ジーンズ
世界は２人のために

ロサンゼルスに住む双子のインド人兄弟、ヴィスとラムは空港でマドゥ一家を助ける。彼女らは祖母の手術のためにＬＡに来たものの、身寄りが来なくて困っていて、ヴィス達はマドゥ達の世話をするようになる。ヴィスとマドゥは恋に落ちるが、ヴィスの父親は相手も双子でないと結婚を許さないと言い放つ。マドゥを思う祖母は、マドゥも双子であると嘘をつき、父親をごまかそうとするが、インドに来たヴィス一家を前に、マドゥは架空の双子を演じるはめになる。その存在しない双子にラムが恋をしてしまう…。

インドとハリウッドが手を組んだ、というのが売りの作品ですが、スタイル的には今までのインド映画と変わりません。アメリカやフランス、エジプトなど海外でロケしたのが違うだけで、金はかかっている感じです。しかし海外ロケもアメリカ以外は特に意味はなく、音楽はコテコテな感じです。ただ音はかなりよくて、進歩した感じがしました。
海外のロケをやったり、メインの役者に西洋的な顔立ちの人を使ったりして、海外市場を意識した感じはします。
双子が入れ替わったり、一人が双子を演じたりなど、双子ネタを使ったストーリーは面白い点ですが、全体的な話では「アルナーチャラム」の方が面白いと思いました。ドラマと音楽の密着度も、この作品ではかなり浮いた感じがしました。

この作品の主人公、ヴィスとラムは双子の設定ですが、一人の役者が扮しています。さらに彼らの父親も双子という設定で、やはり同じ役者が２役を演じてます。映画では当然彼らが出るシーンが多いため、合成カットはかなりありますが、２人並ぶシーンでも違和感はあまり出ておらず、質感は悪くないです。恐竜やがい骨など、ＣＧ合成のシーンも結構あって、エッジが見えるカットもありますが、努力の跡は感じられます。

インド映画のヒロインは太めの方がふさわしいと聞いていたので、この作品のヒロインが細身なのは意外でした。太めってまさかラジーニの好みかな？

ラストはパターン通り丸く収まりますが、幸せになれてないキャラがいたのが気になりました。

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ブギーナイツ

１９７０年代から８０年代にかけてのポルノ映画界を舞台にした、巨根の青年ダークの成功と挫折の物語です。一旦は成功しても、その成功に酔って落ちぶれていくのは世の常ですが、この映画は特に落ちぶれた時の描写が凄まじく、「何もそこまで」と思うほどです。
主人公を始めとして、出てくるキャラはみんな生き方や性格に問題を抱えていて、世渡りが下手なのは親近感を持てます。彼らのほとんどは人生のどん底を味わうことになりますが、映画の後味は悪くありません。

この作品は、７０年代後半から８０年代前半の雰囲気を、当時流行の服やスタイルを見せることでとてもよく再現しています。主人公の部屋にファラ・フォーセットやブルース・リーのポスターが貼ってあったりするのはそれっぽいです。

主人公であるダーク・ディグラーを演じるのはマーク・ウォルバーグです。この後「ビッグ・ヒット」や「ＮＹＰＤ１５分署」などに出て売れるようになりました。ダークはバイト中に、イチモツの大きさをポルノ映画監督ジャックに見抜かれ、その世界に入ることになりますが、ズボンからは巨根には見えないなあ。
ダークをポルノ界にスカウトする、ジャックを演じるのはバート・レイノルズで、貫禄のあるいい味を出しています。フィルムにこだわりを持ち、「これからはビデオの時代」と言われて一旦はそれに反発しながら、結局乗ってしまうような、世渡りがそれなりに上手い男を渋く演じています。素人男を車の中に呼んで女優とファックさせるなんて、今のビデオ女優と素人をやらせる企画の走りでしょう。

助監督役のウィリアム・Ｈ・メイシーは「ファーゴ」では誘拐を計画する男、「陽のあたる教室」では校長の役で印象が強いのですが、両作品とも角刈りひげ無しでメガネ有り、という顔で外見的には似通っていました。しかし「ブギーナイツ」での彼は長髪ひげ有りでメガネ無し、という顔で今まで演じたキャラとイメージが違います。なので、目を見なかったら彼だと分からなかったかもしれません。女房が他の男とヤッてても何も言えない、情けない男を好演しています。
「陽のあたる教室」からはもう１人、成長したガートルード役で登場した女優が、「ブギーナイツ」では主人公の母親役で出ています。

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ワールド・イズ・ノット・イナフ

さすがに、ピアース・ブロスナンもジェームズ・ボンド役が３作目ともなると、板についてきた感じです。でも「ゴールデンアイ」以来、今の００７シリーズはアクションが重視され、アクションそのものは迫力があるものの、お話が無いような感じがします。またそのアクションにしても、次々、ほとんど切れ目なく来るせいか、どれも平均的に見えてしまい、あまり印象に残りません。
しかし今回「ワールド・イズ・ノット・イナフ」での、冒頭のテームズ川でのボートチェイスシーンは、最近の００７シリーズのアクションの中でも最も００７シリーズらしく、一番迫力を感じました。
このシーンでは、ボンドがＱの作った特性ボートに乗って、ＭＩ６から直接出撃します。このボート、Ｑが「老後の引退のため」に作ったにしては、陸は走るは水中には潜る（「私を愛したスパイ」のボンドカーを思わせます）は、果てはミサイルは撃つわの大活躍で、これのシーンが多いおかげで、ボンドカーが今回はすぐに消えてしまったのでは？と勘ぐりたくなりました。
ただ、冒頭のこのアクションが快調だったのに比べ、クライマックスは限定された状況下でのアクションになったせいか、小じんまりとした感じに見えたのが難でした。

Ｑを演じた役者は、この作品の撮影直後に事故死したのでこれが最後の作品となりましたが、それを思わせるような退場のしかたでした。編集で意図的にそうしたのでしょうか？これで、オリジナルの００７のキャストはシリーズからいなくなったことになるのでしょう。
今回重要なキャラ（ボンドガールとか、ヒロインといった形容は合わないと思います）となる、ソフィー・マルソーはスリットのロングスカート姿がセクシーでした。サイコ入った、複雑な性格は現代的な感じがします。
今回の敵役であるロバート・カーライルは悪くないのですが、性格は普通な感じでした。「トレインスポッティング」みたいに、もっとキレたキャラにしてほしかったと思います。それでも、感情的なキャラだったのは彼らしい感じでした。
今回ボンドガールと言えるキャラは、男嫌い（らしい）の核物理学者を演じるデニス・リチャーズでしょう。まるで科学者には見えませんが、００７だからまあいいのでしょう。知性よりも色気、みたいな「ワイルドシングス」のキャラを引きずった感じでした。ボンドガールは、出て以後は大成しない感じなので、彼女にはがんばってほしいです。

今回の話の始まりは、００７の本拠であるＭＩ６が爆破されたことですが、ＭＩ６本部が直接狙われた話は今までのシリーズではなかったと思いますし、ＭＩ６本部から直接ボートがテームズ川に発進したり、ボンドの上司であるＭが外に出て、しかも危険な目にあったりとか、ＭＩ６絡みで、今まで無かったシチュエーションが出てくるのは見物です。

エンディングでＬＵＮＡ　ＳＥＡの歌が流れますが、日本語のせいか浮いた感じがしました。

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１３ウォリアーズ

北欧が舞台の話で、一見ファンタジーぽいので見たのですが、魔物とかが出てくるようなファンタジー調のシーンはなく、人間が剣を振って戦う、剣劇（古い言葉だ）というかソードバトルの話です
話自体はリアルな雰囲気ではありますが、戦いが続くだけで、物語に意外性はありません。「ヴェンドル」と名づけられた敵の戦う目的も、ただ相手を殺すだけのようで、面白味がないし、彼らの姿は映画の前半の方では秘密にされていますが、それが分かった後でストーリーに変化が出ることもなく、わざわざ秘密にしておく理由が分かりません。

巫女によって選ばれた１３人の戦士が次々と死んでいったり、守る場所が「国」といいながら村みたいな小さい場所だったり、クライマックスシーンが雨の中での戦闘なのは「七人の侍」を意識した感じです。タイトルからして、戦士の数だもんねえ。

音楽はコーラスを使っているせいか、荘厳な感じが出ていいし、美術もそれらしい雰囲気が出ています。「城」と言われている建物が、実際は館みたいになっていたのはリアルに見えました。

原作は「ジュラシック・パーク」などのマイケル・クライトンですが、たいして面白い話ではないし、もし原作のストーリーも映画と同じだったなら、何でこれを書いたのか理解できません。北欧の歴史ものでもやりたかったのでしょうか？

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マグノリア

メインのキャラが多く、長さも３時間近くある作品ですが、話は上手く整理されていて、混乱することはありませんし、キャラたちの個性、というか抱える悩みがちゃんと描写されていて、それで観客の興味を引くことで退屈させることなく見せてくれます。ただ、共感出来るキャラがいないし、どこか突き放している感じを受けました。

この映画の批評では「ラストが驚きの展開」と言ってるものがあります。確かに、クライマックスで起こる出来事は全く予想できない、というか唐突なシーンでした。ただし、これは単なる「現象」としか描かれず、それによって誰かの運命が逆転するというような、話に影響をおよぼすシーンでもなくて、期待外れでした。
とはいえ、このクライマックスで登場する生き物や「マグノリア」自体に何か意味があるのかもしれません。パンフにはその意味が書いてあったようですが、ラストの展開に拍子抜けしてしまい、買う気になりませんでした。

監督は「ブギーナイツ」で評判を取ったポール・トーマス・アンダーソンですが、ジュリアン・ムーアやフィリップ・シーモア・ホフマン、ジョン・Ｃ・ライリー、ウィリアム・Ｈ・メーシーといった「ブギーナイツ」でも出ていた役者が結構出ています。「ブギーナイツ」では印象が違ったウィリアム・Ｈ・メーシーは、今度は眼鏡をかけて、今まで演じたキャラの雰囲気でした。

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グリーンマイル

原作はスティーブン・キング、そして監督はフランク・ダラボンとくれば、名作「ショーシャンクの空に」のコンビです。宣伝文句で、スピルバーグの「私は４回泣いてしまった」とのコメントを使っていて、期待しました。
ストーリーの方は期待通り、出来事がいいテンポで次々と起こり、３時間くらいの長さなものの飽きさせません。キャラの描写も個性が感じられて上手いです。
ただ、クライマックスでは周りからすすり泣きの声が聞こえたものの、僕は泣けませんでした。
また「ショーシャンクの空に」では、ラストがさわやかに終ってくれたのが好きな点ですが、「グリーンマイル」のラストは暗いは言えないものの、苦いもので、見終わった後がすっきりしない感じでした。

メインのキャラは多くないこともあって、個性が分かりやすくなってます。ほとんどの人物がいい奴で、安心して見れます。ただ看守側では唯一、パーシー（ダグ・ハッチソン）が一人で悪役を引き受けていますが、あまりに嫌みすぎる描き方で、かえって類型的な感じがしました。
あと個性的なキャラといえば、ネズミのミスター・ジングルズを忘れるわけにはいきません。これは映画のオリジナルのキャラらしいですが、扱い方が上手く、話にハマっています。

主演のトム・ハンクスの演技は安心して見れます。「アポロ１３」や「プライベート・ライアン」でもそうですが、リーダー的な立場で「アメリカの良心」を体現したような役柄を演じると「そのもの」という感じがします。
もう一人の主役ともいえるジョン・コフィーを演じるマイケル・クラーク・ダンカンも、外見は怖そうだけど、実は素朴な性格であるキャラを上手く演じています。彼の超能力の描写は「キャンディマン」や「スペースバンパイア」を思わせる感じで、ＣＧは良くできているものの目新しいイメージではありません。

最後にこの映画、見る前にトイレに行くことをおすすめします。長いから？それもそうなのですが、それだけではありません。

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U.M.A.
レイク・プラシッド

何も事件が起こらないはずの静かな湖、レイク・プラシッドに出現したモンスター（？）と人間の戦いの話。

監督がただのスプラッタでしかない「１３日の金曜日」や、つまんなかった海洋生物モノ「ザ・デプス」のスティーブン・ソマーズなので、期待しませんでしたが、意外に退屈せずに楽しめました。「１３日の金曜日」はクリスタル・レイクという湖が舞台だったし、だからソマーズが監督に選ばれたとか…。
怪物の正体は中盤で明らかになるし（予告でバレてる）、舞台は湖のほんの一部でスケール的にも大きくなく、小じんまりとしたＢ級作品と言っていいでしょう。

邦題につけられた「U.M.A.」は未確認生物の略語らしいのですが、元のタイトルは単に「レイク・プラシッド」だけだし、字幕では「U.M.A.」という言葉が出てましたが、実際のセリフにはそういう言葉はなかったみたいです。この作品の配給は東宝東和ですが、去年の「グリード」と同様に、また妙なタイトルをでっち上げて大作らしく宣伝してます。

この映画の脚本は「アリーＭｙラブ」の製作者で、シナリオもよく書いているデビッド・Ｅ・ケリーです。僕は「アリー」しか知らないので、こんなＢ級ぽい作品を書くとは意外でした。でも、ブリジット・フォンダ演じる主人公ケリーは、同僚から愛する男（不倫だが）を取られ、愛に報われないところはアリーみたいな境遇に感じました。キャラがみんな協力しようとせず、自分勝手に主張するとこも「アリー」ぽい感じがします。

この映画が大作ぽく扱われるのは、「シンプル・プラン」のブリジット・フォンダや「インデペンデンス・デイ」に出ていたビル・プルマンが出ているゆえでもあるでしょう。彼らの演じるキャラにはこれといって変った点があるわけでもなく、仕事が無いわけでもないだろうに、何でこんな映画に出てしまったのか不可解です（湖でロケしたようだから、バカンス気分だったのか？）。ただ、ブリジット・フォンダがあんなに普通のキャラを演じるのも珍しいかもしれません。

あと、なぜこの生物が湖にいたのか？理由がバカっぽくて面白いです。どこが「U.M.A.」だって。

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真夏の夜の夢

シェイクスピア原作の有名な劇の映画版です。アメリカでの公開は日本での劇場公開の約１年前・９９年の５月で、当時は「恋に落ちたシェイクスピア」のヒットの余波で公開されたような感じでしたが、結果は散々で、早々と興収ベスト１０圏内から消えていきました。日本での公開が遅れたのもそれが原因かもしれません。
僕は原作を読んだり、舞台を見たりしたことがないので、この映画とオリジナルを比べることはできません。この映画はセリフやシチュエーションをオリジナルとは変えているそうですが、それにしてもセリフにやたらと修飾語が多く、かったるい感じがして、眠くなりました。シェイクスピアらしさを出そうと意図してそういう、古い感じの言い方を使ったのだと思いますが、「恋に落ちたシェイクスピア」（あれはオリジナルの作品だけど）みたいに、今っぽい言い回しにしてくれた方がまどろっこしくなく、すっきりしたと思います。
この作品は人間と妖精の世界の話ですが、妖精の羽根などがモロに作り物ぽく見え、チープな感じがしました。まるで舞台をそのまま映しているような感じです。デジタルを使って羽根を光らせるかとかして、人間ではないものの雰囲気を出してほしいところです。

この作品はラブコメの元祖みたいなものだと思いますが、恋人が入れ替わってしまうあたりは笑えました。舞台設定を１９世紀のトスカーナ地方にしたのも変わった感じで面白いですし、自転車の使い方が効果的です。

この作品の僕の一番の目当ては「アリーＭｙラブ」に主演しているキャリスタ・フロックハートでした。彼女はディミトリアスに恋をしていますが、彼の方は彼女にふり向いてくれません。報われない恋はするし、思い込みは強いし、やたらとしゃべりまくるといった部分はアリーとキャラがかぶります。
ディミトリアスを演じるのはかつてスピルバーグ監督の映画「太陽の帝国」で主演していた少年、クリスチャン・ベールです。こんなに大きくなってびっくりです。

この映画を見に行った劇場では、客層は若い人から年寄りぽい人までと幅広く、けっこう混んでました。ろくに宣伝をしなかったはずですが、シェイクスピアゆえでしょうか？

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スクリーム３

「スクリーム」も３作目となり、ついに「トリロジー」と呼ばれる（たぶん）作品になりました。１作目と２作目は結構面白いと思いましたが、さすがに３作目となると、少し息切れを感じます。
とはいえ、例によって追っかけや謎解きがテンポ良く進んでくれるので、退屈することなく楽しめました。悪役が殺そうとする奴に殴られたり、ちょっとおマヌケなのも前作と同じパターンでうれしいです。
ただし、パート１と２のストーリーや人間関係の説明は全く無いので、「スクリーム」を全く見たことの無い人にはすすめられません。またパート１と２を既に見た人でも、このパート３を見る前に、もう１度パート１と２をビデオで復習してから見た方がいいです。
僕は、今回も活躍するメインキャラ・シドニー（ネーヴ・キャンベル）、デューイ（デイビッド・アークエット）、ゲイル（コートニー・コックス・アークエット）の３人は覚えていましたが、それ以外のキャラでは、「この人誰だっけ？前作では殺さたんだっけ？」と、記憶がはっきりしない人物がいて困りました。それでも、話にはついてはいけますけど。

予告でも流れた「３作目は１作目の秘密がカギになる」とのセリフの通り、最後で意外な真相が明らかになります。ただ、その「真相」自体はありがちなもので、驚くほどのことはありません。
「３作目は１作目の秘密がカギになる」といえば、同じウェス・クレイブン監督の「エルム街の悪夢」のパート３がそうでした。このセリフで例に出してる「スター・ウォーズ」もその通りでしたが、「ゴッドファーザー」はそうだったかな？

３作目ともなると、レギュラーメンバーを演じる役者が出演を断って、別の役者がレギュラーの役を演じることがありますが、「スクリーム」では３作とも同じ役者が登場します。見てる側にはうれしいのですが、この人たち、その後もあまりブレイクしてないみたいだし、みんな仕事が無いんでしょうか？
ＴＶリポーター・ゲイル役のコートニー・コックス・アークエットはパート１に比べるとしわが増えて、年を取った感じがしました。パート２までの彼女の名前には「アークエット」の名前は無かったので、もしかしたらと思ったら、やはりデューイ役のデイビッド・アークエットと結婚していたようです。

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ＮＹＰＤ１５分署

ニューヨークの１５分署、アジア犯罪取締班に白人のダニエル（マーク・ウォルバーグ）が着任する。ダニエルは、この部署のチーフで彼の相棒となるニック（チョウ・ユンファ）がチャイナタウンの顔役と癒着しているのを知るが、ダニエルもまた癒着の罠に陥っていく…。

このごろは神奈川や埼玉など、警察関係の不祥事が目立ちますが、この「ＮＹＰＤ１５分署」は「警官の正義」をテーマにした作品といえます。原題の「The Corruptor」は「堕落者」といった意味ですが、ニックはチャイナタウンの顔役と癒着しているし、ダニエルは彼自身そうでなくても、彼の父親が収賄の罪で警察を追われた元警察官、という背景を背負っています。彼らのように１００％正しい人ではなく、ある程度「悪い」と言われる部分を持ちながらも「正義」を成していくキャラクター像は、善悪の境界があいまいな現代に合ったキャラクターと言えます。
人間関係やキャラの身分については、話が進行するにつれて意外な真相が出てきますが、分かりにくいことはありません。アクションよりも話を重視している作品のせいか、銃撃シーンも荒唐無稽な感じはしませんでした。
カーアクションが出てきますが、ＮＹの、それも繁華街でのカーアクションは久々に見た感じで、迫力あります。

チョウ・ユンファは、「リプレイスメント・キラー」は単なる練習作だったと思わせる、段違いの存在感を見せてくれます。「アンナと王様」の彼もとてもいいのですが、「ＮＹＰＤ１５分署」では王様とは違うタイプの、「男たちの挽歌」などハードボイルド系作品に見られたような、狂気を持った男を熱演しています。英語も上手くなって、ハリウッド役者としての着実な歩みを感じさせます。

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マーシャル・ロー

ニューヨークで次々と起きるテロリストの爆破事件は、ＦＢＩの対テロ犯罪チームの奮闘を嘲笑うように死傷者を増やしつつあった。遂に政府はＮＹに戒厳令を敷き、軍隊の力でテロリストをせん滅しようとするが、それはさらなる混乱を引き起こすことになる…。

ＮＹでの戒厳令の指揮をとる軍人を、ブルース・ウィリスが演じます。実は彼は、映画の冒頭に出てくる、テロ多発の原因となる事件の裏の黒幕で、いわば話のカギを握る存在です。しかし話の中では、彼がその事件に関与している理由が説明されません。またその事件は極秘にされているのですが、隠す理由も分かりません。また彼は、始めは戒厳令に慎重なくせに、いざそれが発動されると、容疑者がいそうな場所は徹底的に破壊はするわ拷問はやるわで、行動に一貫性がありません。何を考えてるかさっぱり分からないキャラクターで、行き当たりばったりの悪役にされた感じです。

ＦＢＩの対テロ犯罪チームのリーダーをデンゼル・ワシントンが演じます。彼の存在自体が頼りになる感じで、指揮官や正義を持つ役柄に合っています。テロリストの爆破に巻き込まれた時に耳から血を出したり、その後の会議でいつの間にか鼻血を出してしまうシーンはリアルです。
予告でも流れた、彼が戒厳令発動の本当の目的を「アメリカを混乱させて憲法を改正させることが狙いだ」と話すシーンは、結局ただの憶測にすぎず、戒厳令発動に裏の目的があったかどうかは映画を見てる限りは不明です。そういう陰謀みたいなことでもあれば、この映画はもっと面白くなったと思います。

この映画はＮＹのような大都市に戒厳令が敷かれ、戦車部隊がやってくるという、シミュレーションを見る楽しみ方をするべきでしょう。このシーンは不気味ではありますが、都会に戦車部隊がやってくるイメージは日本のアニメ映画「パトレイバー２」ですでにあるし、しかも「パトレイバー２」の方が、戦車がいるのに人々が何事も無いように通勤する、など面白いシーンがあり、「マーシャル・ロー」はイメージ的に負けてます。

戒厳令よりも、ＮＹのど真ん中でのテロの方がコワいです。バスが人質ごと爆破されたり、ブロードウェイの劇場が爆破されたシーンでの怪我人の見せ方はショックでした。ＮＹでこの映画を見たら他人ごとではないでしょう。

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ザ・ビーチ

「タイタニック」で今や世界的な有名人となったレオナルド・デカプリオの最新作です。
ただし、僕はデカプリオよりも、「トレインスポッティング」や「普通じゃない」を監督したダニー・ボイルの最新作として興味がありました。

結果的には「ハズレ」でした。
「トレインスポッティング」や「普通じゃない」は、人質が誘拐犯に協力するといった状況や描写の面白さや、すぐにキレる男や銃を撃つのが趣味の社長令嬢とかのキャラの面白さなど、変わった魅力がありましたが、「ザ・ビーチ」にはそういうぶっとんだ描写や状況がほとんど見られません。普通の物語です。
変わった描写といえば、せいぜい主人公リチャード（デカプリオ）がジャングルを歩く画面がＴＶゲームの画面になるシーンくらいでしょう。
キャラクターも、主人公リチャードを始め、みんな普通の感じで、面白味がありません。そんなキャラの中で、ロバート・カーライルが演じる、リチャードを楽園に導くきっかけを作る男・ダフィが「トレインスポッティング」でのマッド男、ベグビーを思わるキャラで、一番印象に残りました。

この映画の予告を見た時は、楽園と言われていた場所が実は犯罪の温床のようなところなのか想像しましたが、普通の海岸で、拍子抜けでした。多少は秘密らしいものもありますが、それも前半であっさり見せてしまいます。
映画はその楽園が崩壊していく過程を描写しますが、その原因は楽園の秘密というより、リチャード（デカプリオ）が狂っていくことが要因になります。でも、その狂いの度合いは「トレインスポッティング」ほどイッた感じはなく、中途半端です。

「スリーピィ・ホロウ」のティム・バートンや、「シンプル・プラン」のサム・ライミなど、上手く自分のオリジナリティーを生かしつつ普通のタイプの映画を撮る監督がいますが、それに比べ、この「ザ・ビーチ」はダニー・ボイルのスタイルがあまりにも感じられない作品でした。

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エクストリーム

サーフィン、アイスクライミング、スキー、スノーボード、ロッククライミング、ウィンドサーフィンといったスポーツを撮った、アイマックス用の映画です。
しかしアイマックスですから、単にプレイを撮影しただけのものではありません。いや、プレイを撮影しただけ、と言ってもいいかもしれませんが、その中身はハンパなものじゃないです。
「エクストリーム」という単語は「極端」という意味ですが、そのタイトル通り、この作品で展開されるプレイは、とうてい一般の人に出来るとは思えない究極の技です。
サーフィンは海岸から泳いでいく、なんてもんじゃなく、ジェットスキーで沖までサーファーを引っ張っていき、１０ｍはあろうかという波に乗ります。まるで津波の中をサーフィンしているように見えますが、そんな波に呑まれてもプレイヤーは挑み続けます。
スキー、そしてスノボはアラスカの山中で、傾斜が５０度という山腹から滑り降りるところを撮ります。危険というより、雪を散らしながら滑るスキーやスノボが刻んでいく軌跡がとても美しく見えました。
撮影はアラスカの山中やハワイ沖などですが、この映画の「エクストリーム」なプレイはこういう大自然の中であるからこそできるのでしょう。日本で見るのとは全然スケールが違います。
この作品は３Ｄではありませんが、２Ｄでも十分に迫力があります。スノボやスキーやサーフィンをやる人は必見でしょう。

プレイが大掛かりなだけに、ヘリコプターを使わないと全貌が把握できないのか、映画の中の撮影は空撮がほとんどです。エンドクレジットではメイキングシーンが出てきますが、ヘリだけではなく、クレーンを使ったりカメラマンを吊るしたりしていて、プレイだけでなく、撮影もかなり苦労したことがうかがえます。水着のねーちゃんのカットが１つだけ出てきたのは観客サービスかな？

気になったのは、雪のシーンなどは白が多いせいか、フィルムのゴミが目立ったことでした。でっかいスクリーンなので余計に目に付きます。

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ザ・ハリケーン

１９６６年、人気絶大だった黒人ボクサー、ルービン・“ハリケーン”・カーター（デンゼル・ワシントン）は身に覚えのない殺人容疑で逮捕される。終身刑を言い渡された彼は自伝を書き、７４年に出版されるが、次第に彼は世間から忘れられた存在になっていった。数年後、彼の自伝を読んだ黒人少年レズラがカーターに手紙を書いたことで、２人の交流が始まる。カーターの容疑に疑問を感じるレズラの養父たちは、カーターの無実を証明しようと独自で証拠を集め出すが、そこに黒幕の影が浮かび上がってくる…。

この映画の話は実際にあった事ですが、「インサイダー」や「エリン・ブロコビッチ」など、このところ実話を元にした、「アメリカの正義」を訴える話が目立つように思います。
カーターの容疑を、宣伝では「えん罪」と言っていますが「濡れ衣」と言っていいです。本編は長いと思うシーンもありますが、クライマックス、特にデンゼル・ワシントンのラストの表情は感動的で、周りからすすり泣きの声が聞こえました。

気になったのは、ラザロの養父である白人たちが、カーターがラザロの友人とはいえ、カナダから刑務所のあるニュージャージーに引越しをして、そして脅されてまでもしながら、なぜカーターの潔白の証明に奔走するのか、理由がよく分からない点でした。カーターにどこか思い入れを抱かせる何かがあるのか、その辺の描写がもの足りません。正義感だけならそこまでできないと思います。

ラザロの３人の養父の一人、サムをリーヴ・シュレイバーが演じています。この人は「スクリーム」シリーズに出ているし、最近では「ファントム」でもキレた役を演じていますが、「ザ・ハリケーン」ではそれらとは違う誠実な役柄で、こういう演技もできるんだ、と感心してしまいました。

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ラスト・ハーレム

２０世紀の始め、オスマン・トルコのハーレムに買われてきた少女サフィエを中心に、最後のハーレムの内情を描く作品です。
ハーレム内部の描写はこの映画のウリだけあって興味深いものがあります。宦官がいたり（やはり男は入れないんだなあ）、大きな浴場があったり、女たちの間で派閥があって、日本の大奥のような権力闘争があることは初めて知りました。

映画は、ハーレムの女官が「昔話」を他の女官たちに聞かせ、そこで語られる内容が、年老いたハーレムの女が駅で知り合った若い女性に自分のことを語っている話で、本編で描かれるハーレムの話はその語りの再現という、３重構造でストーリーが進みます。
女官がハーレムで語る話の時代は、その女官が属しているはずのハーレム自体が閉鎖された後の時代に起こる話なので、ありえないのですが、構成は面白いです。
ただ、そういった構成のせいか話は分かりにくく、人間関係も複雑で、メイン以外の人間は誰が誰だか分かりません。また、間延びした感じのシーンもあり、眠気を感じました。

ハーレムが閉鎖された後、そこを占拠した軍人は女たちに「家に帰っていい」と言いますが、家を捨てたり、買われてきてハーレムに来た女たちには帰るところが無く、雪が降る中をあてどもなく過ごすことになります。ハーレムから「解放」されることで、庇護される場所を失う女たちの運命は皮肉です。
ここでは、若い女は娼婦として連れていかれます。それだと寝る場所はあるだろうけど、その運命はハーレムに入るより過酷なものとなるのは哀れです。

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エリン・ブロコビッチ

実在の女性、エリン・ブロコビッチが大手電力会社ＰＧ＆Ｅの工場から排出される有害物質の存在を突き止め、ＰＧ＆Ｅから巨額の和解金をせしめた、実際の話の映画化です。
監督のスティーブン・ソダーバーグは「セックスと嘘とビデオテープ」を監督した人なので、心理的なものが好きな監督なのかと思っていましたが、「エリン・ブロコビッチ」はとても分かりやすい、明快で気持ちいい映画に仕上がってます。
この映画の成功は主人公エリンを演じるジュリア・ロバーツの好演によるものが大きいでしょう。始めはキャリアも無く無職で、世の中から疎外されていたような彼女が、徐々に人々から求められる女に成長していく過程を熱演しています。ブラを寄せて作ったというジュリアの「巨乳」にもびっくりでした。
言葉使いは悪いけど、カラっとして行動力があるし、女の武器も使ういさぎよさのあるエリンは見ていてスカっとします。
また彼女だけでなく、相方になる弁護士や、エリンの家庭が彼女の仕事によって変化していって、トラブルが起こっていく状況もちゃんと描いています。子供が彼女を理解するところも見ていて清々しいです。
この映画は裁判が絡む話ですが、裁判所のシーンは一切出てきません。弁護士でない、庶民の目線を持つエリンの立場を現したような手法で新鮮さを感じました。

欲を言えばエリンが、事件のきっかけとなる、不動産の書類に医療用の書類が添付されていることになぜこだわったのかを知りたかったと思いました。そんなもんか、と思ってしまう人もいると思うので（そう思わないのがエリンのいいところだろうけど）。

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キャリー２

ハイスクールに通うレイチェルは念動力を持つ、周りから暗いと思われている女生徒だが、唯一の親友シャーリーが突然自殺したことで大いにショックを受ける。シャーリーがその前に撮っていた写真で、その自殺の原因が、男子生徒のグループが女生徒をナンパして寝た点数を競っていたことと分かるが、レイチェルが持っていたその写真から足がつき、警察からレイプ容疑をかけられた男子グループは、レイチェルを疎ましく思う女子グループと共謀して、彼女に恥をかかせる計画の実行に取り掛かる…。

前作「キャリー」から２０年も経っていて、なぜ今また「キャリー」なのかはさっぱり分かりません。ただし、前作で生き残ったスー役のエミー・アービングが学校のカウンセラー役で出てるし、前作のシーンも挿入されたりして、一応続きの形にはなっています。レイチェルとキャリーをめぐる意外というか、笑ってしまう共通点も明かされます。
でありますけど、話の流れはほとんど１作目と同じパターンで、リメイクといっていい作品です。ラストも同じパターンだし。
なので、前作を見てる人にはそれなりに楽しめるかもしれませんが、展開はバレバレだし、大してドキドキもしない、前作を超えることはない作品です。

エミー・アービングはわざわざ今回も出たのに、最後は悲惨でした。仕事に苦労してるんだろうか。

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レインディア・ゲーム

刑務所で服役中の車泥棒のルーディ（ベン・アフレック）と獄中のパートナー、ニックは釈放が２日後に迫っていた。ニックはアシュリーという女性と文通していて、出所したら会う約束だった。しかし囚人どうしのケンカを止めようとしたニックは命を落とす。出所したルーディはニックを探すアシュリーを見ていたたまれなくなり、自分がニックだと嘘を付いてアシュリーと一夜を過ごす。翌日彼はアシュリーの兄（ゲーリー・シニーズ）たちに手荒い歓迎を受け、ニックが以前働いていたカジノの強盗計画に参加するよう強いられる。自分がルーディだと分かると用無しで殺されると分かったルーディは、ニックとして振る舞わなければならないことになる…。

話の筋は予想がつく部分もありますが、最後で意外な人物が現れたりして、展開が２転３転するのは楽しめました。監督のジョン・フランケンハイマーは昨年「ＲＯＮＩＮ」を作った人ですが、「レインディア・ゲーム」の方が話がこじんまりとして、分かりやすいです。
アシュリー役のシャーリーズ・セロンは、始めに出てきた時は清純でかわいい感じなのに、だんだん悪女の正体を現してきます。悪女役、合ってる感じがします。
また、アシュリーの兄を演じるゲーリー・シニーズも、「ミッション・トゥ・マーズ」で演じた善人の役よりも、この作品のような悪役の方が合っているように思います。

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バッファロー‘６６

刑務所から出所したビリー（ビンセント・ギャロ）は家にかけた電話で、親に出まかせで妻を連れて行くと言ってしまう。彼はそこを通りかかったレイラ（クリスティーナ・リッチ）を誘拐し、無理やり自分の妻を演じさせるが、彼女は本当の妻のように振舞う。ビリーのことを知るにつれ、レイラは彼を好きになるが、ビリーには出所したらカタをつけようと思っていたことがあった…。

９９年に「パルコスペース３」から改名した渋谷の映画館「シネクイント」のこけら落としとしてロングラン上映された作品です。

この映画の主人公、ビリーとレイラは、共に不器用な奴らですが、その不器用さがリアルで共感できるキャラクター像を生みだしています。
ビリーは映画の主人公とは思えないような、とても不器用な男で、人に気持ちを上手く伝えられなかったり、すぐイラついたりする奴です。見ていて気持ちがいいとは言えないのですが、どこか自分に似ている奴を見ている感じがしました。
彼は、母のひいきにしているフットボールのチームに賭けたり、ひどいことを言った友達に後で謝ったり、本当はやさしい奴なんでしょうけど、その優しさをなかなか表現できず、カッコ悪くて嫌な奴に見えてしまいます。美男とは言えない（と思う）ビンセント・ギャロがこのキャラを演じたことで、さらにリアル度がアップしたと思います。
ヒロインとなるレイラを演じるクリスティーナ・リッチは、この映画ではかなり太っています。「スリーピィ・ホロウ」ではそんなに太っているようには見えなかったので（たぶん）役作りのためだと思いますが、おかげで普通な女のコの感じが出たと思います。
彼女は男に誘拐されているくせに、いくらでも逃げる隙があるのにもかかわらず逃げません。多分孤独で、ビリーが初めて認めてくれた男だったのでしょう。写真を撮る時にわざと変な顔をしたりするとこなんか、誰でもやることだと思いますが、何か溜まっているのモノもあるように思います。
こういった、ヒーローではない、フツーにいそうなキャラクターを出したことが、この映画のヒットにつながったのだと思います。

またこの作品、ラストがとてもさわやかで、ハッピーな気分になれました。この気分を味わいたいリピーターもいただろうと思うので、劇場公開でロングランしたのも分かります。
派手なアクションや特撮があるわけでもなく、話としては本当に他愛の無い、こじんまりとした作品なのですが、そのこじんまりとした雰囲気がいい味を出している映画です。

この映画、大枠のストーリーはまともな話なのですが、レイラが脈絡無く踊るシーンのように、話の中に少し不条理的なギャグを入れてるのがおかしいです。
また、アクションをストップモーションみたいに止めてカメラを回したり、カットを短くしたりなど、面白い撮り方をしているし、色を落としたり、粒子が粗いような、どことなくチープな、個人映画ぽい感じも特徴があって面白いです。

クリスティーナ・リッチだけでなく、他にもベン・ギャザラやアンジェリカ・ヒューストン、ロザンヌ・アークエット、ミッキー・ロークなど、脇の出演者が意外に豪華なのもこの映画の見どころです。

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聖痕

ニューヨークで美容師をやっているフランキー（パトリシア・アークエット）はごく普通の女性。メキシコにいる母からロザリオを送ってもらった日に、突然手に傷が出現し。その後も足や頭に傷が出現していく。その傷はキリストが処刑の時に受けた位置と同一の、「聖痕」と呼ばれるものだった。新聞で彼女の事を知ったアンドリュー神父（ガブリエル・バーン）はバチカンからの命を受け、彼女のことを調査するが、彼女自身がトランス状態で書いた古代言語にはバチカンの脅威になる秘密が書かれていた･･･。

血や涙を流すマリア像や、聖痕現象などは時々ＴＶで取り上げられますが、こういう怪奇現象は好きなので、この映画は期待していた作品です。確かに、ウリである聖痕現象が発動するシーンは、スピード感のあるカットを畳み掛けて描写して、見ものです。
しかしこの映画、見ものは聖痕現象だけです。ストーリーが聖痕現象の解明の話になるかと期待したのですが、結局バチカンの内部抗争の話でした。聖痕現象の原因が未だに究明されていないのに、何か話を作らなければならないということでこういう話にしたと思いますが、興ざめでした。そんな話を作るなら、聖痕現象を持ち出す必要も無いように思います。
ただキリスト教関係で、特に原始キリスト教関連ではまだまだ解明されてない文書があるということや、バチカン内部でもいろいろ思惑があるらしいという描写は面白さを感じました。
また、フランキーが白目をむいて、古代言語をしゃべるとこなんかは、聖痕現象と言うより「エクソシスト」にあったような悪魔つきの描写に似た感じがして、違和感を持ちました。
映画の中では、聖痕現象とは、信仰が強すぎるあまりにキリストと一体化してしまう現象であると説明されていましたが、ホラーの形にしなくても、そういった現象の話にしてもよかったと思います。

ガブリエル・バーンは信仰と科学の間で真面目に悩む神父を好演しています。けれど、狂気入った感じだった「エンド・オブ・デイズ」での悪魔の方が、見ていて面白味がありました。
　
オープニングのタイトルバックは古代文字らしきものが出て神秘的な感じですが、そこの音楽にロックは似合わない気がしました。

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ナインスゲート

まだ見ていない人

サギまがいの古書鑑定で金を巻き上げているコルソ（ジョニー・デップ）は、悪魔関係の古書を集めているバルカン（フランク・ランジェラ）から、彼の持っている「影の王国への九つの門」が本物であるかどうか、ヨーロッパに残っているあと２部と比べるよう依頼を受ける。スペイン、そしてフランスと飛んだコルソは、本の所有者の死や、謎の敵の襲撃、そして謎の女の護衛など、本をめぐる抗争に巻き込まれながらも、３部を比較することで本の秘密に迫っていく。

ホラー物のジャンルでくくられている作品ですが、怖いシーンはほとんどありません。ホラーと言うより、謎解きのミステリーを楽しむ作品です。ただこの映画は、本の謎解きの部分はいいものの、その過程の話では釈然としない部分を感じました。話よりも、悪魔的なイメージの描写を楽しんだほうがいい作品でしょう。
ロマン・ポランスキー監督の映画はあまり見ておらず、難解というイメージがしていたのですが、この「ナインスゲート」は分かりやすい話でした。この人はヨーロッパ出身なので、そこを舞台にしたのは彼らしいかもしれません。悪魔の話はやはり古城など、ヨーロッパの方が雰囲気が出ます。
主人公の職業は本の鑑定家ですが、あまり聞いたことがない職業で、目の付けどころがいいです。ジョニー・デップは「スリーピー・ホロウ」とはまた違った、切れ者だけど嫌な奴を上手く演じています。

前売りの特典で｢悪魔の匂い」というのがありましたが、どんな匂いなのか気になりました。

すでに見た人

主人公が捜査を始めると、本の持ち主が次々と死んでいきます。映画では誰が殺したのかは明かしませんが、一番怪しいのは依頼人・バルカンでしょう。しかし、仮にバルカンが彼らを殺していたとしてもなぜ、主人公にわざわざ本の真贋を確かめさせている時に殺すのかと思います。バルカンがヨーロッパにいる理由も何でかよく分かりません。
主人公には悪魔の使者らしい奴が付いていたし、彼は悪魔に呼ばれていたようです。「本が人を選ぶ」ということでしょうか。でも何故彼なのかが説明されないのが釈然としませんでした。
このテの映画では、クライマックスで悪魔が呼び出される展開が多いですが、この映画の場合、それがフェイントだったのが、変わっていて面白いと思いました。でも悪魔の召喚も見たかった。

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ジーンズ 世界は２人のために

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ブギーナイツ

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ワールド・イズ・ノット・イナフ

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１３ウォリアーズ

１３ウォリアーズ

マグノリア

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グリーンマイル

グリーンマイル

U.M.A. レイク・プラシッド

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真夏の夜の夢

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スクリーム３

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ＮＹＰＤ１５分署

ＮＹＰＤ１５分署

マーシャル・ロー

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ザ・ビーチ

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エクストリーム

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ザ・ハリケーン

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ラスト・ハーレム

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エリン・ブロコビッチ

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キャリー２

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レインディア・ゲーム

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バッファロー‘６６

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スティグマータ 聖痕

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世界は２人のために

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U.M.A.
レイク・プラシッド

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スティグマータ
聖痕

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