モンドヴィーノ

予告では「おいしいワインはお好きですか」などと言ってるので、ワインに関するうんちくのドキュメンタリーだと思っていました。映画は確かにうんちくではありますが、その内容はワインのメーカー、批評家や個人生産者を取材して、グローバル化などワインをめぐる商売戦略や問題点を語っていくものです。
映画はヨーロッパ、アメリカ、南米と広範囲に取材し、たくさんのワインメーカーやコンサルタントが登場します。映画はそういう人たちの話をまとめた物ですが、場所や人物が多い上に、それらが細かく切れ切れに飛ぶ編集になっているおかげで、話がなかなか把握できません。
ワインのことを知ってる人ならメーカの名前とか出てくると「おおっ！」と思うかもしれませんが、僕みたいに知識の無い人にはちんぷんかんぷんで、話についていけず、眠くなってしまいました。だいたい、ワインのグローバリゼーションの問題なんて「誰かに話したくなる」かなあ。
監督のジョナサン・ノシターという人はワインのソムリエの肩書きを持っているそうです。そういう人ならメーカの名前とか詳しいでしょうし、業界の人の名前も分かるでしょう。いわばこの「モンドヴィーノ」は、ワインヲタクの人のための映画と言った方がいいでしょう。

映像はDVで撮ってるのか、画質はよくありません。劇場よりもDVDあたりで一時停止したり、巻き戻したりして見た方が分かりやすいかもしれません。

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ブラザーズ・グリム

フランス占領下のドイツで、ウィル（マット・デイモン）とジェイコブ（ヒース・レジャー）のグリム兄弟は村々で「魔物退治」をして暮していたが、フランスの将軍デラトンベに正体を見抜かれ、マハルデンの森で起きた少女たちの失踪事件を調査させられるハメになる。魔女の仕業と信じる村人たちの話を、グリムたちはトリックに違いないと高をくくっていたが…。

「未来世紀ブラジル」や「12モンキーズ」を手がけたテリー・ギリアム監督の久々の作品です。「ロスト・イン・ラ・マンチャ」で暴露された悲劇的な事態（あの映画はどうなったんだ?）と違って、今度は完成したようです。
主人公をグリム兄弟にして、その設定をお調子者で詐欺師まがいとした着想は面白いし、タイトル通り「赤ずきんちゃん」や「ヘンゼルとグレーテル」といったグリム童話のシーンやキャラを話の中に小ネタで散りばめているが楽しめます。
またフランス占領下のドイツといった時代設定は今まで知らなくて興味が出たし、そのためにフランスの将軍がドイツの村人に疑心暗鬼になっているという設定も上手い生かし方です。
しかし、キャラの背景といった描写が浅いおかげで全然思い入れができないせいか、主人公たちを応援する気になりません。重要そうなわりには活躍しない奴がいるなど、キャラの配置も雑です。
お話はいろいろエピソードがあってそんなに退屈はしませんでしたが、あんまり盛り上がりません。ギリアム監督の映画はいつもそんな印象で、夜勤明けにでも見たら寝たかもしれません。今回も「ラ・マンチャ」のように潰れてしまってもよかったかも…。

敵がワケわかんない、というのも映画が今一つだったポイントでしょう。悪の女王を演じるモニカ・ベルッチはきれいだしそれなりの存在感はありますが、面白味の感じられないキャラでした。
マット・デイモンは当初大きな鼻を付けさせる予定が、ファンが来なくなるという理由でスタジオが横槍を入れたおかげで普通の顔で演じることになったそうです。でも鼻を付けた方が、キャラにもっと個性が出たかもしれません。

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蝋人形の館

ロバート・ゼメキスらが創設したホラー専門レーベル「ダークキャッスル」が今回放つ作品は、６人のティーンエイジャーが住民が全て蝋人形という町に迷い込み、あるいは導かれ、殺人鬼に追い回される話です。
これまでのダークキャッスルの作品は「TATARI」や「13ゴースト」など、大掛かりな謎がありそうなのに実はスカで怖くもない、というパターンが目立ち、あまり信頼できませんでした。
しかし今回の「蝋人形の館」は、これまでのダークキャッスルのパターンと違い、謎があまり無い分話がストレートで、単純な追っかけホラーとしてドキドキハラハラと楽しめました。「テキサス・チェーンソー」以来久々に「13日の金曜日」タイプの正統派？アメリカ的ホラーを見た感じです。クライマックスの「大破壊」も大掛かりで、なかなかの迫力が出ています。

ただこの映画、これまでのダークキャッスル映画以上にグロいシーンがチラホラ出てきて、それもかなり「痛い」感じがします。このテの映画を見る人で残酷なシーンが苦手という人はあまりいないと思いますが、嫌いな人は覚悟しておいた方がいいでしょう。

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ARAHAN
ア　ラ　ハ　ン

熱血で融通のきかない警察官のサンファン（リュ・スンボム）は、ひったくり犯を追っていた時、同じく犯人を追っていたイジン（ユン・ソイ）の「気」で吹っ飛ばされる。その後チンピラヤクザにメタメタにされたサンファンは、強さとイジンを手に入れるべく、彼女のいる道場で「七仙」からカンフーを習いだす。そんな時、地下鉄工事で封印が破られた遺跡から、凄腕の達人フグンが蘇り、至高の象徴である「印」を求めて七仙たちを襲い始める…。

カンフーの達人が戦うアクション映画は、香港映画では珍しくありません。しかしこの「アラハン」は韓国製の映画です。韓国映画の格闘アクションといえば以前に「火山高」がありましたが、アクションも内容も今一つの内容でした。
しかしこの「アラハン」は話のペースが快調でアクションも、予告編のように「ジャッキー・チェンを越えた！」とまでは言いませんが、彼の映画に匹敵するスピード感と迫力があります。しかも彼の映画で時々見られるようなバタくささは無く、ラストは大いに笑えて、スカッと爽快に楽しめる作品です。
コメディとシリアスがごった煮なのも香港映画ぽく、もしこの映画を知らないで広東語の吹き替え版で見たならば、香港映画だと思うかもしれません。香港映画のお家芸とも言える格闘アクションの株を韓国が、それもアクションの迫力そのままに奪ってしまったのに驚きました。

クライマックスの戦闘は少し長く感じたし、「マトリックス」のようなどこかで見たようなシーンがちらほらあるので、口の悪い人はこの作品をパクりと言うかもしれません。しかし日本のアクション映画で、これだけの迫力ある格闘シーンを見た記憶はありません。その意味では韓国はがんばっていと言えるし、ここから韓国のオリジナルアクションに進化していくかもしれません。
日本映画は韓国に、ガンアクションで｢シュリ｣に抜かされましたが、この映画で肉体アクションも韓国に抜かれたと言っていいでしょう。もう日本で韓国に勝てるのはホラーだけかもしれません。

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私の頭の中の消しゴム

2004年度の韓国映画で、ベストワンという声も聞かれる映画。不倫に失敗した社長令嬢スジン（ソン・イェジン）と、建築現場で働く青年チョルス（チョン・ウソン）の純愛ラブストーリーです。
予告編だとアルツハイマーのお話がメインのように思えるかもしれませんが、本編でそれが前面に出てくるのは後半30分くらいで、「アルツハイマーの絡んだラブストーリー」といった内容です。
映画にはアルツハイマーが関係する以外は派手なエピソードはあまり無く、わりと平凡なラブストーリーなのですが、キャラのインパクトと個性でしょっぱなから引き込まれ、２人に関する設定やエピソードもよく練られていて、最後まで退屈しません。
後半は感動するエピソードがいくつかあって、この演出上手いなぁと思いながら涙がホロリ、というシーンもありました。本当なら病気はもっと深刻なんだろう、と頭の片隅では思いながらも、気になりませんでした。
ただ、同じアルツハイマーネタの映画ではアメリカ製で「きみに読む物語」がありましたが、この映画のラストが好きな人には、「私の頭の中の消しゴム」のラストには文句を付けたくなるかもしれません。
とはいえ難病ネタとしては共通するかもしれない「世界の中心で、愛をさけぶ」に比べると、はるかに納得できる仕上がりだと思います。

お話は日本のＴＶドラマ｢ピュアソウル｣のリメイクだそうで、このドラマを見たことのある人には、映画よりそっちの方が評価が高いようです。また映画のBGMでNHKの朝ドラだった「あすか」のパクリがあるそうなのですが、見てない僕には全く気になりませんでした。
確かにパクりはいけないことですが、ここまで良く出来た内容だと（たぶん元を知らないせいか）、まあいいか、と思ってしまいます。

ヒロインを演じるソン・イェジンは、この作品より少し前に公開された「四月の雪」では不倫に走る主婦を演じていましたが、やはりこの「私の頭の中の消しゴム」のような、明るいキャラの方が似合っています。「ラブストーリー」を思わせる清楚な美しさが光っていて、花嫁姿にはウルっときてしまいました。
チョン・ウソンの演じるチョルスは、｢武士｣の時と同様のワイルドで優しい男性像という、女の人がいかにも憧れそうに思えるキャラとして描かれています。確かにかっこいいけどけどねえ。

サブキャラクターに関しては、スジンの家族はそれなりに描かれているのですが、チョルスの家族はほとんど描かれていません。それの描写にもう少し時間を取ってくれれば、号泣度はもっと高くなったことでしょう。これくらい面白い出来なら、時間がもう少し長くても許されます。
もう少し長くといえば、スジンの物忘れのエピソードを前半にもう少し散りばめてくれると、リアリティーが増したように思います。

ラストは暗くはありませんが、その後を思うと単純にハッピーという気には…。

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セブンソード

時の皇帝が武術を禁じる命令を出したことで、ならず者集団の風火連城は武術を学ぶ村の人々を虐殺して賞金を稼いでいた。彼らは武荘に迫り、村人の少女・武元英（チャーリー・ヤン）は風火連城に抵抗する元役人フーの言葉を信じ、彼と共にかつてフーが天山に追放した剣士たちに助けを求めに行く。そこで隠遁生活を送る晦明大師は、弟子の剣士たち４人を武荘に向かわせるが、敵の先遣隊は村に迫っていた…。

2005年度のベネチア映画祭のオープニングで上映された、武侠ネタの映画です。
タイトルに「ソード」とついてるだけあって、剣士７人の持つ剣は形がおのおの違い、また戦うスタイルも剣によって異なります。そういう設定は今まであまり見たことが無くて面白いし、剣士たちの戦い方は迫力があります。
ですが時々彼らの動きをカメラが追えなくて、どういうアクションをしたのかよく分からないカットがあって、「HERO」なんかに比べると撮影は雑です。

映画は、２時間半という長さのわりにはお話のほとんどが戦闘シーンで、ストーリー的な面白さに欠けます。しかもそのお話自体、いつの時代設定なのか分からなかったし、親王って誰?敵は風火連城だけじゃないの？天地会て何?とか、説明がほしい箇所がいっぱいあって、話についていくのに苦労しました。
原作は武侠小説ということで、中国の人なら話を知っているかもしれませんが、僕みたいに小説を読んでいない人には分からないでしょう。しかし映画のホームページを読むと物語が分かるので、まずはホームページで物語の概要を頭に入れてから見た方が、話についていけるはずです。でも副読本がないと分からない映画なんて、いい作品とは言えません。

ストーリーだけでなく、キャラの描写も雑で、剣士たちが何のためにあそこまで命を懸けて戦ってるのか、まるで分かりません。
剣士たちの中で唯一と言っていいくらいキャラが描かれているのは、ドニー・イェン演じる高麗（韓国）から来た剣士と、彼が敵から奪った、同じく高麗から来た奴隷女です。
その高麗から来た人物、という設定は今まで見たことのない独自さがありました。ただ奴隷女を韓国の女優（「イブのすべて」だそう）が演じているのだから、高麗の剣士も韓国の役者にやらせた方がよかったように思います。なぜわざわざドニー・イェンなんでしょう。韓国剣劇映画「武士」の長髪の兄ちゃんあたりにやらせた方が、「高麗」という感じがしたと思うのですが。

映画のタイトル「セブンソード」には、黒澤明監督の「七人の侍」にオマージュを捧げる意味が込められているそうですが、２時間半もありながらストーリーもキャラクター描写も稚拙で、比較になりません。しょっぱなから残酷なシーンが目立つし、こんなんがベネチア映画祭のオープニングにふさわしい作品か疑問です。
この映画の監督は、キャリアが長いわりには未だに決定打という作品の無いツイ・ハークです。こういう相変わらずの雑さのおかげで、ジョン・ウーみたいにブレイクしないのでしょう。

川井憲次の音楽は「アヴァロン」のオープニングを思わせるかっこいい曲で、終わってもしばらく耳に残りました。映画の中で一番良かったパートかもしれません。

映画のラストで、ハッピーエンドといえないモヤモヤが残るのも香港映画の良くないパターンという感じがしました。しかも映画は、これから第２章といった感じの、続編狙いのような終わり方になります。
もしかしたら「ロード・オブ・ザ・リング」のような数部作を狙ってるかもしれませんが、あの映画だって第1部は話やキャラをていねいに描いていて、だからこそ最後には感動がありました。見習ってほしいところです。

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ス　テ　ル　ス

テロ対策のため海軍が進めているステルス機チームのベン（ジョシュ・ルーカス）、カーラ（ジェシカ・ビール）、ヘンリー（ジェイミー・フォックス）の３人が配属された空母に、最新鋭の人工頭脳を搭載した無人のステルス機である「仲間」エディが合流する。そこへミャンマーの都市にテロリストが集結という情報がもたらされ、彼らに出撃命令が下る。だが、周辺住民に被害を出さずに敵のいるビルを攻撃するのには、常人では不可能な方法しかなかった…。

予告編やCMから、暴走する無人戦闘機をエースパイロットたちが止める話、と思っていましたが、それは途中までの展開です。その後にいろいろエピソードがあって、意外に楽しめました。
ただそれらの話は「ナイトライダー」や「2001年宇宙の旅」や「エネミーライン」といった映画をパクったような、どこかで見た要素を組み合わせた感じではあります。

冒頭のロゴからノリのいいタイトルで始まるように、映画のウリはスカイアクションということで、スピード感のある戦闘＆飛行シーンの迫力が見ものです。監督が「トリプルX」の人ということで、アクションはあの映画同様のテンポの良さがあります。
そのアクションを支える特撮は、デジタル・ドメインが担当しています。最近名前を聞かないので、ILMに押され気味の感じがしてましたが、ステルス機の空母からの離発着が実物を飛ばして撮ったように見えるなど、「タイタニック」以来？の入魂のCGを見せてくれます。

しかしノリの良さのまま、「テロ撲滅」の大目的のためなら他国の主権を無視して容赦なく侵入するやり方は、「トップガン」以来変わらないアメリカ映画の伝統のようです。

ステルスはレーダーに探知されない利点がありますが、その利点が前面に出た作戦が映画では出てこなくて、「ステルス」というタイトルの意味はあまりないように思います。
エディが自意識を持つきっかけが雷てのは、まるで「フランケンシュタインの怪物」で、あまりの安易さに笑うしかありません。

後半のベンとエディの関係は、80年代にヒットしたアメリカ製某メカ自動車ＴＶドラマを思い出しました。彼らの関係をもう少していねいに描いていれば、ラストは感動できたかもしれません。

ジェイミー・フォックスは最近は名優の地位に行きつつある感じで、このテの映画に出るのは意外でしたが、途中で消えてしまいます。彼でなくてもいい役で、もったいないです。
サム・シェパードが軍人役ということで、「ライトスタッフ」みたいな渋さを持ったいい男を期待したのに、悪役というのは少々残念でした。まあ信念の男、という意味では共通してるかもしれないけど。
映画の唯一のヒロイン？ジェシカ・ビールはほとんど軍服姿ですが、中盤でビキニ姿を見せてくれます。なかなかにいい体をしている上に、映し方もなかなかにエロくて、男にはお楽しみのシーンでしょう。必然性は無いけど。

本編が始まる前に「エンドクレジット後もシーンがあります」とご丁寧に字幕が出ますが、見なくてもいいようなシーンです。場面が出た瞬間読めちまうって。

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シン・シティ

刑事ハーティガン（ブルース・ウィリス）は定年で引退を迎えた日、少女を誘拐して殺害しながら、上院議員の息子ということで逃げられているロアーク・ジュニアを捕まえようと踏み込み、少女を救出するが、パートナーに裏切られ、瀕死の重傷を負う…。

こういった話３本+１？が架空の町シン・シティを舞台に展開する、オムニバス・ストーリーです。
映画は原作のアメコミの雰囲気を忠実に再現しているそうで、白黒画面に部分的に赤や黄色といったパートカラーの絵が技術的に面白く、なかなかにスタイリッシュです。
そして主人公となる男達はみんな、女性のために戦い、ある者は命を落とします。女たちはそんな男たちに頼ることなく対等に渡り合い、メインのキャラクターはみんなかっこいい奴らばかりです。
こういう絵づらやお話は、昔のハードボイルド映画を思わせます。監督のロバート・ロドリゲスは、原作を読んで自らこの映画を企画したそうで、映画には「こういう話が作りたかったんだぜ！」というエネルギーが感じられ、退屈しないで見れました。
バイオレンスシ－ンがかなりグロいこともあり、「キル・ビル」と同じ匂いがしましたが、この監督タランティーノも１シーン演出をやっているそうです。
しかし、「かっこよさ」にこだわりすぎたせいか、やはり「好きだから」作ったであろう「バットマンビギンズ」なんかに比べると、盛り上がりや感動には欠けます。これが「スパイキッズ」のロドリゲスの限界かもしれません。

別のエピソードのキャラが他のエピソードに顔を見せることがありますが、いるだけでお話には干渉はしません。ポリシーとしては分かるけど、何でここでこいつが何もしないんだ?とヘンに見えました。

ミッキー・ロークが主人公の一人を演じていますが、この人が主役級でスクリーンに顔を見せたのは久しぶりだと思います。以前は彼がメインのキャラクターを演じる映画は珍しくありませんでしたが、そのキャラはどれもどこか投げやりだったり、自己満足的な印象が強い感じがしました。今回は特殊メイクながら今までで一番ヒーローらしいキャラで、なかなかにサマになっています。
ジェシカ・アルバは今回はミューズ的なキャラで、やはりきれいさが際立ちました。
ポスターなどにクレジットされているメインキャストはかなり豪華ですが、他にもマイケル・クラーク・ダンカンやルトガー・ハウアーなど、表に出ないキャストもなかなかに豪華です。

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コープス・ブライド

成り金の魚屋の一人息子ビクターは、没落貴族の娘ビクトリアと結婚することになる。２人は結婚式のリハーサルで始めて顔を合わせ、互いに好意を持つが、リハーサルで失敗したビクターは落ち込んで町外れの森に逃げてしまう。そこで彼は誓いの言葉を練習し、婚約指輪を木の枝につけるが、それは死体の花嫁「コープス・ブライド」の指だった。その女性･メアリーは復活し、ビクターの練習のつもりだった結婚の言葉を｢誓いの言葉｣として受け入れ、彼の妻になると宣言する…。

｢チャーリーとチョコレート工場｣をヒットさせた、ティム・バートン監督が手がけたストップモーションアニメです。
彼の関わったストップモーションアニメといえば、｢ナイトメア･ビフォア･クリスマス｣という大ヒット作があります。今回の「コープス・ブライド」も絵づらは｢ナイトメア－｣を思わせ、キャラクターがいかにもティム君の作品で、個性的でかわいいデザインです。特にペットの犬・スクラップはいじらしく、欲しい気がしてしまいました。
また現世を白黒のようなモノトーン、そしてあの世を原色を散りばめたカラー、と雰囲気を区別した世界観も独特で見ものです。なんだかバートン君は、現実世界から逃避したがってるんじゃないか、とうがった味方もしたくなるのですが。

ディズニーがそうであるように、アメリカのアニメは大方がミュージカルで、この作品もその伝統にのっとっています。ただ曲の中には、長いと思うものもありました。
しかしお話の面では、主人公ビクターが２人の女性の間で揺れ動く心情が良く出ているし、彼女たちもかわいくいい子で、感情移入してしまいました。ただ、コープス・ブライドの心変わりの伏線はもう少しほしいところでした。
ラストはきれいで感動しましたが、物語の終わりはあっさりとした感じがしました。いいお話なだけに、「その後」のシーンが無いのは少々物足りなさがありました。

キャラクターの声は、ビクターがジョニー・デップ、コープス・ブライド＝メアリーをヘレナ・ボナム・カーターが演じています。この２人は｢チャーリーとチョコレート工場｣でもメインキャラとして出ていますが、この「コープス・ブライド」では｢チャーリー－｣とは全然イメージの違うキャラを作り上げていて、言われないと本人を想像させないでしょう。ヘレナ・ボナム・カーターはつい先ごろの東京国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞しましたが、それも納得の芸達者ぶりを見、いや聞かせてくれます。

｢ナイトメア･ビフォア･クリスマス｣は、インパクトや話の独創性や曲の親しみやすさという点では「コープス・ブライド」に勝っていると思います。しかし、「コープス－」はメインキャラクターが人間であることとラストの感動で、僕としてはこちらの方が好みではあります。
ティム・バートン監督はこの作品を｢チャーリーとチョコレート工場｣と同時に撮っていたそうです。同時に２本作って、両方ともちゃんとしたいい作品に仕上げてしまうとは、彼も｢バットマン｣の頃とは違い、信頼できる監督になりました。

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チャーリーとチョコレート工場

家族７人と貧しい家に住むチャーリー・バケット少年（フレディー・ハイモア）は、有名なウォンカ社のチョコレート工場の近くに住んでいて、チャーリーは誕生日にだけ買ってもらえるチョコを楽しみにしていた。ある日工場から「お知らせ」が貼り出され、世界中に出荷されたチョコの中に入れた５枚の「ゴールデンチケット」を当てた子供たちを、オーナーのウォンカ氏（ジョニー・デップ）が工場に招待するという。チャーリーの父は、誕生日を「前倒し」にしてチョコレートを買ってきた…。

監督ティム・バートンと主演ジョニー・デップのコンビがまたまたのタッグです。この２人は「シザーハンズ」以来何度目になるのか忘れるくらい多くコンビを組んでいますが、もはやツーカーの仲なのでしょう。
映画のウリはなんといっても、ウォンカ氏の工場のシーンです。それは、ありえねー！度を超えるグロで悪趣味？なイメージと仕掛けとキャラの連続で、バートン君のビジュアルインパクト大爆発です。さらに「2001年宇宙の旅」や「蝿男の恐怖」「サイコ」といった映画のパロディも、この人の変わらないオタッキーさが伺えて楽しめます。
前作「ビッグ・フィッシュ」より今回の方がバートン監督のお家芸と言う感じがしますが、単にイメージが面白いだけではなく、家族がテーマといえる内容で、教訓の話（道徳的なイヤらしさはもちろん、無し）もあり、子供に見せてもいい作品です。ラストも都合よすぎとも思いながらも、感動的でした。
同様にヘンなキャラクターやヘンな状況が目立ちながら、単に悪趣味だけだった「マーズ・アタック」の頃に比べると、バートン監督は進歩したように思います。いわばこの「チャーリーとチョコレート工場」は「バットマン」や「マーズ・アタック」の独自のビジュアル度に「ビッグ・フィッシュ」の盛り上がりが加わったような、毒と感動のあるおとぎ話です。

チャーリーの家族の描き方は、昔の映画にあったような、貧しいながらも暖かいほのぼのさが感じられます。中でも４人のジイちゃんバアちゃんは、出番は多くないのに存在感の凄さに驚かされました。特に、いつもイヤミを言ってるじいちゃんの「キメ」の一言には拍手したくなりました。
映画の時代設定は過去と現在がごちゃ混ぜになったような独自の世界ですが、チャ－リーの家族など、ウォンカ氏の工場周辺はちょっと昔の感じです。最近では「シンデレラマン」もそうですが、家族を描くには時代を現代ではなく、過去にした方が感情移入しやすいのかもしれません。

ジョニー・デップは今回も怪演で、子供たちに困惑するビミョーな表情の変化が楽しませてくれます。チャーリーを演じるフレディー・ハイモアはデップ君とは「ネバーランド」で２度目の共演ですが、キャラが違っているせいか気づきませんでした。でも２人の関係は「ネバーランド」の時と似てるような。

これを見終わってから、チョコが食べたくなりました。できれば映画と同じデザインで「ウォンカ」のチョコを出してほしいところですが、それが出ないというのは、原作のイメージが固定化される恐れを、出版社あたりが危惧したゆえかもしれません。

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ル　パ　ン

公爵である叔父の家で暮らす少年アルセーヌの父の裏の顔は泥棒。警察の踏み込みを逃れた彼は、アルセーヌに公爵家の財宝を盗み出させるが、逃亡途中で殺されてしまう。それから十数年後、そこそこの盗みを覚えたアルセーヌ・ルパン（ロマン・デュリス）は、従妹のクラリス（エヴァ・グリーン）と再会し、彼女の父親たちの秘密の会合に忍び込むと、妖しく美しいカリオストロ伯爵夫人（クリスティン・スコット・トーマス）が死の宣告を受けていた。ルパンは海に沈められた伯爵夫人を助ける…。

今日本で「ルパン」と言うと「ルパン三世」を指すことになるでしょうが、ルパン三世の設定はアルセーヌ・ルパンの孫ということで、元々はモーリス・ルブランが創造したこのアルセーヌ・ルパンが大本のキャラです。
いわばこの作品はルパン三世のおじいちゃんの物語というべき内容ですが、原作シリーズの中の特定の話ではなく、シリーズのエピソードをいくつかつまんで、繋いでるようです。
しかし僕はこの映画の、お話のつながりがさっぱり分かりませんでした。原作を読んでいれば違うのかもしれませんが、それでは「映画」とは言えません。また血なまぐさいシーンが多いし、主要キャラが死んだりして後味悪く、そんな話を２時間半もわたって見せられてると、眠くなります。
映画はルパンの若い時代の話という、いわば「ルパンビギンズ」というところです。なので、ルパンの盗みのテクニックがあまりスマートじゃなく、すぐ警察に捕まりそうになるのは仕方のないところですが、泥臭くて、盗みの天才と言う感じがしないのはやはり不満です。
しかし映画で一番困ったのは、この男にしろ他のキャラにしろ何を考えてるかまるで分からないため、誰も応援する気になれないことでした。特にルパンの父親の、冒頭とそれ以降のキャラの変化は、テメーは多重人格かい!て突っ込みたくなりました。
秘宝探しとか爆発シーンなど、いかにも映画的な大掛かりな見せ場があるし、セットなど見てくれだけはゴージャスです。しかしこの話の薄さ具合には、監督があのつまらなかった「ルーブルの怪人」の奴ということで納得でした。次回作あったら絶対見ねーぞ！

ヒロイン?を演じるクリスティン・スコット・トーマスはイギリス系の女優だと思ってましたが、フランス語もなかなか上手く聞こえます（吹き替えだったりして）。服とかまあ色っぽいけど、やっぱりオバサンではあります。

「ルパン三世」を見てると、映画でのクラリスやカリオストロという名前には、おおっ！と思ってしまいます。ま、「ルパン三世」の方が原作から取ったのでしょうけど。

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NOTHING
ナッシング

「CUBE」「カンパニー・マン」に続くヴィンチェンゾ・ナタリ監督の長編第３作は、自己チューと対人恐怖症の若者が、２人と彼らの家以外が全て消えた世界で暮していく話です。
映画は基本的に実写ですが、キャラクターの過去の履歴や消えた世界での描写にアニメの技法がちらほら入って、技術的にはかなり面白い表現を見せています。

この作品のように、自分以外の世界が消えてしまえ！という願望を持ったことがある人はいることでしょう。でも本当にそうなったら、他人との触れ合いが無くなることに耐えられなくなるかもしれません。しかしこの作品の主人公２人は他人を嫌悪しまくってるせいか、明るく順応してしまい、映画は２人が白一色の世界で喜々と遊ぶ姿を延々と見せ、かなりまったりした雰囲気で進みます。なので「CUBE」みたいなサスペンスは、全く無いとは言いませんが、期待してはいけません。ストーリーに大した起伏がないので、疲れているときにこの映画を見たら、寝てしまうかもしれません。

違う世界で食料のこととか心配することなく、自分の願望が実現してしまう設定は、「うる星やつら／ビューティフル・ドリーマー」を思い出しました。あの夢の世界（この「NOTHING」では夢じゃないけれど）が延々と続く内容です。

エンドクレジットが終わった後にもシーンがあります。まあ、見なくてもいいかなあ…。

同時上映の短編アニメ「ライアン」も、表現としては技術的にかなり面白いけど、明るいのか暗いのかよく分からないお話でした。

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四　月　の　雪

コンサート会場で照明監督の仕事をしているインス（ペ・ヨンジュン）は、妻の交通事故の知らせに病院に駆けつけるが、そこで彼は同じく夫が事故に遭った女性ソヨン（ソン・イジェン）と出会う。やがてお互いの配偶者が同じ車に乗っていたことが判明するが、看病のため泊まっている同じホテルで顔をあわせるうち、２人は親しくなっていく…。

「冬のソナタ」のペ・ヨンジュン主演作としてクローズアップされるこの映画。しかし韓国映画を見てきてる人ならこの作品、ヨン様よりも「八月のクリスマス」「春の日は過ぎゆく」のホ・ジノ監督の最新作として注目でしょう。
静かな作風のホ・ジノ監督の映画だから覚悟はしていましたが、前２作以上に話の起伏が少ないくせに展開はスローだし、長回しが多いしセリフは少ないしで、途中何度もうつらうつらしてしまいました。
そんな中で見どころはSEXのシーンかもしれません。描写自体はそんなに長くありませんが、それでもこの監督がここまでエロい描写を見せたのは初めてでしょう。ヒロインのソン・イジェンにしても、ここまで露出したのは初めてではないでしょうか。でもあまりいやらしい感じがせず、清楚なお色気が漂うのがこの女優らしいです。ヨン様はなかなかにいい体をしていて、写真集のためにシェイプしたという体型を維持してるようです（えらい…）。

ラストは明るい感じがしたのは救いでしたが、ここも想像させる形で、多くを語らないのがホ・ジノ監督らしいところです。映画がこの監督でなければ、ラストは二人の再会とかで盛り上げたかもしれません。それをしないのがこの人の特徴だと思いますが、それゆえに韓国でコケたんでしょう。
しかし映画には、想像すべきことが他にいろいろあるかもしれません。再度見ると違う見方ができるようにも思います。そういう意味ではこの映画は前２作同様、ミニシアター向けの作品でしょう。ヨン様主演だからの全国公開でしょうが、万人向けではない分かりにくさゆえに、かえって映画の評価を落としてしまうかもしれません。

ヨン様の職業は照明監督です。「春の日は過ぎゆく」でもそんな設定があったし、この監督は業界系の仕事が好きなのか、それとも他の仕事を知らないんだろうか…？

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頭　文　字　Ｄ
THE MOVIE

藤原拓海（ジェイ・チョウ）はとうふ屋を営む父・文太（アンソニー・ウォン）の手伝いで、毎晩車で秋名の山を往復させられていた。ある日秋名に現れた中里（ショーン・ユー）は拓海の友人・樹にレースを申し込むが、口だけの樹は簡単に負かされてしまう。だがその後中里は１台の「ハチロク」に抜かされ、そのドライバーが拓海と知るとバトルを申し入れる。拓海はなつき（鈴木杏）とデートするのに父の車を使いたいがために、バトルを受ける…。

「頭文字Ｄ」はアニメにもなった大人気のコミックですが、その人気は海外でも同様のようで、この作品は香港で作られた実写版です。「オールド・ボーイ」などに見られるような、日本のヲタク文化がアジアを席巻している、いい実例でしょう。
映画は香港製であっても、ちゃんと日本でロケをしているせいか、日本語吹替え版で見ると違和感はありません。特に「藤原とうふ店」の再現は完璧でしょう。ま、アンソニー・ウォンとエディソン・チャンが並ぶと「インファナル・アフェア」を思い出してしまいますけど。

映画で一番の見どころは当然レースのシーンですが、スピード感のある編集と凝ったデジタル効果が生きてかっこよく、凄い迫力が出ています。おかげでレース以外のシーンが盛り下がる感じがしましたが、これは落ち込むシーンには悲しいBGMといったような、ベタな香港映画のパターンが気になってしまったからかもしれません。

またラストが完全なハッピーエンドというわけではなくて、モヤモヤした感じが残るのも引っかかりました。
これに関しては鈴木杏がソンな役回りに見えました。まあ主人公を「送り出す」という役割を果たしたことにはなるんだろうけど…ミニスカ姿がかわいいだけに、ちょっと哀れ。
エンドクレジットを見ると、鈴木以外にも日本人俳優がエキストラで結構出ていますが、大方は無名の人です。ただその中で、「ごくせん」に出ていた金髪デブ（失礼）・脇知弘はクレジットで確認するまでもなく、けっこう目立っています。劇団の宣伝に書けばいいのに。

拓海を演じるジェイ・チョウはアジアで有名らしいけど、主人公という感じがしませんでした。むしろ脇役のエディソン・チャンの方が存在感があります。とはいえエディソンを拓海役というのも、年がイッてる感じでムリでしょうなあ。

香港で日本のコミックの映画化ということは、全アジア、あるいは世界公開を目論んでるかもしれません。日本も「NANA」なんかあることだし、同じことを積極的にやるべきでしょう。

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シンデレラマン

1930年代、ジム・ブラドック（ラッセル・クロウ）はボクサーとして華々しい戦歴を持っていたが、ケガが発覚してライセンスを剥奪されてしまう。彼は妻（レニー・ゼルウィガー）と子供たちを養うために日雇いの仕事で金を得るが、おりしも大恐慌時代で仕事にあぶれることも珍しくなかった。そんな時、かつてのマネージャー（ポール・ジアマッティ）が１日だけの試合を持ちかけてくる…。

監督ロン・ハワードと主演ラッセル・クロウという「ビューティフル・マインド」のアカデミー賞コンビが再びタッグを組んだ作品です。実話を元にした物語というのも「ビューティフル・－」と同じパターンですが、今度も宣伝文句の通りアカデミー賞を狙えそうな仕上がりです。
やはりロン・ハワードの映画はソツない出来で、今回も飽きさせません。ボクシングのシーンは凄い迫力!だし、ラストは爽やかに感動!させてくれて、古きよきハリウッド映画を思わせる気持ちのいい作品です。

「ロッキー」や「ミリオンダラー・ベイビー」など、ボクシングネタは敵がはっきりしているせいか、這い上がる話として盛り上げやすいかもしれません。最後の敵が卑怯なやつ、というのもだいたい同じパターンです。
ただこの「シンデレラマン」はアカデミー作品賞を取った「ミリオンダラー・ベイビー」に比べるとストレートな内容なので、その分アカデミーに匹敵するようなインパクトには欠けるきらいがあります。

今回は「ビューティフル・－」のような今っぽいテーマは感じられませんでしたが、今この映画が作られたということは、アメリカも景気はそんなに良くないということかもしれません。イラクの内情はこう着状態だし、石油の問題とかもあるだろうし。

主演のラッセル・クロウとレニー・ゼルウィガーは相変わらず上手いですが、今回は特にマネージャー兼セコンド役のポール・ジアマッティがお話のキーパーソンとして、儲け役です。

映画館の客は年配層が目立ちました。時代設定が古いせいかなあ…。

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ファンタスティック・フォー
[超能力ユニット]

科学者リード（ヨアン・グリフィス）とベンは、宇宙雲観測プロジェクトの協力を野心家の科学者ビクター（ジュリアン・マクマホン）に求める。ビクターはアシスタントとしてリードの元カノのスー（ジェシカ・アルバ）とその弟ジョニーをチームに入れ、観測を開始する。だが宇宙雲が予測を超えたスピードで飛来し、リードたちはそのエネルギー光線を浴びて意識を失う。地球に帰還後、彼らの身体に驚くべき変化が起こる…。

アメコミ原作の「ファンタスティック・フォー」。日本では知名度は今ひとつですが、アメリカでは何10年も前に作られたアニメが繰り返し再放送されるほどの人気の作品です。
そのファンタスティック・フォーのメンバーはゴム男に透明女、火の玉男、岩男、といかにもマンガなキャラクターですが、今回の映画版は彼らにそれなりのバックグラウンドと人間関係を設定したことで、意外にちゃんとしたキャラクタードラマになっていて、マンガマンガしたようなアホらしさは感じませんでした。「スパイダーマン２」ほどの感動はありませんが、爽やかに楽しめる話になっています。
ただ、ファンタスティック・フォーの結束をていねいに描くのはいいのですが、おかげで特殊能力のシーンが全体的に少なく、ラストの悪役との戦闘はそれなりに盛り上がるものの、あっけなく終わってしまうので、もう少長く見たいところでした。
とはいえ、特殊能力のシーンを出しすぎるとリアリティーが無くなる可能性が大だから、これくらいでいいのかもしれません。

原作のコミックは「スパイダーマン」のマーベルコミックスから出ていて、この「ファンタスティック・フォー」でもキャラクタードラマに重きを置いているのは「スパイダーマン」と共通して見えます。でも、ファンタスティック・フォーのメンバーがスター気取りになってマスコミに受けるような軽さは、「スパイダーマン」以上にアメリカな感じがしました。

ファンタスティック・フォーのメンバーの中で一番魅力的だったキャラは、紅一点のスー・ストームでした。単に女性だからというだけでなく、２人の男の間を揺れ動き自分を抑えてしまう性格を、彼女自身の能力である透明化で上手く現しています。こういう設定のおかげで、演じるジェシカ・アルバは「ダーク・エンジェル」よりかわいく見えました。

しかし宇宙雲がそんなに簡単に作れたら、地球の人間みんながファンタスティック・フォーになれるだろうに…。

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銀河ヒッチハイク・ガイド

ある日突然、銀河バイパス建設のため地球は破壊されてしまう。ごく平凡な英国男性のアーサー・デント（マーティン・フリーマン）は親友で実は異星人であるフォードと共にヴォゴン人の宇宙船に潜入するが追い出され、銀河系大統領の宇宙船に拾われる。そこでアーサーは愛する女性トリリアンと再会する…。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」は欧米では有名なSF小説?で、イギリスでは何十年も前にTVドラマになっていますが、それが今頃になって映画化です。たぶん、デジタル技術でようやくその世界観が原作に忠実に作れるようになったゆえなのでしょう。宇宙人とか小物など、仕掛けの設定は面白いものがあるし、特に後半の惑星製造のシーンは壮大な迫力が出ています。
しかし基本的にギャク物の映画でありながら、全編に漂うイギリス流のユーモアがピンと来なくて、あまり笑えませんでした。イルカの歌なんてくどいだけだし、ねずみやらイルカやら、人間が見下している動物が知性が高い、という設定は皮肉のつもりなんだろうけど、自分としては笑えるポイントではありません。
映画には「究極の質問」なるものが大きく関わってきて、哲学的ぽいテーマに見えますが、これをおちゃらけにするのもギャグなのか?理解できませんでした。
また「タオルが重要」と言われますが、その理由も分かりません。たぶん原作（日本語版が出ているかは知りませんが）を読んでないと、分かりにくいお話でしょう。

映画のマスコットキャラである憂鬱ロボット・マーヴィンの声をアラン・リックマンが演じていたり、ジョン・マルコビッチ（体にびっくり!）など、有名なSFだからか、脇で意外な役者が出ています。

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愛についてのキンゼイ・レポート

インディアナ大学の助教授キンゼイ（リーアム・ニーソン）はクマバチの研究の第一人者。彼は新婚の妻とできない、という悩みを心理学者の助言で救われる。そしてキンゼイは生徒たちから度々セックスに関する悩みの相談を受けるうちに、人々の性行動の実態を調べる必要を思い、生徒などを使ってその調査を開始し、本にまとめていく…。

キンゼイ博士といえば、セックスの実態のリサーチで有名な学者です。今でこそオナニーや同性愛など、セックスに関する話をオープンに語るのは珍しくありませんが、昔はそんなことを語るのは一大事だったようで、その意識の違いが呆れ、笑えます。
映画はキンゼイ博士の人となりが分かるということで興味深く見れて、男にも興味を示すところ（キスには閉口するけど）や、浮気に対する受け止め方には、そこまでやるか？と驚きます。
しかし映画で語られる年代が具体的にいつなのかよく分かりません。特にこの映画の場合、時代背景は世間の性の見方に大きく関わってるはずなのに、それが分からないのは混乱します。またマスコミなどの「敵」、そしてキンゼイレポートの功績の描写に深さがないせいか、盛り上がりも感動もなく、いつの間にか映画はエンドを迎えてしまいます。

映画には「モロ」の箇所でボカシが無いシーンがあります。ここは学術的なシーンで、ボカシを入れると何がなんだか分からなくなるから確かに不要です。でも他にボカシ有りのシーンは、ありました。

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エ　コ　ー　ズ

トム（ケビン・ベーコン）は、妻マギーの義姉に催眠術をかけられてから、奇妙な風景や人物を目撃するようになる。息子のジェイクも同じようなものを見ていることに気づいた彼は、その謎を解こうと躍起になるが、マギーは取り憑かれたような夫の行動に困惑していく…。

1999年に作られた映画が今頃の公開です。監督が先ごろ公開された「宇宙戦争」の脚本家デヴィッド・コープだからかもしれません。
原作が白黒版「トワイライトゾーン」でいくつか傑作を書いているリチャード・マシスンというのはそそられましたが、その内容は幽霊が見えるようになった男の話、てことで今だと「シックス・センス」の２番煎じに見えてしまいます。「シックス・センス」も99年の映画なので、もしかしたらこの「エコーズ」の方が先に作られたかもしれませんが、演出も話のインパクトも「シックス・センス」には及びません。
ホラーシーンも「シックス・センス」ほどの怖さはありませんが、ただ1箇所だけ、ドキリとするシーンがありました。
クライマックスの展開もあっけないものですが、その後でちょっと爽やかになる描写はあります。

映画の一番の見どころは、ケビン・ベーコンの狂気演技でしょう。ただこれも展開が中途半端で、ケビン君が妻に愛想をつかれて見捨てられる、なんてとこまでやってもよかったように思います。でもこれって「未知との遭遇」か。
もし「シックス・センス」が無ければ、面白い思い付の話と評価されたかもしれません。劇場公開なんぞではなく、いきなりＤＶＤリリースでいいような作品です。

映画には手に針を刺したりとかグロいシーンがあるので、苦手な人は注意でしょう。

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花都大戦
ツインズ・エフェクトII

サブタイトルは「ツインズ・エフェクトII」。しかし物語は、冷酷な女帝に支配され男が奴隷になっている古代の都を舞台に、ツインズの２人が女帝を倒す神剣をめぐる冒険に巻き込まれる、というもの。なので「ツインズ・エフェクト」と内容は全然関係ありません。
主演がTWINSのシャーリーン・チョイ＆ジリアン・チョン、そしてゲストでジャッキー・チェンが出てるのだけが共通してるので、日本で勝手に「ツインズ・エフェクトII」とつけたのかと思ったら、本国である香港でも「ツインズ・エフェクトII」というサブタイトルを付けています。

しかし展開はかったるいし、一番のウリであろうアクションも今回は「マトリックス」の見せ方を貧弱にしたようなデジタル効果ばかり目立ってしまい、「ツインズ－」の迫力には及びもしません。今回もジャッキー・チェンが製作総指揮をやっていますが、これで満足してるのかと疑問に思います。
そのジャッキー・チェンは本編で少し顔を見せるだけですが、日本のポスターでは主役のような書き方になっているのは、誇大宣伝でしょう。
今回のその他のゲストは「インファナル・アフェア」のエディソン・チャン。また、「HERO」のドニー・イェンも出ていて、キャストがそこそこ豪華なのも「ツインズ－」と同様でしょう。

男性キャラの主役を演じる俳優はジャッキー・チェンの息子だそうですが、あのジャッキーも２世俳優をデビューさせてしまう、というのは親バカみたいで興ざめです。風貌はジャッキー以上にもっさりした感じで、ドタバタコメディの方が似合いそうに見えました。

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ランド・オブ・ザ・デッド

死んだはずの人間が次々とゾンビになる時代。アメリカのとある地方の有刺鉄線に囲まれた地域では、中に建てられた高層ビルに金持ちが住み、彼らは下層階級の傭兵を雇って物資を調達していた。部下の信頼の厚い傭兵のリーダー・ライリー（サイモン・ベイカー）と、市長（デニス・ホッパー）に取り入って金持ちの仲間入りをする野心を持つチョロ（ジョン・レグイザモ）との対立が深まる中、一人？のゾンビが知恵をつけ始め、銃を取り仲間を率いて、人間たちの住むエリアに進み始める…。

ジョージ・Ａ・ロメロが監督した「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」と「ゾンビ」は映画史上の傑作と言われ、その２本に1985年の「死霊のえじき」を加えた「ゾンビ３部作」として有名です。しかしこの「死霊のえじき」を最後に、ロメロはゾンビ映画を作っていません。
その後「バイオハザード」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」など、明らかに彼の作品の影響を受けたゾンビ映画が何本か作られましたが、「バイオハザード」第1作を除いて、いいと思えるものはありませんでした。
そんなヘタレゾンビ映画が跋扈する状況を憂いたように、ロメロが20年ぶりに放つゾンビ映画が、この「ランド・オブ・ザ・デッド」です。

「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「28日後…」などでは、ゾンビが「走る」というのが、それまでのゾンビ映画と違うウリだったものの、あまり怖くはなりませんでした。
それらの映画とは違い、今回ロメロはゾンビに「知性」（あるいは感情？）を与えています。前作「死霊のえじき」でもゾンビの知性を匂わせる描写がありましたが、それをより進化させた設定はロメロらしいところです。
むやみに人間に向かってくるばかりだったゾンビが「道具」を使い出す描写は、「走る」なんぞよりはよっぽど怖く、やはり元祖の考えることは違う、と感心させられました。
ただ彼らが知性を得るきっかけみたいなシーンは特に無く、なんとなく、という描写になっているのは気になりました。まあ、それをちゃんと描こうとすればそのエピソードだけでお話が1本作れるかもしれないだろうから、時間的にしょうがなかったのでしょう。モノリスでもあったのかな？

人口がそんなに多くない狭い社会の中で金持ちや貧乏人といった、現在と同じような社会階級が存在したり、人間たちがいがみ合ってるといった、文明批判的な描写も「死霊のえじき」を進化させた感じでロメロらしい面白い設定ではあります。ただこういったテーマ性に絡んだエピソードは中途半端で、何か言いたそうな感じはするもののよく分かりません。単なるホラーにしない野心が、空回りしてしまったように見えます。
とはいえ、ゾンビ出現前と変わらない優雅な生活を続ける金持ちどもの描写には「お前らそんなことやってる場合じゃねーだろ！」と呆れてしまい、彼らがゾンビに襲われるシーンはかわいそうと思いつつも、「ザマミロ」と、ゾンビを応援したくなってしまいました。
こういう描写や主人公たちの頑張りから、行動しない奴はダメな奴、というメッセージをロメロは映画に込めているようには受け取れます。

これまでのゾンビ３部作ではあまり有名な俳優は出ていないということで、今回市長役で出演しているデニス・ホッパーが、シリーズ中一番有名な俳優になるでしょう。また彼ほどではないにしろ、主人公と敵対する傭兵を演じるジョン・レグイザモもそこそこ有名（彼とデニス・ホッパーは、「スーパーマリオ」以来の共演）だし、ヒロインを演じるアーシア・アルジェントは「トリプルX」で目立っていたし、今回がロメロのゾンビ映画の中で一番豪華なキャストかもしれません。
しかし、デニス君のゾンビも見たかったなあ。

ゾンビの襲撃シーンは、人間の首をもぎ取ったり腹を引き裂いたりと結構グロいけど、「死霊のえじき」よりは、まだマイルドだったように見えました。
ゾンビが女性を襲うシーンは、レイプを連想してしまいました。モチーフてとこかな。

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霊
リ　ョ　ン

女子大生のジウォン（キム・ハヌル）は過去の記憶を失いながらも、唯一の男友達ジュノと、なんとか大学に馴染んでいた。だが彼女は時折奇怪な人影を目にするようになり、彼女の「友人」であったという女性たちが奇妙な死を遂げていく。ジウォンはそれらの出来事が覚えていない過去に原因があると推測し、調べ始める…。

「彼女を信じないでください」でコケティッシュな魅力を見せ付けたキム・ハヌルが、今度はホラーに主演です。
「ボイス」や「コックリさん」など、韓国のホラー映画は珍しくありませんが、今だに決定打と言える作品は出てきていません。この「霊：リョン」にしても、それらの作品と同様にゾゾーッとするような恐怖を感じるシーンは無く、ドキリと瞬間的に驚かせるショック描写がやたらと目立ちます。しかもこの映画ではそういうシーンは効果音や音楽がやたらと大きいだけで、下手なハリウッド映画のような演出を思わせます。
しかしこの作品には最後に「ひねり」があります。これが「シックス・センス」あたりとはまた違うパターンを見せて、驚かされました。このへんは「着信アリ２」なんぞよりよっぽど努力していて、韓国ホラーでは珍しく、感心させられた作品です。

主人公が霊の謎解きをしていく構成は、実際はかなり単純な展開でありながら、ショックシーンを適宜織り交ぜて、それなりに興味をつなぐように見せています。でも所々、都合良過ぎる箇所に突っ込みたくはなりました。

キム・ハヌルは今回もかわいく撮られていますが、それだけでない邪悪な顔を見せるのも、ファンにはたまらないかもしれません（女王様―っ！）。しかし彼女には「彼女を信じないでください」のような、表情豊かなコメディがやはり一番似合うように見えます。
しかしキム嬢、言われて見れば青木さやかに似ているかもしれないけど、青木なんぞよりははるかに気品があると思うぞ（青木に怒鳴られたらブン殴るけど、ハヌル様だったら、「へへーっ」て平伏するもんね）。

映画のオープニングで、製作会社のロゴが５つくらい、延々と続くのはクドすぎです。会社としては出さないと気が済まないんだろうけど、見させられる客のことも考えろって。

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ロ　ボ　ッ　ツ

皿洗い機ロボット夫婦の間に生まれた（作られた?）ロドニーは、発明家として認めてもらおうと大都会ロボット・シティに向かう。そこで彼のヒーローであるビッグウェルド博士に会おうと大企業ビッグウェルド・インダストリーズに行くが、けんもほろろの対応をされる。そこは新経営者のラチェットが実験を握り、金儲けのために修理の効かないロボットたちをスクラップにしようと企んでいた…。

「アイス・エイジ」のスタッフが作ったというCGアニメです。氷から金属という、全く違う世界を描いていますが、CGはさすがに上手く出来ています。
しかしお話は、「アイス・エイジ」は山あり谷ありで感動的な話だったのに、この「ロボッツ」はあまりにも予定調和で、大方の展開は予想が付いてしまいました。
流れをハリウッド映画にありがちなフォーマットに当てはめただけみたいで、「アイス・エイジ」より工夫が見られません。中盤はダれて退屈しました。「Mr.インクレディブル」とか、ピクサーを見習わんかい！と言いたくなります。

映画のパロディがチラホラと出てきますが、話がロボットネタということで、「オズの魔法使い」や「2001年宇宙の旅」なんかはそれなりに笑えます。こういうシーンはともかく、ギャグシーンは子供にけっこう受けていました。

キャラクターのデザインはかわいいとは言い難く、好きにはなれませんが、個性は出ているし、金属の質感も様々でCGの特性を上手く生かしています。テーマパークのような街のギミックも楽しませてくれます。

日本語吹き替え版は、主人公のロドニーの声をSMAPの草なぎ剛が演じていて、かなり合ってます。一方ヒロインのキャピーは矢田亜希子で、この２人は「ぼくの生きる道」のコンビですが、矢田ちゃんはぎこちない感じがしました（別々に声を入れたせいだとか）。敵ラチェットの山寺宏一はやはり、文句無しの上手さを聞かせます。
ビッグウェルド博士の声は西田敏行ですが、クレジットを見るまで気づかなくて、あまりのハマリ具合にびっくりしました。

吹き替え版のエンディングは、映画のBGMのメドレーというスタンダードな形でしたが、字幕版では矢井田瞳の歌が流れるそうです。普通は、吹き替え版に日本語の歌が流れると思うんだけど…なぜ字幕版?

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チーム★アメリカ
ワールドポリス

テロリスト殲滅のため活動する国際警備組織「チーム・アメリカ」はパリで大破壊を繰り広げながらテログループを仕留めるが、仲間の１人を失ってしまう。リーダーのスポットウッドはテロ組織に潜入する工作員として、ニューヨークのトップ俳優であるゲイリーをスカウトする。その頃、某北国の首領様は大量破壊兵器を世界中に配置して、ある陰謀を企んでいた…。

映画のスタイルは「サンダーバード」みたいな人形劇。でもこれを作ったのは、あの問題アニメ「サウスパーク」のスタッフです。なのでやっぱり、アブない内容になっています。
映画はブッシュ的な「アメリカ万歳」だけでなく、「戦争はいけない」的な平和主義も両方おちょくっていて、ある意味中立な作品と言えます。とにかく何でも、この映画自身の政治的立場さえも笑い飛ばしてしまえ、というスタンスの映画でしょう。
しかし、ショーン・ペンやティム・ロビンス、マイケル・ムーアなど政治的な発言をしたり作品を作る映画関係者を、あそこまでおちょくって最後にああいう目にあわせてしまうのは、彼らに何か恨みでもあるのか?と思ってしまいました。クレームは来なかったのかなあ? なぜリーダーが人気の落ちたアレック・ボールドウィンだ？
ただこういった、俳優や政治家や映画（パール・ハーバー！）のイジり具合はそれなりに笑えはしますが、「サウスパーク」同様にギャグが散発的で、そう盛り上がりはしません。

映画は18禁ですが、その指定の一因であろう、Ｈシーンは人形ならではの特性を生かした、ここぞとばかりのモロでなかなか笑えます。こういった下ネタや、ゲロといった下品ネタ、首が飛ぶような残酷シーンなど、お下劣なシーンが目立つ映画ではあります。

「北の首領様」はなかなか重要なキャラですが、顔のそっくり度には笑えます。彼の歌にはけっこう同情してしまいました（正体は…なるほど！）。

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ヒ　ト　ラ　ー
～最後の12日間～

ヒトラーの秘書だったユンゲの回想を元に描く、ドイツ第３帝国最後の日々の物語です。
ヒトラーや側近たちの狂気、理性、弱さ、誇り、虚栄などといった、「敗戦」に直面して噴出する様々な感情描写が面白いし、部下に優しい言葉をかけるなど、今までに無かったヒトラーの「普通」の描写は実に興味深いです。

ヒトラーを「悪」と描かなかったことでドイツでは議論があったそうですが、人物描写を一面的にしていないのが、クリエーターたちの成熟を感じさせます。
現在の日本で戦時中を舞台にして、この作品のような冷静な描写を持った物語が作れるか疑問です。戦時中の抗日（反日？）映画で溜飲を下げているであろう中国や韓国だって難しいのではないでしょうか。
こういう、戦争を仕掛けた側を、それに対する感情を別にして、善悪両方の側面を捉えることで「戦争」の本質を検証できることになるのではないでしょうか。まさに、戦後60年の節目にふさわしい作品です。

映画で一番ショッキングな描写はゲッペルスの妻の「行為」でしょう。明らかに「狂って」いますが、その行動は日本でもあった集団自決を思わせて、納得してしまいました。彼女や高官たちにしろ兵士にしろ、敗戦状態の行動は日本の太平洋戦争末期と似ている感じがします。戦争がいかに人間性を歪め、狂わせるか、ということを学べる映画です。

本編ではキャラクターの名前が字幕で出てきますが、どういう人かという説明はありません。これはドイツ人なら知っているのが常識だからなのでしょう。ですから、ナチスの歴史の知識があった方が見やすいと思います。
そして、ナチの歴史に少しでも興味を持ったことのある人なら、実に面白く見れる映画です。

ラストでユンゲ本人らしい映像が出てきますが、本編でユダヤの人々のことに触れなかったエクスキューズのように見えました。無理にテーマを出した感じで、余計に見えます。

僕はこの作品を横浜で見て、小さい劇場でしたが、平日なのにほぼ満員だったのには驚きました。ただ客のほとんどがオジサンおばさんという、年配が目立ったのはちょっと残念です。多くの若い人に見てもらって、戦争というものを考えてほしい映画です。

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モンドヴィーノ

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ブラザーズ・グリム

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蝋 人 形 の 館

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ARAHAN ア ラ ハ ン

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私の頭の中の消しゴム

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セブンソード

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ス テ ル ス

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シン・シティ

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コープス・ブライド

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チャーリーとチョコレート工場

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ル パ ン

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NOTHING ナッシング

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四 月 の 雪

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頭 文 字 Ｄ THE MOVIE

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シンデレラマン

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ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]

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銀河ヒッチハイク・ガイド

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愛についてのキンゼイ・レポート

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エ コ ー ズ

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花都大戦 ツインズ・エフェクトII

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ランド・オブ・ザ・デッド

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霊 リ ョ ン

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ロ ボ ッ ツ

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チーム★アメリカ ワールドポリス

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ヒ ト ラ ー ～最後の12日間～

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蝋人形の館

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