(98年版)

 

まだ見ていない人

スタッフが「インデペンデンス・デイ」のチームで、予告も迫力あった(特に、2番目の釣りのバージョンと内容紹介バージョン)ので期待して早めに見に行きましたが、期待したのが間違いでした。「ジュラシック・パーク」とやってることは同じです。

とはいえ、ゴジラの見せ方やアクションには迫力あるし、テンポもいいし、日本のゴジラシリーズではできないようなカメラアングルも多々あって、楽しめます。特撮もいいですし。純粋にアクションだけを楽しむのであれば見れるでしょう。

自分としては「インデペンデンス・デイ」の方が好きですね。でも、「スターゲイト」や「ユニバーサル・ソルジャー」よりはいいや。

 

すでに見た人

冒頭クレジットの核実験のシーンの雰囲気はいい!モノクロフィルムで、核爆発のカットになると音楽にコーラスが入るとこなんざぁ、「インデペンデンス・デイ」みたいな大作感が感じられました。

「GODZILLA」のタイトルもアメリカ映画らしく、目立たない感じで出るのも抑制が効いていいです。日本のゴジラシリーズ、いや、他の怪獣ネタの映画なんかでも、ドーンという感じででっかくタイトルが出てくるのって、なんか古いパターンを今だに引きずってる感じでイヤだなぁ。

ゴジラに始めて襲撃されるのが日本の漁船でした。でも、ここに出ている俳優って、アメリカ映画だから、ほとんどが日系人の俳優でしょう。2人ほど、なじみの顔がいましたね。一人は、ブリッジにいたゲージツ家のクマさんに似たオッサン。なつかしの「メテオ」(元祖「ディープ・インパクト」。「メテオ」は駄作だという人が多いようだが、音楽良かったし、自分は結構好き。ちなみに「メテオ」ではこの人は香港人の役だった)や「クワイヤボーイズ」(知ってる人はかなりのマニアだろう)なんかに出てた人でした。

もう一人は魚を解体していたとこにいた、頭がハゲ気味のヒゲづらのオッサン。「ダイ・ハード」第1作ではテロリスト役(赤軍派のつもりだったのだろうか?)で出てたし、「ブラック・レイン」(こいつがいたので、あのクライマックスのシーンは日本で撮影したものじゃないと分かった)でもヤクザの一人として出てました。この人はあまり日本人に見えないと思うんだけどなぁ。

「Hey! Hey! Hey!」だったでしょうか?ラルクアンシェルがゲストで出たときに、この、魚の解体シーンで彼らの音楽が流れていたということでしたが、そこのシーンを流しても全然聞こえなくて、TVなので音が良くないから聞こえないのかな?と思っていたのですが、映画館で耳をそばだてても全然分かりませんでしたね。

日本の漁船がやられて、唯一生き残ったオッサン(この役者もよく見かけるような)がジャン・レノの質問に「ゴジラ」と答えますけど、なんでいきなりゴジラなんて言葉が出てくるんだろうと笑ってしまいました。後の方で、日本には「神のクジラ」という意味でゴジラという言葉があるって説明してますけど、日本人である自分としては当然そんな言い伝えは無いって知って見ているせいか、違和感を覚えました。ただし、日本以外の国の人が見れば、「そういう言い伝えがあるのか」と納得して(第1作の大戸島の伝説と同じということですか)、怪獣がゴジラと名づけられるのも納得いくんでしょうね。

ゴジラが出てくるのが異様に早いのが気になりました。第1作の「ゴジラ」、84年版「ゴジラ」や、「ラドン」あるいは「ジョーズ」にしても、怪物が出てくるまでタメがちゃんとありましたが、今回はそのタメが全然無くて、もう出てくるの?という感じで、興ざめでした。

ゴジラがニューヨークに来る理由はとってつけた感じでしたね。巣作りのためと説明はありましたけど、太平洋からなんでわざわざ大西洋に入ってニューヨークまで来なきゃあならないのかな? 東京の方が近いじゃん。アメリカ国内にゴジラを行かせたければ、サンディエゴとかサンフランシスコなら太平洋だからまだいいと思うんだけど。制作者たちが、ニューヨークを壊したいからという理由だけでニューヨークにしてしまった感じ。

「ジュラシック・パーク」と同じだと強く感じたのはベビーゴジラのシーンが出てきてからでした。人間よりちょっと大きい恐竜が集団で人間に襲いかかるってぇ、「ジュラシック・パーク」で人気沸騰したベロキラプトルそのままじゃん。でかい方のゴジラで、すでにT−レックスと同じアクションやってるのにさぁ(特に、クライマックスで主人公たちの乗ったタクシーを追い回すゴジラなんざぁ、「ジュラシック・パーク」でジープを追い回すT−レックスのパクりとしか思えん)、その上ラプトルですぜ。マネといわれても仕方ないでしょう。もっと考えてほしかったなあ。

「ゴジラが卵を産む」というコンセプトはまあ面白いとは思うんですけどね。しかし、あんなに100匹ぐらい、いつの間にゴジラの体内に宿ったんでしょうか?無性生殖でそんなに産めるもんなのか?ゴジラが卵を産むことは、予告ですでにやってましたけど、この時に連想したのは平成「ガメラ」でギャオスが東京タワーに卵を産んでいたシーンでした。

電気屋だったでしょうか?そこのTVに「水爆と深海の怪物」の怪物が出てくるシーンが写っていて、ハリーハウゼンにオマージュを捧げたのではというようなことがパンフにも書いてありましたが、確かに、映画の雰囲気としては、冒頭は「ゴジラ」シリーズに似た感じもしましたが、ゴジラが出てきてからは、日本の「ゴジラ」シリーズよりも50、あるいは60年代のストップモーションでのモンスタームービーに近い感じがしました。ブルックリン橋でのゴジラのアクションなんてどことなくぎこちない、ストップモーションアニメっぽい感じがしたし(それはそれで味があっていいのですが)。

ゴジラが死んでいくところは、人物キャラのアップを多用して(84年版でも似たような演出)、哀感漂うシーンにしていたのは正解でしょう。ゴジラの心臓の音が止まっていくやり方は、70年代の「キングコング」でも同じ事をやってたと思います。

主役のマシュー・ブロドリックは無難な役で、そつなくこなしていたと思います。個性が無いといえばそうだけど、主役はゴジラなんだから、あまり人間側の主人公に強烈に個性を持ってもらっても困るんじゃないかと思うんですけどね。でもそれだと、役者は面白くないだろうなぁ。

ジャン・レノは飄々としたコミックリリーフ的な感じでヨイです。あと、ハンク・アザリア(「大いなる遺産」でやったキャラとは全く別タイプなのには驚き)演じるアニマルも取材のためなら何でもやってやるぜ!という無鉄砲な性格がいいっスね。しかし、「他人を出し抜かなきゃ生きていけない」ってのは人生の真実だろうなあ…。

ゴジラそのもののデザインはなかなかいいと思います。ただし、初めに示された「動きが軽快」という製作側のデザインコンセプトが、意識したかしなかったのか、アクションが「ジュラシック・パーク」のコピーになってしまった原因とも思います。

しかし、何やかんや言っても、第1作の「ゴジラ」以外では、世界のマーケット向けということを意識した場合、今までのゴジラシリーズの中では、この98年版が一番ストレートで、分かりやすい作品ではあると思います。

果たして2作目はできるのか?エメリッヒ氏は他の怪獣もリメイクしたいような発言をしてますけど…見たいような(デザイン的にどうなるか見たいですね)、もう彼らには手を引いてほしいような…。

 


 

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