監　　視

サベイランス

天才プログラマーのマイロ（ライアン・フィリップ）はコンピューター業界の大手、ナーブ社に誘われる。ナーブ社は全世界を結ぶ画期的な通信網「シナプス」を数カ月後に完成させると公約していて、マイロはそこの社長、ゲーリー（ティム・ロビンス）にシナプスを完成させるために必要だと説得される。ソースコードを公開しないナーブに反感を持つ友人テッドの反対を振り切ってマイロはナーブに入るが、その後テッドが殺される。彼の死にナーブの関連を疑ったマイロは、この会社の恐るべき秘密を知る・・・。

サブタイトルに「監視」と付いているので「エネミー・オブ・アメリカ」みたいな話と思うかもしれませんが、この映画は個人の監視や世界制覇とかいう点にはあまり重きを置いてはいません。むしろ、個人の才能を利用しようとする大企業と、そうはさせまいと天才が抵抗する話で、いわば個人VS大企業という古典的なパターンの話です。
企業が個人を監視するのに人手を使ったり、忍び込んだりとか、アナログチックな描写が多いのも古典的な感じがします。
また、この映画の原題「Antitrust」は「不信（信用できない）」というような意味ですが、このタイトル通り、味方だと思っていた人間が実は敵だった、というエピソードがあり、これも古典的なネタでしょう。
こういった、今まであるパターンの展開は分かりやすいかもしれませんが、泥臭い感じもします。現在ならネットを利用して監視するとか、ウィルスを使うとか、もっとスマートにできるように思います（この点では「ソードフィシュ」の方が上手）。もっとも、「エネミー・オブ・アメリカ」で既にそういったテを使っているので、差別化しようと、わざとアナログ的な話にしたのかもしれません。

個人VS大企業という形は、この映画では、利益のためにソースコードを秘匿する大企業と、公開するべきだと主張する若者、という対立構造にされています。これってどうもマイクロソフトを批判し、リナックスを礼讃しているように見えますが、今っぽい感じはします。

ティム・ロビンス演じるゲーリーは冒頭、ポロシャツ姿で講演しているという、ビル・ゲイツヲ彷佛させるイメージで登場します。湖畔に家を持ってるし、会社の敷地が広くてカートで回るのも、それを連想させます。ただしこの映画では、マイクロソフトやサンも他にちゃんと存在してる世界なのですが。

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アクシデンタル・スパイ

「ラッシュアワー」のヒット以来、ジャッキー・チェンはハリウッドでの活躍が目立つ感じで、もう香港映画には戻ってこないのかと思っていましたが、故郷を見捨ててはいなかったようです。
香港のジャッキー映画のトレードマークとも言うべき（それだけとは限らないけど）、ゴールデンハーベストのマークが出たら、うれしくなりました。

ハリウッドではアクションの制約がきびしいので香港で映画を撮った、とジャッキーが語ったそうですが、その言葉通り、この作品でのジャッキーは高層クレーンを渡ったり、ビルからビルへ飛び移ったり、高い橋から落下したりなど、ハリウッド製ジャッキームービー以上に危険に見えるアクションを次から次へと見せてくれてます。
また、そういった命がけと思えるほどではないシーンでも、市場やサウナ風呂など、場所を上手く使ったアクションは笑わせてくれます。

お話の方は、一市民が巨大な陰謀に巻き込まれていく、ジャッキーの映画ではよくあるパターンで、相変わらずご都合主義な展開です。また、ジャッキー演じるキャラクターは正義感が強く、悪には敏感という、これも相変わらずのパターンです。まあこういった設定は、アクションを見せるためと割り切って見るべきでしょう。

今回の作品は香港だけでなく、韓国やトルコを舞台にした大掛かりなスケール（ジャッキーの映画ではこれもよくあるパターンだけど）ですが、これは単に映画を大作に見せたいだけでなく、ジャッキーに中国語が通じない地域で活躍させることで、なるべく彼に英語を話させて、世界中で上映できるようにしようという目的もあるように思います。

日本のドラマ（バラエティからは消えたのか？）で活躍中のビビアン・スーが出ていますが、途中であっけなく消えてしまう、チョイ役ぽい扱いです。スケジュールが合わなかったのかな？

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リベラ・メ

釜山の消防士たちが放火魔の起こす火事と戦う、韓国版「バックドラフト」と言いたくなる作品です。

「バックドラフト」の火災シーンはかなりの迫力がありましたが、その点はこの「リベラ・メ」も負けてはいません。炎の大爆発のシーンの凄さだけでも、映画館で見る価値がある作品です。
これが日本映画だったら大爆発は１回で終るところ（それがクライマックスになるだろうけど）でしょうが、この映画は１回などでは済ませないサービス？を見せてくれます。

とはいえ、肝心の話に関しては、説明不足と思える雑な部分が目立ちました。
特に、キャラクターが多いくせに描き分けが十分でなく、消火シーンではほとんど全員ヘルメット姿になってしまうので余計に誰が誰だか分からなくなります。
また、彼らキャラ同士の関係の説明も足りなくて、例えば主人公の消防士サンウとミンソン（キム・キュリ）が何らかの関係にあったと匂わされるのですが、ちゃんと説明されません。
放火犯はサイコな人という設定にしてありますが、それにしても放火の動機がよく分かりません。特にクライマックスのやつは。サイコな人間だから何でもやる、というのはあまりに説得力が無さ過ぎます。
シナリオを整理しないまま、火災の迫力だけで映画を作ってしまえ、という中途半端にイケイケで作ってしまったように見える作品です。

宣伝では、ウリである炎のシーンにはCGを使っていないと言ってますが、CGでなければ作れないと思われる形の炎が出てきたり、エッジが出てしまったように見える合成シーンがあって、CGを使ってないということは信じられません。大体、CG使った方が安全だし。

この映画には犯人側の絡みでサイコな人達が登場しますが、子供に関する描写で、ハリウッドではできないだろうと思える残虐なシーンが出てきます。さすがは子供にも容赦はしないアジア映画。

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怪獣大決戦
ヤンガリー

キャンベル博士は巨大恐竜の骨を発掘するが、現場では死亡者が続出していた。そこに行方不明となっていたキャンベルの恩師ヒューズ博士が現れ、「ヤンガリーを起こすな」と警告するが、欲にかられたキャンベルは無視する。同じ頃、地球附近に突如エイリアンの宇宙船が出現し、ヤンガリーの骨は「成長」し始める。

「ヤンガリー」は６０年代に韓国で作られた怪獣映画で、この作品はそれのリメイクのようです。
ただし今回は舞台をアメリカにして、出演者も（少なくともセリフのある役は）全てアメリカ人になっていて、一見するとハリウッドムービーに思えます。エンドクレッジットで韓国人の名前が多く出ることで、ようやくこの映画が韓国製だと分かります。
古代怪獣ヤンガリー、そして戦闘ヘリやF１６といった現用兵器だけではなく、この映画にはさらに宇宙人やら飛行パックで飛ぶ部隊（ロトのCMで中居クンが着けて飛んでるようなやつ）やらが出てきて、SF的なネタをいっぱいぶち込んだ感じです。見ていて楽しいのですが、まとまりはなく、いかにもB級的な作品です。真剣な突っ込みなんぞは入れないで、大らかな気持ちで見るべき作品でしょう。

ヤンガリーはほぼ全カット、フルCGで作られていると思います。宇宙船や戦闘ヘリとか、他にもCGと思えるカットはかなり多く、その努力は大したものですが、ヤンガリーの質感がCGに見えるカットが多く、クオリティはまだアメリカ版「ゴジラ」のようなハリウッド怪獣映画には及びません。

エンディングでは日本語の歌が流れます。配給会社が差し替えたのだと思いますがこの歌、「ヤンガリー！ヤンガリー！」の合いの手が妙に耳にこびりつく、インパクトのある歌になってます。

それにしても、ヤンガリーとゴジラの違いって何・・・？

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エボリューション

地球に落ちてきた奇妙な隕石を発見した民間人たちが、その中から急激に進化していく生命体の侵略を食い止めようと奮闘する話です。

監督は「ゴーストバスターズ」のアイバン・ライトマンなので、「ゴーストバスターズ」怪獣版という話になるかと予想していたのですが、まさにその通りでした。
キャラクターの配置も「ゴーストバスターズ」と似たようなもので、未知のクリ－チャーと戦う民間人グループの行動が正しく、軍隊（役所）はバカというパターンになっています。
良くも悪くも話は「調子良く」進んで、軽く楽しめる作品です。

主人公アイラ教授を演じるデビッド・デュカブニーは「Xファイル」から引退？したと思ったのに今回も、役柄は科学者だけど、「Xファイル」と同じく未知の出来事に対峙する役で、引退してもあまり代わり映えがしない感じです。調査をしているシーンなんてモルダーに見えてしまいます。
ジュリアン・ムーアは科学者にはあまり見えませんが、「ハンニバル」でのクラリス役よりも、茶目っ気があって可愛く見えました。

クリーチャーが多数登場するだけに、種々の奇妙な生物のデザインはこの映画の一番の見物でしょう。後半では予告でも出てこない形態に進化して驚かせてくれます。しかしクライマックスでの進化体は、見せ方は迫力あるものの、デザインはかなり平板でがっかりでした。
特撮をメインで担当したのは、「スターシップ・トルーパーズ」で数千のクリーチャーを動かしたティペット・スタジオだけに、その動きはリアルです。クリーチャーは、もちろんほとんどがCGで作られていますが、そうでなければ多大な予算がかかってしまうでしょう。

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ソードフィッシュ

スタンリー（ヒュー・ジャックマン）は凄腕のハッカーだったが、刑事（ドン・チードル）に捕まり、服役後、最愛の娘との別居を余儀無くされていた。そんな彼の元にミニスカで色気を撒き散らす美女、ジンジャー（ハル・ベリー）がボスに会ってほしいと頼みに来る。彼は娘に会うための裁判費用目当てに依頼を引き受けるが、その相手・ガブリエル（ジョン・トラボルタ）は会ったとたんにスタンリーの頭に銃を突き付ける。「６０秒以内に国防総省のコンピューターに侵入しないと死ぬぞ！」

宣伝文句で「ミスディレクション（錯覚）」という言葉を使っています。聞こえはいいけど、要は昔からある、観客を上手くあざむくパターンの作品です。全てのシーンにミスディレクションが含まれている、というほど大げさな作品ではありません（もし本当にそうなら、見分けようと思ったりするとえらく疲れる）。

冒頭、ガブリエルが「狼たちの午後」（映画マニアでもない限り分からんぞ）の話を普通にしているようで、実は普通でない状況であると段々分かっていく見せ方には面白さを感じました。その後の大爆発シーンで一気に観客を話に引き込んでしまう構成は上手いものです。
それに中盤と後半での大アクションシーンも状況設定が独特で、迫力があります。

ガブリエルたちの目的はとってつけたような感じがしたのですが、大きい善を成すためには少し？の悪を成すのも仕方の無いこと、というのは、どこかアメリカが他国に対してやっている政策を思わせ、開き直りのように取れました。

犯人グループのメンバー各々のつながりや背景などの説明は映画には出てきませんが、展開がスピーディーなのであまり気にならなりませんでした。ジョン・トラボルタの存在感だけでキャラクターが納得させられた感じです。
その極悪非道の役を演じるトラボルタは「ブロークン・アロー」や「フェイス／オフ」の悪役をもっと狂わせたようなキャラで、楽しそうに演じて見えます。

監督は「６０セカンズ」のドミニク・セナ。この映画は「６０セカンズ」から主人公たちの背景説明を抜かしてもっと悪逆非道にしたような映画ですが、こちらの方が面倒な情など絡まない分ストレートに楽しめます。

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山の郵便配達

中国の山の中にある奥地の村々に郵便を配達して回っている老人は、息子に仕事を譲ることになった。息子が初めて配達に発つ日、連れて歩いていた犬の「次男坊」がどうしても父の元を離れようとせず、父はやむなく息子についていくことにする。それは仕事一筋であまり親密でなかった父と子が、初めて向かい合う旅となる。

テンポはゆっくりめで、前半は眠くなりました。しかし、父子が配達先の人に出会ってから小さなドラマが始まり、興味深くなっていきます。またゆったりに見える話の中で、たまに急展開するシーンもあって、演出に上手くメリハリがつけられています。
山中、あるいは田んぼや川など、どこか日本の田舎を思わせる景色をバックにした撮影はきれいで、蝶？や赤トンボの乱舞が出てくるのは、懐かしい感じがします。

父と子が初めて一緒に旅？をしながら、父親は息子の姿に若い頃の自分を回想し、息子は父と配達先の人々との触れ合いを見ることで、全く知らなかった父の一面を知る、といった分かり合いを描く一方、情を大切にする父親と合理的な考えを持つ息子のギャップもちゃんと描いていて、父子があまり親密にはならないのはリアルに思えました。
この、かえって抑制が効いた関係のおかげで、映画の最後の方は静かな感動をもたらしてくれます。これがハリウッド映画だったら、ラストはベタベタになり、クサいものになってたかもしれません。
今年頭にヒットして、なおロングラン中の「初恋のきた道」（「Milky Video Channel」でもお取り上げ！）も父の生き方をなぞるようなシーンがありました。こう見ると、中国では父親の存在感が強いのでしょうか。

父子に付いていく犬「次男坊」は初めは単なるお供に見えるのが、話が進むにしたがってスーパードッグであることが分かってきます。またこの犬は第３のキャラクターといってもいい重要な役割を担っていて、単なるペット以上に話に生かされています。

話の設定は１９８０年代初めとなっているし、この仕事自体は本当に存在するのか知りませんが、これほどの奥地に郵便を配達するとなると、たとえバス道が多少あるとしても、今でもこの仕事があるのではないかと思います。ヘリで郵便を運ぶテもあると思いますが、金かかりそう…。

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クローン

２１世紀半ば、人類は侵略者ケンタウリ星人と戦争状態にあり、その地球攻撃から逃れるためにドーム都市で生活をしていた。新兵器開発担当のスペンサー（ゲーリー・シニーズ）は突然逮捕され、治安局の男（ビンセント・ドノフォリオ）に、スペンサーがケンタウリ人によって兵器にされたクローンだと言われ、殺されそうになる。彼らの隙をついて逃げ出したスペンサーはドームの外に逃れる…。

偽者か本物か、アイデンテティーが分からない話は、「ボディ・スナッチャー」や「遊星からの物体Ｘ」など、SFではちょくちょく出ているので、ネタ自体には新味はありません。
ただし、ある時点で本当のクローンは誰なのかが明かされますが、ちょっとひねった見せ方には面白さを感じました。また話自体もテンポ良く進んでくれるので退屈はしませんでした。

ゲーリー・シニーズやマデリン・ストウといった、そこそこ有名な俳優の出ている未来SFは近年少なく、たぶん「スターシップ・トゥルーパーズ」以来のように思います（「バトルフィールド・アース」は無視）。
異星人と戦闘をしているという設定も、「スターシップ・トゥルーパーズ」を思わせますが、ちょこっと出てくる戦闘描写にこの映画を使い回してるように思えたシーンがありました。
とはいえSF好きな僕にとっては、こういう未来描写や宇宙戦闘シーンは本編では短いものの、うれしいものでした。話には必要ありませんが、ケンタウリ人てどんな姿をしてるのか見たくなりました。

映画のほとんどはドーム都市の地下とか、外の荒廃した市外とかのライブ（スタジオ？）シーンなので、特撮シーンはそんなにいっぱいはありません。未来都市の描写は、「ブレードランナー」や「スター・トレック」を合わせたような感じで新味はありませが、ILMが手がけているだけあって、クオリティは良いものに仕上がっています。特撮で一番興味を引かれた箇所は、スペンサーの身体データを照合するシーンで、「インビジブル」で見られた内蔵描写をSFぽく色づけした感じです。

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キャッツ＆ドッグス

遥かエジプト文明の昔より、犬族と猫族は人間たちの陰で密かに戦ってきた。そして今、アメリカの郊外に住むブロディ教授が発明中の薬品が犬族の覇権を決定的にしようとしていた。その薬をめぐり、平凡な一軒家は犬猫エージェント達の壮絶なバトルゾーンと化す！

地下に彼らの秘密基地があるなど（しかも人間以上のハイテク！）、００７シリーズや「ミッション・インポッシブル」のパロディが笑えます。
話の方も展開がハイペースで楽しく、冒頭の追っかけシーンから大いに笑えて、最後まで飽きさせません。
特に犬や猫たちのコミカルな動きや表情が笑わせてくれて、これはもちろんＣＧとアニマトロニクスといった特撮によるものです。この作品の特撮はリズム＆ヒューズとジム・ヘンソン・クリーチャーショップが担当していますが、これは「ベイブ」の時のコンビです。
「ベイブ」は動物を人間のようにしゃべらせるだけ（当時はそれでも凄かった）でしたが、今回は口を動かすだけでなく、動物に人間のような表情やアクションをさせて、よりグレードアップした技術を見せています。
今回はさらに、無敵？の刺客・ロシア猫の動きでティペット・スタジオが参加するという、ハリウッドのトップクラスの特撮スタジオが３社参加という豪華な布陣になっています。

人間側の役者で有名どころの俳優は、主人公の男の子の父親で、犬族存亡の鍵を握る博士を演じているジェフ・ゴールドブラムです。この人は「ジュラシック・パーク」や「インデペンデンス・デイ」など、人間が主役になれない映画になると呼ばれる感じがします。また彼の妻の役に「フリンストーン」第１作に出演のエリザベス・パーキンズが出ています。

目に見える人間以上に、動物の声を演じる俳優陣は豪華です。主人公のビークル犬ルーに「サイダーハウス・ルール」のトビー・マグワイア、そして「ファイナルファンタジー」に引き続きで声優づいてる感じのアレック・ボールドウィン、「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドン（こういう分かりやすいエンターテイメントに出るとは以外）、「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカンなんかが犬族の声をアテています。

特撮や声の役者も良いのですが、主役はやはり生身のかわいいペットたちでしょう。これを見るとビーグル犬が欲しくなる！

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コレリ大尉のマンドリン

第２次大戦中、地中海に浮かぶケファロニア島。長きにわたり、地震以外に災厄とは無縁だったこの島にイタリア軍とドイツ軍が進駐します。島の医師イアンニス（ジョン・ハート）の家に泊まることになった、マンドリンを背負ったコレリ大尉（ニコラス・ケイジ）はイアンニスの美しい娘ペラギア（ペネロペ・クルス）を好きになり、初めはかたくなだった彼女も徐々にコレリに好意を抱きます。しかし、イタリアが連合軍に降伏したことで、ドイツ軍との関係が悪化していきます…。

イタリア軍とドイツ軍が戦ってしまう悲劇を背景にした話ですが、同盟軍だったはずの２つの軍が銃を向け合う話は初めて知ったので、歴史的な興味は引かれた作品でした。
だだし、戦争に絡んだ内容のせいか、見ていて辛くなるシーンがいくつかあり、見た後の気分はいいものではありませんでした。

おすぎがＣＭでこの映画を誉めていました。彼は「フィールド・オブ・ドリームス」や「シュリ」といった傑作をちゃんと誉めていたので、ちょっと信用していましたが、今回はどこがいいのか僕には理解できませんでした。
ラストシーンが彼には良かったのかもしれませんが、僕にはあまり劇的ではなく、取ってつけたような感じがして、感動もありません。

監督のジョン・マッデンは「恋に落ちたシェイクスピア」の監督です。今回の話も全体的に退屈はしませんでしたが、「恋に…」と同様に強引と思える展開があって、この監督の映画は肌に合わないように思えてきました。

主人公のカップルであるニコラス・ケイジとペネロペ・クルスは悪くありません。
しかし俳優陣で一番印象に残るのは、ペタギアの父親役のジョン・ハートです。一見頑固に見えながら、娘の思いを理解し、受け止める父親をいい味出して演じています。

この映画で話される言葉は英語です。しかし舞台がギリシャだし、イタリア軍が多いということは、本当ならばこの地方の言葉（何語か分かりませんが）やイタリア語が使われていたはずで、ハリウッド映画であればいつものことながら、変な感じがします。

「感動作」というわりにはあまり長く上映されませんでしたが、それも納得の作品です。

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トゥームレイダー

世界的に大人気のゲーム「トゥームレイダー」の映画化です。
このゲームは、女性盗掘？家ララ・クロフトが遺跡を巡り、超自然的な現象を乗り越えてお宝を手にしていくアクションゲームです。
ゲームがアクションものなので、映画の一番のウリもやはりアクションでしょう。その点、この映画でのララ・クロフトが巻き込まれる数々のアクションシーンは速くて迫力があり、その意味ではこの映画は成功でしょう。
主人公ララ・クロフトを演じるのは「６０セカンズ」や「１７才のカルテ」のアンジェリーナ・ジョリーですが、彼女のアクションはかっこよく決まっています。格闘だけでなく、ロープを上手く使ったり、アクションの見せ方に工夫が感じられます。
この作品はアクションだけでなく、「インディ・ジョーンズ」のような（「トゥームレイダー」自体、「インディ・ジョーンズ」の女性版という発想でしょう）遺跡で発動する超自然的現象もウリですが、その特撮も迫力があります。特に石像が動くシーンは、かつてレイ・ハリーハウゼンが「シンドバッド」でやったシヴァ神のダイナメーションを、CGを使って現代的に表現（オマージュ）した感じがしました。遺跡と超自然現象といえば、コミック「スプリガン」を思い出すのですが、こんな感じで実写を見たいと思います。
この石像が動くシーンの外景や関連のシーンはハリウッド初のカンボジアロケで撮影されたそうですが、本当の遺跡で撮っているだけあって、それらしい雰囲気が出ています。

アクションと特撮は迫力があっていいのですが、お話は調子よすぎるし、深みはありません。この点はゲームも同じではないかと思います。ま、この映画はアクションと特撮を見せる作品なので仕方のないことでしょう。時間ネタということで、見てるうちにラストの予想もついてしまいました。

ゲームの実写化というと、「ストリートファイター」や「スーパーマリオ」など、駄作ばかりを思い浮かべます。「トゥームレイダー」も完璧な作品とはいえませんが、この２作品よりはまだ映画として見れます。

アンジェリーナ・ジョリーと、ララの父親を演じるジョン・ボイドは本当の親子で、この作品では本当の親子共演をしています。でも大胆不敵なことをやるララに、ファザコンは似合わない感じがしました。

映画の原題は「ララ・クロフト：トゥームレイダー」となっています。「トゥームレイダー」だけでなく「ララ・クロフト」とわざわざ付けているのは、シリーズ化を意識しているように思います。次は自分の過去から離れた彼女の冒険を見てみたいです。

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ロック・ユー！

中世、ジョースティング（馬上槍試合）と呼ばれる決闘試合。試合中に亡くなってしまった主人に代わり、従者である　（ヒース・レジャー）は兜で顔が分からないのをいいことに出場し、優勝してしまう。騎士しか出場を許されないジョースティングに平民の彼は同じ従者である　と　を説得し、騎士と偽って出場していく。彼は勝ち進んでいく試合の中で美しい姫に恋をするが、彼女にはアマダーというジョースティングの名手が結婚を迫っていた。

身分を超えようとがんばる若者の話で、テンポは良すぎるくらい調子がいいし、クライマックスは大いに盛り上がり、気持ち良く見終われる作品です。
この作品の一番のウリは、力と力のぶつかり合いともいうべきジョースティングのシーンでしょう。この映画の上手いところは、その試合をウェーブやフェイスペイント、選手のプロフィールの口上など、現代のサッカーやプロレスのノリで描いている点です。ナイキのようなマークが出てくるのもニヤリとさせられます。
たぶん史実とは違うかもしれませんが、こういう描写のおかげでこの昔の話が、観客に身近な話として受け入れられることに成功していると思います。
アメリカでは、このジョースティングを再現してショウとして見せているレストランがあるそうで、それがこの映画の発案になったかもしれません。

がんばる主人公に友人たちに、卑怯なライバル、それに美しいお姫様、と一見パターンなキャラ設定ではありますが、主人公のがんばりの理由をちゃんと描いているし、味方が次々と登場する展開は都合良すぎる感じはするものの、彼らがボヤきながらもちゃんと協力する姿は見ていて気持ちがよく、共に主人公を応援する気持ちになります。
ただ一部、主人公の行動に疑問を感じて同情できない箇所がありました。恋のためとはいえなぁ・・・。

映画の原題は「A Knight's Tale」＝「ある騎士の話」という何の変哲もないタイトルです。
ここ数年公開される洋画のタイトルは、原題をカタカナに直しただけでパッとしないのものが多いですが、「ロック・ユー！」の場合は、日本のタイトルの方が聞こえがいいように思います。
このタイトルはオープニングで使われている有名な曲「We Will Rock You」から取ったものだと思いますが、平民の身分を「揺り動かす」この物語にはぴったりの曲です。また、エンディングに使われる「We are the Champion」も有名な曲ですが、爽快なラストシーンにぴたりと合っていました。

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ドラキュリア

英国の博物館の奥深くに封印されていたドラキュラが、お宝を狙って押し入った強盗団により復活してしまう話です。
「ドラキュラ」の原作に描かれているという三人の女のしもべは出てくるし、宿敵ヘルシングは深く関わってるし、１８世紀のシーンはあるしで、コッポラ版「ドラキュラ」のようなクラシックスタイルのドラキュラ映画が好きな人は必見の作品でしょう。

それだけでなく、この映画は数あるドラキュラ映画の中でもユニークな点があります。それはドラキュラに「正体」というべき、別のアイデンテティーを持たせている所です。
「ドラキュラが十字架を嫌う」という性格？は、ドラキュラはそういうものだと思われていたのか、長い間誰も疑問を呈していなかったようですが、この作品ではそれにある理由を出しています。
ドラキュラの「業」を思わせるこの解釈は「哀しさ」も漂わせ、この作品に単なる化物映画以上の深みを与えています。

製作総指揮は「スクリーム」シリーズの監督をしてきたウェス・クレイブンです。「スクリーム」の快調なテンポを思わせるヴァンパイア達のハイペースなアクションと、深みのあるバックグラウンドがうまく融合して、「スクリーム」以上の貫禄が感じられた映画でした。

この作品のキャッチコピーである「我が名は、裏切り」は、これで見に行こうと思う人がいるか疑問のコピーではありますが、ドラキュラの「正体」を的確に言い表していて、カンのいい人はこの文で分かってしまうかもしれません。

ドラキュラ役のジェラード・バトラーは聞いたことのない人ですが、美形でかっこよく、「暗闇の貴公子」といった存在感を見せてくれます。女性が簡単になびいてしまうのもこの外見なら納得です。
この映画で一番有名であろう役者は、ヘルシング教授役のクリストファー・プラマーでしょう。この人は若い時代の「サウンド・オブ・ミュージック」のﾌ印象が強いのですが、ここ数年は悪役もやっていたりして、怪しげな秘密も持つ、老いた吸血鬼ハンターのキャラに上手くハマっています。
他に有名どころの役者では、「BROTHER」で印象的だったオマー・エプスが、ヴァンパイアにされる役で出ています。日本向けの映画だけｯでなく、ちゃんとハリウッド映画で仕事をしてるワケだ。
３人の女のしもべを演じるねーちゃん達は有名な女優ではありませんが、全員美人で楽しませてくれて、彼女らもみどころの一つです。

この作品の原題は「ドラキュラ２０００」です。ドラキュラの名前は字幕では「ドラキュリア」にされていますが、実際のセリフでは「ドラキュラ」と言っているようです。別に「ドラキュラ２０００」のタイトルでもいいように思うのですが、配給会社がこれでは日本で受けないと思ったのでしょうか。

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ブリジット　ジョーンズの日記

３２歳の誕生日を例によって男無しで迎えたブリジット（レニ－・ゼルウィガー）は、例年通り母親から男を紹介されるが、やはり例によって彼女のタイプではなかった。早く男をゲットしないといずれ「アパートで孤独死して犬に食われる」と思っているブリジットは、禁酒と禁煙の誓いを立て日記をつけ出す。そんな時、彼女の最も嫌っていたタイプの上司（ヒュー・グラント）から食事を誘われる。

ブリジットはごく普通のイギリス人ＯＬで、特定の男はいませんが、寄ってくる男は何人かいます。
しかし相手がいる女性より、相手がいない、あるいは見つからない女性（男性も）の方が圧倒的に多いのが現実です。それを思うと、作品のタイトルは「日記」なものの、普通の日常がこんなにドラマティックであるわけはなく、やはり「映画」です。ま、映画にする以上、観客が退屈しないようにお話を作らなければいけないので、しょうがないとは思います。

主人公は結婚願望のある独身女性だし、モノローグもあるし、悲しいシーンにはそれっぽい歌が流れるし、この作品、ＴＶドラマ「アリーＭｙラブ」とかなり似ている映画です。「アリーＭｙラブ」との違いは、アリーのキャリアと仕事の方が華々しいのと、彼女はまだ３０代にはなっていない（ほとんど変らんだろうけど）くらいでしょうか。
ただし「アリーＭｙラブ」では、アリーが仕事をしている部分をちゃんと描いています。仕事というのは生活時間の大部分を占めている出来事ですから、これをきちっと描くことで彼女の日々の悩みや不満がクローズアップされ、見てる人が（男であっても）彼女に感情移入できることになるので、これは重要な要素です。
この「ブリジット　ジョーンズ」でも、ブリジットの仕事に関する悩みの描写はありますが、軽くしか触れられていません。おかげで彼女の仕事での不満が切実に感じられず、どこか空虚な感じがしました。
「アリーＭｙラブ」と「ブリジット　ジョーンズ」を比べるのは、ＴＶと映画という別のメディアで筋違いかもしれませんが、尺を多少長くしても「ブリジット　ジョーンズ」は、シナリオを考えて欲しかったと思います。

ブリジット役のレニ－・ゼルウィガーの、小豚ちゃんのごとく太った体型には、よくここまでやったと驚かされます。ヌードは見せないけど、それ以上に恥ずかしいかもしれない、ケツ丸出しの姿（吹き替えかも）を見せるし、他にも彼女の肌の露出度は本編中結構高くなっています。しかしその太り方が、腹は出てるけど顔や足首の方がそんなに太って見えない感じのおかげか、体型が嫌味に見えないのでラブシーンは決まってます。
しかし、これの宣伝のために来日した時のインタビューではレニ－・ゼルウィガーは以前の通り痩せていたので、よくちゃんと戻したものだとまた驚きでした。

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ＹＡＭＡＫＡＳＩ
ヤマカシ

まだ見ていない人

「ＴＡＸｉ」でのニンジャ役で、迫力あるアクションを見せたストリートパフォーマーグループ「ヤマカシ」に惹かれたリュック・ベッソンが、彼らを主役にすえた映画を作りました。
さすがにウリである、ヤマカシ達の飛ぶ！登る！返る！アクションは驚きで、本当はワイヤーで吊ってるのではないか！？と疑ってしまうほどです。

話はこんなのありか？というご都合的な展開ですが、アクションを生かすためにはそういう筋立ても仕方ないところでしょう。ただ、クライマックスがおとなしい感じがしたので、最後の大逆転アクション、が欲しかったように思いました。

この作品の前に公開された、同じリュック・ベッソン製作の「キス・オブ・ザ・ドラゴン」は「ヤマカシ」と同じくフランスが舞台なのに、言語は英語でした。でも「ヤマカシ」の言語はフランス語です。この違いは何なのでしょう？

すでに見た人

子供を救う筋立ては観客の共感を誘おうという意図が感じられます。しかしその子供が救われることで、その心臓を移植する予定だった人はそれを移植できなくなるわけだから、その人は死んでもいいのか？と突っ込みたくなりました。

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ラッシュアワー２

ジャッキー・チェン＆クリス・タッカーのコンビで大ヒットした「ラッシュアワー」の続編で、今回は休暇で香港に来ていたカーター（クリス・タッカー）がリー（ジャッキー・チェン）の密輸事件の潜入捜査に巻き込まれ、果てはラスベガスまで行くハメになります。

この映画の一番の見どころはやはり、ジャッキー・チェンのアクションでしょう。相変わらず小道具の使い方など、見せ方が上手くて迫力があります。
ジャッキーのアクションを見たのは昨年夏の「シャンハイ・ヌーン」以来のように思うのですが、もしかしたらこれまで香港映画で見ていたジャッキーのアクションは、今後はハリウッド映画で見ることになり、本数も少なくなるかもしれません。彼も年だし、これも時代の流れなのでしょう。そういえば今回は肉体アクションだけでなく、一部合成によるアクションシーンが入っているのも、そんなことを思わせます。

話はこんなのあり？というシュチュエーション（逃げる時になんで人込みにまぎれないで、ビルの壁を登るかなぁ？）や、ご都合的な展開が続きます。ま、アクションがメインの作品だから、それを見せるためのストーリーになるのは仕方のないところでしょう。舞台は香港、ロスアンゼルス、ラスベガスといろいろ飛んで楽しませてくれます。

この作品のもう１つのウリは、「グリーン・デスティニー」と「初恋のきた道」で鮮烈な印象を残したチャン・ツイィーの出演です。役柄は殺し屋で、「グリーン・デスティニー」を彷彿させるアクションを見せますが、残忍なだけでキャラクターが感じられず、演技力のある彼女にはもったいない役です。たぶん彼女はハリウッド映画に出るという、キャリア的な意味でこの映画に出たのでしょう。トレーニングの時間が取れなかったのか、英語はほとんど話しません。

サントラには宇多田ヒカルの歌が収録されているようで、エンディングにも部分的に流れたように思います。しかし天下の（日本で）宇多田のサントラ参加を、宣伝で言わないのは不思議に思います。
宣伝で触れられてないといえば、ジョン・ローンの出演もそうです。今回久々に映画で見ましたが、「ラストエンペラー」なんかの華々しい時期を思うと、この扱いはかわいそうです。なぜここまで落ちたんだろう？ゲイの評判かな？
あと名の知られてる役者では「トラフィック」のドン・チードルが、カメオ的に少し顔を見せています。

今回もエンドクレジットは必見。笑えます。

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シャドウ・オブ・ヴァンパイア

ヴァンパイア映画の古典作品「ノスフェラトウ」の吸血鬼マックス・シュレックは、その真に迫った演技から、役者は本当のヴァンパイアではないかという噂が出たそうです。この作品はその噂の通り、彼が本物のヴァンパイアという設定で、それによって映画の現場が混乱していく様を描きます。

古典的映画のヴァンパイアが本物だったという設定は面白いものの、シナリオがそれをどう生かそうか定めていないように思えます。例えば、吸血鬼マックスが女の部屋に入ろうとしたら鍵がかかっていて入れないといった、ギャグ的なシーンがあるのですが、その類のシーンがそう多いわけでもなく、コメディなのか、シリアスなのか内容が中途半端です。そういったせいか話の展開がタルくて、眠くなりました。

この映画の最大の見どころは、マックス・シュレックを演じるウィリアム・デフォーの怪演でしょう。本物のマックスは顔が長いけど、デフォーは顔がつぶれ気味なのがちょっと違う点ですが、雰囲気は「ノスフェラトウ」のマックス・シュレックそのものです。

主人公である「ノスフェラトウ」の監督Ｆ.Ｗ.ムルナウを演じるのは「マルコビッチの穴」のジョン・マルコビッチです。マックスの奇行のおかげで次第に常軌を逸していくという、彼には適役のキャラですが、狂気の度合いが足らない感じがしました。
ムルナウとマックスに振り回される、プロデューサーの役でウド・キアーが出ています。彼は「ブレイド」にも出ていて、どうもヴァンパイアものにはよく呼ばれるようです。ヨーロッパ系の感じの顔立ちがトランシルヴァニアぽくて、ヴァンパイアものに合うからかもしれません。

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まだ見ていない人

ソウルに住むダメ銀行員が、上司のイジメに対抗しようとレスリングを始めて、覆面レスラーになってしまう話です。
主演は「シュリ」や「ＪＳＡ」で渋い演技を見せたソン・ガンホ。
ただし今回の役はそれらの映画で見せた自信家ぽい役より、「クワイエット・ファミリー」での気弱なキャラに近い感じです。この人は、こういう情けない役も違和感無く演じられて、チョウ・ユンファのようなオールマイティーな役者に成長していきそうです。

ジャンルとしてはコメディで、ギャグシーンはツボを上手くついて、笑えるシーンが結構あります。でも試合のシーンは、それなりに盛り上がるものの、あえて痛快さを出さないように見えました。
また、普通の映画だったらちゃんと決着を見せるであろうラストシーン（試合ではない）は最後まで描かれず、おちゃらけた感じで終ります。結果は観客に想像がつくだろうからあえて描かなかったのかもしれませんが、中途半端に思えて、すっきりしないものが残りました。

すでに見た人

最後はやはり上司のヘッドロックをかわすところまで見せて終わりにするべきだと思います。
先に書いたように、そうなると想像はつくけど、やはりすっきりしない・・・。

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