらは８０年代後半に低予算の特撮映画を量産した、今は懐かしいエンパイア・ピクチャーズの作品です。
タイトル通り、人形が人を襲うお話で、このテの作品は後年「チャイルド・プレイ」や「パペット・マスター」などが出てきました。しかしこの映画でユニークなところは、人形たちが単に怪物的に人を襲うでのはなく、ジュリーの親たちといったイヤな大人を懲らしめる、勧善懲悪的な話になっている点です。
低予算を逆手に取ったように、場所を限定してキャラを少くなくしているおかげで、話はコンパクトにまとまっていて、セリフのやり取りも面白く、ラストもさわやかでかつニヤリとさせてくれます。監督は名作？「死霊のしたたり」など何作かエンパイアで監督を手がけたスチュアート・ゴードンですが、彼が只者でないことをうかがわせる作品です。

作られた時代が時代だけに、特撮にＣＧなんぞ使っているはずもなく、人形が動くシーンはストップモーションアニメで見せていて、今見ると懐かしい感じがします。カットによっては繰演の糸が見えるのも、ご愛嬌でしょう。
特撮シーンが長くないのはやはり低予算映画ですが、人形たちを見せなくても、笑い声や走る音といったＳＥで、不気味な雰囲気を上手く演出しています。

この作品の後にエンパイアで作られ、シリーズ化までされた「パペット・マスター」は、人形たちにもっと個性を持たせた話といったところでしょう。その意味ではやはり、この「ドールズ」が元になっているように思います。

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インプラント

ある嵐の夜、ビリー少年はクローゼットから何者かの影を感じて寝付けないでいた。しかし母親はビリーの言うことを信じるわけはない。そしてついにその陰は姿を現し、ビリーをベッドの下に引きずり込む。それから２０年後、大学院で心理学を学ぶジュリアは、幼ななじみのビリーから電話を受け、そのただならぬ感じに待ち合わせのダイナーに向かう。ビリーはやつれ果て、手に小さな傷があり、「奴らが戻って来た。奴らは光を嫌う」と言った後に自分に向かって拳銃の引き金を引いた。ビリーの葬儀の日、彼の友人というサムとテリーがジュリアに話しかけてくる。彼らは彼女やビリーと同じく、子供のころに異常なほど夜を怖がっていたという…。

クローゼットや、洗面台の鏡の裏の戸棚などから襲ってくるモンスターに怯える人たちの話で、「モンスターズ・インク」のホラー版という感じです。
といっても、この映画は「モンスターズ・インク」のようにモンスターの側から描く話ではなく、襲われる人間の側で展開する話です。そのせいなのか、モンスターは「悪魔」と呼ばれるだけで、どういう存在なのか具体的に語られません。姿も動きが早いばかりでちゃんと描写されず欲求不満になります。原題も「They」と、あいまいにされています。
襲われる人々は子供時代に何らかのトラウマを抱えていた人のようで、暗闇を怖がるという共通点がありますが、なんで彼らが襲われなければならないのか分かりません。ましてや子供時代だけではなく、何で２０年も経った今になってまた襲われなければならないのかも、映画は何も語りません。
襲われる人たちは邦題タイトル通り、物体をインプラントされていますが、そのインプラントが何のためなのかも不明です。襲う人間を選別するためなのかもしれませんが、何も理由は語られません。
クローゼットにうごめく影、子供のころのトラウマ、原因不明の傷、体内に埋め込まれた物体…何かありそうなネタを散りばめておきながら、話を広げるだけで謎の回答は何も語られません。怖そうな雰囲気だけで押し通してしまっている映画です。

この作品を上映している新宿東映パラス（３）は１００人も入れない狭い映画館です。結局ビデオ化の、ハク付けのための劇場公開でしょう。でもこんな内容では、お金を払う価値があるか疑問です。

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ブラッディ・マロリー

結婚式の夜、夫が吸血鬼であると知ったマロリー（オリヴィア・ボナミー）は夫を殺してしまう。その後彼女は超常現象特殊部隊のリーダーとなり、ある修道院に向かっていた。その建物中で、彼女のチームはグール（食人鬼）たちと戦うが、油断したために１人を失い、グールのリーダーを逃がしてしまう。その後グールたちはフランスを訪問中のローマ教皇を誘拐し、先の戦いでただ１人無傷だったマロリーは教皇救出の依頼を受け、村人全員が消えたという村に向かう。だが彼女がそこに入ったとたん…。

魔界バスターズＶＳ悪魔軍団といった話で、展開はスピーディーで飛ばしてくれます。主人公のマロリーは夫がバンパイアだった過去があり、仲間にはドラッグクイーンやどんな生物でも乗り移れるテレパス、そして敵もグールの他に、口の無い魔女やド派手な衣装の女バンパイアなど、キャラクターは善い者も悪者も個性的で楽しめます。
女バンパイア・カルミナの衣装はまるで「ベルサイユのばら」ですが、それも道理で、この映画の監督は日本のアニメが大好きだそうで、名前もジュリアン・マニアという、本名かどうか怪しい響きです。
アクションシーンにはアニメを思わせる見せ方もちょっと出てくるし、エピローグでは某大ヒットホラー邦画がネタにされているし、マロリーに協力することになる神父の名前も某ホラー映画を思わせるなど、映画には監督が趣味を反映させたであろうマニアックに楽しめるシーンが見られます。
さらに監督は音楽を「攻殻機動隊」や「リング」を手がけた川井憲次氏に依頼していて、マニアック度もここまでくると本格的です。

悪霊を単なる敵とは見なさず、召喚するやり方は面白い形ですが、これってゲーム「女神転生」の影響かもしれません。ここではマロリーがかつて殺した夫が関係してきますが、彼とマロリーの、愛してるような嫌っているような微妙な関係が物語の上手いスパイスになっています。

とはいえ、監督が「「レイダース」のオマージュ」と語るシーンなんか余計に思えたし、話には展開をはしょったり、進みすぎたように思える箇所がいくつかあり、アクションの見せ方も迫力が今ひとつです。やはり初監督作品のせいか、監督の思いが先走った感じがする作りで、Ｂ級として見れば結構楽しめる出来でしょう。ハリウッドあたりでちゃんと作ったらＡ級になったかもしれません。

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戦場のピアニスト

１９３９年、ドイツ軍はポーランドに侵攻し、ワルシャワの放送局で演奏していたピアニストのシュピルマン（エイドリアン・ブロディ）は爆撃から辛くも脱出する。彼らユダヤ人たちはダビデの星の腕章を強制され、入店を断られるなどの差別を受けだす。そしてナチスはユダヤ人の隔離政策に乗り出し、シュピルマンの一家も市内のユダヤ人居住区（ゲットー）に移動させられる。シュピルマンはナチスとうまくやっているユダヤ人御用達のレストランでピアノ演奏の仕事をし、父親のために職の斡旋を頼むなど何とか暮らしていたが、ユダヤ人の収容所移送が始まり一家もその対象になる。だが一家が貨車に乗り込む寸前、ユダヤ人警察の顔見知りがシュピルマンを見つけ、彼だけを家族から離してしまう。一人になったシュピルマンはゲットー内での強制労働に従事することになり、脱出を意識し出す…。

カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞したのがウリの作品です。
この映画の主人公シュピルマンは占領下のワルシャワをひたすら逃げ回るだけで、英雄的な行動を見せることはあまりありません。傍から見れば臆病者と言ってもいいでしょう。こういう、戦時下でヒーロー的な行動をしたわけでもない人物を主人公にした物語というのは、一昔前ではできなかったかもしれません。
「アンネの日記」の主人公もレジスタンスとかをしたわけではありませんが、この場合のアンネ・フランクは未成年の少女という点で、悲劇の物語にしやすい、と言えると思います。
しかしこの「戦場のピアニスト」の主人公は少女ではなく、多少美男子ではあるけど、ただのおっさんです。そのとりえはピアノですが、体力があるわけでもなく、戦時下では何の役にも立ちません。いわばシュピルマンは、ごくフツーの人です。
こういう人を主人公にした映画は、物事に対する見方が多様になった今だからこそ作れた話だと思います。でも強い人というのはそんなにいないはずで、もし戦争とかになれば、大多数の人々は勇気とは遠い（ひどい言い方だけど）シュピルマンのような行動をとるのではないでしょうか。この映画の観客層は若い人からお年寄りまで幅広いものですが、そういった共感を持たれたことがヒットにつながっているのではないかと思います。
そして主人公のフツーさゆえに、唯一の特技であるピアノを演奏するシーンでは、彼の激情のほとばしりが感じられて、やはり一番の見どころです。ピアノ演奏のシーンは、全部合わせても映画全体の尺に比べればわずかですが、その重要度はやはり「戦場のピアニスト」のタイトルにふさわしいインパクトがあります。

この映画は軍人ではなく、シュピルマンのような一般市民の視点で描かれています。なのでユダヤ人の中でドイツ軍に抵抗する人や迎合する人がいたり、レジスタンスの中でもユダヤ人を食い物にする人間がいるなど、一枚岩でない描写が出てくるところがいかにもフツーぽくてリアル（事実なんでしょうけど）に見えました。

この作品は同じ時代を描いた「シンドラーのリスト」に比べると劇的な話ではありませんが、主人公の心理が今ひとつ分からなかった「シンドラー」よりは感情移入できました。
それに、カンヌ映画祭で賞を取った作品には僕にとってはどこか共感できなかった映画が多いのですが、今回は素直に入れ込めました。

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ダイアナザーデイ

サーフィンで北朝鮮に侵入したジェームズ・ボンド（ピアース・ブロスナン）は、武器密売人になりすまして非武装地帯の警備隊長ムーン大佐に近づくが、腹心ザオに正体を見破られてしまう。例によって特殊爆弾で危機を乗り切ったボンドはムーン大佐に負われるが、逆に彼を追い詰めて滝つぼに落とす。だがボンドは捕らえられ、当局からの過酷な拷問を受ける。彼は１４ヶ月後にようやく解放されるが、それは捕虜交換の条件で、代わりに戻されたのはザオだった。ボンドは拷問で北に秘密を漏らしたと疑われ、００ライセンスを奪われ、病院に監禁されるが、潔白を証明すべく脱出する…。

シリーズ２０作目となる今回は、ボンドが捕まり、解放された後には００のナンバーを剥奪されるという、厳しい状況で始まります。殺しのライセンスを剥奪される、という話は今までにありましたが、ボンドが肉体的にここまで痛めつけられるオープニングは初めてでしょう。
しかしそれ以降の話は、ボンドは女たらしだし、ボンドカーは大活躍するし、それ以外のハイテクメカもいろいろと出てくるし、敵は大掛かりな超兵器を出してくるし、クライマックスでは国のバックアップを受けて敵と戦うといった、「私を愛したスパイ」などで見られたような、かつての００７のパターンに戻った感じの話で楽しめます。
話の舞台は北朝鮮や香港やキューバやアイスランドなど、いろいろ飛びますが、エピソードが次々と起こってくれるのでノンストップアクションといった感じになり飽きさせません。アクション自体も、レーザー光線が飛び交う中での格闘など、工夫が見られてドキドキできます。
舞台があちこち飛ぶし、設定でそこまでやる必要ないだろう、と突っ込みたくなるところはあるのですが、展開にスピード感があるのであまり気にならず、一気に見れてしまいました。

今回はアカデミー最優秀主演女優賞を受賞したハル・ベリーが、ボンドガールを演じているのがウリです。彼女が演じるジンクスは、危機に陥っても余裕を見せる、女ボンドみたいなキャラですが、今回の敵は１人ではないおかげで、ちょうどよくボンドと役割分担がされていて、存在感が出ています。アクションも決まってるし、ナイスバディだし、彼女を主演にしたスピンオフシリーズが作られるといううわさも納得です。

この映画はアメリカで公開された時、北朝鮮から上映中止を求められたことがワイドショーで話題にされました。確かに今回の敵は北朝鮮の人間で、世界支配を目論んでるような描き方だから北朝鮮が怒るのも当然でしょう。どうせなら「将軍様のため」なんていうセリフでもあったら、もっとリアルでした。
しかしあれだけの超兵器があるのなら、ワシントンや東京でも狙った方が効果的だと思うなあ。

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ボウリング・フォー・コロンバイン

「ロジャー＆ミー」でカメラ片手に（正確にはカメラマンを連れて）突撃取材を敢行したマイケル・ムーア監督が、アメリカの銃社会問題に切り込んだ作品です。
タイトルの由来は、９９年にコロラド州リトルトンのコロンバイン高校で、２人の男子生徒が銃を乱射し、多数の死傷者を出した事件に関する出来事から取られています。ムーアはその犯人の同級生、犯人に影響を与えたと攻撃されたミュージシャン、さらに「サウスパーク」の製作者やＴＶの犯罪追跡番組のプロデューサーなど、アメリカの暴力に関する事象に関わる多くの人々にインタビューし、また銃を巡る現象を取材しています。中には冗談としか思えないような信じられない出来事もあり、観客を驚かせ、怒らせ、時には笑わせながらアメリカの抱える銃社会問題の種々の面が浮かび上がってきます。
特に外国、カナダとの比較は目からうろこと言っていいほど驚愕させられました。またこの映画で語られるアメリカ経済の繁栄の理由には、僕自身アメリカでＴＶをよく見ていただけに納得で、なんだか同時多発テロもアメリカ政府が背後にいるのかと疑いたくなりました。
何でブッシュがイラクを攻撃したがるのかもなるほどと思えるし、アメリカとはどういう国なのかを理解するには最適の映画です。アメリカの暴走ぶりが目立つ今タイムリーな、全人類必見の映画と言えます。大げさでなくマジで。

ただ、取り上げられる事柄が多いので、ムーアが具体的に何をしたいのかが分かりにくくなっています。映画は結論めいたものは出しませんが、現象が大きいゆえに致し方ないところでしょう。

この映画では、チャールトン・ヘストンが全米ライフル教会の会長であることで重要なキャラになっていますが、かつてのヒーロー的なイメージが変わってしまいます。

この作品は恵比寿にあるガーデンプレイスで公開されていますが、アメリカのイラク攻撃の話題のせいか、開館以来の大ヒットになっているそうです。僕の見た回は夜でしたが、その日の昼間には平日なのに満席の札が貼ってありました。観客はおねーちゃんからおじさんまで、さらに外人さんまで幅広い層が来ていて、映画への関心の高さが伺えました。

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トレマーズ３

アルゼンチンに怪物クラボイズが出現した。出現以来たびたび彼らと戦い、今やクラボイズ対策のエキスパートとなったバート（マイケル・グロス）は全匹を特性の銃で悠然と始末する。コンクリートで地盤を囲んだ家のあるパーフェクションに帰ると、待っていたようにクラボイズが再び出現し、やらせのクラボイズツアーを催していたジャックが命からがら逃げてくる。バートは直ちにクラボイズ退治に向かおうとするが、そこに政府から派遣された科学者が現れ、クラボイズを希少動物として保護すると言い出す…。

性懲りもなく作られたシリーズ３作目は、パート１と２に脇役で登場していた銃器マニア・バートが主役になります。１の主役は「フットルース」や「スリーパーズ」などそれなりに名のある映画に出ているケビン・ベーコン、２では「ライトスタッフ」あたりが代表作かと思えるフレッド・ウォード、そして今回は出演作がパッと出てこないマイケル・グロス、と役者の知名度は１作ごとに下がってきていますが、全作に顔を見せている出演者がまだ出ていることで、シリーズを通しての物語の統一性は出るのでヨシでしょう。

今回の原題のサブタイトルは「BACK TO PERFECTION」。その名のごとく、映画の舞台は再び第１作でクラボイズが初出現したパーフェクションです。パート２で語られていた通り、ここでは疫病神であるはずのクラボイズが名物にされていて、やらせのクラボイズ出現ツアー（ヌルさが笑える）なんてあるし、クラボイズネタのゲームやコミックなんて本当にありそうです。これらが置いてある店はパート１でも出てきた雑貨店ですが、ここに飾られてる写真は第１作を覚えている人ならニヤリでしょう。

第１作のクラボイズは地中から出現し、２作目は地上を走りました。このパターンで来ると、３作目の進化はたいていの人には予想がつくと思います。実際その通りですが、バートたちが彼を「Ass Braster」（「ケツ噴射機」とでも訳すべきか？）と名づけることになる能力は、ここまでやるかと笑えました。
第１作と同じ舞台でクラボイズと闘うということで、映画でやってる事は同じパターンですが、キャラクターはそれなりに個性があるし、セリフのやり取りも面白く、３作目に至ってもクオリティはそんなに落ちてはいません。こりゃあ４作目が作られる可能性もあるなあ。

オープニングクレジットにある製作会社名に「HOME」という単語があるので、この作品はビデオ用に作られた作品かもしれません。でもこのテの作品で１０４分はちと長い…。

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ＢＯＮＥＳ
ボーンズ

寂れたスラムにある古びた建物。ある夜その建物に押し入った２人組の黒人は黒い犬に襲われ、建物から逃げ出そうとした瞬間に引っ張り込まれる。そんなことを知らないパトリックは、友人や兄弟たちと共に、そこをクラブに改装しようと作業を開始する。だが近所の者は彼らの行動に何かを恐れるように怯えた。そんな中でパトリックは占い師のパール（パム・グリアー）の娘シンシアと親しくなる。そして彼らは、地下室で白骨死体を見つける…。

映画の時代設定は現代ですが、舞台になる建物に関する過去のシーンがたびたび挿入されます。このシーンは７０年代ぽく、あせた色調でそれらしく見せていて、昔はよかった的なノスタルジアを感じさせます。
こういうシーンがあって、かつて黒人映画で人気のあったというパム・グリアーも出ていることで、この作品は黒人映画にホラーテイストを入れた映画、というところでしょう。この組み合わせの着想は面白いところですが、雰囲気が全然違ってしまい、合ってないように思えました。
お話は普通の幽霊屋敷ものという感じです。壁に彫像のように死者が群れているといった面白いイメージはあるけど、全体的にあまり怖くないし、天井からウジが降るといった、どっかの映画で前に見たような描写も気になりました。

タイトルになっている人物、ジミー・ボーンズを演じて実質的に主演であるスヌープ・ドッグは、ラッパー出身だけにかっこ良く映っています。でも悪のキャラのくせに怖い感じはあまりしません。お話を変えて、ヒーローでもやった方が合ってたように思います。

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サラマンダー

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星 願 あなたにもういちど

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スピリット

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リベリオン

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デアデビル

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銀杏のベッド

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クローサー

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タキシード

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リロ＆スティッチ

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ド ー ル ズ

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インプラント

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ブラッディ・マロリー

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戦場のピアニスト

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ダイ アナザー デイ

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ボウリング・フォー・コロンバイン

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トレマーズ３

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ＢＯＮＥＳ ボーンズ

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あなたにもういちど

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