悪いことしましョ！

サンフランシスコのコンピューター会社に勤めるエリオット（ブレンダン・フレーザー）は人はいいが、ダサいことで同僚に避けられていた。彼は同じ会社に勤めるアリソン（フランシス・オコーナー）に恋をしている。ある晩エリオットはバーで、彼女と話をしようとするが全く相手にされない。彼女が去った後にエリオットが「彼女をモノにできるのなら何でも捧げます」とつぶやいたとたん、彼はビリヤード台にいた、悪魔と名乗る美女（エリザベス・ハーレー）に呼ばれる。悪魔はエリオットに「契約」を持ち掛け、彼の魂と引き換えに願いを７つまでかなえると言う。アリソンをゲットしたいばかりに契約書にサインをしたエリオットは、アリソンを妻にし、金持ちで権力者にして欲しいと願う。が、実現した願いは確かに言葉通りなものの、彼は死にそうな目に会う。その次の願いも同様で、エリオットは次々と、願いは言葉通りなものの、肝心な部分がずれている事態に振り回されていく…。

「ゴーストバスターズ」や「アナライズ・ミー」などを撮ったハロルド・ライミスが監督した、ファンタジータッチのコメディです。ハロルド・ライミスはコメディ映画を何本か監督していますが、そのほとんどが所々笑えるシーンはあるものの、全体的にはそう面白くもないというパターンで、今のところは「恋はデジャ・ブ」がそこそこ良かった以外では、未だ傑作と言える作品が無いと思うのですが、「悪いことしましョ！」も例外ではありませんでした。
今回は特に、最後の痛快さが無いのがモノ足りません。主人公の魂を欲しい悪魔と、渡すまいとする主人公のやりとりの中で一発大逆転みたいな展開もありえたのに、あっけなく話が終ってしまったのは拍子抜けでした。ラストもお決まりのパターンです。

悪魔を演じるエリザベス・ハーレーは「オースティン・パワーズ」や「ブラボー火星人２０００」などに出ていますが、「悪いことしましョ！」ではコスプレを見せてくれて、それもボディコンやら、ポリス（しかも短パン）、ミニスカの学生服など、彼女のナイスバディを生かしたコスチュームで楽しませてくれます。おかげで彼女のいろんな顔が見られるし、悪女役の演技も楽しそうで、彼女の出た映画の中では一番魅力的に見えました（キスがまた上手や…）。
ブレンダン・フレーザーはこの映画のエリオットみたいな、真面目系の役はぴったりでしょう。願いによって色々な人間になることで、彼もコスプレをしますが、背を高くしたり、にきびをいっぱいつけたりとかいうこともしてるので、コスプレというより変身といっていいでしょう。この変身ぶりはなかなか笑えて、これもこの映画の見どころです。

予告編やスチール写真には、エリオットがロックンローラーになっているシーンがありますが、本編にはこの姿は出てきませんでした。カットされたとしたら、何の問題だったのかな？

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インビジブル

「ロボコップ」や「氷の微笑」の監督、ポール・バーホーベンが描く透明人間の話です。

ポール・バーホーベン監督の作品は、「氷の微笑」や「ショーガール」でのエロ描写や、「ロボコップ」や「スターシップ・トゥルーパーズ」での人間の身体がちぎれるといった、グロ描写が目を引きますが、この「インビジブル」でも、透明になった主人公が女性の服を脱がせたり、人を殺しまくったり、エログロ描写は相変わらず健在です。
また、バーホーベン監督の作品は、「トータル・リコール」ではシュワルツェネガーの顔を膨らませたり、「スターシップ・トゥルーパーズ」ではバグの大群やぶった切りにされる人間の描写など、そのビジュアルイメージは独特で強烈なものを見せてくれます。今回の「インビジブル」でも内臓組織を見せながら透明化してくシーンなど、特撮イメージは独特なものがあります。
透明人間の映画は今まで数多く作られていますが、どの映画でも人間が透明になっていく描写は単に身体のフェードだったと思います。それらの作品に比べると、「インビジブル」での透明化の描写はリアルに見えます。
このイメージはＣＧ無しでは作れなかったイメージでしょう。ただ、それゆえに内臓の質感が多少ＣＧぽく見えてしまうとこもありました。

バーホーベンの映画はたいてい、有名な俳優はあまり使いませんが、今回も有名どころは主人公ケインを演じるケビン・ベーコン、そしてケインの元恋人で、同僚でもある女性を演じる「リービング・ラスベガス」のエリザベス・シューくらいでしょう。他の出演者はあまり見たことがないし、人数が少ないのは予算を節約した感じがします。
ケビン・ベーコンは「ワイルドシングス」や「スリーパーズ」など、、凶悪な男を演じさせたら右に出る人間はいない感じです。今回（も？）彼は全裸になりますが、「ワイルドシングス」みたいにモロ出しはありません（透明化のシーンでは見えるけど、ＣＧだし）。
ケビン君は主役とはいえ、映画の大半は透明のシーンなので、彼の出るシーンはほとんどＣＧオンリーかと思っていましたが、透明人間のシーンも彼がブルーのマスクを被ってちゃんと演技していて、主役らしいことをやっています。
エリザベス・シューは久々に見た感じですが、彼女が出ていること自体、地味に思いました。しかしこの作品では、ケインと１対１で対決して飛んだり殴ったり、アクションをがんばっています。

透明になったケインがやる行為は、男なら誰でも夢想する行為だと思うし、コミックで似たような描写を見たことがあります。その行為が精神に影響を及ぼしておかしくなっていくという目の付け所は現代的で、面白さを感じます。
ただ残念なのはその行為のエスカレート具合が急激すぎ、また後半は限定された舞台の中で展開されるせいか、話自体が単なるアクションになってしまったように思えた点でした。透明化がケインの精神をむしばんでいく過程をもっと見せてくれると、また違った印象になったと思います。
宣伝では「怖い」と言っているし、確かに見えないことは怖いはずなのですが、怖いと思ったシーンはあまりありませんでした。

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Ｕ－５７１

第２次大戦の最中、アメリカ海軍の潜水艦Ｓ－３３の乗組員たちは上陸休暇を取り消され、極秘の作戦に赴く。それは、作戦中に行動不能に陥り、助けを待つドイツ軍のＵボートに乗り込み、彼らの使う暗号機を奪うことだった。敵のＵボートを制圧し、作戦成功に思えたその時、彼らの乗っていたＳ－３３は突如撃沈されてしまう。彼らは半人前の副艦長タイラー（マシュー・マコノヒー）の指揮のもと、言葉の分からないドイツ製で、かつエンジンが故障している最悪のコンディションのＵボートに乗って、誰にも助けを求めることもできないまま、孤独な戦いを強いられる…。

どこかのＴＶ番組で「Ｕ－５７１」を紹介する時、「Ｕボート」や「クリムゾン・タイド」などの例を挙げて「潜水艦映画は名作ばかり」と言っていましたが、この作品も例外ではありませんでした。
話は全体的に退屈しませんが、やはり後半とも言える、Ｕボートで作戦を開始して以降から俄然面白くなります。クルーを危うい状況に落とし込んでいくシナリオと演出が上手く、危機また危機の連続でハラハラドキドキさせてくれます。

この映画でいいのはストーリーだけではなく、役者もです。
中でも一番気に入ったのは、熟練の機関長を演じるハーベイ・カイテルでした。彼は「レザボア・ドッグス」や「スモーク」など、インデペンデント系の映画によく出る印象が強いので、こういう活劇タイプの映画に出るとは意外でしたが、艦長以上に物事を知る年季を感じさせて、圧倒的な存在感を見せてくれます。
主人公タイラー大尉を演じるマシュー・マコノヒーは、「コンタクト」以来ぱっとしなかった感じだったものの、この間上映された「エドＴＶ」でなかなかの演技を見せてくれました。「Ｕ－５７１」では艦長として成長していく役柄ですが、始めは若造といった弱々しさを感じさせながら、徐々に艦長らしい、ふてぶてしさを感じさせる好演を見せてくれます。
「タイタニック」や「マイティ・ジョー」に出ているビル・パクストンがＳ－３３の艦長役で映画の前半を引っ張ります。この人も今や貫禄を感じさせてくれて、「エイリアン２」での一兵卒の頃からえらく出世したものです。

潜水艦は実物大のセットを作ったりして、甲板での戦闘など、そこで行うフィジカルエフェクトには力が入っています。しかし、船の爆発シーンではモロに合成と分かってしまうカットがあって、特撮の予算は削られた感じがしました。他がとてもいい出来だけに、この１点は惜しいです。

「Ｕボート」でもそうでしたが、爆雷が爆発するシーンなんかは音響が凄じく、迫力がありました。この映画はできればビデオよりも、映画館で見ることをおすすめしたい作品です。

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キッド

ラス（ブルース・ウィリス）はあと数日で４０才になる。彼は「イメージ・コンサルタント」という仕事でそこそこ成功しているが、自分勝手で嫌味ばかり言うので周りから嫌われていた。ある日、彼の前にもうすぐ８才になるという子供が現れる。始めは近所の子だと思っていたラスは、やがてその子が思い出したくない過去の自分であると悟る。彼を過去に戻す方法を模索するうち、ラスは封印していた子供時代を思い出すことになる。それは彼の人生を大きく変えるきっかけだった…。

「クール・ランニング」、「フェノミナン」といった名編を作ってきたジョン・タートルループ監督の最新作です。中年にさしかかった男が自分を振り返り、新たな人生を踏み出そうとする、いわば人生やり直しの話です。
嫌味な性格の男が自分を振り返ることで優しい男に変わっていく映画では、ビル・マーレーが主演した「３人のゴースト」など、ネタとしては珍しくはありません。なので「キッド」も大枠のラストは読めてしまいます。
とはいえ、映画の雰囲気はタートルループ監督らしい優しい感じで、安心して見れます。甘い感じの中に少しだけ、辛い現実を入れて見せるのもタートルループ監督ぽいです。

「クール・ランニング」では、僕はクライマックスで大泣きしましたが、「キッド」ではクライマックスで泣いてる観客がいたものの、僕はそこまでは行きませんでした。
「グリーンマイル」のように、「泣き」を期待したけど泣けなかったのは残念な点でした。

この映画の新聞広告には、クライマックスに出てくる「ある人物」については見ていない人には話さないで下さい、と書いてあったので、どんな大物が出てくるのかと思ってたのですが・・・期待しすぎました。

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ブラボー火星人
２０００

サンタバーバラの放送局で働くプロデューサー、ティム・オハラ（ジェフ・ダニエルズ）は、キャスターのブレース（エリザベス・ハーレー）と組んで仕事をしていたが、ミスで彼女を怒らせ、社長からクビにされる。その夜ティムは、飛行物体の墜落を目撃するが、残骸があるはずの現場には宇宙船の模型しか見つからなかった。ティムはその模型を家に持って帰るが、それを追って、地球人に変身した火星人（クリストファー・ロイド）が彼の車に乗り込んでいた。宇宙船が壊れてしまった火星人は、故障の原因を直すまで、ティムの家に「マーティン叔父さん」として居着くことにする。一方、政府機関も宇宙船の調査を開始していた…。

地球に来た宇宙人が、地球で体験するカルチャーギャップで笑わせるコメディです。
このテの話は珍しくはありませんが、この映画は昔のＴＶドラマのリメイクだそうで、もしかしたらそのＴＶがこのテの話の元ネタになっているのかもしれません。
物語は、特に後半が「スターマン」や「ＥＴ」で見たような展開になって新味はありませんが、マーティン（英語で火星人を「マーシャン」と呼ぶことからつけられてしまった）が巻き起こす騒動は、人間の顔が変わったり、奇妙なメカが出てきたりと、「マスク」みたいに特撮を駆使した描写で楽しませてくれます。悪人があまり出てこないのが、いかにもディズニーブランドという映画です。
宇宙人が地球に来る話ということで、「スターマン」や「ＥＴ」で見たような描写が出てきますが、そういったシーンがマジな描写だったのは物足りない感じがしました。コメデイならばもっとパロディに走ってもよかったのに。「真実はそこにある」が出てきたのは笑えましたけど。

火星人を演じるクリストファー・ロイドは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でのドクみたいな、人間ばなれしたノリのいいオヤジの役はよく似合います。
主人公に恋するカメラマン役でダリル・ハンナが出ています。この人は「スプラッシュ」と「ブレードランナー」以外はあまり印象に残っていないせいか、久々に見た感じがします。

この映画の特撮スーパーバイザーは「ジュラシック・パーク」や「スターシップ・トゥルーパーズ」でクリーチャーの動きを担当したフィル・ティペットで、彼のスタジオや「マスク」のドリームクエストなどが特撮を担当しています。そのせいか、特撮のクオリティは悪くないし、カット数は結構多い感じで、特撮シーンは十分に楽しめる形に仕上がっています。

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怪
－もののけ－

５人の若者達が好奇心で降霊会をするが、そこで彼らが霊を見た直後、１人がその場で死亡する。その後、彼らは一人一人順番に不可解な死を遂げていき、彼らに関係する人々も幽霊を見るようになる。ただ一人、降霊会を途中で降りたミンは彼の演劇学校の教師・モーと呪いの原因を突き止めようとする。ミンは、降霊会の時に本物の死体の脂を使ったことが原因だと推測するが、そこにはある村で殺された女性にまつわる根深い恨みがこめられていた…。

話で推測がつくかもしれませんが、「リング」のパクり。香港映画です。
この映画のメインで登場する女の幽霊は「リング」の貞子のように髪が長く、顔を見せません。そして這ったり、骨をバキバキ鳴らして立ち上がったり、最後には髪を分けて目を見せるとこまで、貞子にそっくりなアクションを見せます。

しかし、パクりはしょせんパクりでそれ以上にはなりません。
話は謎が謎を呼ぶような展開にはしていますが、意外性を求め過ぎた感じで、流れがスマートになりません。「リング」と同様、「何日後に死ぬ」という期限を切られる展開も出てきますが、まるでサスペンスになりません。女の幽霊は不幸な死に方をしてはいますが、貞子ほどの強い恨みは感じられない設定でした。ラストも事件が解決したのかしてないのか、うやむやな感じで終ります。
また、この映画では幽霊が何人も出てきますが、メインの女幽霊以外は、顔を白く塗りたくっただけのような、８０年代のキョンシーの頃と変わっていないように見えました。おかげで、ぎょっとさせるシーンはあるものの、怖さは感じませんでした。

この映画は「リング」の話をパクるだけでなく、「リング」での貞子のビデオ映像を一部使っています。ちゃんと角川の許可を取ったのか気になりますが、著作権に甘い香港のことだから、無断でやったような気がします。またこの映像は「怪」ではビデオの映像として登場しますが、そのビデオテープが入っている封筒に「貞子」の文字が書いてあるのには笑えました。

この作品はビデオのみのリリースですが、そのリリース元はあの怪作「呪いのビデオ」シリーズや「呪霊」を出しているブロードウェイです。ここで出すなら納得のレベルの作品です。

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６０セカンズ

ストーリーは退屈はしませんでした。しかし、キャラクターの描写がえらく薄っぺらく感じたせいか、スタッフ達の「やっつけ仕事」（リンゴじゃなくって…）を見せられたように思いました。
この映画の主人公・メンフィス（ニコラス・ケイジ）はかっては凄腕の車泥棒だったという設定ですが、彼の過去は映画では出てきません。例えばその描写をまず見せて、そこで彼の仲間も見せてくれれば、メンフィスが仲間と再会した時に、彼らのやることに期待が持てたかもしれません。
話のパターンとしては、凄腕の男が自分の子飼いのクルーを集めて大きなことをやるという「アルマゲドン」と同じ形でしょう。ただ、「アルマゲドン」は、冒頭で主人公達の石油採掘の活躍をちゃんと見せていたおかげで、隕石撃退作戦でも何かやらかしてくれると期待ができますが、前述のように、「６０セカンズ」はそんな描写もないので期待の盛り上がりもありません。

メンフィスが車を盗むのは、弟・キップが脅かされたためですが、キップは監禁とかされてるわけでもなく野放しなので、彼が危ないというような危機感もなく、そのせいか盗みの期限のリミットが迫っているのにサスペンスが全然感じられず、盛り上がらないように思いました。

予告編では、６０秒で車を盗むから「６０セカンズ」だと説明されていましたが、タイトルの「６０セカンズ」の意味が本編では何の説明もありません。おかげで、メンフィス達の車泥棒の手際は鮮やかではありますが、凄腕という驚きは感じませんでした。

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ワンダー・ボーイズ

大学で英文学を教えるグラディ（マイケル・ダグラス）はかつてベストセラーを世に出した作家だが、７年もかけている新作の小説が書けなくなってスランプに陥っていた。大学の「Wordfesta」というイベントにかこつけて、彼の編集者であるクラブツリー（ロバート・ダウニーＪｒ）がグラディの元を訪れる。グラディは彼の教え子であるジェームズ（トビー・マグワイア）のトラブルに巻き込まれ、彼らに振り回される週末を過ごすことになる…。

「Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソンが監督した作品ですが、この「ワンダー・ボーイズ」は「Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル」とは全然違い、大事件や犯罪（小さなものはあるけど）などは出てこない話です。
しかしこの映画、巧みな語り口で全く飽きさせず、「Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル」より面白いと思いました。マリリン・モンローがかって着ていたジャケットなど、一見関係無いと思える小さなエピソードを伏線にしたりする手法も上手く、後味がさわやかな作品です。
メインの出演者はマイケル・ダグラス、ヤク中から立ち直ったのか？ロバート・ダウニーＪｒとトビー・マグワイアの３人です。特に自閉症気味の作家志望の学生を演じる、トビー・マグワイアは凄い存在感を見せてくれて、主役であるはずのマイケル・ダグラスも食われ気味に見えました。

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最終絶叫計画

この映画のポスターには「スクリーム」の悪役・マスク男が出ています。実際、「スクリーム」と「ラストサマー」のパロディが目立つ作品ですが、それらの映画のシーンだけでなく、映画のストーリーもパロディにしてるのは上手いところです。
特に「スクリーム」はちゃんと第１作から３作まで、各作品のシーンがパロディにされているし、キャラの名前も主人公の名前は「シドニー」だし、他にも「ゲイル」など「スクリーム」ぽいのが出てきます。初めの犠牲者の名前が「ドリュー」なのには笑えました。「ヘザー」も出てきます。

他にも予告で流れたとおり、「シックス・センス」や「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「マトリックス」「タイタニック」なんかの映画がパロられてます。特に、エンドクレジット前でパロっている作品には驚かされました。
また、エンドクレジットが終ってからも１シーン出てきます。これもパロディだと思いますが、何の作品か思いつきませんでした。
本編が始まる前に字幕が出てきますが、これも某作品のパロディになってるのでしょう。日本の配給会社もうまいことをする、とちょっと感心しました。

話の中身はかなりお下劣な下ネタが飛び交い、「サウスパーク」のノリに近いものがあります。「オースティン・パワーズ」も下ネタは多い作品でしたが、「最終絶叫計画」はこれよりもえげつないです。この映画の下ネタ自体も、ＳＥＸやアダルトビデオのパロディのようにも思います。

この作品は、映画をいろいろ見ている人にはかなり楽しめる作品です。逆に言えば、あまり見ない人にはつらいでしょう。「マトリックス」のパロディなんて唐突に出てくるので、見てない人は混乱するかもしれません。
この映画でパロってる作品はここ５年くらいの映画が大部分と思われるので、記憶が新鮮なのもアメリカで受けた理由の一つだと思います。なので、１０年くらい経った後には誰も見ない作品かもしれません。期間限定ムービーというべきでしょうか。

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リプリー

犯罪映画？の名作「太陽がいっぱい」を、こっちも名作「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督がリメイクした作品です。
８月に横浜のそごうで開催された「淀川長治展」で、故淀川氏の「日曜洋画劇場」の解説のビデオを流していました。その中に「太陽がいっぱい」の解説があり、この中で淀川氏は、この映画が同性愛を匂わせてるのではないかと言っていました。
この解説が収録された７０年代に、既に淀川氏がそんな指摘をしていたとは初耳でしたが、それは的を得ていたようです。「リプリー」はその同性愛の部分を前面に出した作品です。

もしこの映画の舞台がアメリカにされていら、おどろおどろしい犯罪ドラマとか、何も考えていないような軽い話になったかもしれません。しかし、アンソニー・ミンゲラ監督は映画の焦点を主人公トム・リプリーの犯罪行為よりも、彼の内面に焦点を当てるように作っているし、舞台をイタリアにしたおかげで、どこか落ち着いた、しっとりとした雰囲気の作品になっています。
主人公リプリーを演じるマット・デイモン自身、どこか内向的なものを感じさせるせいか、今回の主人公には寂しさや孤独感を感じられて、役に合っていたと思います。

「太陽がいっぱい」の、ラストの大逆転は印象が強いおかげで、「リプリー」にも同じものを期待してしまいましたが、これのラストは読める展開で、意外性は感じられませんでした。しかし、主人公の哀感漂う終わり方で、映画の雰囲気には合っていると思います。

ケイト・ブランシェットの役は一見、リプリー以外とはあまり接点を持たないので関係無いように思えますが、後で彼女は結構重要な存在になります。ただ、主人公に何度も偶然に会うのは作為的な感じがしました。行動範囲がリプリー君と重なってるとはいえ、そう偶然に何度も出会いはしないって。
また、予告編に出ていた、彼女が「他人が何と言おうと気にしない」と言うシーンは本編には出てこなかったようです。

「ブギーナイツ」や「マグノリア」などで、暑苦し（失礼！）そうな印象を残す役者、フィリップ・シーモア・ホフマンが、この作品でもやはりあつかましい役で出ています。最近よく顔を見るようになってきたと思いますが、暑苦しい役はたいがいこの人て感じもしちゃいます。

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メビウス

アメリカに住むノーラ（アリソン・エリオット）とジムは、子供を祖母に会わせるため、ノーラの故郷であるアイルランドに来る。彼らを迎えたノーラの叔父ビル（クリストファー・ウォーケン）は、ノーラを母に会わせる前に、沼から引き上げた２０００年前のドルイドの魔女の死体を見せる。まったく崩れていないその死体は、ノーラが去った後に目を開け、完全な体であるノーラを求めて歩き出す。ノーラにそっくりなその魔女を、ジムは妻と思い込んでしまう・・・。

ホラーに分類される話ですが、これといって怖いシーンはないし、エキサイティングな展開があるわけでもない作品で、ビデオで十分な映画でしょう。

転生ネタの映画は何本か作られているので、大枠の話は特に目新しいものではありません。ただ、この映画で描かれる「転生」は、全く別の人間に変わってしまう事ではなく、過去の自分を捨てて新しい自分に生まれ変わるきっかけのような、人生のやり直しの意味を持たせているのは、他の転生モノの映画とは違う面白さを感じました。
他の映画と違うといえば、ケルト伝説ネタの映画というのもあまり見たことがありません。ケルトは個人的にも興味があるし、ドルイドの話と絡めるのは目新しさを感じたので、ビルが魔女の話をするシーンがこの映画で一番興味深いところでした。この魔女が復活していくシーンが、特撮関連では見どころの場面です。

クリストファー・ウォーケンはどの映画に出てもどこか常軌を逸した役柄ですが、「メビウス」も例外ではありません。重要な役だけどすぐに消えてしまうのはギャラのせいかな？

主人公と魔女の２役を演じるアリソン・エリオットは普通の人間、つまりノーラを演じている時は、ただの小奇麗なオバチャンという感じですが、魔女を演じている時は化粧が薄い？せいか、こっちの方がかわいく見えました。あまり怖くは見えませんけど。

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ソフィーの世界

ベストセラーの映画化ですが、僕は原作は読んでいません。しかしこの映画、たぶん原作の筋だけを追っただけの映画ではないかと思います。
というのも、主人公たちが何をしようとして、彼らがどういう関係なのかよく分からなかったからです。本の中のキャラクターが作者に反抗しようとする話のようなのですが、彼らがその目的のために何をやってるのか、その行動が効果的なのかがさっぱり分かりませんでした。おかげで、見ていて眠くなってしまいました。

哲学の歴史を追っていく内容ですが、その過程が整理できていないのも話が把握しにくい要因かもしれません。とはいえ、映画にはプラトンンやダビンチ、シェイクスピア(ちゃんと髪がない)など歴史上の実在の人物、あるいは赤ずきんやホームズなど、有名な物語に登場する人物がたくさん出てきて、そういったキャラクターはかなり忠実に再現されていますし、歴史的事件や場所の雰囲気もよく出ているので、そのあたりは見どころです。

またこの映画では、現代のパルテノン神殿が古代の風景に変わったり、ルネサンスの都市の全景など、過去の歴史を再現するのにデジタルＳＦＸを使っていて、出来は悪くないです。スウェーデンの映画はあまり見たことはないし、ましてや特撮なんて初めて見たと思うので、その点は興味深い部分でした。

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サイダーハウス・ルール

孤児院の院長ラーチ（マイケル・ケイン）は、引き取り先から２度も戻されてしまったホーマー（トビー・マグワイア）を孤児院で育てることにする。成長したホーマーに、ラーチは自分の右腕にしようと技術を教え込むが、ホーマーは堕胎手術を善と信じるラーチに反発するようになる。ある日ホーマーは、孤児院で堕胎手術を受けたカップルの車に乗り、孤児院を出て行く。ホーマーは男の持ち物であるリンゴ農園でリンゴの収穫の仕事につき、充実を感じる日々を過ごす。ラーチはホーマーに戻って医者の仕事を継ぐよう何度となく手紙を書くが、ホーマーは取り合わない。やがて彼は男が出征してる間に彼女（シャーリーズ・セロン）と愛し合うようになる…。

監督は名作「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や「ギルバート・グレイプ」のラッセル・ハルストレムで、今回の「サイダーハウス・ルール」もそういった暖かな作品に連なる感じの映画です。堕胎とか、扱っているネタは深刻だし、どぎついエピソードもありますが、悪人は誰もいない話で、さわやかに見れて、ラストも清々しい感動的な映画です。

マイケル・ケインはこの映画でアカデミー助演男優賞を受賞しましたが、さすがに孤児やホーマーを気遣う優しさや、堕胎で悩む（たぶん）姿をその存在感だけで見せてくれます。関係ないけど、彼みたいな人が「スチュアート・リトル」でいい人役をやれば無条件で許せます。
シャーリーズ・セロンは今回「レインディア・ゲーム」での悪女役とは違い、恋に悩む純粋な女性を演じています。この人ってどの映画でも脱いでる感じがしますが、ヌードを見せられる美人女優って結構貴重かもしれません。

この映画の話は「自分探し」の話ですが、手に職を持っているとやっぱり特というのが結論でしょう。そういうのがない人間はつらい（今の俺じゃん）。

孤児院で、引き取り手の親が孤児たちを選びに訪問してくると、孤児たちが彼らに愛想笑いをするのが、親を求める気持ちが切々と感じられて、胸をしめつけられるシーンです。

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ドグマ

アメリカ・ニュージャージーにある教会「バディ・キリスト」は、カソリック教会の許可をもらい、教会の門をくぐった者はそれまでの罪を全て許して天国へ行ける、というイベントを催すことにする。それを知った１０００年前に天国から追放され、地上で人間として過ごしていた天使バートルビー（ベン・アフレック）とロキ（マット・デイモン）は、天国へ戻るべくニュージャージーを目指す。彼らの行動が、神の定めた秩序の消滅を意味すると危惧した大天使メタトロン（アラン・リックマン）は、フツーの産婦人科の医師・ベサニーに彼らの行動を阻止するよう計らう。やがてベサニーには、女のことしか頭にない予言者２人と、空から降ってきたキリストの１３番目の使徒が合流し、ニュージャージーを目指す。

天使や使徒や神が入り乱れて、地上で騒ぎを起こすコメディ話です。なのでこの映画、キリスト教のことを分かってないと理解しにくいです。僕も「十戒」などのキリスト教ネタの映画は多少見ているし（「映画にならないと人間たちは分からないんだ」という天使のセリフには苦笑）、聖書も少しは読んだことがありますが、話に分かりにくい部分がありました。「使徒」とか出てくるから、「エヴァンゲリオン」を見てた人なら興味持がてるかもしれません。

アメリカで上映中止の運動が起きたそうですが、キリストの末裔が堕胎医だし、天使が人を殺しまくるし、キリストが黒人だと言う奴がいる等々…確かに、キリスト教をおちょくってる感じのアブない内容で、議論を呼んだという話も無理もないと思います（でもカリフォルニアなら受けそう）。
しかしこの作品は、キリスト教をコケにしている感じなものの、「神」への賛歌にはなっている映画です。「神」の存在を忘れ、宗教の体制のみを維持することに汲々とする人々を批判している作品とも言えるでしょう。これは、何もキリスト教だけに限らないかもしれません。

バートルビー＆ロキを演じるベン・アフレック＆マット・デイモンのコンビは、２人が世に出た「グットウィル・ハンティング」以来の再共演です。前半はロキ、後半はバートルビーが主役な感じで、役割分担はうまくできていますが、ベン・アフレックの方がリーダー格なせいか多少目立っています。だからポスターは彼の方が前に出てるんでしょうか。

冒頭に、この映画の内容を批判するであろう批評家たちに向けて、エクスキューズを記した字幕が出ます。結構長い文章なのですが、この文の内容自体が既にふざけたタッチで、引き込まれました。

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喜劇王

ワン（チャウ・シンチー）は普段は劇団員が誰もいない劇団の団長。映画の端役もやっているが、注文が多くていつも撮影所から追い出される。ある時ワンはキャバクラでのサービス術をホステスに教える依頼を受ける。ホステスの一人・ピュウピュウは彼をバカにするが、彼のやり方で大口の客をゲットできたことで、ワンに興味を持つ。そんな時、ふとしたことで大女優イー（カレン・モク）に役者根性をほめられたワンは、次の映画の主役に抜擢される･･･。

チャウ・シンチーの映画では、「食神」が最高傑作だと思います。この「喜劇王」でも、あの半端でなかったコメディ度を期待したのですが、今回はハズレでした。
「喜劇王」というタイトルから、売れない俳優が成功するサクセスストーリーかと想像したのですが、この映画にはそういう１本のメインの話があるわけではなく、コメディとラブストーリーとアクションと黒社会ネタをごちゃまぜにした話が結びつきもせず、個別に進行していきます。そのせいか、盛り上がるクライマックスもなく、唐突な感じで映画は終わってしまいます。
違うジャンルの話を持ってくるのは、いかにも香港ぽいパターンと言えなくもないですが、それでも個々のジャンルの話をただ並べただけで、１本の筋の通った話としてブレンドする努力をしていないのは怠慢だと思います。どうせなら１本の作品にしないで、別々の短編としてオムニバスの話にした方がまだ納得できました。
ただ、話の混ぜ具合はひどい分、個々のシーンはいいと思います。特にカレン・モクが大活躍するアクションシーンは、教会で鳩という「フェイス／オフ」のパロディですが、銃とナイフが飛び交うスピード感のあるシーンでした。実際のアクションの撮影は、あんなに一気に撮影というわけにはいかないだろうけど。

映画のラストでは、チャウ・シンチーはワンというキャラではなく、チャウ・シンチー本人として登場し、｢新年おめでとう｣と集まった大観衆にあいさつします。この映画、香港での正月用お気楽ムービーと思って見た方がいいでしょう。

エンドクレジットはＮＧ集ですが、ここが一番面白かったかもしれません。

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クワイエット・ファミリー

会社をリストラされてペンションの経営をすることになった韓国人の一家。しかし、客はなかなか現れない。運良く泊まってくれた始めての客は自殺してしまう。評判の低下を恐れた一家は死体を埋めることにするが、次に泊まったカップルも心中してしまい、またも死体を埋めることになる。こうして死体が次々に増えていく･･･。

シチューエーションは笑えるし、個々のブラックなギャグは面白いのですが、全体を通すと面白さが持続しないし、クライマックスもあまり盛り上がりません。今までの韓国映画でこういうブラックなモノが無かっただろうから話題になったのだと思いますが、面白いのはネタだけで、内容は今一つです。

「シュリ」で名演技を見せた、北朝鮮のテロリスト隊長役のチェ・ミンシクと、主人公の相棒役だったソン・ガンホが、この「クワイエット・ファミリー」では叔父甥コンビで出ています。この映画は「シュリ」の前に作られた作品ですが、「シュリ」を見た人には２人の、「シュリ」のキャラとは全然違うドタバタぶりは楽しめると思います。
ティーンエージャーの末娘を演じる女の子が、あまり表情を見せないのは「アダムス・ファミリー」のクリスティーナ・リッチのイメージを思わせました。髪型も似てるし（でもかわいい）。

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プロポーズ

ジミー（クリス・オドネル）は今の恋人アン（レニー・ゼルウィガー）と付き合って1年以上になる。彼はアンに一応、プロポーズをするが、まだ独身状態を楽しみたいジミーの気持ちを見透かした彼女は怒って、出張で海外に行ってしまう。そんな時、彼の祖父（ピーター・ユスチノフ）が急死し、その遺言を納めたビデオの中で彼は、ジミーが３０歳の誕生日の前に結婚すれば１億ドルの遺産を相続させるが、そうでなかったら遺産は１セントも渡さないと宣言する。その誕生日の日は明日に迫っていた･･･。

シチュエーションは面白いし、予告編で見た限りは笑えそうに思えた作品なのですが･･･全然笑えませんでした。長いと思うシーンもあるし、ノリの悪さを感じた作品です。

映画の舞台はサンフランシスコで、予告編でも出てきた、花嫁たちがジミーを追っかけるシーンは、坂の多いこの街では絵になる面白いシーンでした。でもジミーが、まるで追いついてくれといわんばかりにのろのろと走って、真剣さが見えないのが興ざめです。

ジミーはちゃんと恋人がいるのに、結婚したくないのはどういう理由なのかが気になりました。決まった恋人がいないプレイボーイな野郎だったら、束縛されたくないという気持も分かるけど、彼はそうではないみたいだし。生活に困っているわけでもないようです。結婚から逃げようとしているのは、実は他にも女がいるのではないかと疑いたくなります。あるいはまだ、これから他に女を作りたいという男のエゴではないかとも思います。

ジミーの元恋人として、ブルック・シールズやマライア・キャリーがチョイ役で出演していますが、ブルック・シールズは久しぶりに見た感じです（太ったような）。マライア・キャリーは演技しているとこを始めて見ました。

この映画で好感を持てたのは、アンを演じるレニー・ゼルウィガーでした。「ザ・エージェント」の時もきれいだったけど、今回は母親役じゃないせいか、「ザ・エージェント」より表情豊かでチャーミングに思いました。
またこの映画には、「ベイブ」や「グリーンマイル」に出ている名バイプレイヤー、ジェームス・クロムウェルが出ています。司祭の役ですが、ジミーがすぐにも結婚式をやれるように彼の行く先々で待機させられ、引きずり回されるポジションは笑えました。

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ファントム

ジェニーとリサの姉妹は、姉が医者として働いているスノーフィールドという町にやってくる。だが町には人が誰一人おらず、不気味な死体が数体残っているだけだった。やがで姉妹は保安官（ベン・アフレック）たち３人と合流するが、彼らもまた一人一人消えていく。一方この怪奇現象に気づいた政府は、人類以前に地球に生息していた生命体の存在を唱え、学会から追放された科学者を軍隊と共にスノーフィールドに派遣する…。

人が突然消えてしまう事件は、東スポみたいな怪しいメディアでは時々記事が載ることがあります。また、船や飛行機が消えてしまうバミューダトライアングルの話は有名ですし、第２次大戦中にアメリカが行った電磁波実験で艦船が消失したという話は、「フィラデルフィア・エクスペリメント」なんかで映画のネタにもされました。
このテのＳＦチックな怪現象のネタを扱った映画は最近あまり見ないので、人間消失現象をどう描いてくれるのか興味津々だったのですが…実はクリーチャーモノの映画です。
クリーチャーネタの映画なら、ちょっと前の「ザ・グリード」でも何百人もの人間が消えていた描写があったし、ありがちに思います。また、人間消失といえば異次元とかタイムスリップとかいうイメージが強いせいか、クリーチャーとの結び付けは強引に思いました。
原作は、スティーブン・キングに匹敵するという人気を誇るホラー作家、ディーン・Ｒ・クーンツで、この映画では脚本も書いています。しかしこの「ファントム」、前述の理由で期待外れでした。数多いキングの映像化作品にはカスが多いと言われていますが、クーンツの作品もその例を踏襲してしまうのでしょうか。

クリーチャーが出てくるのは後半ですが、この映画は後半よりも、怪現象が続く前半の方が見ものでしょう。消えた人の声が周りから聞こえたりとか、状況がつかめない不気味な雰囲気が良く出ています。欲を言えば、「トワイライトゾーン」の「誰もいなくなった町」のエピソードみたいに、人がいそうでいないような状況をもっと徹底して見せれてくれていれば、この映画はもっと怖い作品になったと思います。

科学者役で「アラビアのロレンス」とかで主役をはっていたピーター・オトゥールが久々に顔を見せますが、こういうＢ級的な作品に出るのはかわいそうな感じがします。
ベン・アフレックは主役だし、ヒーロー的な見せ場もありますが、あまり特徴のないキャラです。むしろ彼の助手として登場する、「スクリーム」シリーズに出ていたリーヴ・シュレイバーがキレた演技を見せて、こちらのキャラの方が面白さを感じました。

この映画はホラーに分類できる映画ですが、ゾーッとさせる怖さよりも、いきなり驚かせて怖がらせるシーンが多い作品なので、心臓が弱い人にはすすめられません。

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プリティ・ブライド

ＮＹに住むコラムニストのアイク（リチャード・ギア）はいつものごとくネタに詰まっていて、バーで会った男から聞いた、「花婿を捨てる花嫁」について取材もしないままに書いてしまう。ネタにされたマギー（ジュリア・ロバーツ）は新聞社に抗議し、アイクはクビにされてしまう。アイクはリベンジを狙い、「花婿を捨てる花嫁」の話が本当かどうか、マギーに近づいて確かめることにする…。

リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが組み、ゲイリー・マーシャルが監督した「プリティ・ウーマン」はラブストーリーの名作ですが、「プリティ・ブライド」はこのコンビが再び手を組んだ作品です。
ゲイリー・マーシャル監督は今回も「プリティ・ウーマン」と同様に、主人公たちの周りの人間関係を、適切な人数のキャラで面白く描き、退屈させません。
マギーが花嫁衣裳を試しに着た時、アイクが平気な振りをしていていながら、実は見とれていたおかげで新聞を逆さに持ってしまっていたことに気づかない、みたいな細かい描写が上手く、監督の職人芸を感じます。
「プリティ・ウーマン」の時の続きのように、今回もジュリアとギアは息が合っています。やはりジュリアは表情豊かなラブコメが似合います。
「プリティ・ウーマン」ではもう一人、ホテルの支配人を演じていたヘクター・エリゾントもあの映画で有名になりましたが、彼も今回、アイクの同僚の記者の役で出演しており、やはりいい人の役です。

エンドクレジットでは、本編での主人公たちのシーンがダイジェストみたいに流れますが、観客にハッピーになって帰ってもらおうという意図のように思いました。

気になったのは、結婚式でのマギーの行動です。伏線みたいなものがないので、それが起こるかもしれないというサスペンスにもならなくて、唐突すぎます。他の出来は文句ないのに、その１点だけが気になりました。

この映画の話は、アイクとマギーがお互い、そして本当の自分を知っていって、運命の人だと思う話といえるでしょう。しかし「運命の人」という考え方自体がハリウッドが生んだ幻想、あるいは願望のように思います。そんなに簡単に「ビビビ」なんてなるもんかなあ？

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アンドリューＮＤＲ１１４

そう遠くない未来、マーティン家に最新型の家事用ロボット・ＮＤＲ１１４（ロビン・ウィリアムス）がやってくる。２人の娘たちは「アンドリュー」と名づけられた彼を気味悪がるが、アンドリューが自ら壊してしまった末娘アマンダの宝物を直したことから、父親リチャード（サム・ニール）は彼の「ユニーク」な才能を伸ばそうと決意する。それは、アンドリューが人間へと目覚めていく２００年に渡る旅の始まりだった。

ロボットの話ではありますが、人間になりたいアンドリューを通して、人間の素晴らしさを描く作品です。
人間に仕えるロボットの話といえば、「トワイライトゾーン」のエピソードで、ロボットのお手伝いを描いた「I sing body electric」（日本のサブタイトル忘れ）という話がありました。これはロボットという特性をうまく生かした名作でしたが、これのように、ロボット独自の機能を生かした話の方が良かったと思います。アンドリューが人間になり切るため最後にした、究極とも思える選択に暗さを感じたせいか、そんなことを思ってしまいました。

リチャードはアンドリューの才能を見ぬき、伸ばそうとします。子育てではよく、子供の得意なものを見つけて伸ばすといいといわれるように、この映画は教育もテーマになっているようです。いわば主人のリチャードが父親のような役割ですが、彼に男の子がいなかったのが影響してるようにも思います。

アンドリューは初めはロボットの体ですが、人間性に目覚めていくにつれ、徐々に顔に表情がついたり、人間の皮膚を手に入れたりして、外見がどんどん人間に近くなっていきます。人間の体になっている時はもちろんロビン・ウィリアムスが演技していますが、ロボットの体の時でも、彼自身がロボットのスーツに入って演技をしているのは感心しました。普通なら、生の役者の顔は見えないから別の役者が演技をするところですが、こうすれば顔が見えない時と見えている時ともに演技の統一感が出るでしょう。初期の「仮面ライダー」で藤岡弘がライダーのマスクをかぶっていた話を思い出しました。

この映画はアイザック・アシモフの小説を元にしているせいか、彼の提唱する「ロボット３原則」がちゃんと出てきます。これが言われ出してからもう何１０年も経っているせいか、どこか懐かしさを感じました。ただこの「ロボット３原則」自体は、今後もし現実にこういったヒューマノイド型ロボットが作られるなら、スタンダードにすべき原則でしょう。

人間になりたいロボット（アンドロイド）といえば、「新スター・トレック」のデータがいます。「アンドリューＮＤＲ１１４」ではアンドリューがジョークを言うシーンがありますか、データも同じようなことをしたことがありました。また、データは「感情チップ」で感情を持つようになりますが、同じような設定が「アンドリューＮＤＲ１１４」にもあります。原作の小説は「新スター・トレック」より前に書かれているので、データの設定に影響を与えたかもしれません。

この映画の舞台はサンフランシスコですが、未来になってもゴールデンゲートブリッジや博物館などの風景は今とほとんど変わってなかったり、古い市庁舎の建物はそのまま残していて、隣に裁判所の大きな建物が建っているといった、現在の風景の延長であるのは本当らしく見えます。
それに対して、小道具類の設定には疑問を感じる個所がありました。例えば、アンドリューが調べ物をする時に本を見ていたり、マーティンが今と変わらないような新聞を読んでいる描写が出てきます。こういう未来の時代なら、ネットで調べる方が合理的に思うし、新聞を読むのもディスプレイになっているでしょう。レトロな感じを狙ったのかもしれませんが、ただ古臭いだけの描写に見えました。

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悪いことしましョ！

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インビジブル

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Ｕ－５７１

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キッド

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ブラボー火星人 ２０００

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怪 －もののけ－

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６０セカンズ

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ワンダー・ボーイズ

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最終絶叫計画

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リプリー

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メビウス

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ソフィーの世界

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サイダーハウス・ルール

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ドグマ

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喜劇王

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