フライトプラン

ドイツで暮らしていたカイル（ジョディ・フォスター）は夫が事故死したため、娘のジュリアと共にニューヨークに帰ることにして、彼女が設計を担当したジャンボ旅客機に乗り込む。そして客席でうとうととまどろんだ彼女がふと目覚めると、娘の姿が消えていた。カイルは必死でジュリアを探すが、誰一人として娘を見た者はおらず、乗客名簿にも載っていないと言われる…。

ジョディ・フォスターが「パニック･ルーム」に続い？て、子供のために必死になる母親を演じます。「パニック－」と同様に彼女の娘を思う愛は良く出ていて、今回は狂気めいた行動にまで走ります。
飛行機の中で大騒ぎする彼女の姿は、娘を思うゆえと納得はできました。しかしそれが他の客には大いに迷惑に見えて彼らに同情してしまい、あまりジョディに感情移入は出来ませんでした。でもそのあたりの、娘が見つからないためにジョディが自分を信じられなくなるほど追い詰められていく過程は、なかなかに面白く見せてくれます。

しかし中盤で明かされるオチは平板で、それを考えると「こうしなかったらああならなかっただろ！」みたいに、突っ込める箇所が多々あるし、思わせぶりだけで実は何でもなかった、というシーンもかなりあります。
ま、意味ありげな人物が出てきたり、母親だけが子供の存在を知っているなど、「フォーガットン」を思わせる設定なので、あのオチに近いもの（ジョディが実は死んでいて…なんて）を想像しましたが、さすがにそこまではぶっ飛んでいません。

予告編はなかなかに面白そうな期待を持たせてくれただけに、後半はがっかりしましたが、ラストは気分良くなれました。

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イノセント・ボイス
12 歳の戦場

1980年代、政府軍と反政府ゲリラ組織が内戦を繰り広げていたエルサルバドルでは、男の子は12歳になったら政府軍に徴兵されることになっていました。その12歳を目前にした、少年チャパの物語です。
徴兵といっても、ベトナム戦争時代のアメリカや太平洋戦争時代の日本とは違い、ここでの徴兵はある日突然、兵隊がやって来て子供達を連れて行ってしまいます。
またチャパの家は紛争地帯にあるので、家族の夕食の中に突然銃弾が飛び込んでくる、というような、自宅や学校がいきなり戦場になってしまう恐ろしさ！があります。こういった設定のおかげで、次に何が起こるか予想がつかず、映画では常に緊張させられました。
この作品はシナリオを書いた人の実体験を基にしているそうですが、子供達がこんな壮絶な生き方をせざるを得ない事実に、愕然とさせられました。ラストが来ると、ホッとさせられます。

後半、フツーの映画なら描かないであろうシーンを、この映画ではあえて出しています。これは「この事実から目を背けるな」との意図なのだと思います。映画で描かれている出来事は少し前の時代ですが、これは恐らくどこかの国では今でも「現実」の物語でしょう。残酷なシーンはあるけど、戦争を知るという意味では、子供にも見せた方がいい作品です。

オリバー・ストーン監督の「サルバドル」も同じ時代の映画だったと思います。あれほどには後味の悪い終わりではありませんが、この重さは後に引きました。

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スタンドアップ

ジョージー（シャーリーズ・セロン）は暴力夫から逃げ、２人の子供を連れて北ミネソタの故郷に戻るが、両親を含め周囲の視線は冷たい。彼女は子供を養うため、給料のいい鉱山で働くことにするが、同僚の男たちは女性たちを歓迎せず、露骨で執拗な嫌がらせが日常茶飯事だった。彼女たちはそれをお金のためと耐えていたが、レイプされそうになったジョージーは我慢の限界を超える…。

アメリカで初めて行われた、セクハラの集団訴訟の実話を元にした物語です。
映画の主人公であるジョージーは、その行為にふさわしいような立派といえる人ではなく、叩けばホコリが出るような境遇に設定されています。彼女を演じるシャーリーズ・セロンはオスカー受賞作「モンスター」に続く汚れ役という感じですが、今回の役柄ではその美貌も仇になるので、「モンスター」ほど化ける必要は無いものの、やはりセロンが適役です。
彼女を始めとして、ジョージーの両親や親友といった重要な脇キャラもちゃんと描くことで、映画はジョージーの内面を上手く見せています。敵になる男どもの描写は平板ぎみですが、まあいいのではないでしょうか。所々に裁判シーンが挿入され、当初は何の裁判とは語らないことで、興味を抱かせる構成が上手いです。

映画で描かれる女性たちへの嫌がらせは、今見ればセクハラと当たり前に思いますが、虐待といってもいいくらい凄まじいものも多く、見ていて辛くなります。何年か前まではあれが当たり前だったとは、男の僕でもゾッとしました。人の意識が代わっていく過程には、ジョージーのような勇気ある先駆者がいたことを忘れてはいけないでしょう。

原題は「North Coutry」。「セクハラ」という意識改革が「北国」から始まった、という意味でつけられたのであろうと想像します。しかしこの映画に限っては、珍しく邦題の方が映画のテーマを良く表していて、ラストは感動の涙！でした。

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悪魔の棲む家

1974年、ニューヨークのロングアイランドの大邸宅に住んでいたデュフェオ家の一人が、家族全員を惨殺する事件が起きた。その１年後、ジョージ（ライアン・レイノルズ）と妻のキャシー（メリッサ・ジョージ）は３人の子供たちとこの家に引っ越して来る。だが末の娘は見えない少女と「友達」になり、ジョージの様子がだんだんおかしくなっていく。心配したキャシーは教会の司祭に相談し来てもらうが、逃げ出されてしまう…。

70年代に公開されヒットした「悪魔の棲む家」を、先ごろ「悪魔のいけにえ」を「テキサス・チェーンソー」としてリメイクしたマイケル・ベイの製作により、同様にリメイクした作品です。
この映画はホラーですが、怖いものが「追いかけて」くる「テキサス・チェーンソー」とは違い、怖いものが「棲む」ところに入り込むというパターンで、これは「呪怨」にも共通する形でしょう。なので今リメイクするなら、そのやり方が取れるかと思います。
しかし映画は、大音響のショックシーンが目立つばかりで大して怖くない、ここ数年のハリウッドホラーの悪い例そのままの出来です。特にラストは、情緒を感じさせてくれるか…て思ったら、やはりハリウッドのパターンで、客をバカにしてるように思いました。
Jホラーのパクりでもしてくれた方が、まだマシな出来になったかもしれません。

今回霊に取り付かれるのはジョージで、彼は子どもたちの実の父ではなく、継父です。なので死んだ実父を慕う子供らと、彼らが自分になつこうとしないと疑う継父という、家族間の疑心暗鬼に焦点を当てた方が、ドラマとして面白くなったように思います。

今回は呪いの元が明かされるのが、オリジナル版との大きな違いではないかと思います。ただ元々の話が実話ということで、オリジナル版ではそれがあいまいにされていたと思いますが、このネタは実話なのかどうか…？

オリジナル版はコーラスが印象的でした。これは使ってほしかったなあ。

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単騎、千里を走る。

北国の漁村で隠遁生活を送る高田（高倉健）は、長年絶縁状態だった息子の余命がわずかだと知り、息子のライフワークである仮面劇を単身、中国に撮りに行く。しかし言葉の通じない見知らぬ国で、撮影相手は意外なトラブルを抱えてしまい、撮影はもはや不可能と思われた…。

「HERO」や「LOVERS」を作ったチャン・イーモウ監督が、尊敬してやまないという高倉健と組んだ作品です。
高倉健はどこでも「健さん」ですが、どんなシーンでも絵になります。この作品では健さんが珍しく？デジカメや携帯電話をちゃんと使いこなしていて、なかなかのIT人間ぶりを見せてくれます。

その高倉健の、頑として言い分を曲げないわがまま（に見えてしまう）さと、そんな彼に呆れずに願いをかなえようと協力する中国の人たちの行動は、人が良さ過ぎに思えて、「ありえねぇ！」と引いてしまいました。いくら純朴な田舎の人とはいえ、ましてや日本人にそこまでしてくれるものか？と疑問になります。
とはいえここで描かれる人の良さは、そう否定的に取らないで、人間関係の理想の形というファンタジー、あるいは願いと捉えるべきかもしれません。後半には感動する箇所があり、なかなかに気分良く見れる作品ではあります。
今回はイーモウ監督の前作「HERO」のようなエンタメ路線ではなく、「初恋のきた道」のような、地に着いたキャラクタードラマのテイストな感じがしました。あの映画のように、中国の風景が美しく撮られています。

映画の監督はチャン・イーモウとなっていますが、日本のパートに関しては監督が降旗康男氏で、撮影が木村大作氏と、チャン・イーモウが全て手がけてはいないそうです。日本の撮影は日本人に任せるべき、というのは分かるけど、彼が撮った「日本」も見たかったところでした。

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白バラの祈り
ゾフィー・ショル、最期の日々

1943年、ナチスへの抵抗運動の容疑で兄と共に逮捕されたゾフィー・ショル（ユリア・イェンチ）。わずか５日間で処刑されるまでの彼女の行動を描いた、実話を元にした物語です。

ドイツではこの「白バラ」のお話は有名だそうですが、僕は初めて知る事柄でした。
21才の若さながらも自分の信念に凛とした誇りを持つこの女性が、実在したという事実に感心します。でも映画で描かれる彼女はただの高潔な人ではなく、取り調べでバッくれたり、処刑宣告に動揺する「弱さ」が描かれている点に親近感が持てました。こういうフツーの人な描写があるおかげで、彼女の英雄的な行為がウソっぽく見えないのでしょう。
５日間だけの話ながら、取調べと裁判でゾフィーのキャラクターを浮き彫りにしていく構成も上手いところです。中でも中盤の多くを占める尋問官モーア（アレクサンダー・ヘルト）との取調べのシーンは息詰まる迫力で、相手をまっすぐ見つめて一歩も引かない、主演のユリア・イェンチの存在感に圧倒されます。エキサイティングな展開ではない作品ですが、最後まで目が離せません。

裁判長の激昂するしゃべり方はあまりに滑稽で、映画のためにわざと誇張しているのかと思ってしまいましたが、実際に立ち会った人の証言でもそう言われているそうで、ゾフィーの誇り高い姿勢や言葉も、そういった証言に基づいているそうです。
彼女らを即時に処刑したことに、ナチスがいかに彼らを恐れたかが感じられます。

同じ時期に、やはり事実を元にした「ホテル・ルワンダ」が公開されています。時代も国も違いますが、この「白バラの祈り」も「ホテル・ルワンダ」も、フツーの人が見せる「勇気」に感動する点は共通しています。

映画館には客がかなり入っていましたが、どこで知ったのか年配層が目立ちました。でも若い人もぜひ見て、歴史を知ってほしい作品です。

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ホテル・ルワンダ

1994年、アフリカのルワンダ。フツ族によるツチ族の虐殺が広がる中、1400人ものツチ族を救った、高級ホテル「ミル・コリン」の支配人ポール（ドン・チードル）の奮闘を描く、実話を元にした物語です。
2005年度のアカデミー賞で主演のドン・チードルがノミネートされたりして、アメリカでは話題になった作品ですが、日本では主演が黒人の人のせいなのか配給会社が公開に二の足を踏んでいたのを、インターネットなどの署名活動が実って、劇場公開となった作品です。

アフリカでは部族抗争が多いというイメージがあるので、僕はこのルワンダでの大虐殺のニュースを聞いていたかもしれませんが、全く関心を持ちませんでした。
映画が描くその事実は衝撃ですが、そこでは国連を始め「世界」から見捨てられたルワンダの人たちの悲しみと怒りが突きつけられます。その矛先は西側諸国だけでなく、スクリーンを越えて、僕のように関心を持たなかったであろう観客にも向けられています。無関心、あるいは「知らない」ということがいかに罪であるかを悟らされる作品です。
この映画が日本でおクラになりそうになったのも同様の現象でしょう。その意味では、公開しようと署名活動を行った人々がいたということは、救いです。

主人公ポールはその行為から「アフリカのシンドラー」と呼ばれているそうですが、何を考えてるのか分からなかった「シンドラーのリスト」よりも、この映画での主人公の方が理解しやすく描かれています。彼は英雄的な行為をしようと思ったワケではなく、ともかく家族を救いたいという一念から、知恵とハッタリと勇気で虐殺を乗り切っていくという、ただの「いい人」になっていないのがリアルで、共感できます。
元々上手い役者であるドン・チードルの、主張を声高に言ったりしない抑えた演技が、その主人公の怒りと悲しみを強烈に体現しています。アカデミーのノミネートも当然でしょう。
「シンドラーのリスト」と違い、この作品では主人公も命の危険にさらされるので、常にハラハラして気が抜けません。脱出できた！と思ったらまだ…というシーンもあって、なかなかにサスペンスフルな内容です。

映画で見る限り、フツ族とツチ族の違いは些細なもので、外見上は分かりません。そもそもの要因はかつての欧米がやった植民地化政策のツケだろうに、西側諸国が知らんぷりというのはひどい話です。彼らの無責任と現場での無力さに板ばさみになる苦悩が、国連平和維持軍の司令官を演じるニック・ノルティの表情に表れています。

武器商人の映画「ロード・オブ・ウォー」もアフリカが主な舞台になっていました。彼らが売る銃がこの虐殺にも使われていることでしょう。未見の人は一緒に見ることをすすめます。
この映画といい、「キリングフィールド」「ブラザーフッド」「エネミーライン」などといい、人間のやることの残酷さには、洋の東西を問わないことを思い知らされます。

TV「虎の門」で、井筒監督がほとんど同じことをコメントして、この作品を絶賛していました。いつも意見が正反対の井筒氏と僕が合うとは異様なことですが、ともかく、全人類必見の映画であることは確かです。

映画でのホテルチェーンのオーナーが、どうもジャン・レノに似てる気がしましたが、クレジットには彼の名前はありませんでした。カメオ出演ではあるまいな。

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あ　る　子　供

ソニア（デボラ・フランソワ）は生まれたばかりの子供を、同棲しているブリュノ（ジェレミー・レニエ）に見せる。盗みなどまっとうでないことで生計を立てている彼はあまり関心を示さないが、子供の認知のため彼女と役所に付き合う。その後職業安定所の長い列に並んだソニアに、ブリュノは子守をすると言って離れるが、彼は子供が高く売れることを思い出し、仲介人に売ってしまう。大金を手に有頂天になるブリュノに激怒したソニアは、彼を部屋から追い出す…。

2005年のカンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールを受賞した作品です。しかし前年の受賞作「オールド・ボーイ」と違い、やはりヨーロッパ製のカンヌのパルムドールは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」などのように、僕には合わないと思わされました。

タイトルの「ある子供」とは、赤ん坊だけでなく、主人公たちも入るのでしょう。映画は主人公ブリュノがどう変わっていくかを描き、そこにはニートや青少年問題など社会への問題提起があるようで、言いたいことは分かる気はしました。しかし淡々としたテンポと長回しの多いカットのおかげで、全体で95分という短さなのにもかかわらず、眠くなりました。

子供を売るという話は知っていたけど、主人公ブリュノはそのことに結構慎重だし、売った後も罪悪感みたいなものは持ってる感じがしました。彼がもっと軽く考える（考えもしない）奴で、ゲームソフトを売るみたいに子供を唐突に思いついて売ってしまい、恋人になんでいけないの？と開き直るくらいの奴が、変わっていく話の方がドラマティックになったように思います。

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チキン・リトル

ディズニーが初めて、ピクサーのような外部スタジオではなく、自身のスタジオで作り上げたフルCGアニメ。いつもいじめられている小さな鳥の子供、チキン･リトルが父親の信頼を得て、友だちと町を救う為に活躍する話です。

話の展開はいかにもディズニーで予想がつきますが、チキンリトルのキャラは立っていてそれなりに応援する気になれ、大人も子供も楽しめる内容で安心して見られます。映画の長さが80分程度なので見やすく、ノンストップで飽きさせません。
またこの作品では特に、映画のパロディが多くて楽しめました。「ライオン・キング」のような内輪？ネタもあれば、少し前の「宇宙戦争」、さらにこの「チキン・リトル」と同時期に公開である、某リメイクアドベンチャームービーまでネタにされているのは大いに笑えます。さらにチキンリトルの「映画」はハリウッドへのブラックユーモアみたいな、自虐ギャグに思えました。

今のCGアニメムービーは、ディズニーが提携している「Mr.インクレディブル」などのピクサーだけでなく、「アイス・エイジ」や「ロボッツ」など、いろんなスタジオが力をつけてきています。この「チキン・リトル」でディズニーもその仲間入りをしたことになりますが、キャラの表情も動きもスムーズで特徴が出ていて、これらの先行している会社と互角に戦えることが証明されました。
どうも今後は、ディズニーアニメはみんな３DCGになるようですが、CGアニメがヒットするからといって、今まで作ってきた２Dアニメを見捨てるような戦略も節操が無い感じでどうか？と思います。

この作品の日本語吹き替え版は、歌は全部日本語になっていますが、キャラがカラオケで歌う歌だけは英語のままでした。タイトルや新聞などの見出しといった文字も日本語にしてあって、子供なんかには見やすいように作ってあります。こういう加工は、CGだったら文字データを変えれば出来てしまうから、吹き替え版はCGアニメだと作りやすいかもしれません。

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歓びを歌にのせて

心臓発作で倒れてしまった世界的に有名な指揮者ダニエル。彼が療養の為にやってきた子供時代を過ごした村で聖歌隊の指揮者になるお話で、2005年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたスウェーデンの映画です。
宣伝では聖歌隊の話に思えるけど、あくまでもダニエル君が主人公のお話です。でもダニエル=先生により楽団員=生徒が「自分」を取り戻して変わっていく物語は、教師モノ映画の傑作「いまを生きる」と似たタイプと言えそうです。
後半は所々感動的なシーンがあり、ラストは静かに力強く盛り上がります。ただこのラスト、感動させてくれますが、ハッピーエンドと言いっていいのか気になってしまいました。この作品を退けてアカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した「海を飛ぶ夢」といい、アカデミーはこういうパターンが好きなのでしょうか…？

一見のどかな田舎町。だけどそこに暮らす人々には実はさまざまな秘密がある…というパターンはどこの国も同じようです。なかなかにドロドロですが、聖歌隊のメンバーがそこから決別していく過程は興味を引くし、応援したくなる展開です。

主人公は心臓が悪いはずなのに、自転車を飛ばしたり泳いだりしています。それに人間関係に関しても何も考えてないような、あまりにも節操の見られない行動には、こいつは大人なのか?と時々呆れました。まあこれが、ある種のサスペンスにもなってるように思いますが。

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ファイナル・カット

近未来、人々は脳に「ゾーイチップ」を埋め込み、そのチップに自分の生涯を記録し、死後「編集」された映像を追悼会で上映するのが流行していた。そのチップの名編集者であるアラン（ロビン・ウィリアムズ）は死去した大物弁護士の未亡人から、彼の生涯の編集の依頼を受けるが、弁護士のスキャンダルを狙うかつての同僚（ジム・カヴィーゼル）に、チップを譲れと脅かされる…。

脳の中のチップで人生を記録し、死後に都合のいいシーンだけを取り出して上映、というアイデアは面白く思います。
しかし映画は、チップにまつわるいい点や悪い点を全部描こうと欲張った結果、メインの話が分裂して統一感に欠け、アイデア倒れの内容になってしまっています。
ラストははっきりとした描写にしていなくて、ある程度の解釈が必要ですが、悲惨な感じです。映画の後味はよくありません。

映画は、チップ以外は未来という感じが全然しなくて、今現在のお話の雰囲気です。良く解釈すればレトロ狙いに思えますが、悪く見ればセットや小道具などに金をかけないようにしただけ、とも取れます。

お話は退屈はしませんでしたが、なんでこんな映画にロビン・ウィリアムスが出るか？と思ってしまいました。もし映画がシナリオの通りに作られているのなら、シナリオを読んだ時点でダメダメと明白だったと思います。監督は新人のようだから、ロビン君は「グッドウィル・ハンティング」みたいに応援のつもりで出演したのかもしれませんが、もっと仕事を選ぶべきです。
でももっと悲惨なのはミラ・ソルビーノでしょう。最近名前聞かないし、出たと思ったらこんな、彼女でなくてもいい役です。仕事無いのかねえ…。

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S A Y U R I

アメリカでかなり売れたという小説「メモリー･オブ･ゲイシャ」の映画化です。映画の元のタイトルは原作通りですが、日本のタイトルがそうでないのは「ゲイシャ」にあまりいいイメージが無いからでしょうか…。
生活苦から姉と共に都（ミヤコ）に連れてこられ置屋に売られた千代（大後寿々花）が、都一番の芸者・サユリ（チャン・ツィイー）になっていく物語です。

映画の舞台は一応日本ぽく、ミヤコは京都を指しているようですが、人名が「豆葉」とか「おカポ」（映画ではパンプキン）など、日本人か？と思うようなのがあるし、映画のメインの言語は英語です。
なのでこの映画、日本的なドラマを英語吹き替え版で見てる、と捉えた方がいいと思います。
お話はかなりドロドロしていて、女はコワーイ…と思わされます。昼メロにふさわしいかもしれません。それでもラストが明るいのは、いかにもハリウッドに思いました。同じ時期に公開の映画であれば、「ハリー・ポッター」や「キング・コング」のラストの方が、もっと重量感があります。
お話は分かりやすく語られていますがそれでも、置屋の後継問題とか良く理解できなかった箇所がありました。なんで継ぎたがるのかなあ？

さゆりは日本人ということでしょうが、演じるチャン・ツィイーは中国人で、日本人がメインでキャストされないことが話題になりました。でもそれは、主人公を演じられるレベルの女優が日本にいなかったということかもしれません。まあチャン・ツィイーがそんなに上手いか、というのは疑問ですが、英語はそこそこマシに聞こえます。
チャン・ツィイーと、彼女の師匠になるミシェル・ヨーは｢グリーン･デスティニー｣でのライバルですが、彼女らが日本的な世界観で、英語で会話してるというのは妙にシュールな感じだし、渡辺謙と役所広司が同じ日本人なのに、英語で会話しているという描写も何かヘンに見えました。
まあそういうシーンも含めて、ハリウッドが作った日本を舞台にした映画、という意味では興味のある作品ではあります。

映画での描写は部分的に？と思う箇所はありますが、日本の設定としては良く調べている方でしょう。芸者の仕事の大変さはそれなりに描けていますが、売春婦と見られかねないシーンがあるのは気になりました。何だか｢ラスト・サムライ｣の方が、日本のリスペクト度は高いように思いました。

映画の言語は全編英語オンリーではなく、部分的に日本語も混じっています。しかし英語と日本語のちゃんぽんはどうも統一感に欠けて耳障りでした。全編英語にしてくれた方がまだ良かったと思います。

音楽は「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」シリーズなどの名匠、ジョン・ウィリアムスですが、彼のスコアということを感じさせないメロディだったのには驚きました。でも中国ぽい楽器が入るのは、やめてほしい。

主人公の少女時代を演じた、大後寿々花の可憐さも映画の見ものでしょう。今後、美山花恋のようにTVの連ドラを席捲しまくるかもしれません。

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ザ　ス　ー　ラ

離婚家庭の兄弟が父の家の地下室で見つけたボードゲーム「ザスーラ」。スタートした次の瞬間、玄関のドアを開けたらそこは宇宙。帰るにはゲームをクリヤするしかない…と始まる、ゲームをネタにした映画です。

ゲームが絡んだ映画といえば「ジュマンジ」が有名ですが、この「ザスーラ」はその「ジュマンジ」の原作者によるお話です。ただ「ジュマンジ」は、ゲームの中のモノが現実世界に出現してしまいますが、「ザスーラ」はキャラ達がゲームの世界に引き込まれるのが大きな違いでしょう。
ゲームを始めるまでの、冒頭の兄弟げんかは少々退屈しますが、ゲームが始まって宇宙に出てからは、隕石やらロボットやら宇宙飛行士やらエイリアンやら、イベントが次から次へと起こって、なかなかにハラハラさせられて楽しめます。
また兄弟の仲の悪さがサスペンスを盛り上げることになるシーンもあるので、冒頭の家の中のシーンも、兄弟のドラマを描くという意味では必要ではあるし、後半にはその絆が感動を呼ぶ箇所があります。
子供が主人公で、大人も楽しめる物語なので、子供と一緒に見るにはちょうどいい映画でしょう（ただ、兄弟だったら照れくさくなるかもしれません）。冬休み映画としては「ハリーポッター」や「キング・コング」などの陰に隠れて地味めな公開になりましたが、意外な拾い物の感じがする作品です。

玄関開けたらそこは宇宙、というイメージは「どこでもドア」みたいな、子供の見る夢のような壮大な面白さを感じさせるシーンです。ドアを開けても空気漏れなんてしませんが、宇宙空間にいるのに何で？なんて突っ込みは、ヤボというものでしょう。ゲーム世界に入り込んだということで、リアルでないのは割り切ることです。
ゲームや宇宙船のデザインが50年代ぽいレトロな雰囲気であるのもリアルとは違う、どこかほのぼのとした感じが漂います。　

物語のスケールは宇宙、と「ジュマンジ」より大きいですが、イベントが起こるのは家の中だけだし、登場人物も少ないので、こじんまりとした印象の作品です。
映画で唯一有名なキャストは兄弟の父親を演じるティム・ロビンスですが、彼は冒頭とラストにしか出てきません。これもギャラの節約のためでしょうか。キャストもこじんまりとした感じです。

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ロード・オブ・ウォー

ウクライナからアメリカに移住してきたユーリー・オルロフ（ニコラス・ケイジ）は、両親と弟ヴィタリー（ジャレッド・レトー）とレストランを営みながら、ニューヨークで暮らしていた。ある日ユーリーは地元のロシアギャングの銃撃戦を目の当りにして、彼らが使用する武器を商売にすることを思いつく。彼の事業は弟をパートナーにしてどんどん拡大していき、やがて社会主義崩壊で管理が甘くなった旧ソ連の大量の武器が、彼に更なるチャンスをもたらしていく…。

中東にユーゴにアフリカにイラク…この世界から「戦争」が無くなったことはありません。でもそれらの戦争、あるいはテロリストが使う銃や戦車といった武器には当然、供給者がいるはずです。この映画はそういった武器を売り歩く「武器商人」を主人公にしたお話です。
こいつらがいなきゃ戦争がこうも続くことは無いだろうに、と思うのですが、その実像が自分たちと同じ、家族を愛するフツーの人間というのはリアルです。映画はユーリが成り上がっていくサクセスストーリーでもあるのですが、端から見ると許されないことをしていると思いながらも、彼に感情移入して応援したくなるのは複雑な気分になります。
ユーリーの家族を巡る浮き沈みのエピソードは「ゴッドファーザーPART２」のマイケル・コルレオーネを思い出しましたが、どこか作った感じがして「映画」を意識したドラマぽく見えました。実際の武器商人たちはもっと上手くやって、安定した人生を送っていることと想像します。家族の話よりも、武器売買に絡んだエピソードの方が興味深く見れました。

このネタは、ドキュメンタリーで見た方が衝撃がもっと大きかったかもしれません。けれど対象が対象なので、カメラを向けても警戒されて撮れないかもしれないから、「伝える」という意味ではこういうドラマにして見せるのも一つのやり方でしょう。崩壊した旧ソ連の武器がズラッと揃ったシーンなんか、かなりのショックです。

主人公の武器商人としての成功は、セールスの「商才」があったからとされていますが、映画では彼が昔からそういうことに長けていたとかは語りません。なので彼の「商才」がどこからくるのか知りたいところでした。

主人公がイヤミな人間にならなかったのは、さりげなさを漂わせるニコラス・ケイジの熱演のおかげでしょう。彼はこのごろアクションものにばかり出ている感じがしますが、上手い人なんだから、こういうメジャーでは作れない映画にもっと出てほしいものです。

クライマックスの「逆転」とラストの文章はすごい皮肉が利いていて、これが映画のテーマかもしれません。絶え間ない戦争の背後にいるのはどんな奴か？てことがよく分かる力作です。

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Mr.&Mrs.スミス

南米のホテルで、警官が殺人犯を探すため個人客をかたっぱしから尋問していた時、一人で宿泊していたジョン（ブラッド・ピット）とジェーン（アンジェリーナ・ジョリー）はお互いをカップルと偽り尋問を逃れるが、一目で恋に落ち、結婚する。だがそれから５、６年もすると二人の間には倦怠ムードが漂う。彼らは夫は設計士、妻はシステムエンジニアという職業になっているが、実は２人とも別の組織に所属する殺し屋ということを知らない。そんな時２人はそれぞれ殺しの指令を受けるが、その標的は同一人物だった…。

ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー。大人気のハリウッドスターが共演しただけでなく、この撮影で２人が恋愛関係になったという噂で、話題になった作品です。
言われてみると、映画の冒頭でブラピを見るアンジェリーナ・ジョリーの表情はとてもかわいらしく、恋愛関係という噂もなるほどと思えました。そのせいか今回のアンジーは「トゥームレイダー」の時より愛らしく、好感が持てましたが、タフなキャラではあるので「トゥームレイダー」をやった彼女にはぴったりのキャラです。
ブラピも三枚目が入ったキャラがぴったりで、彼ら２人の掛け合いがなかなかに笑わせてくれます。こんな都合いいキャラはいねえだろ！と思いながらも、彼らの魅力でお話を見せてしまいます。
物語は、命がけの夫婦喧嘩話、というところでしょう。たまにはケンカをして本音を出した方が仲良くなれると言いたいのかもしれません。

予告編で話が分かった感じがしていましたが、本編はもうちょっと複雑な展開になっています。でもやはり、先読みのできる物語です。とはいえ適度なユーモアが笑わせてくれる（冒頭の字幕は最高！）し、アクションもそれなりに迫力が出ていて、お話は退屈しなくて楽しめます。ま、主人公たちにめったに弾が当たらないなんてありえねえ！と突っ込みたくもなりますが。
ただ、終わりが唐突な感じであるのは気になりました。どういう形であれ、「決着」は描くべきでしょう。そう思うと、スーパーでの銃撃戦は長すぎる感じがします。こうも唐突なラストは、最近のハリウッド映画でも珍しように思います。
また冒頭の方で主人公たちに関わる敵の組織の奴の描写があるのに、それ以後そいつの話がぜんぜん出てこないので、再び出てきたときにはこいつ誰だっけ?と思ってしまいます。

お話がお話だけに、人があっけなく沢山死んでいきますが、それを責めるのはヤボかもしれません。でも子供には見せないほうがいいでしょう。
あとアンジーとブラピの格闘シーンで、女性虐待に見えてしまう箇所があるのが少し気になりました。まあ殺し屋という設定上、鍛えているはずのアンジーなのでダメージは少ないだろうし、商売が商売だから、それくらいの報いは受けて当然じゃないかとも思いますが。

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ブレイキング・ニュース

香港警察の重犯罪特捜班のチョン警部補（ニック・チョン）はユアン（リッチー・レン）率いる犯罪グループを張り込んでいたが、銃撃戦の末に逃げられてしまう。警察の不甲斐無さに非難の声が上がる中、組織犯罪課のレベッカ（ケリー・チャン）はメディア対策として犯人逮捕の現場を中継する「ショー」を計画し、ユアンが逃げ込んだ集合住宅に小型のビデオカメラを取り付けた特殊部隊を向かわせる。だが彼女の意図を察知したユアン、待機命令を無視して突入したチャン、そしてそこの住人たちに作戦は翻ろうされていく…。

チラシには香港版「踊る大捜査線」と書いています。確かにITを上手く使っているのは共通するかもしれませんが、「踊る－」のような軽さはあまりなく、雰囲気は全く違います。
しかし、テンポの良さは「踊る－」と共通する点でしょう。冒頭の銃撃戦から、映画はテンションを保ったままぐいぐいと進んでいき、ITを利用する警察と、ITで逆襲する犯人たちの攻防に目が離せません。ありえねえ！て言いたくなる箇所も、あまり気になりませんでした。

またキャラクターの描写も独特で面白く、特に人質と仲間に○○を作る犯罪者なんてキャラは初めて見ました。このシーンは、偶然に仲間になってしまった悪役たちの絆が深まってく、という使い方も上手く、悪役なのに彼らを応援したくなります。
逆にいい者の側であるはずのレベッカの方は、一面的なキャラであまり同情できません。ただこれは、善悪の判断は観客に任せようとする意図で描いているのかもしれません。彼女には男がいる設定になっていますが、ラブシーンはいかにもな音楽が流れて、すごいベタな感じになっています。この監督、恋愛ネタは苦手だと見ます。

警官がカメラを装着、という設定は「エイリアン２」を思い出します。しかし自分たちの都合にいいイメージを作るために映像を作ってしまう警察と、映像でその裏をかく犯人。これは警察に留まらず、イラクでのことなど、軍隊にも当てはまることでしょう。お上の発表する「事実」について考えさせられる作品です。

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インサイド・ディープ・スロート

アメリカンポルノの代表作と言われる、「ディープ・スロート」をめぐるドキュメンタリーです。
「ディープ・スロート」がアメリカで大ヒットしたということは聞いた記憶がありますが、それがアメリカ社会に与えた影響を検証した映像ドキュメントは初めてではないでしょうか。ポルノ映画を通してアメリカを語る、という点もユニークです（スケベ心でそそられるし）。
また「ディープ・スロート」の製作と配給でのマフィアとのつながり、主演男優の逮捕や主演女優の意外な転進など、映画は「へぇー」の連続で興味深く見れます。
日本で、にっかつロマンポルノといった成人映画から金子修介や滝田洋二郎といった有名監督がデビューしたパターンが、アメリカであったことも意外でした。

ただ全体的にテーマが大味で、概要を描いたままで留まってしまっています。なので基本的な事柄は捉えられるものの、なぜそうなったのか？というような突っ込みに欠けるのが物足りません。

映画には「ディープ・スロート」本編のシーンが部分的に出てきますが、結合シーンにはちゃんとぼかしが入っています。まあビデ倫ＡＶよりは緩めかもしれませんが…。

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ミリオンズ

母を亡くしたばかりの、アンソニー（ルイス・マクギボン）とダミアン（アレックス・エテル）兄弟は父親と共に郊外の家に引っ越してくる。ある日、ダミアンが線路脇のダンボール製の秘密基地に隠れてると、大金の詰まったカバンが落ちてきた。アンソニーは欲しいものを買いまくるが、ダミアンは神様が与えてくれたお金だと思い、貧しい人に施そうとするものの、その対象が見つからない。しかもイギリスがユーロ市場に加入するため、そのポンドは数日後にはただの紙切れになってしまう運命だった…。

「トレインスポッティング」のダニーボイル監督が作ったこの作品に彼は、「子供たちに堂々と観られる映画を作りたかった」とコメントしています。
そのコメントの通り、映画は子供向けとしてふさわしい仕上がりです。舞台がクリスマスシーズンということで、「いいことをすると神様は見ている」みたいな教訓が適度に入り、ラストは感動的で、家族で楽しく見れる出来になっています。
ただ、この監督の快作「トレインスポッティング」のような弾けた感じが映画には無いのが物足りなく、堅実に作りすぎたように見えてしまいました。
とはいえ監督の前作「28日後…」よりは遥かに、爽やかに楽しめます。

主人公であるダミアンはかなり純真で信心深い子供です。キリスト教が主流である西欧ではこういう子供はいるかもしれませんが、日本では宗教がかり過ぎて気味悪がられるでしょう。現実的な兄貴アンソニーの方がリアルに見えました。

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オ　ー　メ　ン
予　兆

ビッグ、ダン、ビームの３人の青年は、同じデザイン会社に勤める仲間。ある日ビッグは彼の運命を予言する謎の老婆に、ビームは美しい女性に、ダンは物売りの子供に出会う。そしてビッグの出会った老婆の「予言」は必ず当たり、彼はこの老婆を信用するようになるが、ある時老婆の家でビームが出会い付き合うようになった女性の写真を見つける。そこにはビームも写っていて、老婆は彼らが何か恐ろしい目に遭うことをほのめかす…。

「the EYE[アイ]」を手がけたオキサイド＆ダニーのパン兄弟が、脚本や製作などを手掛けた作品です。同じタイトルで、シリーズになったハリウッドホラーの名作がありますが、それとは関係ない内容です。
ＤＶＤのパッケージはホラーの感じにしていますが、お話には震え上がるようなシーンは無く、不可思議なミステリーといった方がいい内容です。雰囲気はそれなりにミステリアスな感じがよく出ています。
最後に明かされる謎は東洋的な感じがしました。突っ込みどころは多々ある「秘密」ですが、ラストはちょっと切なくなりました。あとはヒロインの可愛いらしさも見ものでしょう。

映画は88分の短さで、スケール感もこじんまりとして、「the EYE[アイ]」に比べると小品です。日本では東京国際映画祭で上映されただけで、その後にDVDでリリースされましたが、この内容では劇場にかからないのも仕方がないでしょう。

DVDに入っているタイ版の予告編は、モロにホラーの感じにしています。でも人を消したり音を加えたりして、本編と違うシーンを「作って」しまうのは詐欺のような…。

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リザレクション

青年チュは通りがかったマッチ売りの少女（イム・ウンギョン）からライターを買った直後、ヴァーチャル世界に入り込む。そこは「マッチ売りの少女」を原作通りに展開させるゲームの世界だった。憧れの女性ヒミにそっくりなマッチ売りの少女にチュは夢中になり、彼女に群がる男達を蹴散らして会うことに成功するが、チュと出会ってからマッチ売りの少女は｢暴走｣し始める…。

韓国ではオンラインゲームやネットカフェが人気だそうですが、そういう現象を反映したような作品です。
映画はマッチ売りの少女のエピソードから始まりますが、日本のタイトルだけしか知らないと、何じゃこりゃ？と面食らうかもしれません。原題は「マッチ売りの少女の再臨」となっていますが、このタイトルだけでも意味がよく分からないでしょう。
しかし、あの有名な「マッチ売りの少女」（映画ではマッチではなくライターを売ってますが）をゲームにしてしまうなんて、なかなかにぶっ飛んだ面白い発想です。加えて中盤の、マッチ売りの少女の壊れっぷりも見もので、この発想にも大笑いしました。
中盤のシーンの伏線にもなっている、マッチ売りの少女のエピソードが終わると、主人公チュの日常を描くシーンになります。このへんは少し退屈しましたが、彼がゲーム世界に入ってからは、それまでの展開からは予想もしなかった怒涛のアクションが展開していきます。アクションシーンはなかなかにテンポがよくスピード感があるし、ワイヤーとかカーアクションとか金がかかっている感じで、総製作費90億ウォン（約9億円）というのもうなづけます。
またゲーム世界が舞台ということで、実景とゲーム画面のようなCGがシンクロするアクションシーンといった、面白いアイデアも見られます。
クライマックスの「伝説の銃」は「コブラ」のサイコガンを思わせるかっこよさがあるし、マッチ売りの少女には「攻殻機動隊」を思わせるイメージのシーンがあったりして、日本アニメの影響のようなシーンもチラホラと見られます。そしてこのテのハイテクアクションムービーの例によって、モロ「マトリックス」のパクりのようなアクション描写があるのはまあ、愛嬌と受け取っておきましょう。

しかしクライマックスは、チュの目的は分かるけど、マッチ売りの少女が何をしたいのかよく分からないせいか、シーンの意味が不明なままに話が進んでしまいます。なのでこの映画、話よりもアクションを楽しんだ方がいい作品でしょう。

映画ではバーチャル世界と現実世界の境界を描かずあいまいにしていて、チュがどの世界にいるのか?あるいは他の惑星とか別の世界なのか？よく分からない描写にしているのは気になりました。ただ製作者たちは、あえて曖昧にしたかったのではないかとも思います。

監督は「Lies／嘘」のチャン・ソヌですが、ヤリまくりのお話だった「Lies／嘘」とは全然違うテイストには驚かされます。
マッチ売りの少女を演じるイム・ウンギョンは「人形霊」に出ていた美少女で、この「リザレクション」はそれより前に作られた映画のはずですが、ショートカットが超キュート！こちらも、萌えられまんなぁ。

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花　様　年　華

1962年、香港。新聞社の編集者であるチャウ（トニー・レオン）夫妻がアパートに引っ越してきた日、隣の部屋にもチャン（マギー・チェン）が夫と引っ越してきた。二人とも仕事が忙しく、夫や妻とはすれ違いが多かったが、やがてチャウは妻がチャンの夫と不倫していることに気づき、それをチャンに正すと、彼女もそれに気づいていた。二人は対抗するように近づくが、チャウが小説を書き出し、チェンが興味を示したことで、二人はますます親密になっていく…。

ウォン・カーウァイ監督の「2046」の前日談というべき作品です。
クリストファー・ドイルのカメラ、そしてカーウァイ監督独特のセンスある色使いと選曲で、マギー・チェンの「大人のラブストーリー」とのコメントの通り、しっとり感のある雰囲気は出ています。
しかしお話には「2046」以上に劇的な展開が無く、「2046」同様に眠くなりました。

主演のトニー・レオン以外で「2046」とつながっていると思えた部分は、主人公のホテルの部屋の番号が2046というところくらいです。ただヒロインの夫が日本に出張してるとか、日本とのつながりが多少あるのが、似ている感じはします。

DVDにあるメイキングを見るとコメディタッチのような、本編と違うテイストのシーンがけっこうあるので、カーウァイ監督の考えていた構成が、撮っていくうちに変わっていったのではないかと想像します。
「2046」とのお話でのつながりでは、トニー・レオン演じる主人公がシンガポールに来る前の、香港での物語がこの「花様年華」というところのようです。しかしメイキングでは本編で描かれた以上に年月が経った後日談的なシーンもあり、「花様年華」を作っていた頃には、カーウァイ監督に「2046」の構想があったかは疑問になりました。「2046」との関連はあまり考えないで見るべき作品でしょう。

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ダーク・ウォーター

離婚調停中で、娘のセシリア（アリエル・ゲイド）の親権を夫と争っているダリア（ジェニファー・コネリー）は、家賃の高いマンハッタンからルーズベルト島に引っ越して来る。母娘はそこの古びたアパート群の一室に住むことにするが、部屋の一角にある天井の黒いシミが徐々に広がって、黒い水が滴り落ちるようになる。さらに上の部屋からは、足音が聞こえてくる…。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サレス監督がハリウッド進出第1作目として手がけたこの作品は、中田秀夫氏が監督し黒木瞳が主演した「仄暗い水の底から」の、ハリウッド版リメイクです。
オリジナルの日本版は、監督が監督のせいか心霊シーンが結構目立って、「リング」の２番煎じのような感じがしてしまいました。それに対してこのリメイク版は、そういうシーンはクライマックス以外にはあまり出さないで、母親ダリアの心理描写に重きを置いています。なので映画はホラーというより、心理スリラーといった趣になっているのが、オリジナルとの大きな違いでしょう。
またオリジナル版はどうも母が実の娘を見捨てたように見えてしまいましたが、今回のバージョンでのラストの母親の行動は、やむなくという感じで納得できました。その後のエピローグ的なシーンも感動的で、今回のリメイク版はオリジナル版より良かったと思います。やはり中田秀夫よりも、ウォルター・サレスの方が実力があるのかもしれません。
映画のほとんどが雨かどん曇りの天気のおかげで、雰囲気の重苦しさもよく出ています。でも内容も内容のせいか、見ていて楽しくはありません。

脇を「シカゴ」のジョン・C・ライリーや「海の上のピアニスト」のティム・ロスといった演技派が固めているのも見ものですが、中でも「ブラス！」のピート・ポスルスウェイトの出演には、作品の格が上がる感じがします。

アメリカでマンションの苦情を言うときは、弁護士を連れて行くと立場が強くなる、てことも学べます…。

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イン・ハー・シューズ

弁護士のローズ（トニ・コレット）のアパートに、無職でぶらぶらしている妹マギー（キャメンロン・ディアス）が転がり込んでくるが、ローズは妹を見捨てることはできなかった。ある日再婚した父の家に金をせびりに行ったマギーは偶然に、存在さえ知らなかった祖母からの手紙を見つける。そしてローズは、上司である恋人とマギーが寝た現場を目撃してしまい、愛想をつかして妹を部屋から追い出す。困ったマギーはフロリダに住んでいる祖母エラ（シャーリー・マクレーン）のもとへ向かう…。

靴のサイズが同じだけで性格が全く違う姉妹の物語を、「８Mile」のカーティス・ハンソン監督が手がけた作品です。
主人公の姉妹はもとより、祖母の友人達など脇のキャラまで良くできていて、２時間半もの長さなのに無駄なシーンが無く、長さを全く感じさせません。姉妹の話とはいえ、男でも感情移入できることでしょう。
クスクスと笑える小ネタが散りばめられて楽しく、悪人といえる人物がほとんどいないので不愉快にならず、爽やかに見終われる感動作です。
「誤解」「曲解」「憎しみ」「悲しみ」「涙」そして「希望」「理解」「和解」「寛容」「許し」「必要」「喜び」といった、人間関係の問題と解決のヒントが詰まっているような内容で、駄作が目に付く近年のハリウッド映画には珍しい、良作です。

あと男にとっては、水着や下着姿を惜しげもなく？披露してくれる、キャメンロン・ディアスのナイスバディも確かに見ものではあります。こんな姉ちゃんに誘われたら、いやぁ…。

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親切なクムジャさん

まだ見ていない人

子供を誘拐して殺害した罪で13年間服役していたクムジャ（イ・ヨンエ）が出所した。刑務所では彼女は女囚たちの嫌がる仕事を次々とこなし「親切なクムジャさん」と呼ばれていたが、出所した瞬間から優しい仮面を脱ぎ捨て、ある目的を遂行するべく行動を起こす…。

「オールド・ボーイ」で全世界の度肝を抜いた、パク・チャヌク監督の作品です。
この「親切なクムジャさん」は、「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク監督の「復讐３部作」の最終作だそうですが、今回の復讐者となる主人公は前２作と違い女性です。そのクムジャさんを演じるのは、「宮廷女官チャングムの誓い」で日本でも有名になったイ・ヨンエです。
しかし今回のイ・ヨンエは、タバコは吸うわ男に乗るわ銃を撃つわなどと、「チャングム」のような「イイ子」と180度違う「悪女」を演じています。しかし凄惨な表情もサマになっていて、キャラが結構合っているのは意外でした。今回は優しい表情から憎しみの表情まで、イ・ヨンエの出演作の中で一番多彩な顔を見せている映画かもしれません。
それにしてもあのかわいい顔で、微笑みながら平然と悪どいことをするギャップには、女はコワい…と思わされます（女性に何か親切にされた時は、疑ってかかる方がいいのかも）。しかし彼女の清純な顔立ちが、陰惨さの救いになっているようにも思えます。そして制服姿には…萌えっ！
そのクムジャさんの「計画」、それを過去と現在を交錯して語らせる構成が面白くて映画の前半は引き込まれました。映像が所々スタイリッシュでかっこよく、時折「オールド・ボーイ」のように、ブラックユーモアが効いたシーンが楽しませてくれるし、トランジションで特撮を使ったりして面白い表現を見せています。

しかし後半、特にクライマックスのあたりはクムジャさんの話でなくなってしまったように見えて、話がストレートじゃない感じになったのは引っかかりました。まあ、つながりとしては変ではないのですが。
映像でも面白い見せ方はありますが、リアリティーに欠き過ぎで引いてしまうシーンもあり、アイデアに溺れた感じを受けた箇所もありました。
またクムジャさんとチェ・ミンシク演じる悪役との、映画で一番肝心な関係がよく分からなかったし、クムジャさんの娘への想いも、「オールド・ボーイ」のそれほどには感じられませんでした。小説を読めば分かるという話もありますが、それでは映画じゃないでしょう。

バイオレンスのグロ度は、「オールド・ボーイ」よりはまろやかになっています。でも部分的に見ていてイヤーになるシーンはあり、特に子供好きな人は要注意です。

映画には「復讐者に憐れみを」に出ていたソン・ガンホがチラリと顔を見せています。また「オールド・ボーイ」のユ・ジテがワンシーンだけ出ていますが、役柄が役柄だけにハッとさせられました。この人とイ・ヨンエは、「春の日は過ぎゆく」以来の顔合わせということになるでしょう。あの時は恋人という関係だったけど、今度は…。

すでに見た人

誘拐した子供に許されたがっていたクムジャさんは、監督のインタビューによれば「許された」そうですが、ラスト近くでその子供がクムジャさんの前に現れたシーンで、クムジャさんが猿ぐつわをハメられていた描写が気になりました。本当に許されてもらえたのでしょうか?
また、チェ・ミンシクを殺した家族たちがクムジャさんの働くケーキ屋で「天使」を見ているようなシーンは、彼らに心の平安が訪れたような描写に見えました。しかしいくら何人も子供を殺している極悪人とはいえ、人を殺すことで救われるものなのか疑問になるし、またそういうリンチめいた行為を許していいのか?とも思います。
身内を殺された家族は、自分たちで犯人を殺したら救われることになるんでしょうか?そんなに単純なものではないのでは…。

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ソ　ウ　２

息子と上手く行っていない刑事エリック（ドニー・ウォルバーグ）は、現場から外れた仕事にも関わらず、殺人事件の現場に同行させられる。そこには特殊な機械で顔を潰された死体があり、エリックに向けたメッセージが書かれていて、同僚の刑事アマンダは連続殺人犯ジグソウ（トビン・ベル）に疑いをもつ。その後機械からジグソウのアジトが判明し、踏み込んだエリックたちはジグゾウを捕らえる。だがそこにあったモニター群には、彼によって一軒家に閉じ込められた８人の男女が映っており、その中に彼の息子がいた…。

ラストで驚愕させられた「ソウ」から1年、早くも続編の登場です。今回は犯人ジグゾウが早い段階で顔を出しますが、ジグゾウてこんな顔だったっけ? と思ってしまいました。映画のHPでは、前作のジグゾウ役もこのトビン・ベルと書いてあるのですが…。
今回はジグゾウの罠にかかる人物が前作より増えているのが、続編のパターンという感じがします。よってジグゾウの罠もバリエーションが増えてるし、その分最期を迎える犠牲者も前作より多くなっていますが、グロく、後味が良くないのは前作と同じです。
犠牲者たちが死の罠によって狭い場所に閉じ込められ、いがみ合っていく、という展開には「CUBE」を連想しました。

ラストはまた意外な展開が出てきますが、カンのいい人は予想がつくところがあるかもしれません。後の方で、前作とのリンクが出ておおっ！と思う箇所があるので、パート１を見てた方が楽し？めます。

刑事達がジグゾウに何も出来ないのも前作と同じパターンですが、ただでさえ重苦しい雰囲気がますます陰鬱になってきます。それはそれでこの作品らしいし爽快感を求める映画ではないでしょうけど、駆け引きででも何か、一矢報いるようなシーンが欲しいところでした。

シリーズ化を狙ってるような感じがしますが、もういいと思うなあ…。

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フライトプラン

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イノセント・ボイス 12 歳 の 戦 場

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スタンドアップ

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悪魔の棲む家

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単騎、千里を走る。

単騎、千里を走る。

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

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ホテル・ルワンダ

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あ る 子 供

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チキン・リトル

チキン・リトル

歓びを歌にのせて

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ファイナル・カット

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S A Y U R I

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ザ ス ー ラ

ザ ス ー ラ

ロード・オブ・ウォー

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Mr.&Mrs.スミス

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ブレイキング・ニュース

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インサイド・ディープ・スロート

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ミリオンズ

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オ ー メ ン 予 兆

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花 様 年 華

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ダーク・ウォーター

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イン・ハー・シューズ

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ソ ウ ２

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イノセント・ボイス
12 歳の戦場

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ゾフィー・ショル、最期の日々

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ザ　ス　ー　ラ

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オ　ー　メ　ン
予　兆

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花　様　年　華

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ソ　ウ　２

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