ネバーランド

劇作家のジェームズ・バリ（ジョニー・デップ）の新作が不調で終わる。妻と寝室を別にした状態で過ごしている彼は、いつものように犬を連れて公園に行く。そこで彼は４人の子供たちと、その母シルヴィア（ケイト・ウィンスレット）に出会うが、子供たちの中でピーターだけは感情を閉ざした風だった。彼らに想像の翼を広げることを教え、遊んでいるうちにジェームズは新作「ピーターパン」を書き始めるが、彼とシルヴィアの仲を誤解する噂が飛び交うようになり、シルヴィアの母（ジュリー・クリスティー）も彼を拒絶する…。

舞台はもちろん、アニメにも実写にもなった「ピーターパン」。この有名な物語がいかにして誕生したか、という話には興味をそそられます。
しかしこの作品は「ピーターパン」制作の経緯よりも、原作者ジェームズとそれがインスパイアされたシルヴィア一家との交流に、話の重きが置かれています。
そのおかげか、ジェームズがいつの間に「ピーターパン」を思いついていて、それを書くに至る彼自身の心境がはしょりすぎな感じがしました。見る前に期待してしまった「メイキング・オブ・ピーターパン」という点では、不満の残る出来ではありました。
それでも、クライマックスは泣けました。誰かが書いていたように「ビッグフィッシュ」を連想させるシーンです。

主人公を演じるジョニー・デップは、感情を表に出さない静かな演技が、これまでの彼の作品とまた違って見えましたが、子供たちと遊んでいる無邪気なアクションは「パイレーツ・オブ・カリビアン」を思い出します。
映画にはダスティン・ホフマンが劇場の支配人役で出ていますが、ほんとにチョイ役で、もったいない感じがしました。

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ＴＡＸＩＮＹ

自転車便の仕事をしていたベル（クイーン・ラティファ）はついに念願のタクシードライバーになり、白バイをも寄せ付けないスピードでニューヨークを爆走していた。一方、刑事ウォッシュバーン（ジミー・ファロン）は潜入捜査でまたも相棒の車を壊してしまい、恋人で上司のマータ（ジェニファー・エスポジート）から免許を取り上げられる。そんな時、銀行強盗の通報を受けたウォッシュバーンは通りがかったベルのタクシーに乗り込み、現場に向かう。そこを発進した怪しいBMWを見つけたベルは、尋常でない運転テクニックで強盗団を追い詰めるが、間一髪で逃げられる。ベルは男に見えた強盗団が、美女のグループだったことを見逃さなかった…。

原題は「TAXi」。リュック・ベッソン製作の人気？シリーズのハリウッド版リメイクです。
お話は所々オリジナル版と似てるとこが目につくし、凄腕のタクシードライバーと、ドジな刑事、というコンビの設定は同じです。しかし主人公のタクシードライバーを女性にするなど、キャラの性別を変えてるせいか、オリジナル版と比べると印象は多少違って見えます。
とはいえオリジナルと同様、軽く楽しむ映画という出来に変わりはないし、オリジナルより面白い、というような突出したところは特にありません。ただ少なくとも、オリジナルのパート３よりは楽しめます。

主人公がガタイのでかい黒人のねーちゃんということで、オリジナルのこのキャラ以上にパワフルになっているのは面白いところです。でもオバサンというのは、見ていてあまり楽しくはないけど…。
でも敵である、強盗団が美形のねーちゃん集団という設定になって、お色気サービスもちゃんとあるのは見てて楽しいところでした。まさか、これでセクスィー度のバランスを保ちましょう、という制作側の目的ではあるまいな？

今回も製作にはリュック・ベッソンが関わっています。てことはもし続編があるのなら、オリジナル版キャラとの共演、というエピソードも有り得るかもしれません。

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カンフーハッスル

ギャングたちが抗争を繰り広げていた中国。その時代、覇権を握っていたのは情け容赦のない「斧頭会（ふとうかい）」だった。だが豚小屋砦と呼ばれるアパートのある貧しい地域は、そんな物騒な出来事には無縁だった。そのボロアパートに、大物ギャングに憧れるチンピラ、シン（チャウ・シンチー）がやってきて、住民から金をせびろうとするが、簡単に撃退されてしまう。報告を受けた斧頭会のボスは試しに手下を送り込むが、彼らもまたやられてしまい、斧頭会は殺し屋を差し向け、本格的に豚小屋砦潰しに乗り出してくる…。

「少林サッカー」で特撮コメディに新天地を開いた？チャウ・シンチーが、同様のノリで見せるSFXカンフーアクションムービーです。
話もアクションも宣伝文句通り「ありえねー！」描写には笑えます。スーツ姿の敵をいっせいに蹴散らすシーンもあったりして、強引な展開は「マトリックス」のパロディみたいです。シナリオがどうだとか演出がどうだとか真面目に見るのではなく、おバカな展開を笑って楽しむ映画でしょう。
それでも、アクション監督は「マトリックス」や「グリーン・デスティニー」を手がけたユエン・ウーピンと、サモ・ハン・キンポーという贅沢な組み合わせです。なので格闘シーンは戦い方にバリエーションを持たせて飽きさせず、手抜きはしてません。
ただこの作品、人が死ぬシーンが無かった「少林サッカー」と比べると、かなり残酷な描写が目に付きます。命を軽視してるようで、見ていてイヤになる箇所がありました。

しかし、出てくる役者は「少林サッカー」とダブるので、それを見た人には馴染みの顔が出てるのが楽しめるところでしょう。あの映画で踊っていたヘンな顔の少年が、今回もヘンなキャラになっているのが笑えます（見どころはケツ！）。

ラストは思わずホロリ！ときてしまいました。本筋とは関係ないような感じもするんだけど…。

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スーパーサイズ・ミー

マクドナルドの食品のみを１日３食全部、１ヶ月間食べ続けたらどうなるか？という実験を、監督モーガン・スパーロック自ら挑戦したドキュメンタリーです。
ハンバーガーやフライドポテトなんかのファーストフードなんて脂肪が多いはずだから、その結果は身体状況を悪くする、てことは想像がつくでしょう。映画を見る前は、おそらく体重と腹の出っ張り具合とコレステロール値が増える、という程度なんだろうと想像してました。
しかし映画で示された結果はその予想を超えるひどさで、ショックでした。予告で医者が「これ以上続けては危ない」と警告するシーンがあって、本当かよ？と思いましたが、納得です。監督自身も同様に、ここまで悪いことになるとは予想してなかったのでしょう。彼が実験を続けるべきか悩んでる感じのシーンもやらせではなく、本当ぽく見えます。

映画はマクドナルドだけでなく、給食会社の選定や食品会社の広報活動やロビー活動など、食をめぐる現状もいろいろと取材していて、興味深いものがあります。ただ、そういったシーンでは監督の独断と思えるナレーションが多く、押し付けのように聞こえた箇所もありました。
たぶんモーガン君はマイケル・ムーアのタッチを目指したのでしょう。自分で体張ってるし。ならばナレーションも「ボウリング・フォー・コロンバイン」くらいの適切さを見習ってほしいところでした。

そういった点でこの作品、ドキュメンタリーではありますが、社会派というより個人映画に近い感じがしてしまいました。それでも、「食」を考える意味では必見の映画ではあります。これを見ると、アメリカが狂牛病対策に消極的なのが納得できます（それでいい、とは言わんけど）。

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ターミナル

ニューヨーク・JFK空港に着いた東ヨーロッパのクラコウジア人、ビクター・ナボルスキー（トム・ハンクス）は、出国カウンターで足止めを食らう。英語が分からない彼はその理由が理解できなかったが、空港内のTVでようやくクーデターによって祖国が大変なことになっていることを悟る。国が消滅したためパスポートを没収され、ビザが発行されないので空港内で滞在するを得なくなった彼は、やがて25セントを稼ぐ方法を知り、その一画で暮らし始める。空港管理官のディクソン（スタンリー・トゥッチ）はそんなビクターを煙たがり、なんとか追い出そうと画策する…。

スティーブン・スピルバーグ監督とトム・ハンクス主演コンビの、３作目の作品です。
近年のスピルバーグの映画では「マイノリティー・リポート」よりも、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の方が断然面白かった僕にとって、同じヒューマンドラマ路線ぽいこの作品は、けっこう期待していましたが、ほぼその期待通りでした。
孤独な境遇のビクターが徐々に空港になじんでいき、人々の人気を集めていく展開を、スピルバーグは手馴れた演出で見せていきます。その語り口は爽やかで気持ちよく、アメリカの映画館だったら拍手が起こったのではないかと想像します。
やはりスピルバーグ監督は「マイノリティー・リポート」のような鳴り物入りの大作よりも、こういうほのぼのコメディの方が合ってるように思います。

ただ気になったのは、ディクソンがなんでいつまでもビクターを目の敵にするのかよく分からなかったことでした。無理に敵役を作った感じがします。ま、だから痛快になるシーンもあるんだけど。

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エイリアンVS.プレデター

巨大企業ウェイランド社の衛星が、南極の地下に巨大なピラミッドを発見する。社長のチャールズ・ビショップ・ウェイランド（ランス・ヘンリクセン）は世界中から山岳や遺跡などの専門家をリクルートし、南極に向かう。複雑な部屋構造を持つピラミッドに入った彼らは、ミイラ化した死体が安置してある一室が「犠牲の部屋」だと知る。そして別室で武器らしきモノを持ち上げた時、ピラミッドの内部全体が動き出し、「犠牲の部屋」に入った人々は閉じ込められてしまう。そこに地下から卵らしき物体が現れ、その口が開く…。

エイリアンとプレデターといえば、20世紀フォックス製SF映画の人気キャラですが、これを戦わせようという話は早くからあり、10年くらい前にコミックで「エイリアンVS.プレデター」が出ています。その映画版の話の噂は早くからありましたが、「バイオハザード」のポール・アンダーソン監督によって、ようやく形になりました。
映画のメインエベントは当然、エイリアンとプレデターの戦いです。なのでお話はいかにしてそういう展開に持っていくかが重要になります。この作品での経過はそれなりに納得できる筋立てにはなっていますが、それでも冒頭の地球人だけのシーンはとってつけた感じでノれなくて、眠気を催してしまいました。
この作品と同様の人気キャラ対戦映画では、以前に「フレディVS.ジェイソン」がありましたが、導入部はこちらの方がキャラの特性を生かした感じで、上の出来だったと思います。

しかし映画は、エイリアンが活動し出してからようやく面白くなってきて、肝心のプレデターとエイリアンのバトルはやはり迫力あります。ポール・アンダーソンは「エイリアン」と「プレデター」シリーズ両方とも大好きだそうですが、今回の映画ではオリジナルでの生態や戦い方の設定がちゃんと生かされていて、分かっているマニアが作っている安心感があります。
特に、僕のように「エイリアン２」に熱狂した人には、エイリアン・クイーンの登場と、そのしぶとい戦いぶりはうれしい点でしょう。
後半での人間キャラと…という展開は、その関係が意外で面白いと思いましたが、「人間なんぞ知ったことか」という態度に徹して欲しかったようにも思いました。

映画の見どころはそういった戦闘シーンだけで、内容的にはビデオで見てもいい程度でしょう。ポール・アンダーソンの映画であれば「バイオハザード」（第１作）の方が面白い出来でした。

映画には「エイリアン」のパート２と３に出演したランス・ヘンリクセンが出ていますが、その役名がウェイランド・ビショップというのは、「エイリアン」シリーズを見てた人ならニヤリでしょう。ポール君、ほんとマニアックな奴。

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岸辺のふたり

父親と小さい娘が水辺の道を楽しそうに自転車を漕いでいる。そして娘がボートに乗る父を見送ってから、父は帰ってこなかった。その日から娘は毎日岸辺に行き、父の帰りを待つ…。

全編８分間の短編アニメです。その描写は日本のセルアニメと違う、人物や自転車を単純な線で表現した、いかにも手作りの作品です。娘の境遇や気持ちがちゃんと伝わってきて、最後に爽やかな余韻を残す作品です。

でもだからといって、同じ作品を２回も続けて上映しなくてもいいでしょう。他に同じ監督による、もっと短い短編アニメが２本上映され、それでも時間が短すぎるのでそういう形にしているのかもしれませんが、クドくなります。
また、１回目の上映が終わった直後に好意の批評が字幕で流されますが、感動しろと強制してるみたいで、却ってウザいです。

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僕の彼女を紹介します

高校教師のミョンウ（チャン・ヒョク）はひったくり犯を追いかけていたが、婦人警官のギョンジン（チョン・ジヒョン）に犯人と間違われて逮捕されてしまう。ミョンウは誤解が解けて釈放されるが、後日夜回りの時に再度ギョンジンと組むことになってしまう。その途中で逃走中の凶悪犯の情報が入り、ギョンジンは嫌がるミョンウに手錠をはめ、強引に彼を連れ回す。だが犯人は捕まらず、ギョンジンが手錠の鍵を無くしたことで２人は一夜を共にすることになり、急接近する…。

「猟奇的な彼女」の監督クァク・ジェヨンと、主演チョン・ジヒョンが再度コンビを組んだ作品です。
今回もチョン・ジヒョンは気と腕っ節が強く、そして愛に忠実であるというキャラクターで、「猟奇的な彼女」で演じたキャラとかぶります。でもやっぱりこのテのキャラに彼女はハマっていて、チョン・ジヒョンの魅力が全開！の映画です。
なんつっても今回は、警官の制服というコスプレが見ものでしょう。おまけに回想シーンでは、高校の制服姿まで出てくるし（俺ってフェチ!?）。でもどんな服を着てようとも彼女は、長い髪が映えてかわいく、またかっこいいです（２重アゴ気味がちょっと気になるけど）。

映画の前半はライトなコメディ、後半はシリアスドラマ、ラストはファンタジー、と香港映画のように一貫性がありませんが、お話の展開は予告や映画評での予想を裏切ってくれて、飽きません。
僕が見ていた時は、途中から観客のすすり泣きの声が聞こえました。その辺は音楽の盛り上げがうるさく、「泣け」と言われてるようで却って泣けませんでしたが、ラストでは涙がこぼれました。ま、ここは80年代に大ヒットした、ハリウッド製の某心霊ファンタジー映画に似てはいるんですけど。

映画の途中でX Japanの「TEARS」が流れます。日本映画で韓国の歌を使うようなもんだろうと思いますが、やっぱり韓国映画なのにヘンな感じがして、どことなく違和感がありました。

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ザ・スノウ

雪国の旧家の若き主人・林保(スティーヴン・フォン）は、画家である親友の川村（谷原章介）を自分の邸宅に居候させ、気ままな生活を送っていた。保はある日のパーティで瑠璃子（伊東美咲）を見初め結婚するが、彼の出張中に瑠璃子に恋していた川村が密通し、瑠璃子は彼の子供を産んでしまうが、川村はすぐにその子を殺して埋める。密通の発覚を恐れた彼らは、スキー中の偶然の事故を利用し、保を殺してしまう。だが保は墓所の棺の中で息を吹き返し、白髪の姿をマスクで隠して、瑠璃子と川村に近づく…。

監督やメインスタッフ、そして主演は香港の人、映画の舞台は日本で、出てくる俳優も大部分は日本人、という奇妙な映画です。
原作は江戸川乱歩の「白髪鬼」。しかしお話は、はしょったのかと思うほど展開が速すぎる箇所があって、ついていけませんでした。おかげで一番肝心であろうキャラクターの怨念や情念が全く描けておらず、退屈です。
江戸川乱歩ネタは、日本でも２時間ドラマが作られてますが、そっちの方がよっぽど上手く描いているのではないかと思います。

主人公である保役は香港人だからなのか、彼の声は置鮎龍太郎による吹き替えになっていました。てことは香港で公開する場合は、保はスティーヴン・フォン自身の声で、彼以外の日本人キャストは広東語の吹き替えになるのでしょう。
伊東美咲はこの映画では主演格のキャラクターを演じていますが、ヘタさが目立ちました。主演作「海猫」の制作はこの後のようですが、あの映画でああいう演技になってしまったのもムリはないでしょう。

この映画は、日本ではビデオとDVDのみのリリースです。こんな、いかにもB級のクオリティであれば、劇場公開されなかったのも納得です。

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バッドサンタ

女好きでいつも酔い潰れているウイリー（ビリー・ボブ・ソーントン）は、クリスマスシーズンになるとサンタクロースの格好をし、エルフ役の相棒マーカスと組んで、デパートで子供たちと写真を撮る仕事をしている。しかし彼らの本当の目的はクリスマスでたっぷり金のつまったデパートの金庫だった。昨年も大金をせしめたウイリーはこれっきりで立ち直る、と宣言するが、マーカスの予言通り１年で金を使い果たし、今年もサンタの格好をすることになる…。

クリスマスシーズンにサンタクロースの映画はアメリカの伝統のようなものですが、大方のそのテの映画は、同時期に公開されている「ポーラー・エクスプレス」のように心温まるいいお話でしょう。この「バッドサンタ」も例外とは言えませんが、ここまでお下劣なクリスマスネタの映画は、初めてかもしれません。
主人公の言葉遣いはFの連発で、子供には見せない方がいいでしょう。しかしこういう自己チューで意地汚く好色なコスプレ犯罪者役にビリー・ボブ・ソートンが実にハマっています。
感動までは行きませんでしたが、爽やかな気分で見終えられる話です。

12月になると街のあちこちにサンタが現れますが、そのコスプレで仕事をしてる人のホンネはこうじゃないか？という邪推を絵にしたような映画です。

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ニュースの天才

米大統領専用機でも読まれている雑誌「THE NEW REPUBLIC」の記者スティーブン・グラス（ヘイデン・クリステンセン）は読者の目を引く記事を次々とモノにしている売れっ子。だが彼の書いたハッカーに関する記事に関心を持ったフォーブス・オンラインの記者アダムは、その記事に書かれている「事実」が存在しないことを突き止める。それを聞いたグラスの上司チャック（ピーター・サースガード）も記事に疑いを抱くが、前の上司のように自分をかばおうとしないチャックに、グラスはイラつく…。

1998年にあったという、実話の映画化です。
映画は単にでっちあげニュースの記者を描くだけでなく、その上司にも焦点を当てています。そのことでこの物語は、人を信じることの難しさや甘え、罪の意識の有無などいろんなことを考えさせ、最近のハリウッド映画では珍しくなった、社会派の力作に仕上がっています。
この作品のプロデュースにはトム・クルーズが関わっています。この映画の前に公開された主演作「コラテラル」も彼のプロデュースでしょう。しかし「コラテラル」に比べると、「ニュースの天才」の方が制作費は安いだろうし上映時間も短いですが、クオリティは上を行っています。

主人公グラスを演じるヘイデン・クリステンセンは「スター・ウォーズ：エピソード3」でアナキン・スカイウォーカー＝ダース・ベイダーを演じることになっています。そのせいか、こういう裏表のあるキャラはハマります。

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ポーラー・エクスプレス

クリスマスイブの晩に子供たちを北極のサンタの国に連れて行く「ポーラー・エクスプレス＝急行北極号」。
絵本「急行北極号」はクリスマスネタの話として有名だそうですが、それに乗り込んだ少年の冒険譚を、ロバート・ゼメキス監督で映像化したCGアニメ映画です。
この作品のCGは「ファイナルファンタジー」のような、ほぼ実写に近いタッチです。なので初めに予告編を見た時は、ここまでリアルぽい映像にするのなら、CGオンリーにしないで実写でやればいいのに…と思ってしまいましたが、原作の絵本の雰囲気を再現するためにCGという手法を使ったのではないかと推測します。
そのフルCGの出来はそれなりにいいのですが、人物の動きに若干ぎこちなさが目に付きました。「ファイナルファンタジー」の方がまだ滑らかだったと思います。

しかし肝心のお話の方は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを作ったゼメキスの面目躍如という感じで、あの映画と同じようにドキドキハラハラのエピソードが次々と起こって、飽きさせません。シーンのタッチもジェットコースターのようなアドベンチャーだけでなく、ミュージカルやホラーなどいろいろ取り交ぜて楽しめます。

映画の主役はトム・ハンクスで、彼は声とモーションを５役くらい演じているそうですが、車掌ともう一つの、一番多く出ている２役は声がどうしても彼だと分かってしまいます。モーション付けは顔は画面に出ないから何役やっても分かりませんが、一人が何役もやると、ギャラの節約のためか？と勘ぐりたくなります。

線路の形によっては「銀河鉄道999」を連想してしまうシーンがありました。これで汽車が飛んだらホントにそのものですが、さすがにそういうシーンはありません。

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スカイキャプテン
ワールド・オブ・トゥモロー

1939年ニューヨーク。連続科学者失踪事件を調べているクロニクル紙の女性記者ポリー・パーキンス（グウィネス・パルトロウ）は匿名の電話を受け、待ち合わせに指定された映画館に行き、ドイツの科学者からあるモノを渡される。その直後に鳴り響く空襲警報。外に飛び出したポリーは空を埋めつくして飛来するロボット軍団を目撃する。我が物顔で市街を蹂躙するロボットたちからの助けを求めコールが飛び、スカイキャプテンことジョー（ジュード・ロウ）は直ちに愛機の機首をニューヨークに向ける…。

一見白黒ぽい、色を落とした映像の中で活躍する、ヒーロー、美女、ロボット、空中空母、恐竜、マッドサイエンティスト等々…映画は、昔の「フラッシュ・ゴードン」や「バック・ロジャース」といった、30年代あたり？のレトロで怪しいSF映画やコミックを思わせる雰囲気をよく出しています。
映像のほとんどはCGによるものですが、ここまで独特の雰囲気を出したCG映像はあまり見た覚えはありません。メカの備える秘密のギミックにも驚かされるし、製作者のマニア度がひしひしと伝わってきます。

しかしこの作品、CGだけでなく出演者にしても、グィネス・パルトロウのファッションやヘアスタイルには30年代の映画ぽい雰囲気があるし、自信満々なヒーローと気の強い女性というコンビも、この時代によくあったパターンでしょう。
彼ら、主人公とヒロインのやり取りは笑えるところがあるし、自らの役割を心得て、主人公たちが危機の時には頼りになる仲間の存在は見ていて爽快です。演出もツボを押さえていて、マニアックな感じはあれど単なるヲタク向きの映画にはなっていません。

映像そのものは「CASSERN」も連想しました。あの映画もヘンに深刻にしないで、こういう感じの雰囲気にすればよかったのに…。

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誰にでも秘密がある

刺激的な愛を求めるミヨンは、煮え切らない彼氏を振った直後、歌っているクラブに来た客スヒョン（イ・ビョンホン）にひと目ぼれし、家族に紹介するが、恋愛経験全く無しの姉ソニョン（チェ・ジウ）も彼のとりこになってしまう。そして長姉で夫と子供がいるジニョンも…。

韓流ブームで人気絶頂のイ・ビョンホンとチェ・ジウが共演したラブコメです。同じ時間帯が、３人姉妹各々の視点で語られていく話の作りは、面白いところです。
３人姉妹とヤッてしまうイ・ビョンホンは役得ですが、あまりイヤらしさを感じさせないのが人気の秘密なのかもしれません。しかし勝手に引っかき回して、最後は予定調和的に収まるなんて都合良過ぎです。心のままに生きろ、と言いたいのでしょうけど、キャラクターがアホっぽく見えるだけで説得力ありません。不倫や乱交を薦めてるようにも見えてしまいます。

この作品、韓国ではヒットしなかったそうですが、無理ないでしょう。人気スターをそろえてもいい映画にならない典型です。

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パニッシャー

武器密輸の現場で銃撃戦が始まる。それを仕掛けた人物はFBI特別潜入捜査官のフランク・キャッスル（トム・ジェーン）で、彼は死んだと偽装していた。その銃撃戦の死者にハワード・セイント（ジョン・トラボルタ）の息子ボビーがいて、セイントは事件のきっかけを作った人物を調べさせ、その結果判明したフランクに復讐を誓い、部下を差し向ける。フランクはバミューダで家族や親戚一同と休暇を過ごしていたが、襲来したセイントの部下はフランクの父や親族、そして妻と子も殺してしまう。辛うじて生き延びたフランクはアメリカに戻り、セイント一味への逆襲を開始する…。

マーベルコミックスで人気のシリーズの映画化です。家族を殺された男の復讐、という話はスティーブン・セガールの映画なんかであったと思うし、同じコミック原作モノでは「クロウ」なんかも復讐ネタの話だったと記憶してます。西部劇からの伝統なのか、アメリカではこういう私怨の復讐話は好まれるのでしょう。
このテの話はけっこう殺伐な雰囲気になりがちですが、この「パニッシャー」の場合はフランクと隣人との触れ合いシーンが息抜きみたいになっています。ただの隣人なのにここまで深く関わるのは疑問ですが、ほのぼのとしてホッとさせてくれるし、彼に思いを寄せるねーちゃんが、けっこう美人なのも見ものですな。

今回の敵役を演じるジョン・トラボルタは、主人公役のトム・ジェーンより有名でしょう。トラボルタ君が悪役をやるのは初めてではありませんが、この作品ではあっさりとやられてしまって物足りません。「ブロークン・アロー」や「フェイス／オフ」の方が悪の貫禄が出ていました。彼がフランクを襲撃する動機になる、死んだ息子も彼と全然似ていなくて２流の役者ぽいです。
この映画、主役はそこそこかっこよく描けていますが、敵役を生かしきれなかったのが残念な点でしょう。むしろ中盤で登場する殺し屋たちの方が、個性的で面白いです。

しかしヒーローて、定住しちゃいけないのかなあ？「キャットウーマン」もそうだけど…。

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S　A　W
ソ　ウ

アダムとゴードン博士は白く広いバスルームで目覚める。２人の足首には鎖が嵌められ、互いの間には死体が転がっていて、その手には銃とカセットプレイヤーが握られていた。２人のポケットにはカセットテープが入っていて、アダムは死体の手にあるプレイヤーを取って再生し、ゴードン博士のカセットも再生する。その内容は「６時間以内に相手を殺さなければ死ぬ」というものだった。ゴードン博士はその手口から、これが「ジグゾウ」と呼ばれる犯罪者の罠だと推測する…。

ありえねー！と言いたくなる異常なシチュエーションにキャラクターと観客を共に置いて謎を解いていく「CUBE」という傑作がありましたが、この「ソウ」も同様に、そういう状況の異様さで話を引っ張っていく作品です。
しかしこの作品が「CUBE」と違うのは、舞台がバスルームのみではなくそれ以外の、ダニー・グローバー演じるジグゾウ逮捕に執念を燃やす刑事の場面があることと、キャラクターが少ないということでしょう。
また囚われの２人にも色々とウラがあり、彼らお互いと共に観客も、疑念を抱く展開になり一緒に推理をしたくなります。
でもその推理も、最後のどんでん返しで裏切られることでしょう。このダマし方はなかなか上手くて、完全にやられました。この大逆転は「CUBE」にも無かったパターンです。
でもその後のラストは皮肉というか暗めで、後味はあまりいいものではありません。

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8　0　デ　イ　ズ

19世紀のロンドン。中国人シン（ジャッキー・チェン）はロンドン銀行にある仏像を盗み出し警官に追われ、隠れるため発明家フォッグ（スティーブ・クーガン）の屋敷に入るが彼に見つかり、とっさにパスパルトゥーと名乗りその助手に居座ってしまう。フォッグは仲の悪い科学アカデミー長官のケルヴィンに、世界を一周するなら80日間でできると言ってしまうが、それを聞きつけたシンは故郷の村に戻るため、フォッグとケルヴィンの間で80日間世界一周の賭けを成立させてしまう。だがその行く手には、ケルヴィン卿や仏像を狙う謎の組織の妨害が待ち受けていた…。

過去に何回か映画になっているジュール・ベルヌの有名な小説「80日間世界一周」です。
80日以内にロンドンに戻る、という大まかなストーリーラインと、ラストの「逆転」は原作と同じですが、ジャッキー・チェンが主役というせいかそのルートは中国を通り、カンフー色を色濃く加えたようなお話になり、かなり大胆なアレンジをした話に変わっています。でも旅の主人はイギリス人なので、ジャッキーはどうしても脇役に見えてしまいます。
話は勧善懲悪で分かりやすいのですが、単純すぎてアホっぽくも思えました。こういう話が楽しめないのは、お話がマジでアホなのか、それともトシのせいなのかなあ…。

脇役やゲスト出演がカレン・モク、ハン・キンポー、アーノルド・シュワルツェネガー、キャシー・ベイツといった豪華な布陣であるのが、映画の一番の見どころでしょう。さらに彼らの演じる役柄が、ライト兄弟やウォン・フェイフォンといった有名人であったりするのが笑わせてくれます。

しかし…中国人同士の会話なのに英語を使うてのは、やはり気になる。

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T　U　B　E

空港で政府高官が、ギテク率いるテロリストグループに襲われる。任務をほっぽり出して駆けつけた刑事チャンは仲間の一人は倒したものの、ギテクは取り逃がす。後日、ギテクのグループはソウル市内を走る地下鉄を乗っ取るが、異変を感じた女スリのインギョン（ペ・ドゥナ）がチャンに連絡し、彼もその地下鉄に乗り込む。ギテクは対策司令官に、前大統領を自分の元に寄こすよう要求する…。

監督のペク・ウナクは「シュリ」の脚色・助監督を担当した人だそうです。だからなのか、音楽のメロディやキャラの行動は「シュリ」ぽい感じがしました。
ヒロインがなぜ主人公を好きになるのかよく分からないし、ラストの主人公の行動にはあまり意味が無いように見えるなど、映画には突っ込みたくなる点が多々あります。でもお話自体は、危機また危機が連続して飽きません。

主人公チャンはかっこつけた行動をするわりには、敵によく負ける弱い奴です。彼よりも、職務を賭して乗客を救おうとする地下鉄職員たちの方が、かっこよく見えました。

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モーターサイクル・ダイアリーズ

ブエノスアイレスの医学生エルネストは、もうじき30歳になる親友アルベルトと共に中古のバイクに乗って、南米大陸１万キロを縦断する旅に出る。彼らには金も泊まるあてもなく、バイクは何度も転んで壊れそうになる。それでもアルゼンチンやブラジルは気楽なものだったが、ペルーに入ってから２人は世界の「現実」を見ることになる…。

後にキューバ革命の指導者となる、チェ・ゲバラの若き日の南米大陸縦断旅行を描いた作品です。
今にも故障しそうなバイクで、1万キロも旅をするなど無謀としか思えません。若さゆえの無鉄砲さと純粋さで、バイク同様に突っ走る感じの映画です。

映画の前半は２人が女の子を引っ掛けようとしたりするなど、若者の他愛ない旅の話という雰囲気です。ただ、バイクがおんぼろのくせに２人ともけっこう飛ばすため、事故りそうに見えてハラハラさせてくれて、妙なサスペンスがあります。
しかし途中、ペルーに入ってからは映画のテイストがどっと変わります。貧困というような「現実」が顔を見せて話は重たくなっていきますが、ようやく映画の独自性というかテーマらしいものが出てきて、面白くなります。
それでも映画は過度に深刻にならず、前半の軽めの雰囲気とそんなに違和感を持たせない、抑制の利かせ方が上手いところです。

主人公エルネストはただ純粋で優しい若者で、後の革命家を連想させるような荒々しいイメージは全くありません。でもこの作品を見ると、その後の道程は納得できるものがあります。
何かを「変える」想いは、優しさと感受性から来る…そんなことを思わせる作品です。

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R　E　C
レ　ッ　ク

いじめられっ子の高校生ソンウクは、同級生ウンミから山奥にある彼女の別荘に誘われる。だがその夜突然、マスクをかぶった数人の男たちが別荘に乱入し、ナイフでソンウクをメッタ刺しにし、ビデオに撮る。それはウンミたちのグループのいたずらだったが、ナイフはなぜか本物で、ソンウクは動かなかった。彼らはソンウクの死体をビデオテープと共に森に埋めようと穴を掘りその体を燃やすが、突如ソンウクは立ち上がって走り出し、谷底に消える。それから１年後…。

ポスター、あるいはビデオのジャケットにある眼球が無い顔のアップ写真？は心霊モノぽいし、あらすじには｢呪い｣という言葉が使われ、さらにビデオテープが出てくるから｢リング｣みたいな内容に思えます。
でも映画にはそういう心霊シーンは特に無く、結局「ラストサマー」の韓国版といった連続殺人モノです。ジャケットのような顔が出てくるシーンもありません。
また、ナイフのすり替りの謎が語られていないなど、考えるとおかしい点が多々あります。映画は１時間半くらいの時間でコンパクトにまとまってるのでそこそこ楽しめはしますが、ビデオで十分な作品です。

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大統領の理髪師

60年代の戒厳令下の韓国。大統領官邸のお膝元の小さな町に住む、できちゃった結婚をした理髪店の主人がある日突然、「大統領の理髪師」を命じられてからの、その一家の一見平凡に見えながら、時にハラハラもある日々を描いた映画です。

ジャンルとして分類するならこの作品はコメディでしょう。いつも日和見で、日々に流されるままにあたふたしている主人公の行動が笑わせてくれます。
しかし主人公をあたふたさせる原因は、大統領やその側近といった権力者たちの身勝手な行動です。そして映画の中盤、主人公がただ彼らに忠誠を尽くそうとして起こした出来事が思わぬ悲劇に変わっていきますが、そういったエピソードに製作者たちの、政治家への鋭い批判が読み取れるのが、この映画がただのコメディとは一線を画しているユニークな点です。
そしてクライマックスの主人公の行動が実に痛快でした。政治家に対する態度はどうあるべきか、考えさせられるシーンです。

監督のイム・チャンサンは1969年の生まれだそうで、この映画の時代にはまだ生まれていないはずです。しかし彼は60年代が韓国の民主主義の誕生には重大な時代だと思っているそうで、それを忘れないために60年代を舞台にしたこの作品を作ったそうです。
結果として映画は単に古い話というだけではなく、現代にも通用する物語になりました。韓国での大ヒットも納得の作品です。
こういう、一見ほのぼのした話の中に鋭い視点を見せる映画というのは、ハリウッドでも作れないことでしょう。韓国映画の快進撃は、まだまだ続きそうです。

主人公の床屋を演じているのは「シュリ」や「JSA」のソン・ガンホです。今回は「殺人の追憶」の時とは正反対の、あまり信念の無さそうなキャラクターなのに、やっぱりサマになってしまうのには毎度、感心させられます。

映画には「フォレスト・ガンプ」みたいな、過去のニュース映像にソン・ガンホをはめ込んだシーンが出てきて、韓国映画のVFXのレベルアップを感じました。ゴルバチョフなんかと共演した、永瀬正敏のカップヌードルのCMも思い出します。

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春夏秋冬そして春

「春」：山奥の湖の中にある寺で僧侶と子供が暮らしていた。ある日子供が、山の中で魚とカエルと蛇に石を結びつけて遊んでいるのを見た僧侶は、夜子供が寝ている間に石を体に結びつけてしまう…。「夏」：少年が成長したある夏、母娘が寺を訪れ、娘は体調不良が直るまで彼らと生活を共にすることになる。少年と娘は惹かれ合い、体を重ねる関係になるが、娘は回復したら寺を出なければならなかった…。

山中の寺を舞台に僧侶、そして彼に育てられた若者の何十年にも渡るエピソードを、四季の移ろいの中に描いた作品です。
監督のキム・ギドクはこの作品の前に「悪い男」を作りましたが、この「春夏秋冬そして春」はそれとは全く違う雰囲気です。とはいえ多くを語らないスタイルはやはりこの監督の映画という感じで、いろいろと解釈できる話になっています。でも今回は「悪い男」に比べると難しく、ところどころ理解できないエピソードがありました。
今回の話もファンタジーという感じで、仙人の世界を描いているようにも見えます。撮影はどのカットも美しく、まさに「東洋の美」と言える作品です。この映画はアメリカやヨーロッパでヒットしたそうですが、それも分かる気がします。

この作品はお寺が舞台なので、僕みたいに東洋的な古いモノが好きな人には最高の雰囲気でしょう。韓国の仏教が日本のものとどのくらい違うのかは知りませんが、仏像や絵画など、意外に日本の仏教と似ているのには驚きました。もしこの映画が韓国製だと知らないで、ハリウッドで作った日本を舞台にした映画、なんて言われたら途中まで信じたかもしれません。
仏教アイテムの映像イメージも、般若心経などが独特で、やはり「悪い男」同様この監督の非凡なセンスが感じられます。監督は現在、日本での飛鳥時代の仏教伝来の物語を企画しているそうで、完成が楽しみになります。

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悪　い　男

まだ見ていない人

ヤクザのハンギは、繁華街でボーイフレンドを待つ女子大生キム・ソナに引かれ、その唇を強引に奪う。直後、彼は近くの男たちに袋だたきにされ、ソナからつばを吐きかけられる。その後、ハンギは弟分を使って彼女に簡単には返せない借金を背負わせ、自分の縄張りである風俗街に連れて行ってしまう。ソナは泣く泣く夜の街に立ち、客との行為をハンギはマジックミラー越しに見つめていた…。

あらすじだけ読むとひどいというか、かわいそうな話です。映画ではヒロインにも悪いところはあるので、全くひどいと言う気にはなりませんが、あんなことでフーゾクに売られてしまうのは、やはり酷いことではあります。
しかし前半は確かに悲惨な感じがするものの、お話は徐々にいい雰囲気の「純愛ドラマ」と化してきます。
映画はあまり説明しないので、いろんな解釈ができるのが面白いところです。現実ではないだろうと思えるシーンもあるし、設定を考えると理論的でないと思える箇所もあり、この物語はファンタジーと言っていいかもしれません。男に都合のいい話に思えるし、男のファンタジーと言うところでしょうか。女性が見るとどう思うのか、意見を知りたいところです。
マジックミラーの使い方が面白くそして美しく、他にもハッとさせるイメージのカットがあり、この作品の監督キム・ギドクのセンスは只者ではありません。

この映画で女性がどうだ、と語っても意味が無いかもしれませんが、女性の順応性にはびっくりします。ラストの２人の行動にはオイオイ！と突っ込みたくなりながらもどこか納得してしまいました。「春の日は過ぎゆく」に匹敵するような、ヤワなハリウッド映画なんぞ及ばない恋愛映画の傑作です。

すでに見た人

ハンギの想いはプラトニックに見えますが、それは彼が何らかの性的な欠陥を持っているからかもしれません。２人の間に肉体関係が無いから性的にえげつなくならず、純愛ドラマになるのかもしれません。
ラスト近くでハンギは弟分に刺されますが、もしかしたら彼はこの時に死んだのかもしれません。一方のソナも、この前後かでトラックが彼女の前を横切るシーンがありますが、実は彼女もトラックに轢かれ死んでしまい、以後のシーンは２人が見ている夢、という解釈もできると思います。
ラストで２人が、何の文句も言わないで売春をやるのには驚きましたが、どんな仕事をしようとも、一緒にいるのが心地いいのでしょう。ラストはハッピーエンドと言うべきなんだろうなあ…。

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コラテラル

マックス（ジェイミー・フォックス）はある夢を持ちながら、タクシー運転手として12年間を生きてきた。LAXから女性検事をダウンタウンのオフィスまで乗せた彼の車に、ヴィンセント（トム・クルーズ）と名乗る男が乗り込んでくる。彼はタクシーの一晩の貸切りを頼み、マックスは大金に釣られて了承する。そして１軒目で停車中、彼のタクシーに男の死体が降ってくる。ヴィンセントは死体をトランクに入れ、嫌がるマックスを次の目標地点に向かわせる…。

これまでヒーロータイプの善人を演じてきたトム・クルーズが初めて悪役、というのがウリの作品です。
平凡なタクシー運転手と殺し屋、普通ならまず出会わないであろう２人の組み合わせが面白いところで、善人の甘えを悪人が看破する点が勧善懲悪の多いハリウッド映画では変わっている点でしょう。しかしトム君は、人を何人殺しても悪人に見えません。
ストーリーの想像はつくし、途中で２人を追う刑事たちがクライマックスでは消えてしまって、広がりそうな話がこじんまりとスケールダウンするなど、面白みに欠ける展開になります。「ヒート」や「アリ」みたいに、マイケル・マン監督の映画はまた眠くなりました。

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オールド・ボーイ

酔うと口数が多くなるオ・デス（チェ・ミンスク）は、一人娘の誕生日の晩ある一室に連れて行かれ、監禁される。TVを友として15年後、突然解放されたデスは知り合った若い女性ミドと共に監禁された理由を探ろうとする。彼は自分を監禁していた「監禁ビジネス」の本拠地を探しあて殴りこむ…。

2004年のカンヌ国際映画祭で、グランプリを受賞した作品です。
お話は謎が謎を呼び、事実と思っていたことが間違いであるなど、かなりトリッキーな筋立てですがそう難解ではありません。愛と恨（ハン）が交錯し、善と悪が混沌とするこの物語には、ハリウッド映画なんか単純すぎて生っちょろく見えてしまいます。
監督は「JSA」のパク・チャヌクで、あの映画のように暗い感じはありますが救いようの無さの度合いは下がっています。シリアスだけでなくコメディタッチの描写やヘンなイメージ、そして編集も見どころで、最後まで目が離せない作品です。
カンヌで最高賞であるパルムドールを受賞したのは「華氏911」でしたが、この「オールド・ボーイ」の方がパルムドールにふさわしく思えました。

しがない普通のサラリーマンから監禁されたせいか精神がゆがんでしまった男へ。主人公オ・デスを演じるチェ・ミンスクは、「シュリ」のようなちょっとキレた役は合ってる感じはしましたが、今回はそのもののハマリ役です。
一方敵となるウジンを演じるユ・ジテは「春の日は過ぎゆく」で優しい男を演じていましたが、そんなかけらも感じさせない怪演で、チェ・ミンスクと堂々と渡り合っています。
ただ、チェ・ミンスクは中年に見えるけど、ユ・ジテはもっと若く見えるので、この２人が同年代には見えないなあ…。

映画で語られる監禁された理由は、かなり手が込んでいます。語られる事実も実はウソ、という解釈もできるかもしれません。
しかしこのくだり、儒教感が強そうな韓国ではかなりセンセーショナルだったのではないかと想像します。

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キャットウーマン

大手化粧品会社ヘデアで働くペイシェンス（ハル・ベリー）は内気で男とも上手く行かず、日々の仕事に忙殺されていた。彼女は発表を数日後に控えた新製品「ビューリン」のキャンペーンを任されていたが、社長がデザインを気に入らずやり直しをさせられる。期限内に作品を渡そうと社長がいると思われる研究所に入ってしまったペイシェンスは、そこでビューリンの秘密を聞いてしまう。彼女はガードマンに追われて排水ポンプから落下して命を落とし、小島に流れ着くが、以前ペイシェンスが助けようとしたエジプシャンマウイの猫が彼女に命を吹き込む。目覚めた彼女は記憶が定かではなかったが、感覚が鋭敏になり、身軽になっているのに驚く…。

コミック原作の女性ヒーローアクションです。「キャットウーマン」は以前「バットマン・リターンズ」でミシェル・ファイファーが演じたことがありましたが、この作品はもちろんバットマンなんか登場しない、単独主演です。映画は続編が作られるかは分かりませんが、今回は「誕生編」と言える話です。
女性は気まぐれということでよく猫に例えられますが、社会のルールを守る一般人のペイシェンスと、何者にも縛られないキャットウーマンの組み合わせは、女性の複雑さをちょっと単純化したような話に見えます。ペイシェンスとは「耐える」というような意味があり、キャットウーマンが普通の人間の時の名前としては意味深です。
その名前通り、アメリカ人には珍しい？内気なゆえに「耐え忍ぶ」を得なかった女性が、自分を解放して快活になっていく姿をアカデミー賞女優ハル・ベリーがのびのびといった感じで演じています。退屈することなく、明るく楽しく見られる作品です。

敵役を演じているのはシャロン・ストーンです。敵にしては弱いというのが難点ですが、ハル・ベリーとの新旧？美女対決という感じにも見れるのが面白いところです。

監督が「ヴィドック」のピトフだけに、ビジュアルイフェクトのシーンが目立ち、猫の演技をCGで作っているシーンもあります。キャットウーマンがビルを疾走して行くアクションもモロにCGでしょうが、躍動感があります。でもこれを見たハル・ベリーが「私じゃない！」て思わないのか、ちょっと気になりました。

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エイプリルの七面鳥

感謝祭の日、家を飛び出してＮＹで黒人の彼と同棲中のエイプリルは、この日来る予定の母ジョーイたち一家のために七面鳥のディナーを作ろうと奮闘し出す。一方実家に住む彼女の両親と妹弟はエイプリルのアパートに向かって出発はするが、彼女を信じることができない…。

エイプリルと一家の間に何があったのか？なぜエイプリルは母親のために料理を作る気になったのか？お話が進むにしたがって事情が分かってくる構成が見事だし、初めて料理を作る娘の悪戦苦闘ぶりと、そんな娘に料理なんか作れるのか？という母親一家の抱く疑念ぶりが笑えます。
クライマックスはかなりあっさりした描写になっていますが、これまでの話でどういう感じになるかは想像がつくので、長々と描く必要も無いかもしれません。映画は全体の長さが１時間２０分という短めの、かわいい小品です。

ただ、エイプリルが母に料理を作る理由は分かりますが、理由が理由とはいえそこまでして母のためにする、想いの強さがあまり感じられませんでした。その点をもう一押し描写してくれれば、クライマックスは泣けたかもしれません。

映画の画質はデジタルビデオのような感じですが、これが個人のビデオを見ているみたいで、かえっていい雰囲気になっています。

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ユートピア

マドリッドに暮らす青年アドリアンは、その予知能力が見せるビジョンに悩まされていた。爆弾事件を予知で見た彼は警察に告げに行くが、そこでその時に犠牲になる母子が目の前にいる刑事エルヴェ（チッキー・カリョ）の家族だと知った時、爆発が起こり、エルヴェは失明する。その後、アドリアンは南米で子供たちを殺されて、誘拐される若い女性アンヘラの姿を見る。彼は育て親のサムエルに相談すると、その女性を探し出すべきだと言われる…。

予知夢を見る男が未来を変えようと奔走する話ということで、お話としてはそう目新しいパターンではありません。
しかし、映画全体が青を基調とした渋い色調で統一され、ビジュアルイフェクトもそれに合わせたように派手なものになっておらず、落ち着いた風格が出ています。
お話としては主人公の行動の結果と、ヒロインがわりと美女なので、それなりに興味は引かれました。
でも中盤で、本筋からずれているというか、どう関連しているのか分からなくなるエピソードがあったりするので、所々眠くなる箇所がありました。
また話の中で「ユートピア」に、何かいわくありげな意味がありそうに言ってたわりには、意外に平凡なのにはがっかりしました。

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２０４６

だーいぶ前に、「恋する惑星」や「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ監督の映画に木村拓也が出演する、という話を聞きましたが、2004年度のカンヌ映画祭にそのタイトル「2046」が出品される、という話を聞くまでは立ち消えになったかと思っていました。
そのキムタクのナレーションで映画は始まります。初めの方では彼は目立っていますが、話が進むにつれ、このキムタクのパート「2046」は小説の中の話ということが分かり、その作者であるトニー・レオン演じるチャウが映画の中心になってきます。

この作品、予告編なんかではSF的なテイストを強調してるし、SF作品と書いている雑誌やHPもありますが、実はSF的なお話は長くありません。メインは60年代に生きるチャウの物語で、映画は主に彼の女性遍歴の話です。
映画のスタイルは60年代に思い入れが深そうなカーウァイの映画らしく、それなりに美しいカットや、ハッとさせる演出があります。またキャラクターの中では、チャウを愛してるのにそれを表せないバイ・リンの切なさを、チャン・ツィイーがよく出していると思います。
しかしそれ以外のキャラクターはキムタクを含め、僕にはあまり興味が持てず、だから何？としか思えませんでした。そのせいか徹夜明けで見たら、寝てしまいました。
僕はカーウァイの映画では「欲望の翼」と「恋する惑星」は好きなのですが、今回のお話はこの２作と比べるとつまんないものでした。

未来の風景のイメージは「攻殻機動隊」や「銀河鉄道999」を思わせて、その影響を考えると面白いところです。ここでの、アンドロイドのカクカクした動きなんて、今のSF映画だったらギャグでもしかやらない手法ですが、それをあえてやったのは、60年代のSFという感じを出そうという意図ではないかと思います。

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エクソシスト
ビギニング

ホラー映画の古典となっている「エクソシスト」。この中で悪魔パズズと戦った２人の神父のうち、年長格のメリン神父をパズズは知っていたようでしたが、そのかっての戦いの第１ラウンドを描いた作品です。
ある事件をきっかけに神への信仰を捨てた「元神父」のメリンが、アフリカでの不可解な教会遺跡の発掘により復活した悪魔パズズとの戦いを通して、再び神父に戻って行くお話です。

僕はホラー映画の中でも、「オーメン」のような歴史が関わるような話が大好きなのですが、お寺といった古いモノが好きなせいか、特に「ギャザリング」みたいな、キリスト教関連の不可解な「遺跡」なんて設定が出てくると、えらくそそられてしまいます。
そういう意味でこの「エクソシスト：ビギニング」は、まさにツボにはまりました。特にオープニングシーンでの、古代での善と悪の大戦争の結果のシーンの迫力はなかなかで、怪しい歴史好きにはそそられるであろう映画になっています。

今回はオリジナルの「エクソシスト」みたいなリアリティー重視のつくりではなく、怪奇現象がだんだん広がっていくホラー物ではオーソドックスな展開で退屈しません。多少突っ込みたくなる描写はありますが、それなりにギョッとさせるシーンもあって楽しめます。
「エクソシスト」はオリジナル版の後にパート２と３が作られましたが、妙にひねった作りだったその２本よりは断然面白いお話になっています。
ま、悪魔がわりとあっさりやられてしまうのが物足りない感じがしましたが、これは今後（オリジナル版）の伏線と捉えるべきでしょう。

監督は「ダイ・ハード２」や「ディープ・ブルー」（大ザメが襲ってくるバージョンね）のレニー・ハーリンですが、この映画、元々はジョン・フランケンハイマーが監督する予定だったのが、彼が死んでしまったのでレニー君になったそうです（パズズの呪いという噂も…）。
フランケンハイマーバージョンはDVDで出るそうで、ちょっと興味があります。

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ネバーランド

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ＴＡＸＩ ＮＹ

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カンフーハッスル

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スーパーサイズ・ミー

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タ ー ミ ナ ル

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エイリアンVS.プレデター

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岸辺のふたり

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僕の彼女を紹介します

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バッドサンタ

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ニュースの天才

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ポーラー・エクスプレス

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スカイ キャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

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誰にでも秘密がある

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S A W ソ ウ

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8 0 デ イ ズ

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T U B E

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モーターサイクル・ダイアリーズ

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R E C レ ッ ク

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春夏秋冬そして春

悪 い 男

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キャットウーマン

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２ ０ ４ ６

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