王　の　男

16世紀初頭、地方の旅芸人であるチャンセン（カム・ウソン）は、女形を演じるコンギル（イ・ジュンギ）に対する座長の扱いが我慢できなくなり、一座を抜けて都の漢陽へ向かう。彼らはそこの芸人達と知り合って新たな一座を結成し、もっと儲けようと王をからかった芝居を上演し、民衆の人気を得るが王の重臣（チャン・ハンソン）に捕まってしまう。このままでは処刑されると感じたチャンセンは、宮廷で芸を披露し、もし王（チョン・ジニョン）が笑わなければ死刑にしても構わないと言う…。

韓国で大ヒットしたという歴史ドラマです。
コンギルを演じるイ・ジュンギは及川光博をもっと若く妖艶にした感じで、お話はゲイネタのように見えますが、それを思わせるシーンは冒頭にチラリと出るくらいです。主人公の芸人たちの関係が友情なのか愛だったのかははっきり描かないのは意図かもしれませんが、製作者達が同性愛的な話題にされるのを避けたかったのかもしれません。
彼ら２人よりも、彼らと接することで素直になり、壊れていく王の姿が興味深く、この王が絡むあたりから話が面白くなってきます。もっとも、終わりに希望らしいものは無いだろうな、ということはだんだん予想がついてくるのですが。
この王様は家来にも軽んじられてる感じで、TV｢宮廷女官チャングムの誓い｣の中宗もそうだったけど。朝鮮の王とはこうも力の無いものかと驚きました。

その王の住む宮殿などのセットは｢チャングムの誓い｣以上に華麗で、いかにも金をかけていて見ものです。こういった、朝鮮王朝の様式美がよく分かる美術には、僕みたいな東洋美術大好き人間にはたまらないはずです。
それに対して、主人公たちが劇中で演じる芝居はかなりえげつない内容で、本当にこんなに「モロ」だったのか？と思わされます。　

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ア　ン　ノ　ウ　ン

男（ジム・カヴィーゼル）が目を覚ますと廃棄工場で、外からカギがかけられおり、他に４人の男達が倒れていた。そこに電話がかかり、その内容から自分たちの中の誰かが誘拐犯で、誰かが人質であると知る。だが目を覚ました全員が記憶を失い、自分が誰かも分かっていなかった…。

導入部からして「ソウ」に影響を受けたような設定ですが、あれほど残酷で暗くはありません。
自分も他人も何者か分からない、というのが映画の一番のミソで、観客もキャラクターと同様に疑心暗鬼になり、あれこれと推理したくなって興味を持たせてくれます。感動とか重さといったものはありませんが、90分で見やすい作品です。
クライマックスで明かされる彼らの正体で、まあ順当な終わりか…と思ってたら来た！ラストのどんでん返しには驚かされました。

映画にはそんなに有名な役者は出ていませんが、｢パッション｣のジム・カヴィーゼルや」、「ワンス・アンド・フォーエバー」のバリー・ペッパー、「コンスタンティン」のピーター・ストーメアなど、どこかでちょくちょく見かける中堅の実力者をそろえています。

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め　ぐ　み
引き裂かれた家族の30年

北朝鮮に娘を拉致された横田家を中心に、拉致家族の行動を追ったドキュメンタリーです。
製作者はアメリカ人で、おそらく拉致のことを知らないアメリカ人向けに作ったせいか、拉致被害者の肉親たちが家族を取り戻すために行動してきた過程がよく分かる構成になっています。
小泉総理大臣が訪朝してから拉致の報道が多くなってわりと事件のことを聞くようになりましたが、それ以前には関心を持っていなかった（それが恥ずかしくなります）おかげか、特に小泉訪朝前の状況は初めて知ることが多く、横田夫妻が小川宏ショーに出演した時の映像など、興味深い場面が見られます。
特に驚かされたのは、めぐみさんの「歌」でした。この人の写真はニュースなどでよく紹介されていますが、声が残っているとは初耳で、何だかショックでした。その歌が｢流浪の民｣というのが、何か符号のような感じがしてしまいます。

映画は娘を捜し求め苦闘する横田家の人々を追う、いわばフツーの家族に降りかかった理不尽な悲劇、を描いた構成にしています。製作者たちが一番共感した部分がそこなのでしょう。横田夫妻が口論してる場面なんかをあえて入れてるのが、どこにでもいる人の親の感じで身近に思えました。どんなことがあっても娘をあきらめない親の｢強さ｣は感動的で、劇場ではすすり泣きらしい声が聞こえていました。
監督は政治的要素はなるべく排除した、とコメントしていますがその通り、家族の話にしたことで、この作品はどこの国の人が見ても共感できる形になっていると思います。めぐみさんに起こったことは特別なことではなく、一歩間違えば自分もあってたかもしれないと思えてきました。めぐみさんとほぼ同じ年だし。
とはいえ、内容からいって政治の話を完全に切り離すことは出来ません。社民党や共産党が問題解決に積極的でなかったとは、あまり知られてないことではないでしょうか。

言葉はもちろん日本語で、しかも話し言葉が多い内容です。なので、日本以外の国での公開だと常に字幕を追わなければならなくなるはずで、ちゃんと内容が把握できるのかと心配になります。でも横田さんはクリスチャンであるそうなので、その点は西欧でも共感されやすいかもしれません。
横田さんを始め、何人かがインタビューに答える時に英単語を交えているのは、相手を意識している感じでほほえましく思いました。

映像の中には拉致問題が今ほど有名でない時の署名運動の映像があって、よく撮っていたと驚きましたが、その中に署名を払いのけているオバさんが映っていました。見ていて「オイ！」と言いたくなりますが、自分も似たようなものであろうと思います。無関心を正す意味で、多くの人に見てほしい作品です。
北朝鮮で公開はありえないでしょうが、もし韓国で公開したらどういう反応になるのか、知りたいものです。

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トゥモロー・ワールド

世界各地で戦争が続き、人類には長期に渡って子どもが生まれない事態が続いていた。そして西暦2027年、人類最後の少年が18年の生涯を閉じる。そんな中、欧州で唯一平和であるイギリスの情報局で働くテオ（クライヴ・オーウェン）は、20年ぶりに再会したかつての妻（ジュリアン・ムーア）から、ある少女の出国の手助けを頼まれる。彼女には重大な秘密があった…。

「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が描くSFドラマです。とはいえ設定は未来なものの、｢アイ、ロボット｣みたいな未来的なガジェットなんかは出てこないせいか、SFという感じがしません。なので、日本のタイトル「トゥモロー・ワールド」の印象で見るとがっかりするかもしれません。原題は「CHILDREN OF MEN」で、確かにこの方が内容にしっくりきます。
映画のテーマは少子化の警告のようでそれは分かる気がするし、子供が消えた世界の怖さは感じられます。それ以外に映画は移民やテロといった問題も扱いたい感じはしますが、それで何を言いたいのかよく把握できないし、雰囲気が重苦しく、時折眠たくなりました。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」には所々ダークな感じがあったので、この「トゥモロー・ワールド」の内容はなるほどとは思いますが、「ハリー」のイメージで見ようとしない方がいいでしょう。
でも後半は、戦闘のシーンでカメラに血がついたりという、ドキュメンタリータッチがリアルで、いつ主人公や仲間が殺されるのか、ハラハラと緊張させられました。その後のラストには、感動的なシーンがあります。

主人公に協力する、世捨て人のようなキャラで｢サイダーハウス・ルール｣のマイケル・ケインが出ているのですが、あまりの化けっぷりにエンドクレジットを見るまで、気づきませんでした。
またジュリアン・ムーアがけっこう早く消えるのには驚きました。こういう、スターをスターらしく扱わないのがこの監督の流儀のようですが、リアルではあります。

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サッド・ムービー

仕事に情熱を燃やす消防士と彼を心配する手話担当のアナウンサー、その妹で耳が聞こえなくて遊園地で着ぐるみを被っている女性と、彼女が想いを寄せるイケメンの似顔絵描き、別れを切り出した彼女とよりを戻したい｢別れさせ屋｣の青年、仕事優先の母と素直になれない小学生の息子、彼ら８人の男女の｢別れ｣を描くお話です。

タイトルはモロに泣かせ狙いのようで、後半ではその通り泣かされた箇所がありました。
違うキャラクターの話が同時進行していく内容ですが、あんまり詰め込んだ感じはせず、分かりやすい展開です。ただ、子と母のエピソードはもう少し突っ込んで描いてほしいところでした。
別の話のキャラが同一場面に登場するなど、構成は「ラブ・アクチュアリー」を意識したように思えましたが、つながりはあの映画ほど巧妙ではありません。

別れさせ屋と似顔絵描きの顔が似ているので、かなり後になるまで同じキャラだと思ってしまいました。まあ、韓国の人ならたぶん区別がつくのでしょうが。でも別れさせ屋は、「男」だ！
似顔絵描きに恋をするろうあの女のコが、着ぐるみの時は大胆に振舞うのが面白いところだし、分かる感じがしました。彼女を助ける｢小人たち｣も微笑ましいです。

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ユア・マイ・サンシャイン

農村で暮らすソクチュン（ファン・ジョンミン）は、街のコーヒーショップで働くウナ（チョン・ドヨン）に一目惚れしてしまい、何とか彼女の気を引こうとする。初めは相手にしなかったウナも彼の優しさに惹かれ、やがて２人は結婚する。だがウナの「過去」が彼らを追い詰めていく…。

韓国で大ヒットしたらしい、実話を元にしたというドラマです。
「究極の愛」をウリにするラブストーリーは珍しくありません。しかしこの作品は事実を元にしてるだけあって、きれいごとを排除したそのリアリティーは、韓流TVドラマなんかのありえねえ設定なんぞ軽く吹っ飛ばしてしまう、これこそ「究極の愛」の言葉にふさわしい物語でしょう。
昨年の今頃に公開された「私の頭の中の消しゴム」に比べると涙の量は少なめでしたが、インパクトはあれよりも強く心を打たれました。映画館でも、後半では周りからすすり泣きの声が聞こえました。

過酷な運命を選んでいくヒロインの姿には、愛というものはここまで人を変えるものかと驚きます。キム・ギドクだったらもっと明るく描くところかもしれませんが、現実はそういうものではないでしょう。しかし、人を変えるものはやはり人なのだろうと納得できる展開でした。
彼らのように逆境といえる環境であっても、これくらい愛し愛される相手がいるということはうらやましくもあります。

邦題は英語の題名をそのままカタカナにしているようで、ラストでその意味が分かります。２人の「その後」を知る意味では、エンドクレジットは最後まで見た方がいいでしょう。

今もそうなのかは知りませんが、この当時の韓国はエイズを広めたと見なされると傷害罪にされてしまっています。日本でもいっそのことそれくらいした方が、エイズの拡大を食い止められるかもしれません。

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ワールド・トレード・センター

9･11テロで崩壊した世界貿易センタービル。たくさんの人々が犠牲になった中で、わずかながら生還者もいました。この映画は、そこで生き埋めになった警官が生還するまでを、救出の過程と彼らの日常を交互に描写する、事実を元にした物語です。
映画は全体的に生き埋めになった当事者、そしてその家族の心理を丁寧に描いていて、オリバー・ストーンには珍しく、ストレートに泣ける作品になっています。
日常を家族とフツーに過ごせることがいかにありがたいかということや、危機の時だからこそ発揮される人の善意の素晴らしさといったことをきっちり描いて、オリバー・ストーンにもこういう、政治的や過激なメッセージがあまりない、フツーぽい物語が撮れるのには少し驚きました。助かってめでたしめでたしだけでなく、少しだけど助からなかった人たちのことにもちゃんと触れているのもいいところです。
ただ、映画はイラク戦争に賛成みたいな感じを受けたし、わずかながらも神がかったようなシーンがあったり、海兵隊がヒーローぽく描かれたりしているのは違和感がありました。まあこのへんがたぶん、オリバー・ストーン監督らしい描写なのでしょうけど。

生き埋めになった人たちは常に命の危険にさらされていますが、救出する方も死の覚悟をしなければならないほど命がけだったと、映画を見るとわかります。
ワールド・トレード・センターであったことは報道では多少知っていても、そこにいた人がどういう状況で、何を話して、何を思っていたか、という具体的なことは分からないし、真に迫ってはきません。これがニュースとは違う、映画の凄さなのでしょう。あの日何が起こっていたのか？ということを知る意味で、一見の価値のある作品です。

崩壊する前のワールド・トレード・センターはCGでしょうが、まるで撮ってあったフィルムを見てるみたいで、再現度の高さに驚きました。
そのシーンが出てくる9･11当日朝、つまりワールド・トレード・センターが崩壊する前と、翌日朝の崩壊したあとのシーンの音楽が同じ曲になっています。日常と違ってしまった情景の落差が鮮明になる、上手い演出でした。

ワールド・トレード・センターに突っ込んだ飛行機は旅客機ではなかったという説もあります。こういう映画が「事実」として語られることで、9･11テロはろくに検証されること無く「事実化」されていくのかもしれません。　

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トンマッコルへようこそ

まだ見ていない人

朝鮮戦争最中の韓国、米国空軍のパイロット・スミスの飛行機が墜落した。一方、人民軍の兵士リ（チョン・ジェヨン）の部隊は韓国軍の攻撃を受け、辛うじて数人が逃れる。少女ヘイル（カン・ヘジョン）と出会った彼らは彼女の住むトンマッコルの村に案内されるが、そこで彼らは先に来ていた韓国軍の兵士ピョ（シン・ハギュン）とムンの２名と鉢合わせする。敵対する兵士たちは、村人を挟んで銃を向け合う…。

韓国で、2005年に大ヒットした映画です。
一見ほのぼのした話に思えますが、中には結構血なまぐさく凄惨なシーンもあり、特に後半は戦闘シーンが多くなるので、おすぎのクソうるさいCMのイメージで見る人は要注意です。
クライマックスはアジア映画のパターンとは思いますが、ラストの「笑顔」に泣かされました。予告編でも泣けてきましたけど、その期待通りの出来でした。

映画には「ポップコーン」や「チョウ」といった、合成を駆使したファンタジックな美しいシーンが見られます。そういったシーンの間に描かれる、銃を向け合う兵士をよそにマイペースに行動する村人たちの姿など、映画には戦争のアホらしさを秀逸に茶化したシーンが何箇所かあり、なかなかに笑えました。
また映画ではアメリカ軍が悪役ぽく描かれていますが、これは朝鮮戦争当時のアメリカ軍がそうであったというより、今のアメリカ軍を批判しているように見えました。
こういう風にこの作品は、単なる朝鮮戦争の話ではなく、戦争批判を意識したであろうエピソードが多分にあります。その意味では、戦争の絶えない今にふさわしい映画といえるでしょう。
この映画には南北融和の願いが汲み取れますが、これが公開された時はまだ北朝鮮は核実験をしていませんでした。その後の北朝鮮の状況は、そんな製作者たちの願いを踏みにじったようで悲しいことです。

音楽を担当しているのは、宮崎アニメやタケシの映画で有名な久石譲です。今回の曲調はタケシの映画よりも、宮崎アニメぽい旋律が感じられ、クライマックスを大いに盛り上げています。
また宮崎アニメといえば、この映画の監督が大好きだそうで、そういえばトンマッコルの村にある石像は「千と千尋の神隠し」を思わせました。

すでに見た人

人民軍の兵士リ（「シルミド」の目の大きい熱血隊長！）が韓国軍の兵士ピョに、「指揮はお前がやれ」と言うセリフには胸が熱くなりました。
意に染まぬ作戦を嫌って脱走したピョにとっては、この最後の戦闘こそ、恐らく初めて積極的に戦いたいと思える戦闘だったのではないでしょうか。誰かを殺すためではなく、守るために戦う。だからこそあの笑顔になったように思います。

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サンキュー・スモーキング

タバコ研究アカデミーのPRマン、ニック（アーロン・エッカート）は、日々マスコミ相手に、禁煙VS.喫煙の激戦を繰り広げ、その日もTVのトークショーで保健省の役人を見事にやりこめる。そんな彼を息子（キャメロン・ブライト）は尊敬しているが、妻とは離婚状態だった。一方、彼を目の敵にしているフィニスター上院議院（ウィリアム・H・メイシー）は、タバコのパッケージにドクロのマークを入れる法案を成立させようとしていた…。

世の嫌煙の流れに逆らうように、珍しく喫煙擁護を掲げる映画。
と思いきや、話が進むにつれてそうでもなく、喫煙派と嫌煙派の両方を皮肉っているのが分かってきます。製作者たちはこの映画でタバコを勧めたいのではなく、主張を押し付けてないか？情報にただ踊らされていないか？と観客に問いかける、いわば「選択の自由」がテーマであろう作品です。

アーロン・エッカート演じる主人公の、調子よくもめげない行動力にはタバコを吸う人はもちろん、僕みたいなタバコ嫌いでも彼を応援したくなります。彼が丁々発止のやり取りを繰り広げる中で、父子の交流がほのぼのとさせる構成もメリハリが効いて上手いところです。オフビートな表現と快調なテンポで、90分というコンパクトな時間があっという間に過ぎました。
それにこの映画、タバコネタの話なのに喫煙シーンが全く無いというのもスマートです。

敵役を演じるウィリアム・H・メイシーはどんな役でもモノにしてしまう名優ですが、やはりこの映画のような、権威を盾にする役が一番似合う感じがしました。
彼の演じる上院議院の言い分は誇張されているけど、嫌煙も行き過ぎると怖いものがあります。特にラストは、誰かが本当に言い出しかねないような感じがしました。

しかしアーロン・エッカートて、「仮面ライダー555」でスマートブレインの社長を演じた村井克行に似てるような感じが…。

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ブラック・ダリア

1947年、LA市警の刑事バッキー（ジョシュ・ハートネット）はリー（アーロン・エッカート）とのボクシングの試合で八百長を請け負ったことで特捜部に誘われ、パートナーとなる。リーの美しい妻、ケイ（スカーレット・ヨハンソン）とも懇意になり、彼ら３人はよく行動を共にするようになる。そんな時、胴体が切断された女性の惨殺死体が発見されるが、リーはその事件の捜査に異様なほどのめり込んで行く…。

「アンタッチャブル」や「スネーク・アイズ」のブライアン・デ・パルマ監督が「L.A.コンフィデンシャル」のジェイムズ・エルロイによる、実際に起きた事件を元にした小説を映画化した作品です。
映画にはクラシックなハードボイルド作品の雰囲気はしました。それに変態趣味の色づけを加えたようなお話ですが、今さら同性愛なんぞ出されても珍しくもなんともなくて、センセーショナルな驚きはありません。
宣伝では「世界一有名な死体」といっていて、映画を見る前はこの死体をめぐる話というイメージがあったのですが、これが出てくるまでかなり長い時間があるおかげで、何の話か分からなくなりました。そんな風にこの映画は、いろんなエピソードの結びつきが、かなり後の方にならないと分からないので話が把握しずらくなり、眠くなりました。
またラストの明るめな感じが、いかにもバカ明るいハリウッド映画のパターンなのも気になりました。もっと暗く終わった方が、映画の雰囲気に合っていたのでないかと思います。

ただ、中盤で重要なキャラが殺されるシーンだけはデ・パルマらしい感じがしたし、ラストのワンシーンも、彼らしいといえばそうかもしれません。でも「キャリー」かよ！と突っ込みたくなりましたけど。

ヒロインを演じるスカーレット・ヨハンソンは、このところ腹に一物ある感じのキャラが続いてるようで、イメージが固定化されてきたように見えました。
逆にヒラリー・スワンクは今回、主人公バッキーを誘惑するセクシー系という、あまりなじみのないキャラになっていて、顔はごついもののこれはこれで悪くない感じがします。意外に肌がきれいで、いい尻をしてる！のは発見でした。
アーロン・エッカートは、同じ日に公開された「サンキュー・スモーキング」の方が魅力がありました。こいつが死体に執着した理由もよく分からん…。

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地　獄　の　変　異

ルーマニアのカルパチア山脈で発見された世界最大級の地下洞窟。そこに調査に向かった科学者とダイバーたちのチームが、未知のモンスターに襲われる話です。

お話はB級ですが、洞窟や川のセットなんかはかなり大きい感じで、けっこうお金はかかっているようです。とはいえ退屈はしなかったものの、ドキドキしなかったし、あんまり怖くありません。
地下洞窟にモンスターが出る話は、これの少し前に公開された「ディセント」が似たパターンでしたが、あちらの方が人間同士の軋轢がもっとあったし血の量も多くて、それより制作費が高そうなこの「地獄の変異」の方がマイルドに見えました。ただラストのひねりだけは、「ディセント」より工夫が見られます。

モンスターのデザインは「ゴジラ」や「ピッチブラック」などのパトリック・タトプロスなのに、あんまりよく見えないのも不満でした。人間とこいつとの関連や、以前洞窟に来た人間を使えたかもしれないなど、映画には面白くなりそうな要素があるのに、単なる脱出ドラマにしてしまったのも面白さに欠けるところです。

洞窟のセットは凄くリアルで、潜水シーンはきれいに撮れています。この監督はホラーでなく、冒険モノを撮らせた方がよかったように思います。

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天　軍

韓国と北朝鮮が共同で極秘に開発した核兵器「飛撃震天雷」がアメリカに譲渡されることが決定し、不満を抱く北朝鮮将校のカン・ミンギルは、核弾頭を奪取して逃亡を図る。韓国軍将校パク・ジョンウはカンを追跡し、両者が撃ち合いになった時、その上空を巨大彗星が通過し、彼らは光に包まれる。彼らが気がついた時、昔らしい戦場の真っ只中にいて、身を守るために発砲する。彼らはそこの住民から「天軍」と呼ばれて尊敬され、ある若者と関わる。その人物が韓国を救った英雄である李舜臣（イスンシン）と知ったパクたちは、自分たちが1572年の朝鮮時代に来たことを知る…。

李舜臣は、朝鮮征伐に行った豊臣秀吉の軍隊をわずかな数で撃退した人物だそうです。なのでこの映画、見る前は反日の映画というイメージがあってその点に興味がありましたが、物語に出てくる李舜臣は豊臣軍と戦うより前の若い時代で、映画の主要な敵も倭寇ではないどこかの蛮族にされているせいか、反日という感じはあんまりしませんでした。

お話は「戦国自衛隊」＋「七人の侍」＋「MUSA」といった感じです。彗星でタイムスリップというのは「オイオイ！」と呆れますが、韓国の英雄というイメージをバカにするような、李舜臣の情けない姿がなかなかに笑わせてくれて、楽しめます。
話に都合のいい箇所は多々ありますが、クライマックスでの死ぬと分かっても行く、というシチュエーションは韓国映画のパターンと分かっていても、燃えました。

李舜臣を演じるパク・チョンフンは藤岡弘、と中山秀征を足したような顔で親しみが持てました。藤岡弘、がたぶん見せないであろう、情けなさのあるコメディ演技を見てる感じがしたのが面白いところでした。

核ミサイルの設定は、この作品の公開中、北朝鮮が核実験をしたと発表をしたことでリアルに思いますが、物語自体に核は関係しないので意味ありません。でもこの映画を見ると、本当は韓国も核が欲しいのではなかろうか？と思いたくなります。

映画には予告編にある通り、李舜臣と秀吉軍のシーンがチラリと登場しますが、これはおまけといっていいシーンでした。しかしこのシーンでの秀吉軍の大将、誰か知りませんがいかにもあの国の、日本語をしゃべれる韓国人？が話している日本語なのにはがっかりしました。映画には結構お金がかかってるらしいから、せめて日本語をちゃんと話せる俳優を雇ってほしいところです。まあ、製作者はこの映画の日本公開のことなんて考えていなかったと想像しますけど。

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王 の 男

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ア ン ノ ウ ン

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め ぐ み 引き裂かれた家族の30年

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トゥモロー・ワールド

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サッド・ムービー

サッド・ムービー

ユア・マイ・サンシャイン

ユア・マイ・サンシャイン

ワールド・トレード・センター

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トンマッコルへようこそ

サンキュー・スモーキング

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ブラック・ダリア

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地 獄 の 変 異

地 獄 の 変 異

天 軍

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王　の　男

王　の　男

ア　ン　ノ　ウ　ン

ア　ン　ノ　ウ　ン

め　ぐ　み
引き裂かれた家族の30年

め　ぐ　み
引き裂かれた家族の30年

地　獄　の　変　異

地　獄　の　変　異

天　軍

天　軍