G A N T Z
PERFECT ANSWER

 

 

まだ見ていない人

実写版「GANTZ」の完結編となる2作目です。今回はアクションの舞台が地下鉄や市街地ということで、前作とは違うバリエーションを見せ、お話のテンポもアクションの迫力もスピード感も、前作から落ちることなく快調に飛ばしています。前回はほぼ一人だった、戦う女性キャラも2人に増えて、より華やかになっています。

今回は映画に大きなウェイトを占めるのが「加藤星人」ですが、このアイデアは原作には無いそうで、なかなかに秀逸です(実は突っ込み入れたい箇所も弱冠)。今回はこの加藤と戦い、そして多恵(吉高由里子)を守らなければならなくなる玄野のジレンマが見どころでしょう。話の内容も前作以上にヘビーになり、見ていて辛くなる箇所もチラホラありました。ラストは感動的で気持ちはいいのですが、ちと都合良すぎな感じはします。

今回はガンツによる「蘇り」が出てきます。それに辿り着くまで玄野たちは相当戦いをこなしているはずですが、そこをあっさりと省略してしまったおかげで(時間の関係で仕方ないのでしょうが)、何かゲームのリセットみたいに見えてしまい、命を軽く見ている感じがしてしまいました。

山田孝之は、パート1のラストでは何者?と興味をそそられましたが、結局玄野たちの戦いの行方に影響を及ぼすわけでもなく、いなくてもいいキャラでした。

 

 

すでに見た人

今回は多恵がガンツのターゲットにされますが、もともと彼女は鮎川(伊藤歩)のターゲットであったはずで、鮎川は元ガンツメンバーを狙っていたはずです。ということは、多恵も実は元ガンツメンバーだったということにならないでしょうか。二宮たちに守られるだけではなく、一緒に戦ってくれればよかったのに。

星人が加藤に擬態するのは上手いアイデアではありました。でもよく考えると、千手が加藤に擬態したということは、パート1でのおこりんぼう星人の戦闘は映画の時点ではまだ終わっていなかったということで、これは敵を全滅させたとガンツが間違って判断してしまったと言えるかもしれません。

亡くなった人たちが生き返るラストは清々しくてヨイのですが、生き返るのはガンツメンバーだけではないでしょうか。加藤の弟は星人に殺されたのだから、ガンツの範疇ではないはずで、生き返るのはムリなように思えました。

 

 


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G A N T Z

 

 

ヤングジャンプで連載しているコミック作品の実写化。2部作のうちのパート1です。
ウリであるアクションのスピード感は気持ち良く、テンポも快調で退屈しませんでした。グロさの程度が低いこと(映画だから仕方なし?)を除けば、転送シーンや星人など、原作の雰囲気はなかなかに再現できています。アクションやワイヤーワーク、そしてVFXなどに手抜きは見られず、ちゃんと実写にしようという志が感じられます。
特に最後の敵となる、おこりんぼう星人が擬態した仏像が、少ないシーンながらもちゃんと動いていたのはヨイです。おかげでこの映画を見てから、千手観音の立像を見ると動きそうに思ってしまいました。また、この時の戦いの舞台になっているのが東京国立博物館というのが、いかにもな場所です。玄野たちが中で戦う位置は、本来は普段公開されていない貴賓室で、本当の仏像の展示室は入口を入って右の部屋です。とはいえフィクションなんだからリアルにやる必要はなく、映画の画としてはこの方が分かりやすいと思います。

役者たちはアクションを頑張っているし、主役の二宮も松ケンもなかなかの存在感を見せています。ただ、松ケンはまだ学生の役は大丈夫と思いますが、二宮はさすがに20代後半という年齢ではきついように見えました。
田口トモロヲ演じた鈴木は、ほとんど戦わないで見ているだけですが、ラスト近くの顔は凛々しく見えました。パート2ではもっと存在感が増すかもしれません。
その後、ラストは「何であいつがここに!?」と、まさに驚愕でした。パート2への興味が大いにそそられます。

映画では二人、重要な女性キャラがいます。今回のヒロイン、いやヒーロー格といえる、玄野達と共に戦うショートカットがかわいい、岸本役の夏菜の熱演は見ものです。もう1人の女性キャラ、吉高百合子はクレジットは夏菜より大きいくせに、彼女ほど出番はなく、何のために出てきたのかよく分かりませんでした。ただパート2の予告編だと、彼女演じる多恵が、映画の重要な存在になっているようです。

音楽は近年「機動戦士ガンダム00」を手がけた川井憲次氏が担当しています。「ガンダム」同様にテンポが良く、時に入るコーラスが壮大な雰囲気を出しています。

この作品のパート2の公開前にテレビで「Another GANTZ」なるものが放映されました。内容はパート1のお話にガンツの謎を調べるルポライター・加藤晴彦が加わり、また映画では描かれなかった西や鈴木の日常の描写がありましたが、大方のシーンは映画と同じで、作る意味が感じられませんでした。

 

 


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