ジェラティノス

 

 

スペースシャトルで事故が起こる。そのシャトルには火星で培養していた実験生物を載せていたが、それと同じものがNASAから盗まれる。それを積んで逃亡していたと思われる飛行機が墜落した後、墜落現場近くの町で人々が失踪し始める…。

触手くねくねモンスターが人間に襲い掛かる作品です。怪物は字幕では「ジェラティノス」と呼ばれていますが、実際の英語のセリフでは「バイパー」と呼ばれています。原題も「プロジェクト・パイパー」というタイトルです。
怪物の姿をなかなか見せないのは「ジョーズ」ぽい、怪物映画の定番でしょう。形は液体触手系という感じで、CGをうまく使った、現生生物を思わせない面白い形をしています。
しかしこの怪物、何のために作られたものか?何で火星で培養されたのか?よく分かりません。ケースに入ったままの怪物がなぜ目覚めたのかも言ってなかったと思うし、電機と何らかの関係があるような動きを見せていますが、その理由も触れていません。怪物の形が普通の動物を思わせない姿をしているせいか、こいつに関する設定はムチャなものバカリです。

この作品には何人かキャラクターが出てきますが、出てきたと思ったらモンスターに殺されるだけで、個性もないし、「トレマーズ」みたいにドラマの盛り上げに寄与しません。モンスターを奪おうとする勢力の陰謀の話も平板です。
日本ではビデオのみでのリリースですが、元はTVムービーかもしれません。B級モノとして、あまり期待しないで見るべき作品です。

モンスターを追いかける軍人役で、主演のパトリック・マルドゥーンは「スターシップ・トゥルーパーズ」に出ていたそうですが、覚えがありません。彼に協力する女科学者役でテレサ・ラッセルが出ていて、今は亡きケン・ラッセル監督が生きていればそれなりの地位を築けた女優だと思いますが、今やこういうB級に顔を出すとは…。

 

 


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ウィング・コマンダー

 

 

27世紀、宇宙に進出していた人類はキルラティという種族と接触し、戦闘になる。ペガサス小惑星基地を襲撃したキルラティの艦隊は、ワープのナビゲーションに使う装置「ナブコム」を奪い、地球に侵攻するためのルートを知ってしまう。キルラティの艦隊の方が地球艦隊の本隊より早く地球に着いてしまうと悟ったトルウィン元帥(デビッド・ワーナー)は、キルラティの本隊近くに位置している艦タイガークローに、新米パイロットであるクリス中尉とマーシャル中尉を、彼の知り合いであるパラディン船長(チッキー・カリョ)の商船デリジェントで向かわせる…。

コンピューターゲームで売れ線?である「ウィング・コマンダー」の実写映画化です。
この映画で脚本と監督を担当したクリス・ロバーツは、ベースのキャラや話のクリエーションでもクレジットされているので、ゲームの製作者なのでしょう。

宇宙での艦隊戦が見られる映画は「スターシップ・トゥルーパーズ」以来久しぶりでしょう。「宇宙戦艦ヤマト」で宇宙艦船に洗脳されてしまった僕にはうれしい作品です。
とはいえ、宇宙戦闘のシーンは戦闘機が多く、艦隊戦があまりないのは残念ではあります。
小惑星のクレーターに隠れて敵艦の爆撃から隠れるなど、「Uボート」のような第2次大戦ネタの戦争映画を思わせるシーンがあります。設定は27世紀なのに、魚雷やミサイルを自動ではなく、手で換装するのもそういう映画を意識しているように思います。
しかし兵器だけでなく、MOらしき大きいディスクを使っているし、戦闘機の飛行記録は紙だし、ブリッジでの戦闘の軌跡が書き文字であるなど、遠い未来らしからぬアナクロチックな描写がちょこちょことあるのは、未来ぽくない感じを受けました。

主人公たちは新兵で、彼らの成長物語という、これもかつての戦争映画で見かけたパターンです。主人公の出身の背景や仲間の死など、それなりの話は作っていますが、心に迫るほどではありません。こういった人間ドラマは、宇宙戦闘シーンを見せたいがための付け足しのように見えます。この映画はただ、そういった戦闘シーンを楽しむべき作品でしょう。

特撮はほとんどCGだと思いますが、戦闘機の発進ドックなんかは実物大のセットをちゃんと作っているようです。ワープの瞬間の描写に「マトリックス」でのバレット効果を使っているのは、それらしい感じが出ていました。
敵は猫のような顔をしていますが、表情はほとんど変わらず、マスクの造形はあまりよくありません。

主人公となる2人のパイロットは無名?の若手俳優ですが、ワキを「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のチッキー・カリョ、「Uボート」のユルゲン・プロコノフ、「タイタニック」のデビッド・ワーナーといったオヤジたちが渋く固めています。

 

 


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トレマーズ2

 

 

メキシコの油田地帯で、地中から人を襲うモンスター・グラボイズが出現しだす。かつて相棒と共にモンスターを退治したアール・バセット(フレッド・ウォード)はその駆除を頼まれ、彼のファンだというグラディをパートナーにして、報酬目当てに引き受ける。バートとグラディのコンビは次々とグラボイズを仕留めていくが、怪物どもはやられ放しではなかった…。

B級モンスタームービーの傑作「トレマーズ」の続編です。
今回は前作の主人公だったケビン・ベーコンは出ていません。ギャラが高額だったのか、本人が出演を断ったのかは分かりませんが、彼は写真のみの出演です。
今回は前作でケビン君の相棒だったフレッド・ウォードが主役で、恋愛話もあったりして花を持たされています。あと前作からのキャラクターでは、ミリタリーマニアのオヤジが登場します。
前作の事件でケビン君とフレッド君が有名人になって、雑誌やCM(リーボックを履いて走る!)に登場していたり、グラボイズのTVゲームがあるのは笑えます。

前作ほどの驚きはありませんし、話も同じパターンですが、アクションがそこそこいい感じで散りばめられていて、退屈はしませんでした。
劇場で1800円も払って見ると腹が立つかもしれませんが、ビデオで見れば楽しめる作品です。

今回の一番の見ものは後半でのクリーチャーの変身でしょう。ただその姿はあまり怖くなく、これがこのパート2があまり有名にならなかった原因かもしれません。
このクリーチャー、映画では「グラボイズ」と呼ばれているのですが、前作でもこう呼ばれていたかな?と記憶が定かでありません。
今回のグラボイズはCGバージョンも登場します。CGIのクレジットは「ジュラシック・パーク」シリーズの大御所ティペット・スタジオで、確かにクオリティはいいものでした。

 

 


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エネミー・ライン

 

 

紛争状態にあるボスニアを監視している空母カールビンソン。バーネット(オーウェン・ウィルソン)はクリスマスの日、司令官レイガード(ジーン・ハックマン)の命令で同僚のパイロットと偵察飛行に出る。飛行許可範囲外でレーダー反応があり、彼らはそれを写真に撮るが、ミサイルで撃墜されてしまう。バーネット達は脱出して不時着するが、そこに現れたセルビア軍によりパイロットは殺され、バーネットは命からがら逃げ出す。バーネットから通信を受けたレイガードは救出に行こうとするが、NATO司令官に和平交渉の妨げになると止められる。バーネットはセルビア軍部隊が追う中を拳銃1丁で、何十キロも離れている和平地帯に向かわなければならなくなる…。

「「トップガン」「ダイ・ハード」「スピード」の興奮」という宣伝文は間違ってはいません。「興奮」はともかく、スピード感のあった「トップガン」に「ダイ・ハード」や「スピード」にあったようなアクション描写を足し、「スナッチ」のようなコマ落としを使っている映画です。話も「トップガン」ほど明からさまではありませんが、都合いい展開がけっこう見られます。
「トップガン」と同様にこの映画もアメリカ海軍の協力で撮影しただけあって、冒頭から「トップガン」を思わせるシーンで始まりますが、ちょっとひねってあるのは上手い描写です。

この作品は、ハリウッドの戦争映画では初めてボスニアを描いた作品だと思います(ドキュメンタリーものではあったけど)。停戦合意から何年か経っているのに紛争はまだ完全に終ってないようだし、関心を持ってもらうのにはいいやり方でしょう。
旧ユーゴスラビアの紛争は勢力が複雑で、僕自身よく分かっていないので、説明が欲しいように思いました。映画の中の敵は1つの悪の勢力にして単純化していますが、現実はこんなものじゃないと思います。スタジオの意向で複雑にするのを避けたかもしれません。

主人公がスーパーヒーローではなく、戦うよりもひたすら逃げるだけ、というのは情けないけどリアルに思いました。オーウェン・ウィルソンはガタイがいい人ではないし、ソフトな顔立ちなので、こういう情けない役に合ってると思います。
ジーン・ハックマンは「クリムゾン・タイド」でもそうでしたが、軍人のようなガンコ親父的な役が似合います。

ラストはアメリカ万歳という感じの、いかにもハリウッド映画な展開です。しかし、これが無いと最後のカタルシスに欠け、映画を見た後の気分が暗くなりそうなので、ヨシでしょう。

 

 


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レプリカント

 

 

子持ちのシングルマザーを焼死させる連続殺人事件を追っている ジェイク(マイケル・ルーカー)は退職の日、犯人(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)をあと一歩のところで取り逃がす。そんなジェイクにNSAの人間が犯人を捕まえる方法があると接触してくる。地下の実験施設に連れて来られたジェイクは、実験ポッドに入った男(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)を見せられる。その男は、連続殺人犯が撃たれた時の血から採取したDNAより作られたクローンだった。NSAはテロリスト等の国家に対する凶悪犯のクローンを作り、その思考や行動パターンを彼らの捕獲に役立てようとしており、そのプロジェクトの実験としてジェイクと連続殺人犯が選ばれたのだった。ジェイクは幼児のように世間を知らないクローンを連れて、犯人の特定に乗り出す・・・。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムがクローン(レプリカント)として2人出てくる話です。2人のヴァン・ダムが出てくる話は既に「ダブルチーム」がありますが、今回は協力ではなく、善と悪に別れたヴァン・ダムがお互いに戦うのがクライマックスになります。
ヴァン・ダムはクレジット上では主演で、2役を熱演していますが、役の片方は犯人で、もう片方はそれを追う刑事のヘルプです。しかし話はスタンダードに、いい者の視点から描かれているため、中心となって犯人を追うジェイクの出番が多くなっており、実際の主役は彼といっていいでしょう。
映画のウリはアクションだけに多いのですが、そういった理由のせいかヴァン・ダム単体のアクションは以外に少なく、ジェイク役のマイケル・ルーカーが結構目立っています。この人、B級映画やTVで時々見るように思います。

話自体がヴァン・ダム主演とはいえない形だし、犯罪の動機は数々あるサイコものからとってつけたみたいで、キャラに深みはありません。レプリカントを作る設定なんか「フェイス/オフ」以上にオイオイで、まさにB級作品ですが、アクションだけと割り切れば楽しめる映画です。

2人のヴァン・ダムが同一のフレームに入っているシーンでは、一方は体の一部とか後ろなどを写して、上手くごまかしています。さすがにクライマックスの格闘は2人が顔を見せてるシーンが結構あり、ちゃんと合成を使っているようです。

 

 


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ジーパーズ・クリーパーズ

 

 

トリッシュとダリーの姉弟は実家へ帰省の途中、「BEATINGU」(殴ってやる)というナンバープレートを着けた不気味なトラックに追い立てられる。その後、彼らは道端の家にそのトラックが止まっていることに気づくが、ドライバーらしき男がシーツに包まれた人の体らしいものを穴に落としているのを見る。男が去った後、好奇心に駆られたダリーは姉の制止も聞かず、穴の中を覗き込んでみるが、誤って落ちてしまう。穴の底でダリーは、男が投げ入れた遺体らしきもののシーツをはがそうとする…。

前半は「激突!」+「悪魔のいけにえ」といった雰囲気でなかなか不気味で、それに都市伝説を絡めているのは今っぽい感じです。しかし後半はありがちなモンスターものになってしまって、恐怖度も低くなりました。
敵はクレジットでは「クリーパー」と呼ばれています。こいつが主人公である姉弟をつけ狙う理由があるように描かれているのですが、よく分かりませんでした。脇のキャラでも、重要な感じでいながら何のために出てきたのか分からないのもいます。
あのフランシス・フォード・コッポラがプロデューサーというのがこの映画のウリで、宣伝ではタイトルロゴと同じくらい大きく扱われていますが、なんで彼がこんな映画のプロデューサーをやる気になったのか不思議です(だからあまり良くないとか…)。

この作品や「悪魔のいけにえ」、あるいは日本でも「案山子」などのように、田舎を舞台にしたホラー映画が時折作られます。都市から隔絶された環境や、閉鎖的な社会の感じが怖さを盛り上げるのにぴったりのアイテムだからでしょうが、田舎にこういうネガティブな印象を持ってる人は多いかもしれません。

 

 


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オーシャンズ11

 

 

オーシャン(ジョージ・クルーニー)は刑務所から出所後、ラスティー(ブラッド・ピット)に大金を盗む計画を持ちかける。目標はベネディクト(アンディ・ガルシア)が経営するラスベガスのカジノの金庫。彼らが集めた、自分たちを含めて11人のプロは計画の準備に入るが、ベネディクトの妻テス(ジュリア・ロバーツ)がオーシャンの別れた女房だと判明してから、計画の雲行きが怪しくなる…。

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツ、そしてドン・チードルといったスター俳優が揃ったおかげか、「ハリー・ポッター」を抜いて大ヒットに踊り出た作品です。
キャラクターが多いせいか、この作品は人物描写には重きを置いてはいません。その代わり、オーシャンたちの作戦が成功していくか否かに話を絞って、よどみなくストーリーが進行するので、気持ちよく見れる犯罪ムービーです。
オーシャンたちの計画は大胆で血は流れず、変装やハイテクが駆使されるのは「ルパン三世」を思わせます。この映画はいわば、「ルパン三世」からお色気を抜いて、キャラを多くしたようなスマートな映画です。失敗!?と思うシーンも実は…という感じで、見事にだまされました。

アンディ・ガルシアは今回は敵役ですが、ワルと思えるシーンがあまり無いせいか、痛快さが今一つ感じられませんでした。
同じスティーブン・ソダバーグが監督した「エリン・ブロコビッチ」でのジュリア・ロバーツは巨乳に見えましたが、今回の作品では彼女の胸は小さくなってます。「エリン‐」での胸はよせ具合がうまかったのか、特殊メイクだったのか…?

 

 


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ラットレース

 

 

ラスベガスのホテルのスロットマシンで見慣れないコインを出したポリーニ(ローワン・アトキンソン)たち7人は、ホテルの最上階の部屋に招待される。そこに現れたのはホテルのオーナー・シンクレア(ジョン・クリーズ)。彼は、ニューメキシコ州のシルバーシティ駅のコインロッカーに200万ドルが入っていて、一番初めにロッカーを開けた者がその200万ドルを手に入れられると言い、各人にロッカーの鍵を渡す。7人は初め半信半疑だったものの次第に熱くなりだし、シルバーシティへの壮絶な一番乗り&妨害作戦を繰り広げる…。

「フライングハイ」や「裸の銃を持つ男」を作ったザッカー兄弟監督製作の作品です。今回監督をしたジェリー・ザッカーは感動作「ゴースト」の監督ですが、コメディとしてはこれも名作「殺したい女」以来の作品になります。
「フライングハイ」や「ホット・ショット」はナンセンスギャグの連続攻撃でした。今回はそれらほどメチャクチャな話ではありませんが、ちゃんとお金をかけてアホみたいな状況を次々と作り出して、笑わせてくれます。
賞金の結末はなるほどと納得できる形でしたが、教条的すぎて長いようには感じました。

オープニングはメインキャラの顔つきのアニメーションです。CGで作ったと思いますが、動きが立体的で面白く、初めからかっ飛ばしてくれます。

この映画は状況の異常さで笑わせるギャグが多いせいか、ローワン・アトキンソンやジョン・クリーズが個人ギャグで笑わせるシーンは、どこか違和感があって浮いているように思いました。むしろ、設定で笑わせてくれる(「フライングハイ」でのピーター・グレイブスのような)キューバ・グッディングJr.あたりの方がおいしい役でしょう。

 

 


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モンキーボーン

 

 

ステュ(ブレンダン・フレイザー)は精神病を克服し、今は人気コミック「モンキーボーン」の作者となっている。彼自身は下劣な「モンキーボーン」を嫌っていたが、それをTV局に売り込むパーティーに恋人である精神科医のジュリー(ブリジット・フォンダ)と出席する。その帰りがけ、車に積んだモンキーボーンの試作おもちゃが暴走したためにステュとジュリーは事故に遇い、ステュは昏睡状態に陥る。しかし彼の意識は死の世界との中間であるダークタウンにいて、一つ目や動く彫像など、悪夢が実体化したキャラに囲まれていた。そこでステュは最も会いたくない相棒、生きて喋るモンキーボーンに会ってしまう。モンキーボーンは彼に、死の世界に行って、生き返るためのパスを手に入れようとけしかける。

「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「ジャイアント・ピーチ」の監督ヘンリー・セリックが手掛けた実写作品です。実写とはいえ中味は人間オンリーではなく、CGやパペットなどの特撮はもちろん、「ナイトメア‐」のようなモデルアニメもふんだんに使い、アニメの出身である彼らしい作品に仕上がっています。
そして今回も、首は人間で胴体はイモ虫の生き物や、内臓を落としながら走るゾンビなど、ブラックユーモア溢れる数々のイメージが笑わせてくれます。
また、単にそういった悪夢のイメージだけを見せるだけでなく、物語にもひねりがあって、ストーリーの方でもちゃんと楽しませてくれます。

ブレンダン・フレイザーは「ハムナプトラ」といい「悪いことしまショ」といい、特撮が絡むコメディにはたいがい使われる印象があります。
彼の相棒とも言える、モンキーボーンの声はジョン・タトゥーロが演じています。変幻自在の役者らしく、外面はかわいいけど実は軽くて意地悪な感じをよく出しています。
ブリジット・フォンダはヒロインといった役どころですが、今回はちゃんとした姉ちゃんという感じで性格にひねりが無く、「シンプル・プラン」なんかに比べると面白みに欠けます。

特撮は技術的にはいいのですが、ダークタウンのキャラの中には「ネバーエンディング・ストーリー」で見られたような、モロにかぶりものという感じのキャラがいたのは気になりました。

映画の中にはスティーブン・キングや「サウスパーク」など、マニアックなネタが出てきます。特に「サウスパーク」の名前が出たシーンは観客にウケていました。

この映画は劇場ではレイトショーのみで公開され、1月後くらいでビデオリリースされています。ビデオにハクをつけるために劇場でかけたと思いますが、内容が面白いだけにもったいない公開のしかたでした。

 

 


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オー・ブラザー!

 

 

1930年代のミシシッピー州の片田舎。3人の囚人が屋外作業中に脱獄する。その中心はマックギル(ジョージ・クルーニー)で、彼はお宝を埋めたと、ピート(ジョン・タトゥーロ)とデルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)をそそのかした。3人は知り合いの家に泊まって捕まりそうになったり、銀行強盗の車に乗せてもらったりしてお宝の場所を目指す。その途中、お金がもらえるということで吹き込んだレコードが、彼らの知らないところで人気を集めつつあった…。

「ファーゴ」や「ビッグ・リボウスキ」のコーエン兄弟が監督の作品です。原作は有名な古代ギリシャの文学「オデュッセイア」だそうですが、読んだことのない僕には原作との違いは分かりません。しかしこの映画、本当にそんな有名な文学を元にしているのかと疑わしくなるほど「ヘン」で笑える映画です。

この映画はジョージ・クルーニーたち3人がお宝を目指して進む逃避行の話ではありますが、その行程の中で、個々の関連性があまりないエピソードが続く、ロードムービーといった話です。なのでこの映画は、「ファーゴ」のような1本の長い話よりも、主人公たちに絡んでくる個々のエピソードを楽しむべき作品でしょう。
そしてこの映画は、「ファーゴ」のような真面目な(ふざけたように見える部分もあったけど)作品ではなく、そういった個々のエピソードを、ちょっと長めの一発ギャグみたいに笑って楽しむのが正しい見方だと思います。
そのギャグはなかなか可笑しく、特にクライマックス近くの某人種差別団体のダンスは大笑いでした。怖く描かれがちなこの団体をこんなギャグにしてしまうコーエン兄弟のセンスには感心です。
また、「ファーゴ」みたいな悲惨さもあまりない話で、「歌」に関するシーンは気持ちよくノれました。話の都合の良さもどこか許せて、最後も爽やかで後味のいい映画です。

 

 


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アメリ

 

 

アメリは子供の頃から空想にふけりたがる内向的な女の子。親から独立しようと家を飛び出した彼女は、今はモンマルトルのカフェで働いている。ある日アパートの部屋で発見した古いモノを持ち主に返したところ、とても感激されたことで、彼女は自分の殻を破り、周りの人を「幸せにする」ことに決める。

「ロスト・チルドレン」や「エイリアン4」を監督したジャン=ピエール・ジュネが描くラブストーリー…といっても、これまでの作品で相当ヘンな世界を見せてくれたジュネ監督だけに、ただの恋愛話にはなっていません。
夢見がちなアメリも個性的なキャラですが、別れた夫の手紙を生きる支えにしている未亡人や、薬マニアのタバコ売りの女性、3分写真機で捨てられた写真のコレクターなど、この映画には主人公以上に奇妙なキャラクターが多く登場します。
「ロスト・チルドレン」や「エイリアン4」のようなグロいシーンはこの作品には無いものの、彼らのキャラはそういった作品に匹敵するくらい強烈で、やはりこの映画はジュネ監督ならではの映画でしょう。
こういったキャラクターにアメリが絡むのですが、彼らが、どう奇妙なのか観客が興味を持つようにポイントを押さえて描写して飽きさせないし、何気なく語られる色々なエピソードが細かい伏線になっているのも上手いところです。
最後も爽やかで、気分良く見れる作品です。

アメリの感情描写はツボを押さえていて、親身になってしまいます。ただ僕は、彼女のあまりの内向ぶりに「お前が悪い」と突っ込みたくなるシーンが1ヶ所ありました(自分を見てるみたいで)。

アメリが溶けたりなど、「アリーmyラブ」を思わせるCG効果のシーンもありますが、そう多くはありません。今回はイメージもそうですが、どちらかといえば心理描写に重きを置いていて、それが成功しています。

この作品の出演者は主人公以下、僕には知らない人ばかりですが、アメリが勤めるカフェの常連客で、ジュネ監督作品によく顔を出している、ドミニク・ピノンが出演しているのは嬉しい点でした。

この作品はフランス本国で大ヒットしたそうで、日本でも当初はミニシアター数館での公開だったのが、あまりの客の入りのせいか全国規模に拡大公開された珍しい例になりました。
僕はこの作品を横浜で見て、前評判では女性が多いと聞いていたのですが実際、観客のほとんどはそうでした。しかし、男が見ても絶対楽しい映画です。

 

 


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フロム ヘル

 

 

19世紀末ロンドン。世間を騒がせている「切り裂きジャック」事件解明に任命されたアバーライン警部(ジョニー・デップ)はアヘン中毒だが、その幻覚の時に透視ができた。その幻視と精神科医師ガル卿(イアン・ホルム)の証言で捜査を進めるうちに、彼は事件に上流社会の関与を疑っていく…。

タイトルは「ヘル」とついていて一見ホラーぽい感じですが、ドキリとするような怖いシーンはありません。ジャンルとしてはミステリーでしょう。
切り裂きジャック犯人の推理という物語ではありますが、犯行の背後はかなり入り組んだ話になっています。犯人が誰というよりも、それをネタにしたロンドン裏社会の描写がメインの話といっていいでしょう。
なにしろ、この映画には精神病院や秘密結社やフリークなど、ロンドンのアンダーグラウンド世界のエピソードがわらわらと出てきます。こういう話には、未だに解決されていない猟奇犯罪である切り裂きジャックは導入にぴったりです。
話には都合のいい展開があるし、キャラクターも描けてるとは言えず、この作品は物語よりも世界観で見せる映画です。こういう怪しい世界に興味がある人は好きになるかもしれませんが、関心の無い人には退屈な映画だと思います。

主人公が透視能力を持つというのは、「サイコメトラーEIJI」を思わせますが、話の中ではその能力はあまり重きを置かれてはいません。ラスト以外は役に立ってるとは言えない能力で、単に怪しさを描写するためのネタとして使っているだけに見えます。

この作品は、ジョニー・デップが以前に主演した「スリーピー・ホロウ」と時代的に重なるだろうし、段々と仕事熱心になっていくのもキャラクター的に共通しています。しかし「フロム ヘル」のデップ君は、アヘン中毒という設定でよりけだるさが漂う分、合っているように思いました。
主人公がアヘン中毒という設定は怪しさの雰囲気に一役買っていますが、加えてイアン・ホルムも一筋縄ではいかないキャラクターです。この人は「エイリアン」といい「イグジステンズ」といい、エンターテイメント物に出る時は怪しいオヤジを演じることが多いように思います。

 

 


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ヴィドック

 

 

フランス革命前夜の混乱に揺れるパリ、前科ものながら警察にもいたことがあり、今は探偵となっているヴィドック(ジェラール・ドパデュー)は、鏡の面を被った謎の人物に殺されてしまう。その死を知った伝記作家エチエンヌはヴィドックの死の謎を解くべく、関係者をあたって事件を追っていく…。

この映画の一番の見どころは、敵である鏡面怪人でしょう。顔が鏡に覆われていてケープを羽織ったイメージは、死神を思わせる独特のインパクトがあります。鏡で顔を覆っているということは、自分の顔が無いともいえるわけで、「千と千尋の神隠し」のカオナシを連想しました。
この鏡面怪人は銃で撃たれても死なず、ヴィドックに追い詰められても身軽にかわします。ドラマ全体はテンポがいいとは言えないのですが、こういったアクションシーンでは香港映画を思わせるスピード感が出ていて、眠気を払ってくれました。
またこの映画は少女売買やアヘンなど、18世紀フランスの裏社会が話の重要なネタになっていて、鏡面怪人のかもし出すダークなイメージに合っています。

この映画は話やイメージで引っ張っているせいか、キャラクターはよく描写されてるとは言えません。でも、ジェラール・ドパデューは荒っぽい過去を持つヴィドック役には合っていて、かなりの年の人だと思いますが、格闘シーンも敵に翻弄されがちながらがんばっています。この人はフランス映画界では一級の役者でしょうが、文芸モノからこういうエンターテイメントものまで、区別することなく出演してるのはさすがです。

この映画では、「スター・ウォーズ:エピソード2」で使うハイビジョンデジタルカメラ・HD24Pを使って撮影されています。今までは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のように、映画でデジタルビデオを使ってもどことなくビデオだと分かりましたが、さすがにこの「ヴィドック」は全然分かりませんでした。画質はデジタルビデオ以上のクオリティで、フィルムと遜色ありません。「スター・ウォーズ」に採用されたのも納得です。
監督のピトフは「ロスト・チルドレン」「エイリアン4」などで特撮を担当した人で、そういう分野の人だけにCGが得意なようですが、この映画では合成やら色替えやらとデジタルをかなり使っていて、それゆえにHD24Pを使ったのでしょう。
だからといってこの映画では効果をハデにするような遊びはせず、全体的に褪せた色に統一した画質は異色で、フランス裏社会を描くのにぴったりな雰囲気です。
ただ、時々エッジがバレて合成と分かるカットもありました。時間が無かったのかもしれません。

 

 


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バニラ・スカイ

 

 

デヴィッド(トム・クルーズ)は雑誌の編集者として、美人のステディ・ジュリー(キャメロン・ディアス)もいるリッチな生活をしているが、ある時、出版記念のパーティで、ソフィア(べネロプ・クロス)という女性に出会い、強く惹かれる。デヴィッドの愛が自分に向いてないと知ったジュリーは車で無理心中を計り、デヴィッドは辛うじて生き残ったものの顔が半分潰れてしまう…。

この作品は、スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイクだそうです。実際、セリフでも「オープン・ユア・アイズ」と言っているし、元の映画とも何らかの関連を持たせているようです。
初めはラブ&ミステリーの話かと思っていたのが、途中でホラーになり、最後はSFで終わります。あまりにも意外な展開で、「なんでこうなるの?」と呆れました。
「意外な展開」というのは、あくまでその「意外さ」が話の内容にハマる範囲であればこそ、「そうだったのか!?」と納得がいって面白さにつながります。しかしこの映画のラストの場合、途中にそれらしい証拠が何も示されず、あまりにも脈絡がないように思えました。
ただ、展開がかったるくて途中で寝てしまったため、そういったラストを匂わせるシーンを見逃したかもしれません。

考えなければ状況を読めないシーンがあったりして、謎解きが好きな人は好みかもしれません。ボーッと見ていると何がなんだか分からなくなると思うので、眠いような時には薦められない映画です(失敗した…)。
劇場にトム・クルーズからのメッセージとして、謎解き用?のチラシが置いてあります。これがヒントになるか知らんけど。

 

 


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バンディッツ

 

 

ブルース・ウィリスとビリー・ボブ・ソートン演じる脱獄囚のコンビが人殺しをしない、奇妙な銀行強盗をやっていく話で、監督は「レインマン」の名匠バリー・レビンソンです。さすがに演出は手馴れた感じで快調に進み、ラストは爽やかに終わってくれます。正月シーズンに気分よく見るのにふさわしい作品です。

この作品で一番驚いたのは、ケイト・ブランシェットでした。彼女は当初、日常の不満から主人公たちに付いて行ってしまうフツーの主婦でしたが、やがて主人公コンビ2人に愛されてしまい、揺れ動く女性を演じています。
彼女が出てる作品は以前に「エリザベス」と「ギフト」を見ていますが、これらでのブランシェットは尊大だったり、どんクサいような感じで美人とは思えませんでした。しかしこの「バンディッツ」では、「ケイト・ブランシェットてこんなに可愛かったの!?」と思うほど明るく、チャーミングに見えました。主人公たちが惚れるのも無理ないぞ(女は化ける)。

銀行強盗グループのリーダーを演じるブルース・ウィリスは、どちらかといえば主人公といえるせいか、ラブシーンなど、おいしいところはしっかり持っていっています。
ビリー・ボブ・ソートンは病的なほど神経質なキャラクターを演じて、激情型のブルース・ウィリスに対するコミックリリーフ的な存在です。この人は今回も「アルマゲドン」や「シンプル・プラン」で演じたものとはまた違うキャラを見せてくれて、作品ごとに化けています。

話は正月映画の中でも面白い部類に入るものの、「バニラ・スカイ」や「スパイ・ゲーム」なんかに比べると人は入っていないようです。TVの宣伝はそこそこしていたようなんだけど、ブルース・ウィリスの名前だけじゃもう人は入らないということでしょうか。

 

 


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スパイ・ゲーム

 

 

CIAに勤務するミューラー(ロバート・レッドフォード)は引退を前にした最後の勤務の日に、香港からの電話で、かつての弟子ビショップ(ブラッド・ピット)が中国警察にスパイ容疑で逮捕されたと知らされる。上層部に呼び出されたミューラーは、ビショップのことを知りたいという彼らに、出会いから話し始める。ミューラーは、ビショップを見捨てようとする上層部を出し抜く計画を考え出す…。

監督は「トップガン」のトニー・スコットです。それだからなのかは分かりませんが、クライマックスは絵づらは違うものの、やってることは「トップガン」と同じパターンで、「これじゃ戦争になるだろ!」と思いました(一つ間違えば、この映画の前に予告でやっていた「ブラックホーク・ダウン」のような泥沼になりかねないだろうに)。
キャラクターにも話にも深みはないけど、アクションの場面になると快調なノリで進むのも「トップガン」と同じ感じです。悪い意味でタイトル通り「ゲーム」のような軽い作品になっています。

キャラクターで特にダメだと思ったのは、ビショップに惹かれる女性です。この作品ではヒロインとも呼べる存在なのでしょうが、彼女には何の魅力も感じられず、そのせいかラブ関連のシーンになると眠くなりました。
これの後に「バンディッツ」を見たのですが、そっちの方がキャラ描写(シナリオや撮り方)が上手です。でもヒットしてるのは「スパイ・ゲーム」の方。やはりブラピは強いか…。

 

 


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アトランティス
失われた帝国

 

 

たぶん日本だけでしょうが、ディズニー生誕100周年記念(日本の宣伝部て「何周年記念」て文句が好きみたい)として、公開されているディズニーアニメ映画です。
予告を見た時から、日本のアニメ、特に同じアトランティス伝説を題材にした「ふしぎの海のナディア」に描写が似てるように思いました。実際本編もその通りで、「ナディア」だけでなく、「ナウシカ」や「ラピュタ」といった宮崎アニメを連想させるシーンもあります。メカシーンや空戦シーンがあるのも日本のアニメを思わせるし、それらのシーンではまともに描写はしていないものの、死者が出ていると思えるのもディズニーアニメらしからぬところ(アメリカのアニメは人が死ぬシーンはめったに出さない)です。
映画の中でディズニー色が出ているのはキャラクターデザインくらいで、もしこの映画のことを何も知らずに、キャラクター以外のシーンだけ見せられたら、日本のアニメと思ったでしょう。
しかし、絵づらは日本のアニメに似ているくせに、肝心のストーリーは日本のアニメほど深くなく、呆れるほどイージーに進みます。アメリカのアニメには時々「客ナメてんのか?」と思うような調子のいい展開の作品があります(だから日本のアニメがアメリカでも受けるのでしょう)が、「アトランティス」はその悪い見本です。
「ディズニー生誕100周年記念作品」とはいえ、もしこの作品をディズニーが見たら、あまりのオリジナリティーの欠如を嘆いたことでしょう。

主人公マイロの声をマイケル・J・フォックスが演じています。彼の名は最近あまり聞かないものの、「スチュワート・リトル」にも出ているし、病気にも関わらずがんばっているようです。
その他に声の有名どころでは、アトランティスに行く潜水艦の艦長の声を「ロックフォードの事件メモ」のジェームズ・ガーナーが、そしてアトランティスの王の声をミスター・スポックことレナード・ニモイが演じています。

この作品はメカの描写が多いせいか、作画はCGをかなり使っているようです。しかし同じCGものでも、作品全体のクオリティでは同時期公開の「シュレック」の方に軍配が上がります。

 

 


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スパイキッズ

 

 

イングリットは今夜も、愛する2人の子供カルメンとジュニのため、敵同士だった男女スパイが結婚する寝物語を話す。2人の子供は両親をダサいと思っているが、ある日彼らが失踪し、カルメンとジュニにも謎の組織の追手が迫る。おとぎ話だと思っていたスパイの話が真実と知った子供たちは、両親の残した秘密兵器を使って彼らを救出すべく立ち上がる!

予告編を見て思った通り、何も考えないで楽しめる映画です。水陸両用車とか飛行パックとか、次から次へと登場する007のパロデイのような小道具が荒唐無稽で楽しませてくれます。敵のアジトの内部はシュールで面白いデザインだし、冗談のようなトラップも笑わせてくれます。
アクションだけでなく、最後は感動的になごめるシーンもあり、子供からお年寄りまで安心して楽しめます。家族で見るにはちょうどいい映画でしょう。

監督のロバート・ロドリゲスは「デスペラード」や「フロム・ダスク・ティル・ドーン」など、アクションが得意な印象が強いのですが、この作品では彼はコメディセンスにも上手いものを持っていることを証明してくれます。

元凄腕スパイだった父親役である、アントニオ・バンデラスがこの作品ではクレジット的に主演になっていますが、本当の主役は彼の子供たちで、この作品ではバンデラスは脇に回っています。彼のようなメジャーな俳優がこういう軽めの作品に出るのは意外に思うのですが、元々ロドリゲス監督が「エル・マリアッチ」や「デスペラード」といった作品で彼を起用したおかげで今の身分があるのだろうから、恩義があったかもしれません。でもバンデラス君は、ダサかっこいいスパイを楽しそうに演じています。
またこの作品にはダニー・トレホなど、ロドリゲス組の常連俳優が出演しています。さらにラストには、ロドリゲス映画に主演したことがある、あの有名俳優も顔を見せますが、このシーンも笑えました。
その他、たぶんロドリゲスつながりで「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の、パート2に主演しているロバート・パトリックが敵の黒幕として登場します。この人はさすがに年を取った感じで今や「T2」とは印象が違い、クレジットを見るまで本人かどうか判断がつきませんでした。

本編ではデジタルをかなり使っていますが、合成の色がおかしいカットが目立ちました。カット数が多すぎて修正する時間が無くなったのかもしれません。

 

 


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