アイランド

外界からの「汚染」から隔離されたコミュニティ。人々は唯一汚染されていない自然の楽園「アイランド」に行く権利の当選を夢見ていた。リンカーン（ユアン・マクレガー）もその一人だったが、彼は度々「アイランド」に行く夢を見るものの、それは悪夢で終わる。彼は外界に関心を持ち、偶然見つけた蛾を頼りに外界に出るが、そこで驚愕の事実を知ってしまう。思いを寄せていたジョーダン（スカーレット・ヨハンソン）が「アイランド」に行くと知ったリンカーンは、強引に彼女を連れ出し、脱出を図る…。

｢パール・ハーバー｣から不作が続くマイケル・ベイ監督の作品です。しかし、今回は｢アルマゲドン｣以来久々のヒットでした。
クローンを作って保存しておくと言う話はどこかで見たような記憶はあるけど、それを脱出行の話にしたアイデアは面白いところです。
都合良すぎる穴もいろいろありますが、お話のテンポはいいし、アクションも迫力があって、ベイ監督のいい特質が発揮された作品です。カーチェイスは「バッドボーイズ２」を思い出しますが、あちらより手に汗握りました。
でも何でクライマックスになると、悪人自らヒーローと戦おうとするかなあ？部下に任せりゃ楽だろうに。

見る前はクローンを植物状態にしとけば問題は起こらないだろうと思いましたが、本編では一応そうしない理由が語られます。こじつけぽいけど。
列車がリニアモーターになっているとか、近未来の風景はなかなかリアルに見えました。ロスアンゼルスのバスなんか、塗装が現在のバスと同じ感じで、発展系みたいに見せているのは上手いところです。

スカーレット・ヨハンソンは、自分にとっては「真珠の耳飾りの少女」などミニシアター系のイメージが強いので、こういう単純ぽい映画には出てほしくない気がしましたが、アクションヒロインも意外にサマになっています。

特撮はＩＬＭで、今年の夏はこれで「宇宙戦争」に「スター・ウォーズ：エピソード３」と、大作独占状態になっています。相当忙しかったことでしょうが、ソツの無い仕事をしています。

リンカーンなどクローンたちは性欲が無いようにコントロールされているそうで、ユアン・マクレガーのインタビューによると、リンカーンが始めて勃起を経験して戸惑うシーンがあったそうですが、カットされているのは残念です。

しかし予告編でラストが分かってしまうのは、予告の作りとしていいのかなあ…。

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人　形　霊

若い男女５人が、森の奥深くに建てられた人形師ジェウォンのギャラリーに、人形のモデルとして招待される。その建物にはゲストの部屋やトイレに至るまで人形が置かれていたが、彫刻家のヘミ（キム・ユミ）はそこで謎めいた少女を目撃する。やがて、いつも人形を手放さないヨンハが死体となって発見され、ゲストたちが次々と殺されていく。そんな中でヘミは招待された人々の共通点と、自分に付きまとう少女の正体を知っていく…。

今だに、これ！という作品に恵まれない韓流ホラー。今回は人形のお話です。
宣伝文から、捨てられた人形が復讐に来る話になるのかと思っていましたが、エピソードはそれだけではありません。韓国のホラーて、なぜこういろんなモノを詰め込みたがるのか、呆れます。絵面はＪホラーの影響を多分に受けていますが、話のシンプルさもちゃんと学ばんかい！と言いたくなります。
ドキリとするシーンはそこそこあるけど、あんまり怖くはありません。デジタルイフェクトなんて、かえってチープに見えて笑えます。

物語にも都合のいい展開が目立ち、それはないだろうと突っ込みたくなるシチュエーションもあります。
またヒロインが、命が惜しいのは分かるけど、自分勝手に見えて同情できず、殴りたくなりました（人形がかわいそう）。ラストも不愉快です。
ただ、人形の女の子はなかなかに可愛い（萌え！）です。これが映画で一番よかったとこかも。

人形ネタならやはり「チャイルド・プレイ」みたいに、ちゃんと人形の形で襲わせないとねえ…。

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マラソン

５歳児並みの知能しかないチョウォン（チョ・スンウ）を、母親のキョンスク（キム・ミスク）は20年間がんばって育ててきた。彼はマラソンが「大好き」で、キョンスクは次のレースに準備すべく、養護施設の教官で元マラソン選手のチョンウク（イ・ギヨン）にチョウォンのコーチを依頼するが、彼は飲んでばかりでまともなトレーニングをしなかった…。

韓国に住む、マラソン好きな自閉症の青年の実話の映画化です。
内容は主人公である少年と母親の関係を中心に、人間関係が整理されていて分かりやすい展開になっています。主人公チョウォンを多少美化し過ぎてるような感じがしなくもありませんが、彼をめぐる肉親の反発なんかがちゃんと出ていて、単なる美談になっていないところがリアルに思います。
「100万ドルの脚」といった伏線など、話の作りが上手くて、おすぎじゃないけど前評判通り、クライマックスは泣けました（声は上げなかったけど）。

映画は障害の物語ではありますが、むしろ「母親は本当に子供の望むことをさせているか」という問いかけがテーマのように受け取れました。その意味では特に、母親の人にお勧めしたい作品です。

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ダニー・ザ・ドッグ

ダニー（ジエット・リー）は幼いころに悪徳高利貸しのバート（ボブ・ホスキンス）に誘拐されて洗脳され、成長した今は犬のように忠実な用心棒になっていた。だがある日バートの車が銃撃を受け、ダニーは命からがらピアノの倉庫に逃げ込む。そこは以前盲目のピアノ弾きサム（モーガン・フリーマン）に少しだけ世話になった場所だった。サムはダニーの傷に気づいていたが、何も聞かずにアパートに招き入れ、ダニーは徐々にサムと娘ヴィクトリア（ケーリー・コンドン）に心を開くようになる。だがある日、死んだと思っていたバートが生きていると知る…。

ジェット・リーが再び「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のリュック・ベッソンと組んだ作品です。今回は「キス・オブ－」以上にドラマに比重を置いた演技に、ジェットが挑戦しています。
子供の時に洗脳したとはいえ、そんなに従順であったり、世の中を知らないものか?とか、警察は何をしている?とか、設定には突っ込みたくなるところが色々あります。
しかし、モーガン・フリーマンの存在感のせいか、ダニーとサム父娘の触れ合いシーンはそれなりに情感が出ています。おかげでウリであろうジェット君のアクションが中盤以降目障りになってしまい、後半のアクションシーンは退屈に感じました。
近年不作続きのリュック・ベッソン製作映画にしては珍しく、「ニキータ」や｢レオン｣ほどは行かないものの、ラストは感動的になっています。

ハリウッド進出後のジェット・リーの映画は「ロミオ・マスト・ダイ」とかB級ばかりで、その中でも良かったのは「HERO」でしたが、これはハリウッド映画というのには語弊があるでしょう。なので外国人俳優と組んだ映画という意味で、今回の「ダニー・ザ・ドッグ」が始めて、キャラクターが生きていいと思える出来になりました。
ジェット・リーは子持ちで既に40歳を越してるそうですが、映画の彼はムリして20代前半という感じに見えて、童顔で得してます。冒頭のアクションの相変わらずの素早さには驚嘆！でした。

役者としてはモーガン・フリーマンの陰に隠れてしまいがちですが、悪役バートを演じるボブ・ホスキンスも「ロジャー・ラビット」の自己チューキャラを暗くしたような、ネチネチとしたイヤな奴を好演しています。彼への「とどめ」は、上手いやり方で感心しました。

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スピーシーズ３
禁　断　の　種

夜道を急ぐ軍の緊急搬送車。それにはスピーシーズ・イヴ(ナターシャ・ヘンストリッジ)と男の子が乗っていて、イヴは今にも出産寸前だったが、男の子は口から触手を伸ばしてイヴを殺してしまう。少年はスピーシーズと人間との間に生まれたハイブリッドだった。イヴの赤ん坊を救い出した科学者アボット(ロバート・ナッパー)は自宅の地下で密かに彼女を育て、サラと名付ける。数週間で大人の女性に成長したサラは、適合する男を求めて街を彷徨うようになる…。

「スピーシーズ」はパート２で「終わった」と思いましたが、性懲りも無くまさかの第３弾です。
モンスター映画のシリーズはたいがい、１作目は怪物が単体で登場し、それ以降は集団が出てくるのがパターンですが、この作品もその例にもれず、今回はスピーシ－ズやハイブリッドなどエイリアン側のキャラがやたらと登場します。
設定は大風呂敷ですが、核融合まで出てくるのは、学生にそんなモン作れるかい?と大笑いです。そのくせ地理的なスケールは大学周辺だけというチープさで、アメリカではビデオのみの公開というのも納得です。劇場公開は日本が「世界初」だそうですが、これはビデオを出す時にハクを付けようという、ビデオ会社の陰謀でしょう。

女のコの露出度は高く、しかもそれが美女２人というのは一見男にはうれしい設定ですが、こいつらがほとんど感情を出さないキャラのせいか、色っぽさは全くありません。ハダカを見たいためにこれを見るなら、AV見た方がマシです。

話は一応２作目の続きらしくなっていて、冒頭では前２作で活躍したナターシャ・ヘンストリッジが顔を見せます。まあ前作の義理で仕方なく出たと思いますが、こんなの出てるからろくな仕事来ないんじゃないかなあ…。

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バットマンビギンズ

ブルース・ウェイン（クリスチャン・ベール）は幼少時に両親を殺されたが、その復讐の機会を奪われて以来、悪を理解しようと外国を放浪した末に捕まり、中国の刑務所に入っていた。だが謎の人物デュカード（リーアム・ニーソン）に釈放され、彼の言葉に従い｢影の軍団｣の本拠地にたどり着く。そこで恐怖を克服する術を学んだブルースは、首領ラーズ・アル・グール（渡辺謙）の前で仲間になるテストを受けることになる…。

ワーナー･ブラザーズの看板シリーズとして何作か作られた｢バットマン｣。監督のクリストファー・ノーランは自らワーナーに出向き、バットマンをやらせてほしいと申し入れたそうです。
そのノーランが描く「バットマン誕生物語」は、ブルース・ウェインのトラウマとその克服、そしてもう一つの彼の姿かもしれない「悪」との対決といった事柄を過不足無いエピソードでテンポよく描き、全く退屈することはありませんでした。
今までのシリーズは世界観やキャラクターに偏ったおかげで、面白みに欠けて盛り上がりも足りませんでしたが、今回はシリーズ中で一番まともで面白い話になりました。バットマンに「行けぇー！」と言いたくなるなんて、シリーズでは始めてです。

クリストファー・ノーランは「メメント」で名を上げた人ですが、あの映画の時間を逆行させるという特異な手法を成功させるためには、元のお話をきっちり固める必要があったはずです。またその次の「インソムニア」は凄く面白いとは言い難いものの、堅実な語りを見せてくれました。そういうことを思うと、今回のストーリー重視の出来も納得がいきます。
今回はバットマンの成長ドラマと言える話ですが、今までのシリーズが面白くなかったのは既に彼のキャラクターが出来ていて、変化が無かったからかもしれません。｢スパイダーマン｣みたいに、キャラは成長しないと応援する気になりにくいのかもしれません。
でもここまでちゃんとバットマンの成長を描かれると、もっと時間をかけてじっくり見たい感じもしてしまいました。完全版とかやったら、見るなぁ。

そういうブルース・ウェインはもちろん、脇のキャラクターも適切に描けていて、特にブルースに尽くす執事アルフレッドと、ゴードン警部補とフォックスはいい味を出しています。彼らを演じるのはマイケル・ケイン、ゲーリー・オールドマン、モーガン・フリーマンといった名優ですが、有名スターみたいにでしゃばらないで、話を生かすためのキャラクターに徹することのできる俳優を使ったのも、この映画が良くなった一因でしょう。
またそんなに有名な人じゃないでしょうが、精神科医の人もなかなかに不気味な存在感がありました。

「ハリウッドスター」になってしまった渡辺謙も、脇の名優たちに迫る存在感があって、ちょっとしか出ないのが残念です。セリフを日本語みたいだけどそうでない言葉に工夫していたのが面白いところでした。
ただ彼の率いるニンジャ軍団はB級映画みたいにチープで、歴史を左右するほどの組織には見えません。

ブルース・ウェイン＝バットマンを演じたクリスチャン・ベールは、デビュー作？｢太陽の帝国｣での主人公の少年の印象とはかなり違いますが、あのキャラも狂気が入ってた感じだったし、また｢アメリカン・サイコ｣といい、トラウマを抱えた主人公像は適役だったかもしれません。

映画がちゃんと、今までのシリーズを意識した終わりになっていたのは面白いところだし、これまでのシリーズをないがしろにしない、作品への愛が感じられます。
またラスト近くでのアーカム精神病院で起こることなど、今後のシリーズ展開を意識したようなエピソードもマニアックで面白いところでした。あれはロビンじゃないか？と思うキャラもいましたねえ。

クライマックスには尼崎の電車事故を連想する描写があって、ちょっとドキリとしてしまいました。

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ザ・リング２

｢リング｣のアメリカ版｢ザ･リング｣のパート２。今回は日本版｢リング｣シリーズの中田秀夫監督が手がけています。
しかし今回は彼が監督した「リング２」のリメイクではなく、オレゴン州に引っ越したレイチェル（ナオミ・ワッツ）母子が再びサマラに追いかけられるという、オリジナルの話です。
あのワケの分からなかった「リング２」の話ではないのはいいのですが、今回は「リング」のテーマというべき「伝染」という事象はなくて、｢リング｣でなくてもいい映画ではあります。

主人公母子とサマラのリンクや、主人公への児童虐待の疑いなど、映画にはいくらか面白い要素があります。
また中盤でのシシー・スペイセクの登場は「キャリー」の後日談みたいに見えました。中田監督のリスペクトが出てるようで、このシーンが映画の一番の見どころでしょう。
逆に言うと、今回は恐怖シーンにはあまり見どころがなく、いいシーンは大方予告で出してしまっています。全体的に怖くないし、お話も平板で眠くなりました。「リング２」以来の中田監督の凋落傾向は続いているようです。

映画では水が恐怖アイテムになっていますが、これは中田氏が以前監督した「ほの暗い水の底から」とカブる感じだし、クライマックスはほとんどそのものの展開になるのにはオイオイ!でした。
ドタン場でそれはひっくり返されますが、「悪は情け容赦なく滅ぼす」というハリウッドの悪弊を見るようで、サマラがかわいそうになりました（そのままいけば本当に「ほの暗い水の底から」になっちゃうんだけど）。
ハリウッドプロデューサー連中の圧力を撥ね退けて（サム・ライミの助けもあったでしょうが）自分の「ホラー」にこだわりアメリカで「THE JUON：呪怨」を大ヒットさせた清水崇監督と比べると、この「ザ・リング２」の中田監督はプロデューサーの「アメリカのホラーはこうだ」なんて言葉の言いなりになって作った感じがしました。こういうところが中田監督がいいものを撮れてない原因かもしれません。

やはり｢リング｣の続編は、原作の「らせん」が一番！

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彼女を信じないでください

女サギ師・ヨンジュ（キム・ハヌル）は仮釈放になり、列車の中で相席になったヒチョル（カン・ドンウォン）を痴漢と勘違いするが、彼が持っていた指輪をスリが盗むところを目撃し取り返したものの、彼女を置いたまま列車が発車してしまう。カバンを取り返すためにヒチョルの実家に行かざるを得なくなったヨンジュは、成り行きで彼の家族に婚約者と信じ込まれてしまう。帰宅して事情を知ったヒチョルはヨンジュに怒るが、彼は家族から｢人でなし!｣と責められてしまう…。

韓国でラブコメディーの女王と呼ばれているというキム・ハヌル。松嶋菜々子を親しみやすくした感じの顔立ちの彼女が演じる、心優しい女サギ師が巻き起こすコメディです。
多少強引なシーンがいくらかあるけど、シチューエーションの持って行き方がなかなか上手く、ヨンジュがヒチョルの家族に彼の婚約者と信じ込まれてしまう過程に引き込まれました。
刑務所時代の知り合いやおばあさんといった、ホロリとさせたり笑わせたりするキャラの配置が上手いし、ヒチョルの過去といった伏線も適切で、ラストは感動できました。

これからはシリアス純愛ドラマだけでなく、ラブコメも韓国の時代かも、と思わせる作品です。

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エレクトラ

ベン・アフレック主演「デアデビル」からのスピンオフ作品ということで、デアデビルの彼女だったエレクトラの主演作です。
｢デアデビル｣でのエレクトラは死んだと思いますが、映画はその後の話というところでしょう。ただし｢デアデビル｣と共通な部分はエレクトラ役がジェニファー・ガーナーというだけで、物語はデアデビルやその関連のエピソードは出てこない、｢デアデビル｣とは全く関係ない話になっています。

お話は、古来から続く善と悪の戦いの鍵と言われる、「トレジャー」をめぐる争いにエレクトラが巻き込まれるというものですが、こういう大風呂敷な設定でもうＢ級の匂いがプンプンです。話のスケールは｢デアデビル｣以上だけど、ベン・アフレック並みの有名スターが出ていないなど金が無いのがミエミエで、映画のスケールは｢デアデビル｣より遥かに落ちます。
映画はエレクトラと、彼女が守ろうとする女の子の触れ合いの部分でドラマ性を出そうとしてるようですが、下手なアニメを見ているようで全く心を打たれません。

日本ではボブ・サップが有名なので、ポスターなんかでは主役のジェニファー・ガーナーの次にクレジットされていますが、すぐに退場してしまいます。彼は敵組織「ザ・ハンド」の手下という役柄で、怪力だけがウリで決め技の無い一番面白くない奴ですが、他の手下はキスで生命エネルギーを奪うとか、タトゥーの動物を使い魔として操るなど、かっこいい技を見せてくれます。でもサップ同様、どいつもあっけなくやられ過ぎて、面白くありません。
映画はこの手下どもをやっつけて終わってしまいますが、ケイリー＝ヒロユキ・タガワ演じる敵の親玉が放っておかれているのは、大いに引っかかりました。もしかしたらこれは続編のための含みかもしれませんが、僕がこの映画を見ていたとき、劇場には客が３人しかいませんでした。こんなんでパート２作れるとは思えんぞ。

敵はどうも日本人の組織らしくて、ヘンな日本語のセリフや、「キリギ」という日本語かい！と言いたくなる人名や、妙な漢字の服やタトゥーなどは見ものです。でもケイリー＝ヒロユキ・タガワが出てる映画て、こんなんばっかのように思うなあ。仕事選べよ(人種的に無理か?)。

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フォーガットン

９歳の息子を飛行機事故で亡くして１年以上経ったある日、テリー（ジュリアン・ムーア）は写真やアルバムから息子の姿が消えていることに気がつくが、夫ジム（アンソニー・エドワーズ）は息子などいないと言う。彼の言葉を信じないテリーは、同じ事故で娘を失ったアッシュ（ドミニク・ウェスト）を尋ねるが、彼も娘など持ったことはないと言う。そしてテリーは、国家安全保障局に捕らえられてしまう…。

宣伝のキャッチコピーは「｢シックス･センス｣以来最も衝撃的なスリラー」です。しかし、予告編の最後で人が空に吸い込まれていくシーンが出てきて、イヤな予感がしましたが、それは現実になりました。
全体の内容は、円盤やグレイの出てこない「Xファイル」といったところで、結局何も解決していないのもそれっぽいところです。人が飛んでいくシーンや都合良過ぎて突っ込みが多々あるラストなど、大笑いするしかないような作りです。

ジュリアン・ムーアがこの作品に出たのは自分も母親ということで、映画が母子のつながりをテーマにしているからと想像しますが、演技派の彼女の主演で、この内容はもったいな過ぎます。
どうせならテリーが息子の存在を疑うくらいまで、記憶のあいまいさを徹底的に追い詰める話にした方がリアルに見え、面白くなったと思います。「秘密」も、政府レベルに留めておいた方がまだましだったでしょう。

劇場で見ると金返せ!と言いたくなるような内容で、ビデオで十分…てゆーか、金払う価値もあるかどうか…。

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美しい夜、残酷な朝

香港のフルーツ・チャン（「メイド・イン・ホンコン」）、日本の三池崇史（「ゼブラーマン」）、韓国のパク・チャヌク（「オールド・ボーイ」）といった、アジアの３人の映画監督によるオムニバス映画です。
日本のタイトルは内容がよく分からない、単にファッション性を匂わせただけみたに思います。原題は「THREE... EXTREMES」で、「３つの極端な話」というところでしょうが、この方が内容を表しています。
子殺し、近親相姦、堕胎、少女愛、フリーク、サイコなどといった「極端な」ネタが展開する話は、どれも気持ちいいものではありません。

１話はフルーツ・チャン監督の「餃子（dumplings）」。香港と深センを舞台にした、食べると若返る餃子にまつわる話です。さすが人肉饅頭の土地の話という感じですが、妊娠している人には勧められません。
全体に流れる不協和音の凄まじい音響が、イヤーな雰囲気を効果的に高めています。

２話は三池崇史監督の「box」。過去の双子の夢を見る?女性の話です。１話や３話に比べると刺激性は低めなので、３つの中では一番見やすいかもしれません。江戸川乱歩の挿絵のような、エログロアートのようなイメージが面白いところです。
主演の長谷川京子があまり美人に撮られてないし、太って見えたのは何か意図があるのかな？

３話はパク・チャヌク監督の「cut」。イ・ビョンホン演じる売れっ子の映画監督がサイコなエキストラ男によって狂っていく話です。
この男のビョン様を追い詰めるやり方の救いようの無さには、３話中一番、見ていてイヤーになり、終わってからはホッとしました。しかし逆に言えば、自分の言うことが全く通じない相手に対するイラつき感を上手く刺激しているとも言えるでしょう。この「過激」なんて言葉ではとても物足りないお話は、さすがに「オールド・ボーイ」の監督と思います。
ビョン様の尻振り演技は笑う気にもなれませんでした。何でこんなヘンなモノに出たかなあ？

この映画を見に劇場で券を買う時に、受付のおねーさんから「残酷なシーンがあります」と言われました。字幕でそういう警告を出した映画はありましたが、受付でそんなことを言われたのは、20年以上映画を見てきて始めてのことでした。
映画のポスターだとハセキョーとビョン様のラブストーリーのような感じがします。そう思って見てしまった奥様方から、苦情でもあったかもしれません。

この映画、三池監督のサイコ映画「オーディション」が好きだという人には合うでしょう。あまり多くないと思うけど。

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ミリオンダラー・ベイビー

ロサンゼルスで古いボクシングジムを営むフランキー（クリント・イーストウッド）は、手塩にかけて育てた選手にジムを移籍されてしまう。そんな時フランキーに、女子ボクシング界で生きようとするマギー（ヒラリー・スワンク）がトレーナーになって欲しいと頼んでくるが、彼は断る。だが一人ジムでトレーニングをするマギーに、フランキーの親友でジムの管理人スクラップ（モーガン・フリーマン）が同情し、フランキーも彼女のトレーニングに本腰を入れていく。やがて試合に出たマギーは連戦連勝していき、ついにタイトルマッチに臨んでいくが、相手は反則技で有名な選手だった…。

2005年度のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を取った作品です。
未婚で親兄弟からも見捨てられ極貧生活を送る、「負け犬」よりもっとひどい境遇のマギーがボクサーとしてのし上がっていく前半は、「ロッキー」のような爽快感があって気持ちいいのですが、後半でテイストががらりと変わり、深刻なドラマになります。
このパートは重苦しいので見ていて辛くなるのですが、ここがこの映画の本題であり、また単なる成功物語とは一線を画している部分です。映画は過剰に明るくはならず、またセンチメンタルに陥ることもなく抑制が効いていて、お馬鹿な作品の多いハリウッドメジャー映画には無い風格が感じられます。
クライマックスは人によって好き嫌いが分かれると思いますが、僕は納得できました。その後のラストの余韻が、重苦しさを緩和しているように思います。
僕はイーストウッドの監督作では、昨年アカデミーを受賞した「ミスティック・リバー」は見ていないのですが、「許されざる者」よりは、テーマもお話も上の出来だと思います。
しかし「みなさん、さようなら」や「海を飛ぶ夢」など、アカデミーはこういうネタが好きなのかなあ…。

キャラクターは脇役に至るまで立っているし、さらにメインキャラはクリント・イーストウッドやモーガン・フリーマンといった芸達者たちが演じているので、存在感は抜群です。
特にマギーを演じたヒラリー・スワンクは、前半と後半で全く違うといっていい役柄で、アカデミー賞も当然でしょう。彼女は「インソムニア」なんかだとなかなかの美人なのですが、前にアカデミーを取った「ボーイズ・ドント・クライ」のように、やはり男ぽい役柄が合います。

マギーもフランキーも本当の家族からは見捨てられていて、この作品は孤独な「他人」が「家族」になっていく話とも取れます。「マイ・ボディガード」や「コーラス」など血のつながりよりも心のつながりを重視する映画がちらほらと出ている昨今、今っぽい話とも思います。

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クローサー

ロンドンの街角で、新聞記者のダン（ジュード・ロウ）は交通事故に遭ったアリス（ナタリー・ポートマン）を助けたことをきっかけに恋に落ち、同棲を始める。そして１年半後、小説を執筆したダンは本に載せる写真を撮ったアンナ（ジュリア・ロバーツ）に一目惚れするが、アリスのことを気にされ拒否される。ダンはエロチャットでアンナの名前を使い、それに引っかかった医師ラリー（クライヴ・オーウェン）がアンナと知り合ってしまう…。

ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、ジュリア・ロバーツ、クライヴ・オーウェンといった人気俳優が演じる男女４人が、こじんまりとした狭い関係の中で、くっついたり離れたりする話です。
彼らの心理がいろいろと揺れ動くので、キャラの気持ちはすぐには分かりにくいのですが、それなりにリアルに見えるし、例えば本当のことであっても相手には言わない方がいいのか？など、考えさせるところもあって、深いものはありそうです。
ただポスターなんかのイメージとは違い、内容はかなりドロドロしてるので、デートにふさわしいか映画かどうかは疑問です。

原作は舞台劇だそうで、主にセリフで語られる展開はそう思わせます。映画の中では４年ほどの時間が経過しますが、前のシーンからどのくらいの時間が経っているのかを字幕とかではなく、さりげなくセリフに入れて分からせるやり方はスマートで、感心しました。

セリフにはＳＥＸの話がかなり出てきますが、映画で直接的な描写は見せません。しかしエロトークはかなり具体的で細かく、この作品が日本では15才未満お断りの指定になったのは、たぶんそのためでしょう。

４人の中で誰が得した（そういう見方でいいのか?）は分かりませんが、ジュード・ロウはおバカに見えてしまいました。

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バタフライ・エフェクト

過去に飛べる能力を持つエヴァン（アシュトン・カッチャー）。愛する女性が悲惨な運命をたどると知った彼が、その運命を変えようと奮闘する話です。
「あの時こうしていれば」とは僕なんかしょっちゅう思うことで、主人公のような能力があればぜひとも使いたいところです。しかしそんな力を持っていても、ハッピーにはなれない皮肉がこの映画の面白い点です。

映画で描かれる「人生のやり直し」はTVゲームのリセットを思わせ、案外そんなとこからこの映画のアイデアが生まれたのではないかと想像します。しかしゲームみたいに、一つの悲劇を回避したら上手くゆくのではなく、それがまた新たな悲劇の種になってしまうのは、ゲームとは違う、人生の真理を思わせてリアルです。
映画の冒頭で「バタフライ・エフェクト」とは「チョウの羽ばたきが地球の裏側で台風を起こす」と説明されますが、ささいな出来事が自分だけでない、数多くの人生を変えてしまう怖さを映画は繰り返し見せてくれます。
これの公開の少し前に終わった、稲垣吾郎が出ていたTVドラマ「Mの悲劇」が、そんな悲劇を扱っていたことを連想しました。

人生をリセットするごとに変わっていく、主人公や周りの状況の違いが映画の一番の見どころですが、中でも主人公が一番気にかけるヒロイン・ケイリー（エイミー・スマート）の、堕落した姿になってもどこか漂う愛らしさには、助けたくなるのも分かります。

色々と張り巡らされた謎や伏線が効果的で、話にどんどん引き込まれてしまいました。また細かい部分ながら、主人公が人生を変えるとまず、鼻血を出して苦しむという描写は、脳の記憶容量の限界を思わせる、ＳＦぽい上手い設定です。

予告編や宣伝コピーで既にラストの想像はついてしまいましたが、確かに皮肉で切ないシーンです。

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キングダム・オブ・ヘブン

妻に先立たれた鍛冶屋の青年バリアン（オーランド・ブルーム）の前に、十字軍の騎士ゴッドフリー（リーアム・ニーソン）が現れる。彼はバリアンの実の父で、バリアンにエルサレムまで一緒に来るように言う。バリアンは断るが、その後妻を侮辱した司祭を殺してしまい、逃亡のため父を追う。だがエルサレムへ行く途中でゴッドフリーは重傷を負い、バリアンを騎士にして亡くなる。船が難破しながらも、バリアンは何とかエルサレム王国にたどり着くが、そこはエルサレム王とイスラム人を率いるサラディンの間で和平が保たれていた。しかし十字軍の騎士たちの中には、エルサレムを自分たちだけのものにしようと画策する者がいた…。

アカデミー賞を取った歴史ドラマ「グラディエイター」を作ったリドリー・スコットが、今度は十字軍の時代を舞台にした作品を作りました。
十字軍の名前は有名なものの、この時代はこれまであまり映画になっていません。そのせいかほとんど知らない話であったので興味深いところでした。中でも、紛争が絶えないイメージのあるエルサレムに一時的とはいえ、こんな平和な時代があった事実には驚かされました。

話には所々分かりにくい部分はありますが、そういう歴史的な興味から楽しめました。ただ主人公のキャラクターが「グラディエイター」に比べると存在感が薄いし、恋愛ドラマもそんなに重点は置かれていないので、歴史に興味が無い人には辛い作品でしょう。

リドリー・スコット監督はインタビューで、この映画に数多くのイスラムの人々が協力してくれたことを喜んでいました。何だかこの映画、製作者たちが現在のエルサレムの状況を嘆いて、願いを託しているように思えます。この地の人々が、エルサレム王やバリアンのようであってほしいと。

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ブ　レ　イ　ド　3

ヴァンパイア・ハンターのブレイド（ウェズリー・スナイプス）は、例によって吸血鬼たちを撃退するが、うち一人は人間で、とどめを刺したところを録画されていた。連続殺人鬼として追われる身になったブレイドは、アジトに踏み込んだ警察に連行され、彼を罠にかけたヴァンパイアたちの手に落ちるが、アビゲイル（ジェシカ・ビール）とハンニバル・キング（ライアン・レイノルズ）の２人の吸血鬼ハンターに救出される。彼らのアジトで、ブレイドはヴァンパイアたちが始祖・ドレイク（ドミニク・パーセル）を甦らせたことを聞かされる…。

ウェズリー・スナイプスの当たり役「ブレイド」も３作目となり、宣伝では「最後」と言っています。でもそれは単なるキャッチコピーぽいです。
今回はブレイドに、アビゲイルとハンニバル・キングという仲間ができて、ブレイドよりも彼らの活躍が見どころでしょう。２人ともそれなりにキャラクターが出来ているし、特に女ハンター・アビゲイルの強さは圧倒的で爽快です。

その分、と言うわけではないでしょうが、敵はヴァンパイアたちの元祖ドラキュラだというのに、貫禄があまりなく、クライマックスの対決シーンは盛り上がりに欠けます。ただのマッチョ野郎ではなく、第１作のフロストみたいに、ちゃんとした役者を使ってほしいところでした。
おかげで今回は第２作よりもさらに落ちる出来になり、回が進むごとに悪くなっていく、シリーズ物の宿命を順当に辿っています。

お話は前半の敵が警察、後半の敵がドラキュラというところですが、警察の方がいつのまにかうやむやになって、指名手配が解除になっていないのにブレイドが街中を堂々と歩いてるのには、突っ込みたくなりました。

今回は「究極の」ヴァンパイア殲滅兵器が出てきますが、吸血鬼たちが可哀そうになりました。

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マ　ス　ク　２

マスク事件の起こったエッジシティにある博物館に、マスクの創造神であるロキ（アラン・カミング）がマスクの回収に現れる。一方、アニメ会社で働く漫画家のティム（ジェイミー・ケネディ）は、愛犬が拾ってきたマスクを、会社のハロウィンパーティーでつけてしまい、怪人に変身して大いに受ける。そしてマスクのまま妻と愛し合い、子供が誕生する。ロキは父オーディーン（ボブ・ホプキンス）から、マスクの子供が誕生したと知らされ、捜索に乗り出す…。

前作から約10年も経ってから作られたこのパート２は、マスクパワーの親子にマスクの創造主が絡む物語で、前作のキャラクターは全く関係ない話になっています。
その前作では、ダメ男がマスクで変わって行くドラマの面白さがあったし、ジム・キャリーがこれ以上はないと思うくらい、キャラにぴったりとハマっていました。
しかし今回のパート２は、主人公親子の情愛が感じられないし、敵側の親子との対比も上手く描けていません。クライマックスの触れ合いなんてとってつけたようで、とても感動には至りません。
結局今回は、変幻自在のマスクパワーのイメージだけしか見どころのない、前作より遥かに落ちる出来になってます。なんで今頃パート２をやるのか？て思ってましたが、やっぱり意味無いです。

マスク状態の主人公は、髪の毛がいかにもプラスチックなのがやけに気になりました（前作は髪無かったのに）。その活躍シーンは、彼よりも敵ロキの方が多い感じで、ロキの方が目立っています。
主人公の子供は、普通の状態だとそこそこかわいく見えますが、マスク状態での顔のシーンで時折、とっちゃん坊やみたいに見えるときがあり、逆にグロく感じました。ダンシング・ベイビーの実写化みたいなシーンもあるけど、何年も前に「アリーMy Love」でとっくにやってるし、時代遅れにしか見えません。
子供と犬のマスクパワーのシーンは、バグス・バニーなどのルーニー・トゥーンズの追っかけを実写化した、悪ガキのいたずら願望の具体化のような楽しさはあります。ただおふざけが過ぎて、幼児虐待に見えるシーンがあるのは気になりました。

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スカーレットレター

エリート街道を歩む殺人課刑事ギフン（ハン・ソッキュ）は、妻が妊娠していながら、家と愛人カヒ（イ・ウンジュ）の間を行き来する日々を送っていた。ギフンは写真館店主惨殺事件の捜査の担任になるが、被害者の妻ギョンヒと接するうち、彼女の隠された素顔を知っていく。そんな時、カヒから妊娠を告げられる…。

２月に急逝した韓国の人気女優、イ・ウンジュの遺作となった作品です。
ワイドショーや週刊誌の噂によれば、イ・ウンジュがこの映画の出演を「気が重い」と発言していたそうで、それが自殺の遠因になったような推測をしていた記事があったと思います。それが本当かは分かりませんが、そんな噂が出るのも道理と思える、暗いお話です。
日本より倫理観の強いであろう韓国ではセンセーショナルではないかと思われる描写（ラブシーンではない）もあり、確かに演じる側は気が重かったことでしょう。

お話では、事件の謎と主人公の男女関係の絡みが中途半端に思いました。後半で明らかになる「秘密」なんて、ああいう形で出したら面白みがありません。３角関係の描写も、日本の連ドラや昼ドラの方が、ドロドロ度もリアリティーも上に思えます。

イ・ウンジュの件が無かったらウリにされたであろうHシーンは、ウンジュたち女優陣は胸や尻はモロには見せませんが、一応全裸でやってるようで、限界ぎりぎりにエロく見せてはいます。とはいえ、男のケツは見たくないなあ…。
SEX以外のシーンでも、生足や汗やミニスカなど、さりげないSEXY描写を散りばめて、エロい雰囲気を出そうという努力は見られます。

今回のイ・ウンジュは、可愛らしさと怖さの同居するキャラを見事に演じていて、いい子だった「ブラザーフッド」からの進化を見せつけてくれました。本当に惜しいことです…。
映画はこのイ・ウンジュとハン・ソッキュが大きく扱われていますが、容疑者の女性ギョンヒもけっこう目立っていて、おいしいキャラです。

ある理由で血の量の多い映画です。特に妊娠してる人には、あまり勧められません。

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レモニー・スニケットの
世にも不幸せな物語

ボードレール家の３人きょうだい、ヴァイオレット（エミリー・ブラウニング）、クラウス（リアム・エイケン）、サニーが砂浜で遊んでいる時、自宅が全焼し、両親が亡くなったと知らされる。その知らせを届けた遺産管理人ミスター・ポーに連れられ、彼ら３人きょうだいは会ったこともない「親戚」オラフ伯爵（ジム・キャリー）に引き取れられることになるが、伯爵は３人を奴隷のようにこき使い、そして後見人としての資格を得るやいなや、３人を殺そうと企む…。

アメリカで有名という小説シリーズの映画化です。物語の主人公は一応、ボードレール家の３人きょうだいなのですが、敵役を演じるジム・キャリーが出ずっぱりで、彼が主人公と言っていいでしょう。「マスク」や「グリンチ」を思わせるオーバーアクション全開で、ジム君の独演会ムービーと言っていい映画です。「エターナル・サンシャイン」でのいい子的ジム・キャリーに不満だった人には、こちらの方がお勧めです。
しかし、おかげで主人公であるはずの３きょうだいの影が薄くなったせいか、３人の心情が迫ってこなくて、不幸なはずなのにかわいそうに見えません。
お話はジム君の悪巧みの連続でそれなりに退屈はしませんが、今ひとつ盛り上がりに欠ける展開ではあります。ただ唯一、クライマックスのオラフの悪知恵がなかなかに巧妙で、唸ってしまいました。

この作品で一番評価できる点は、ダークファンタジーな雰囲気がよく出ていることでしょう。1930年代ぽいレトロモダンなデザインや、がけの家のような奇抜な設定は見もので、こういった雰囲気に乗れれば楽しめる映画です。
また、エンドクレジットに流れるアニメは原作の挿絵ぽい感じで、キモかわいい独特の面白さがあります。

原作がシリーズ物ということでなので、パート２が出来るかもしれません。ならば今度はきょうだいの親の謎にまつわる話かな？

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海を飛ぶ夢

ラモン・サンペドロ（ハビエル・バルデム）は、26年前の事故で首を骨折して以来寝たきりの状態になり、父や兄夫婦の介護を受ける生活を送っている。彼は尊厳死を願い、その主張を裁判所に訴えるために弁護士フリアが呼ばれる。フリアは彼のことを知るうちに好意を抱くようになり、ラモンに詩の才能を認め、出版を勧める…。

2005年度のアカデミー外国語映画賞受賞作です。
その前年のアカデミー外国語映画賞受賞作「みなさん、さようなら」も安楽死を扱っている点は似ています。しかし「みなさん－」での死を願う人物は老人なので、安楽死を選ばなくてもそう長くはない感じがしたせいか、あちらは金持ちの道楽みたいに見えました。
それに対してこの「海を飛ぶ夢」の主人公はまだ中年という年齢からか、「みなさん－」よりも切実な内容に思えます。
とはいえこの作品、見る人の尊厳死の捉え方で感想が変わるだろうし、心理描写がそう細かくないので、キャラの気持ちも観客が考える必要のある、ちょっと難しめの映画です。
映画のラストは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のそれを連想するような苦い描写で、気持ちがいいとは言えません。でも映画のテーマからいえば、それも無理も無いことでしょう。
しかし、中盤での幻想シーンは感動的でした。主人公の境遇が境遇だけに、切なさが迫ってきます。

主人公は家族からの介護だけでなく、何人もの女性にも好かれるなど、けっこう愛されていて、一見うらやましく思えます。しかし、そんな女性たちに触れたりすることは決してかなわない生き方というのは、絶望にかられるかもしれません。

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ドッジボール

高級スポーツ施設「グロボジム」を経営しているホワイト・グッドマン（ベン・スティラー）は、道路の真向かいにあるさびれた「ジョーズ・ジム」を買収するために弁護士のケイト（クリスティン・テイラー）を差し向ける。一方ジョーズ・ジムのオーナーのピーター（ヴィンス・ヴォーン）とメンバーは、家族的な雰囲気のあるこのジムを守るため、スポーツ雑誌にあったラスベガスのドッジボール大会へ、優勝金額５万ドルを目指し出場を決意する…。

タイトル通り、キャラクターたちがドッジボールに燃えるお話ですが、話は調子良すぎるし、試合シーンは「こんなことあるかい！」の連続です。
とはいえ試合展開の盛り上げはなかなかに上手く、エキサイトしてしまいました。外づらはB級ながら、中味は結構まともなスポ根ムービーになっています。
下ネタやお色気シーン（男にはうれしいけど）も結構ありますが、それはそれとして、軽く楽しむべき映画です。

映画によれば、ドッジボールはアメリカではかなりマイナーなスポーツのようです。ボールが当たった人物はコートを出なくてはならない、という点は日本と同じですが、ボールを中央に置き、コートの端から走ってボールを取って投げるとか、相手のボールを両手で受け取れればコートから出た味方が一人復活できるとか、日本のルールと結構違いがあるのが、へぇーと興味深いところでした。

ドッジの試合には日本チームも出てきて、久々にハリウッドのバカ日本のイメージを見せてくれます。意図的にやってるように思うけど。

ラスト、最後に来る「大逆転」はフジサンケイとライブドアの買収話を思い出しました。やはりアメリカでは、大金を持った者は勝ちなのでしょう。フジも見習えばいいのに。

チャック・ノリスのゲスト出演は笑えましたが、かつての大スターがこんなイジられかたされて、いいのかなあ…。

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Shall we Dance？

周防正行監督、役所広司主演で大ヒットした「Shall we ダンス？」は日本のみならずアジアやアメリカでも大好評で、早くから「トム・ハンクスが権利を買った」など、アメリカでリメイクの話がありました。しかしそういう話がささやかれてからだいぶ年月が経ち、リメイクの話はもう立ち消えとなったかと思った頃の、ようやくの公開です。
今回のキャストは主人公をリチャード・ギア、日本版では草刈民代が演じたヒロインであるダンス教師をジェニファー・ロペスが演じます。このキャストを聞いたときは、メジャー過ぎるように思いましたが、主人公の仕事など設定を少し変えたり、ダンスをもっとアクティブ？なものにしているせいか、映画ではそれなりに合っています。

お話は日本版オリジナルとほぼ同じで、楽しく、爽やかに見れる仕上がりになっています。ただこのリメイク版では、スーザン・サランドン演じる主人公の奥さんの描写が大きくなっているのが一番の違いでしょう。
映画はそのテのシーンがやけに目について、「奥さんを大切にしましょう」キャンペーンムービーみたいな感じがしてしまいました。その主張は当然には思いますが、ラストの方はジェニファー・ロペスを放っとき過ぎな感じがしました。終わりは日本版の形の方がしっくりくるし、余韻があって良かったように思います。
ま、こちらのみんなハッピー!なラストは、いかにもアメリカらしい終わり方ですが。

また上映時間も日本版より短いせいか、主人公が大会へ出るまでの過程なんてあっさりと、あまり苦労しないで出てしまってるような描かれ方になっています。とはいえ日本版同様、大会シーンは楽しくなります。

オリジナル版で竹中直人の役を演じるスタンリー・トゥッチは「ターミナル」で敵役を演じた人ですが、この「Shall we Dance？」での全然違う弾けぶりは見ものでしょう。しかし、社交ダンスはアメリカだとゲイに見られる？とは知らなかった…。
ジェニファー・ロペスは相変わらずきれいですが、今回の彼女は、話が進むに連れて表情が豊かになっていく変化がよく出ていて、草刈民代より上手いかもしれません。ま、草刈さんはあの時映画初出演だったから、演技の面はしょうがないだろうけど。
オリジナル版での渡辺えり子の役の女優、リサ・アン・ウォルターは渡辺さんより多少年も若いようだし、細くなっています。でも声の太さは似てるような。

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ハイドアンドシーク
暗闇のかくれんぼ

ニューヨークに住む心理学者デビッド（ロバート・デ・ニーロ）の妻アリソン（エイミー・アーヴィング）が浴槽で命を絶ち、娘のエミリー（ダコタ・ファニング）は心を閉ざしてしまう。デビッドは娘の回復を考え、エイミーの主治医キャサリン（ファムケ・ヤンセン）の反対を押し切って、仕事を休んで娘と一緒に過ごす時間を増やそうと郊外に引っ越すが、エイミーはデビッドにも新しい隣人にも一向に心を開こうとしない。だが彼女の部屋から笑い声を聞いたデビッドはエイミーに聞くと、「チャーリー」という友達ができたと言う…。

予告は心霊ホラーぽい作りにしているし、映画の雰囲気もそういう感じになっていますが、実はよくあるサイコネタサスペンスです。お話のミソは「チャーリーとは何者なのか?」という点ですが、カンのいい人なら途中で分かってしまうでしょう（僕はタネ明かしになるまで分かりませんでした…）。
デビッドの隣の家の夫婦など、いわくありげな設定のキャラがちらほらいるのに、使い方も上手いとは言えません。
宣伝キャッチコピーでは「超感動ホラー」と言っていますが、どこがやねん？と言いたくなります。

主演は名優ロバート・デ・ニーロですが、その演技も印象に残るものではありません。
それに対して娘役のダコタ・ファニングは、いい子を演じた「アイ・アム・サム」と対極の狂気演技を見せてくれて、これこそがこの作品の、一番の見ものでしょう。

チャーリーに傾倒していくエイミーに、デビッドは「娘のことが分からない」と悩みます。こういう悩みは、彼女くらいの年頃の娘を持つ父親なら普遍的に持つものなのでしょう。案外そういった悩みから、発想された話だったかもしれません。

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アイランド

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人 形 霊

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マ ラ ソ ン

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ダニー・ザ・ドッグ

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スピーシーズ３ 禁 断 の 種

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バットマン ビギンズ

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ザ・リング２

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彼女を信じないでください

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エレクトラ

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フォーガットン

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美しい夜、残酷な朝

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ミリオンダラー・ベイビー

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ク ロ ー サ ー

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バタフライ・エフェクト

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キングダム・オブ・ヘブン

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ブ レ イ ド 3

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マ ス ク ２

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レモニー・スニケットの 世にも不幸せな物語

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Shall we Dance？

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ハイド アンド シーク 暗闇のかくれんぼ

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人　形　霊

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マラソン

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スピーシーズ３
禁　断　の　種

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バットマンビギンズ

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クローサー

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ブ　レ　イ　ド　3

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