仮面ライダーヒビキと7人の戦鬼 |
海岸で魔化魍(まかもう)・オロチと戦ったヒビキ(細川茂樹)は負傷してしまう。明日夢(栩原楽人)は解決策を求め古文書をひもとくが、そこに彼の名前とオロチの記述を発見する。それは戦国時代、明日無のいる村はマカモウに生贄を差し出す習わしになっており、明日夢の幼なじみのひとえ(森絵梨佳)が選ばれてしまう。明日夢は彼女を救うため魔化魍と戦える「鬼」を集めるが、響鬼だけは「兄の仇」と拒否する…。
毎年恒例となっている「仮面ライダー」映画版。今年の「ヒビキ」は和風のテイストということからなのか、時代劇です。
とはいえ「ダイエット」とかカタカナのセリフは出てくるし、トランペットなんて戦国時代にはなかったはず…と、時代劇だと思って見ると突っ込みどころ満載なので、時代劇風のファンタジーと寛大に見ましょう。
TV版では昔は紙だったと語られていたディスクアニマルが、現在の形そのままで出てくるのもファンタジーという感じです。巨大化は意外でしたが、大掛かりで映画らしい雰囲気です。
鬼=ライダーたちの戦いは格好よく楽しいし、僧になってるとか結婚してるとか各自に面白そうな背景が設定されていますが、人数が8人と多いせいか、彼ら自身のドラマがあまり突っ込まれていないのは物足りません。話の満足度は昨年の「ブレイド」や「555」より低いものでした。
またTV版では鬼たちが協力して戦う気持ちよさがありますが、映画ではライダー同士で戦うシーンがあるのが、前の「ブレイド」みたいなウジウジとした内輪もめを見せられてるようでイヤになりました。
しかし映画のラストで、現代のある設定とリンクするのが「そうなのか!」と感心してしまいました。
また毎回お約束の、新バージョンの変身シーンはかっこよく、感動!でした。ただ、そのためのアイテムがいかにもおもちゃなデザインは、工夫がほしいところです。
過去パートでは明日夢とヒビキだけでなく、「響鬼」の現キャストが姿を変えて出ているのが、TV版を見ている人にはお楽しみでしょう。明日夢の母なんか意外なチョイ役で笑えました。でもアキラはかわいそう(音が…ムゴイ!)。
ゲストで小泉孝太郎が出ていますが、クレジットを見るまで気付きませんでした。やっぱ特徴の無いイケメンなのかなあ?細川茂樹との共演は「義経」思わせます。
CMとかでは安部麻美が目立っていますが、本編での登場シーンはわずかで出る意味ありません。演技できないから?こんなチョイ役。
それにしても現代のシーンで、ヒビキが人の多い海岸であれだけ派手に暴れたら警察来るんじゃないかなあ。もしそうなったらどう事情説明をするんでしょう?TVはあまり人目につかないとこで戦ってるのに。
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魁(橋本淳)の恋する山崎さん(平田薫)がインフェルシアに連れて行かれ、パーサーカー=グルーム・ド・ブライドンの花嫁にされるのをマジレンジャーたちが阻止する話です。
映画の始まりがいきなり巨大ロボ同士の戦い、しかも雨の中というのは手がかかっている感じの特撮で、映画ぽいスケールの大きさが感じられます。しかも負けるというのは、子供たちにはインパクトのあるつかみでしょう。
今回のウリである魔法世界マジトピアのシーンは、イメージとしては今ひとつ(ドラゴンボール!)だけど、リン(山内明日)の再登場は嬉しいところです。
しかしここの最大の見ところは、「ジュウレンジャー」など戦隊シリーズの「大御所」曽我町子の登場でしょう。この人が戦隊シリーズに出るときはたいがい悪役で、今回珍しくいいもの役を演じていますが、そのせいか前より貫禄がついたように見えました。
このシーンは、マジレンジャーの親と子の共通の想いがリンクする設定がうまくて、涙が出ました。映画の中で一番いいシーンです。
そして映画はこれ以降、盛下がっていきます。インフェルシアに行ったら帰って来れないような危険なところと言われたわりには、魁があっさりと地上に戻ってしまうのは、余りにもイージーでしょう。一応ウルザードが邪魔に入るものの、何の為に出てきたのか分かりません。ラストのお約束通りパーサーカーは巨大化しますが、これまたろくに活躍しないで一方的にやられてしまいます(マジレッドロボの新変身はかっこいいけど)。
こういった感じで映画は中盤まで力を入れすぎて、後半は駆け足になって見えました。グルーム・ド・ブライドンの山崎さんへの「想い」がもっと出て、最後に何かあって彼女をかばって死ぬくらいの盛り上げでもあれば、面白くなったことでしょう。そうなると長さが1時間くらいはほしいところで、時間が足りないのが足かせになりました。
そうは言っても、ラストでのみんなでダンス!はそれなりにハッピーな気分になります(若いねーちゃん多いから?)。
今回は例年と違い、メインで活躍する味方側のゲストはいません。ま、山崎さんかわいいんで、それでヨシ!ですね。
彼女がインフェルシアで着せられる花嫁衣裳は、白が定番なものを黒を基本にしたデザインが奇抜で面白く、こういうのもありと思えます(誰か俺のために着てくれね?)。
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