妖怪大戦争

両親の離婚により、母親と祖父（菅原文太）と鳥取の田舎で暮らすことになったタダシ（神木隆之介）はクラスメートともいまいち馴染めない。ある日タダシは神社のお祭りで正義の味方「麒麟送子（きりんそうし）」に選ばれてしまう。麒麟送子は大天狗の山に伝説の聖剣を取り行かなくてはならないと言われ、タダシは行ってみるが、ヘンなモノを見て逃げ帰ってくる。その頃、付近に住む妖怪たちは加藤保憲の配下となった妖怪・アギに次々と捕えられ、機械の化け物に変えられていた…。

かって大映で同じ名前の映画があったせいか、リメイクと書いた記事もありますが、実際はそれとは全然関係のない物語です。
妖怪役の出演者が何人かそうからなのか、全体的にTVのバラエティのノリの「バカ映画」と言いたくなりました。クライマックスで主人公が何もしないのに、うやむやのうちに勝ってしまってるというのは、真面目に見ると怒りそうな内容です。
ただそういうアホらしさは、狙いのようにも思いました。「戦争はいかんです」てことでああいう展開にしたのかもしれません。
子供には受けていたし、怖いホラーが苦手な人には楽しめる内容でしょう。
とはいえ、加藤保憲が悪役てのは何か違う感じがするし、話がストレートでないように思いました。前の映画版のリメイクにした方が、話としては痛快で良かったと思います。

川姫の太ももやアギのTバックなど、ちらほら出てくるエロ描写も映画の特徴です。三池監督のシュミかもしれませんが、男子のエッチ心に火をつけそうで、子供も大人も嬉しい部分でしょう。アギは浜崎あゆみのパロディに見えました。

川太郎や小豆さらいなどメインで活躍する妖怪から、火車や豆腐小僧などチョイ役の妖怪まで、映画にはあんなに数多くいるのか?と突っ込みたくなるくらい妖怪がいっぱい出てきて、好きな人にはたまらんでしょう。妖怪のキャストも石橋蓮司や吉井怜など意外な人が演じていて、役者を推理しながら見る楽しみがあるし、クレジットで驚けることでしょう。
ただ、妖怪の造型や動きはいいとは言えないのは残念です。担当は原口智生じゃないようですが。

鳥取の境港にある、水木しげるロードや水木しげる記念館が出てくるのは、蛇足ぽい感じはしたけど、行った人間にとっては嬉しいシーンでした。妖怪好きなら一度は行くべし！

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魁!!クロマティ高校
THE★MOVIE

週刊少年マガジンで連載していて、TVアニメ化もされたギャグコミックを、「地獄甲子園」の山口雄大監督でまさか！？の実写映画化です。製作総指揮で「新世紀エヴァンゲリオン」の大月俊倫氏が関わっています。
キャラのイメージが原作とけっこう違う感じがしてしまいましたが、その違いの度合いがまた見ものでしょう。その意味では、原作かアニメを見ていた方が楽しめるかもしれません。
主人公の神山は「仮面ライダー龍騎」の須賀貴匡が演じていますが、反町隆史に見えてしまいました。金子昇が演じた北斗が一番合ってた感じがします。また、プータンの遠藤憲一は期待通りで、これだけもっと見たくなりました。
メカ沢βの声がかないみかというのが、アニメと同じでうれしいところです。メカ沢の変形はなかなか「映画」なシーンで驚けました。

映画の前半はアニメ版みたいに、短いエピソードを繰り出す形でそこそこ笑えましたが、後半の地球防衛隊の話は原作とかなり違って戸惑ったし、長すぎてダレた感じがしました。某TV特撮ヒーロー番組の悪役が活躍しますが、これが分かるのは、30代か40代の人でしょう。某名作ホラー映画のパロディも。だいたいなぜ阿藤快だ？

映画の公開前に、ウォーレン・クロマティ氏がタイトルに自分の名前を使うな、と裁判沙汰になりそうになりましたが、映画には冒頭に「関係ありません」という字幕を入れることで和解になりました（ちゃんと入ってるので注目）。
しかしこれは劇場公開版だけという話もあって、DVDで出るときは「クロマティ」て名前が入っていないということに…ならなきゃいいけど。

先ごろ急死した「破壊王」橋本慎也氏が少しだけ、元気な姿を見せています。合掌。

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フライ,ダディ,フライ

おもちゃ会社に勤める鈴木（堤真一）は妻と娘・遥（星井七瀬）と平凡で幸せな生活を送っていた。だがある日娘が暴行され入院し、病院に駆けつけた鈴木は犯人の高校生石原（須藤元気）と会うが、彼は次期総理候補の息子で、同行していた教頭はそれをたてに鈴木を威圧する。何もできなかった彼は遥を責めてしまい、彼女は心を閉ざしてしまう。鈴木は包丁を持って相手の高校に乗り込むが、学校を間違え、そこにいたスンシン（岡田准一）に一発でのされてしまう。事情を知ったスンシンの友人グループは鈴木に、石原と勝負すべく、スンシンによる鈴木のトレーニングを持ちかける…。

原作は「GO」を書いた人ですが、在日を前面に出した「GO」とは違い、この「フライ,ダディ,フライ」は在日の問題は出さず、スンシンと鈴木の触れ合い、そして「おっさん」鈴木の成長物語というべき話です。
冒頭しばらく白黒のシーンが続きますが、その色づかいの意味が分からなかったし、鈴木と遥の異様なほどの仲の良さや、鈴木が事件のことを警察に言わないなど、前半は疑問に思えて引いた箇所がありました。
しかし映画は、鈴木がトレーニングを開始するあたりからいいリズムが出てきます。鈴木とスンシンが擬似の父子みたいになっていく関係が面白いし、後半は泣ける箇所がありました。

鈴木の目的は相手をぶちのめすことなので、このお話は一見復讐劇に見えます。アメリカ映画だったらおそらく、それだけにしてしまうところでしょうが、ちゃんとキャラクターの話にしているのが、この映画のいいところです。
ただ、設定は現実離れしていると思える箇所があるので、ファンタジーと思って見るべきでしょう。ラストなんて、この後ただじゃ済まないだろうし。

鈴木を応援するうちに仲良くなっていくサラリーマン連中の描写は、主人公を応援していくうちに周りのキャラが変化していく「電車男」を思い出しました。ここも「電車男」同様、感動的なエピソードです。
当初の目的は別だったのに、だんだん鈴木に本気で肩入れしていく、スンシンの仲間もいいアクセントになっています。ここでも「電車男」のメガネ男・坂本真がまた目立っていました。さらに彼らが石原の高校から低く見られてた、なんて描写があったら、彼らが鈴木を応援する理由がもっと切実になったように思います。

スンシン役の岡田准一は、堤真一に比べると出番は多くありませんが、ちゃんと存在感があって、「木更津キャッツアイ」とは違う、寡黙なかっこよさが出ています。

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姑獲鳥の夏

昭和20年代末の東京。小説家の関口（永瀬正敏）は、久遠寺医院の院長の娘（原田知世）が妊娠20か月を迎えても出産せず、しかも彼女の夫が行方不明という記事を雑誌に書くことになるが、事件のあまりの異様さに友人の京極堂（堤真一）に協力を請う。その久遠寺医院では新生児の死亡が続発していたが、実は「殺された」とささやかれていた。そして関口は、奇怪な鳥の夢を見るようになる…。

すでにそのブ厚さがコワイ、京極夏彦の人気小説を、TV｢ウルトラＱ：ダーク・ファンタジー｣など、今なお現役で活躍している、実相寺昭雄監督で映画化した作品です。
実相寺氏はその昔、｢怪奇大作戦｣など暗めなファンタジーの傑作を撮っているので、妖怪や憑き物といったネタが出てくるこの作品の監督としては、妥当な人選に思えます。
今回も斜めアングルや舞台ぽい照明など、実相寺的な写し方は相変わらず健在で、そういう映像が好きなファンにはうれしい作品でしょう。
しかしそういった演出が効果を挙げているかと言われれば、疑問です。

お話に盛り上がりはないし、必然性の分からないシーンも多く、特にラストの｢炎上｣は意味がわかりません（｢怪奇大作戦｣じゃあるまいし）。映画なんだから派手なシーンでも入れとこうぜ、なんてことで入れられてしまったように思います。
犯人像も、原作が出た頃には画期的だったかもしれませんが、今ではパターンに思えてしまいます。
妖怪に関するシーンも何だかよく分からなくて、チープです。これなら出さない方がまだましでした。

話はかなり整理されている感じではありますが、それでも把握するのに苦労しました。結局、途中何回かウトウトしてしまいましたが、寝てしまった映画なんて久しぶりです。

音楽も単調で、特に感動的なシーンにまでおどろおどろしいメロディを使っていたのには呆れました。美術以外は、いい仕事をしているとは言い難い作品です。エンドクレジットが終わった後のシーンもクドすぎ！

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H I N O K I O

とある小学校の教室にロボットが転校生としてやって来る。それは母の事故死で心を閉ざし、不登校になったサトル（本郷奏多）が、彼の代理として自宅から遠隔操作しているもので、彼の父（中村雅俊）が作ったものだった。クラスメートに「ヒノキオ」というあだ名をつけられたロボットは、当初ジュン（多部未華子）のグループにいじめられるが、サトルは彼らに興味を示し、だんだん親しくなっていく。その頃彼らの間では「煉獄（れんごく）」という地獄巡りのゲームが流行っていて、サトルもそれにのめりこんでいく…。

今は秋葉原にロボット専門の店があったり、ロボカップが開催されるなど、ロボットの話題は普通になりつつあります。小型モビルスーツのような介護ロボットなんかも研究されているし、近い将来、この映画のようにロボットが人の代理として何かをする、という時代が来るかもしれません。その意味でリアルな発想の作品です。
そしてこのヒノキオが未来的なビル街ではなく、住宅地や工場といった、今の日本にどこにでもある風景の中に存在しているのが、映画のリアリティーを一層高めています。
そういった背景とヒノキオのシーンは合成が多いと思うのですが、全く違和感がありません。ヒノキオの動きも驚くほどリアルで、それだけでキャラクターまでも感じさせます。
ヒノキオをめぐる子供たちの接し方も、親しみありパシリあり警戒あり敵意ありと様々で、ロボットとヒトとの共存シュミレーションとして面白く見れます。
お話も途中まではかなり良く、ひきこもり少年のサトルが外界に慣れていく喜びには、それなりに共感できました。

映画にはゲーム「煉獄」がクライマックスで大きな位置を占めることになるのですが、そこまではそれなりにリアリティーがあったのに、いきなりファンタジー色が強くなってしまって、引きました。
しかもそれに関するジュンの行動は、問題の解決に意味が無かったように見えました。なので結局、この作品でゲームが存在する意味は、何だったのかよく分かりません。
なんか、始めはTVゲームの映画化の企画だったのが、いろいろ話を作っていくうちにゲームを出す必要が無くなったのにシーンが残ってしまった、て感じに見えました。
それにこのクライマックス自体、心霊感動話のパクりに見えてしまいました。
オーラスのシーンはそれなりに感動的ではありましたが、感動の度合いは予告編の方が高かったと思います。

ヒロインとなる多部未華子は役に合っていてなかなか良いですが、演技が硬い感じに見えました。でも合成の絡みで本編撮影はかなり前だったろうから、劇場公開の頃はもっと上手くなってることでしょう。
美人度は彼女よりも堀北真希の方が上ですが、さすがに小学生には見えません。彼女の登場の意味はあまり意味を成していない感じで、あこがれだけに留めておいた方が良かったように思います。

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逆境ナイン

全力学園野球部のキャプテン・不屈闘志（玉山鉄二）は、校長（藤岡弘、）から廃部宣告を受ける。甲子園予選一回戦敗退が続く弱小野球部に回す予算があれば、成績優秀なサッカー部に使わせる、と校長は言う。だが不屈は、自信満々に甲子園行きを宣言してしまう。部員たちもマネージャーの月田（堀北真希）も「無理だー！」と言うが、不屈の調子良さと強引さに奮起し出し、練習試合に選んだ三重県代表・日の出商業高校に「勝って」しまう…。

島本和彦原作のコミックの実写化です。僕は原作を読んではいませんが、島本氏の傑作「炎の転校生」には一時期ハマッたことがありました。この「逆境ナイン」は「炎の転校生」と同じタイプといえる、調子いい熱血バカスポコン話です。
なのでこの映画はほぼ全編都合いい、ありえねー！展開の連続で、真面目に見てはいけません。バカ映画と割り切って見るべきでしょう。それでもジーンと来てしまった箇所があって、さすがにこんなモンにまで感動してしまう自分に腹が立ってしまいました。
お話は退屈しませんでしたが、ギャグシーンはそこそこ笑えるものの、大爆笑とまでは行きません。またセリフの間が長く、言いたいことは分かってるんだから早く言わんかい!と突っ込みたくなる箇所がありました。

今回が映画初主役であろう玉山鉄二（ようやく柏原寛と区別できるようになったような）はなかなかにがんばっていて、熱血お調子者の島本キャラの感じは出ています。ただ、セリフがはっきり聞き取れない箇所があったのは残念でした。なんで監督はこれでOK出したかなあ?
しかし一番強烈なキャラクターは、脇役の校長・藤岡弘、と監督・田中直樹でしょう。藤岡弘、はあのまんまでどんぴしゃりのキャスティングです。田中直樹は登場するたびにコスチュームが変わりますが、TV版｢エースをねらえ！｣の宗方のパロディみたいな格好は笑えました。このシーンの「格言」が一番意味が深かったような…。
堀北真希はヒロインとして初の大役でしょうが、「明るめの天然ボケ」は今一つ合ってない感じで、ミスキャストに見えました。彼女はやはり「暗めの優等生」が合ってるように思います。コスプレは完全に監督の趣味だろうな。
野球部の一員で、「仮面ライダー響鬼」の「少年」翔原楽人が出演しています。エンドクレジットの順番はかなり後だけど、映画ではけっこう目立っていて、出世街道歩み初めかも。

ありえねー！ギャグスポコンコミック原作の映画は以前、｢地獄甲子園｣がありました。ただこの「逆境ナイン」の方がCGそこそこ使ってる分金はかかってるし、話もまだまともな方です。でも｢地獄甲子園｣のチープさもそれはそれで、内容に合ってる感じがします。
またこの映画は、特撮を使ったスポコン話ということで、｢少林サッカー｣タイプの映画とも言えるかもしれません。でも｢少林サッカー｣の方が話はもっとまともだったし、燃えられました。それにしてもこの｢少林サッカー｣が無ければ、「逆境ナイン」はできなかったかもしれず、その意味で｢少林サッカー｣は偉大な映画だったと思います。

エンドクレジットでNG集やメイキング、という映画は珍しくなくなりましたが、この作品のエンドロールの後半は、俳優にカチンコを持たせたシーンを集めています。これもNG集同様に俳優の素が出ていて、クレジット読むのを忘れて見入ってしまいました。堀北真希やっぱ、かわいいぜ。

映画の舞台は三重県で、伊勢に行った時に食べたうどん屋「まめや」の近辺が出てきたのには驚きました。でもなぜ標準語オンリー？

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地獄甲子園

星道高校野球部はかつて甲子園出場の予選で、ルール無用の殺人集団・外道高校のケンカ野球に全滅したことがあった。そして今年、再びその外道高校と当たると知った校長・朝倉南太郎は「終わった…。」と絶望する。そんなことは知らずに練習を続ける野球部のメガネ（伊藤淳史）は球拾いに校舎裏に行く。そこは不良グループの溜まり場で、メガネは絡まれてしまうが、そこで昼寝をしていた転校生・野球十兵衛（坂口拓）に助けられる。それを見ていた番長（小西博之）は喧嘩野球を仕掛けるが、十兵衛が勝ち、彼なら外道高校に勝てると踏んだ校長は十兵衛を野球部に勧誘するが、断られる。彼には「魔球」の忌まわしい思い出があった…。

原作は漫☆画太郎のコミックです。僕はこの人の作品はお下劣なイメージがあって好きではないのですが、意味の無いバイオレンスのテイストは良く再現されていると思います。
映画は都合いい、ありえねー！展開の連続で、スポ根の感動的なエピソードをそれなりにつなぎあわせたようなお話です。なので真面目には見ないで、バカ映画と割り切って楽しむべき作品でしょう。
ということで、あれは結局何のためだった？と思う設定も多いのですが、この映画の場合はそれが欠点と言うより、意味の無さが狙いのように思いたくなります。
映画にはキャラクターが爆発したり飛んでいったりするシーンがあり、そこは普通の映画なら「少林サッカー」みたいにCGを使うところでしょうが、この映画ではCGはタイトルと、少しのシーンしか使っていません。映画の特撮シーンはほとんどがワイヤーなど、フィジカルエフェクトで処理しているし、死体なんかモロ作り物です。でもこの映画ではそのチープさが内容に合って、独特な味になってるように見えます。

こういったアホらしさについていけるかどうかが、映画の好き嫌いの分かれ目でしょう。劇場ではレイトショー公開だったそうで、確かに多くの人から好まれる映画とは思えませんが、B級路線の徹底ぶりでカルトな人気を得そうに思います。まあそれでも、ビデオやDVDで十分な内容ではあります。

DVDには「外伝」として「ラーメンバカ一代」なる短編が入っています。でもこれ、「地獄甲子園外伝」とタイトルに書いていながら、お話は「地獄甲子園」と何のつながりもありません。ま、そういう意味の無さが、この作品のらしいところかもしれません。感動話を暴力の応酬に変えてしまうのは、なるほど漫☆画太郎の話という感じです。

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戦国自衛隊1549

まだ見ていない人

2003年、陸上自衛隊の富士駐屯地で的場（鹿賀丈史）率いる部隊が参加した人工磁場発生器の実験中、部隊は嵐と共に消えてしまう。その2年後、かつて的場の部下で今は自衛隊を引退して居酒屋のオーナーになっている鹿島（江口洋介）を神崎（鈴木京香）と森（生頼勝久）が訪れる。彼らは鹿島に、的場の部隊が460年前にタイムスリップしてしまったと明かし、的場たちを連れ戻す協力を依頼する。さらに的場の部隊が消えてから日本各地に「ホール」が現れ、それは的場たちが歴史に介入したゆえであると考えられていた…。

かつて角川映画で作られた「戦国自衛隊」。同じ角川で作られたこの「戦国自衛隊1549」はそのリメイクと言うより、「自衛隊が戦国時代にタイムスリップ」という設定だけ使った、新釈版というべき内容です。
お話は次元ホールやら歴史改変やら自衛隊VS自衛隊やらとあれこれ盛りだくさんだし、キャラも戦国武将が色々出てきて盛りだくさんで、退屈しませんでした。
しかしいかんせん盛り込みすぎで、もっと話を整理すべきでした。都合いいし緊迫感は無いしキャラの感情は伝わらないしで、お話だけを楽しんだ方がいい映画です。
ただそのお話も、舞台が富士なのに斉藤道三や織田信長がいるとか、過去を変えないと言いながら矛盾してるとか、突っ込みどころが多々あります。真面目に見ると怒りたくなるかもしれないので、寛大な気持ちで見るべきでしょう。

「戦国自衛隊」の面白さは、ハイテク兵器で武装した自衛隊が強大な武士たちを蹴散らしていく、という痛快さでしょうが、「戦国自衛隊1549」では自衛隊は足軽に簡単にやられてしまうし、自衛隊同士で内輪もめしてるし、作戦は場当たり的だしで、そういった「戦国自衛隊」ならではの面白さが足らないのは不満なところでした。
オリジナルの「戦国自衛隊」にはそんな面白さがありましたが、それ以外は話が暗く、原作のような意外性も無くて腹が立ったのを覚えています。それでも今回に比べるとキャラクターは立っていたし、ドラマもまともだったように思います。

脚本の福井敏晴氏が話を作った「ローレライ」も、詰め込み気味の物語ではありましたが、「戦国自衛隊1549」に比べるとまだ整理されていました。そういった点でこの映画、「ローレライ」や、あるいは監督の手塚昌明氏が手がけた「ゴジラ×メカゴジラ」よりは落ちる出来になってしまっています。
まあ真剣に見るより、ビデオやDVDで友達とワイワイ突っ込みを入れながら、パーティー感覚で見ると楽しい映画でしょう。

主役の江口洋介や鈴木京香はそれなりに活躍はしますが、狂言回しみたいであまり印象に残りません。むしろ江口たちにくっついて行動するキャラクターを演じる北村一輝が、主役並みに目立っています。また江口の副官的な役割になる嶋大輔も、若侍との触れ合い(これが一番キャラクタードラマらしいところ)で、おいしい役どころです。
始めて時代キャラを演じる濃姫役の綾瀬はるかは、「～じゃ」とかのセリフ回しが現代ドラマより下手で、時代劇は荷が重すぎに見えました。
もっとも、これはトレーニング不足のままOKを出してしまった演出の責任でもあるでしょう。こんなところにも、この映画のズサンさが如実に出ています。

すでに見た人

自衛隊側は歴史を変えないよう気をつけている設定にしていますが、結局自衛のためとはいえ足軽たちを殺してるし、嶋大輔はライター渡してるとかで、やはり歴史を変える結果になりそうに思います。斉藤道三なんか腕時計手放さないだろうし、あんなのが発掘でもされたらオーパーツになるでしょう。
最後に、自衛隊の車両が富士の地割れの中に埋まっていく、というのはその辺を意識した処理かもしれません。しかしそもそも、この話で富士山を噴火させようという意味がよく分かりませんでした。
「ローレライ」でも東京に原爆を落として一からやり直せ、て話がありましたけど、福井氏て一度ぶっ壊してやり直す、て考え方が好きなんでしょうか？「亡国のイージス」も、そんな理由で東京にミサイル発射したりして。

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四日間の奇蹟

如月敬輔（吉岡秀隆）と、障害を持ちながら天才的なピアノの才能を持つ少女・千織（尾高杏奈）は、日本各地の施設を慰問して回っていて、ある島の脳機能回復センターにやって来た。彼らを招待した真理子（石田ゆり子）は敬輔と12年ぶりの再会だが、彼は彼女に気付いていなかった。島に滞在中、あまり人と触れ合わない千織はなぜか真理子になつくが、２人が遊んでいる最中に落雷事故が起こり、真理子は危篤の重傷を負ってしまう。千織は無事だったが、気が付いた彼女は敬輔に信じられないことを口にする…。

「半落ち」「チルソクの夏」で泣かせてくれた佐々部清監督が、「半落ち」の吉岡秀隆を主演に迎えて放つ作品です。
原作はかなり売れた小説で、映画はその内容をかなりアレンジしているそうですが、原作を読んでいない僕には違和感なく見れました。
大枠の話は「転校生」＋「ゴースト」といった感じで、信じることと感謝を謳い上げるファンタジーといったお話です。後半の「奇蹟」はありえねー！て分かっていても、「半落ち」以上に涙が何度も出て止まらなくなったし、客席からもすすり泣きの声が聞こえました。

千織役の尾高杏奈は、障害がある時と事故の後での時の落差がかなりある、驚きの好演を見せています。ただ入れ替わりのタイミングに関して、そのシーンでいいのか?と思う箇所はありました。あと少女愛の要素が感じられるのは、ちょっとアブないような…。

エンドクレジットでは主題歌となっている平原綾香の歌が流れます。しかし本編ではピアノが重要な要素になっており、ラストシーンもBGMはピアノなので、続けてピアノの曲を流す方がふさわしく思えました。

映画の舞台になっている瀬戸内の角島は長く続く橋の風景がマイアミみたいで面白いし、灯台が効果的に使われていて、教会がセットと思えないくらいマッチしています。

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電　車　男

秋葉原にフィギュアを見に来た電車男（山田孝之）は、帰途の電車に乗ってきた美しい女性「エルメス」（中谷美紀）に目を惹かれる。そこに酔っ払い（大杉漣）がやってきて彼女に絡み始め、電車男は震えながらも酔っ払いに立ち向かう。駅で事情聴取を終えた直後、電車男は彼女に住所を聞かれて書くと、後日エルメスからカップが送られてくる。どうしたらいいかわからない電車男はネットの掲示板にアドバイスを求めると、｢カップのお礼に食事に誘え！｣と書き込まれる…。

２ちゃんねるで盛り上がり、そのやりとりが出版されてベストセラーになった「電車男」の映画化です。
主人公の電車男はフィギュア集めが趣味のヲタクだそうですが、彼を演じるのがまあまあ美形の山田孝之というのは、当初ヲタのイメージと違うように思いました。
しかしこの映画での彼は、話下手のくせに好きな話題になると饒舌になり、周りが自分をどう思うかが見えにくいという、いかにもヲタなキャラクターをなかなかリアルに演じています。特に、エルメスの前ではどもり気味になってしまい、はっきりしゃべれなくなる演技はよく研究しています。これで体臭がしてれば完璧でしょう（なわきゃないか）。映画は、電車やエルメスなんかはそのまま匿名にして特定の名前を設定せず、家族構成も想像するしかありません。でも監督のコメント通り、それはそれで世界が成り立っています。

電車がエルメスの言葉やリアクションに一喜一憂する姿は自分を見るようで（結構ヲタだし）、掲示板の仲間同様に応援してしまいます。恋のドキドキ感や辛さ、大変さもよく出ていて、最後は泣けました。
特に「エルメスさんちへ行くチケットは、JTBじゃ売ってねーんだよ！」てセリフには、女性に近づくことは海外旅行なんぞよりよっぽど大変であると、納得の名言です。予告編でこのセリフが流れた時は単にそうだねという感じですが、本編だと重みを持って聞こえます。
しかしこの映画、たぶん恋愛が上手く行ってる人には「何ウジウジしてやがる」とか思われて共感されないことでしょう。ま、そんな奴とは友達にはなりたくないけど。

映画は掲示板の書き込みという、普通はディスプレイで表示される世界を映像にしなければなりません。この作品ではそれを、電車男を応援する７人の男女に設定し、彼らが電車の行動に一喜一憂する、観客の視点といった役割になります。
主人公の行動につれて彼らが変わっていくところも、この作品の感動するポイントです。特に引きこもり男を演じる瑛太の最後の表情は、日常のささいな幸せが感じられるいいシーンでした。
後半では掲示板の世界が電車のホームになり、それなりに感動的なシーンになりますが、掲示板の空間の映像化の苦心がうかがえて、その苦労の方が気になってしまいました。
戦場のイメージシーンなんかも工夫したのでしょうが、単にくどいだけで、「猟奇的な彼女」の悪い例といった感じです。クライマックスも、少しクドく見える箇所がありました。

エンドクレジットの後にもシーンが続きますが、これはほとんどTVドラマ版「電車男」の宣伝です。本編上映の前にもTV版のCMが流れましたが、ここまであからさまにTV版の宣伝をやるのは、映画の雰囲気を壊してるようにも思います。

この作品は平日に見ましたが、早い回なのに結構人が入ってるのには驚きました。場所が渋谷のせいかヲタぽい人あまり見当たらなくて、若いカップルが目立ちました。
映画も大ヒットしているようで、たぶんこの作品は特殊なカップルの話ではなく、普通のラブストーリーとして受け入れられているように思います。

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村の写真集

東京で写真家を目指す高橋孝（海東健）のもとに、故郷の花谷村の村役場から電話が入る。それは村で写真館を営む彼の父・研一（藤竜也）がダムに沈むかもしれない花谷村を記録として写真に残すことになり、その手伝いをしてほしいということだった。父に反発して飛び出してきた孝にその指名は意外であり、また気が進まなかったが、引き受けることにして故郷に帰ってくる。妹（宮地真緒）は孝を歓迎するが、父はろくに言葉もかけず、撮影に出発する…。

父親と、恐らく田舎にも反発して都会に出ていた息子が、父の姿を通してその父の本当の姿と故郷の素晴らしさを知る、というお話です。
田舎（と呼ばれる場所）に住んでいる人には、東京など都会（と呼ばれる場所）に憧れがあるかもしれません。しかしそういう人が東京にしばらく住んでみて、田舎に帰って安らぎを感じたことは無いでしょうか？あるいは東京など首都圏に住んでる人でも、海外でしばらく暮して、日本の良さに気づいた、ということは無いでしょうか？
田舎に住んでいると、意外にそこの良さが分からないかもしれません。この作品の主人公・孝も都会の現実を知ったことで、やっとその素晴らしさが分かったのかもしれません。
この映画にはそういう、人のつながりの暖かさや自然の美しさといった、田舎の良さがよく出ています。
映画の舞台は徳島の山の中ですが、この作品にはその土地独自の祭りとか、奇岩というような独特の風景は出てきません。そこは点在する民家と畑と森と山という、日本の田舎（と呼ばれる場所）なら普通にあるであろう風景です。
それゆえに、この物語が特別な一家と土地の話ではなく普遍的で、感情移入しやすいドラマになっていると思います。

お話はハリウッド映画のようなエキサイティングなものではありませんが、個々のキャラクターの設定がそれらしく、主人公の心の変化が適切に描かれていて引き込まれました。
特に中盤、彼が警察に捕まってしまう展開は似たもの同士と微笑ましくなります。クライマックスの家族の再生と呼べるシーンは涙が出てきたし、客席からもすすり泣きの声が聞こえました。
ただそういった感想は、僕が40を越えた今だから思うのかもしれません。もしこの作品を高校生とか20歳の頃なんかに見ていたなら、若い時の主人公同様にその良さが分からなかったかもしれません。

田舎を舞台にした父子の触れ合いというと、中国映画の「山の郵便配達」を思い出しますが、この映画での父子の反発の激しさは、「みなさん、さようなら」に近い感じがします。
藤竜也と海東健はこの映画の前に「海猿」でも共演していて、そこでは教官と生徒という、今回と似た感じの関係でした。藤竜也はその「海猿」でもそうでしたが、基本的に「男は黙って…」だけど優しさを時折見せるキャラが、一番サマになっています。

主人公の家族が藤竜也と海東健だけだとこの映画は重苦しい感じになったかもしれませんが、ここに妹の宮地真緒を配置することで、２人の気持ちを代弁できるし、彼女の明るさがいいアクセントになってホッとさせてくれます（かわいいし）。上手い設定です。
事前にポスターを見ると原田知世の役柄の推測がついてしまいますが、映画での彼女はちょっとしか顔を見せません。しかし主人公にとっては重要なキャラなので、やはり彼女レベルの役者が適当でしょう。
東京のシーンで、カラオケショップの同僚が中国人だったり、主人公の彼女が中国人だったのはリアルに見えました。

この作品、僕は恵比寿で上映最終日に見に行きましたが、それでも劇場が半分くらい埋まっていたのには驚きました。でもオバさんオジさんばっかりだったのは少し残念…。

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花　と　蛇　２
パリ／静子

親子ほども年の違う妻と暮らす遠山隆義（宍戸錠）は、画壇の長老及川が封印してきた絵に驚く。それは遠山の妻・静子（杉本彩）をモデルにCGで描いたSMの絵だった。程なくして及川が亡くなり、遠山は「及川先生のやり残した事」と、支援してきた画家の池上（遠藤憲一）の絵の完成の手助けのため、静子をパリに向かわせる。部屋で池上は静子に、服を脱ぐように要求する…。

「花と蛇」はたぶん劇場ではヒットしなかったと思いますが、週刊誌なんかでそれなりに話題にされたせいか、パート２の公開です。
タイトルは「２」とあるものの、前作と共通しているのは杉本彩と遠藤憲一の出演だけで、役柄の設定は全く違う、前作とは関係ない話になっています。
しかし今回も、キャラの心情がよく分からない、薄いお話になっている点は前作と同じです。ただ物語は前作よりは分かりやすいし、静子の罠のかけ方が前よりちょっと凝っているのは面白いところでした。

今回もやっぱり杉本彩主演のＡＶと言うべき内容で、遠藤憲一と宍戸錠がAV男優と化しています。やはり杉本はいい体をしているせいか、なかなかにエロくは見えますが、入れてないのがモロに分かるし、見せるべき行為を最後まで見せないような、中途半端はあかんでしょう。

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阿修羅城の瞳

「鬼」が出没する文化文政の江戸。鬼討伐のために作られた「鬼御門」は国成延行（内藤剛志）の指揮の元、安倍邪空（渡部篤郎）や病葉出門（市川染五郎）たちが鬼を斬りまくっていたが、ある事件を境に出雲は鬼御門を辞めてしまう。その５年後、出雲は四世鶴屋南北（小日向文世）一座の人気歌舞伎役者として名を馳せていた。同じ頃鬼側の頭領・美惨（樋口可南子）は国成に鬼の王・阿修羅の復活を予言する。そしてある日出雲は逃走中の盗賊団「闇のつばき」の１人・つばき（宮沢りえ）と出会うが、その直後つばきの肩に花のようなアザが現れ始める…。

劇団☆新感線の舞台劇「阿修羅城の瞳」を、滝田洋二郎監督で映画化したものです。
この物語は江戸時代が舞台の、いわば時代劇ファンタジーということで、監督に「陰陽師」を手がけた滝田氏を起用したのでしょう。しかしその結果は、滝田氏他メインのスタッフはこの舞台を理解して映画を作ったのか?大いに疑問になる出来でした。

出雲とつばきが惹かれあうくだりはそれなりに分かりましたが、阿修羅が出てきてからは、彼女が鬼たちや出雲をどうしたいのかまるで分からなくて、感情が全く伝わってきません。かつての恋人たちが敵になった時の想いは何なのか、この、ドラマで一番要であろう部分が全然描けていません。
主人公を演じる市川染五郎は熱演していますが、その努力を演出とシナリオが見事なほど台無しにしています。
出雲たち鬼御門のメンバーが鬼たちを斬っていくシーンなんて、まるで「ブレイド」のパクりです。鬼がヴァンパイアまんまとはイマジネーション不足もはなはだしいし、阿修羅の描写の平板さも、失笑ものでした。

鬼御門は鬼に対処するための幕府の組織という設定だそうですが、それが幕府とどういう関係になっているのか分かりません。また映画の紹介文によれば鬼御門のメンバーは鬼と人間を見分ける特殊能力があるそうですが、そんなことは映画では描かれておらず、ただ残酷な連中にしか見えません。また中盤で鬼御門が全滅するのに、幕府は何もしないのか？と疑問になります。
また阿修羅城が出現した時の江戸の侍や町人たちのリアクションや、その直後に起こったはずの鬼たちの増殖など、物語には世界観が広がるであろう設定や描写が色々考えられるのにもかかわらず、映画はそれらをほとんど切り捨てています。おかげで映画は江戸、いや日本全体の運命がかかってる話なのに全然そう見えない、小じんまりとしたスケールになってしまっています。
もしかしたら映画はつばき、出雲、阿修羅の関係にフォーカスさせた話にしようとしたのかもしれませんが、それさえも上手く行っていない、非常に中途半端な内容になっています。これなら話を広げるだけ広げた方がまだ、スケールの大きさは出て今回の出来よりはマシになったかもしれません。

僕は舞台は見ていませんがそれでも、この映画はスタッフの思い入れなんぞ無く、「仕事」として単に舞台をフィルムに置き換えただけに見えました。監督を違う人にしてアニメシリーズででも作った方が、もっといいものになったことでしょう。舞台版の脚本を書いた中島かずき氏に、どう思ってるか聞いてみたいところです。
映画館も早々と上映を打ち切っていてるようですが、こんな出来なら観客に見放されるのも当然です。

ただ、衣装と音楽は「アテルイ」とか「髑髏城の七人」あたりをホウフツさせて、これらの点は舞台の雰囲気に合っているのであろうと思います。

出雲が歌舞伎を見せるシーンは、四国に実際にある江戸時代の芝居小屋で重要文化財になっている「金毘羅座」でロケをやっています。僕はこの映画を見る４ヶ月前に金毘羅座に行ったので、あの舞台で歌舞伎をやるとああいう風に見えることが分かるという意味で、この歌舞伎がこの作品で唯一感心したシーンでした。

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いぬのえいが

まだ見ていない人

犬にまつわる話を、ミュージカルやアニメやドラマといった違った手法で、オムニバスでつづる作品です。監督も「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心など、エピソードごとに違う人が担当しています。
各エピソードの間にはクッションとしてクレイアニメが流れますが、それでも冒頭は、エピソードの統一性の無さに呆れていまいました。
また、中村獅童演じるCMクリエイターにまつわる話がメインのエピソードになっていますが、ストーリーがあまりにもパターン、いやそれ以下の出来には、「そんな話にするべきじゃないだろう！」と言いたくなりました。
とはいえ、OPのアニメは犬と人間の理想の関係が描かれていて感動的だし、ラストのアニメには少し毒を加えた面白さがあり、最後は分かっていても泣けました。
とどめはその次に来るラストのエピソード「マリモ」で、途中から涙がボロボロこぼれてきました。
この「マリモ」は、犬への愛情があふれたエピソードで、犬を飼い、最期を看取ったことがある人なら共感すると思います。おそらく監督かライターは、犬を飼ったことあるのでしょう。
逆にメインのエピソードを監督した犬童一心氏は、犬を飼ったことがないそうです。道理であの出来。

キャストは伊東美咲や小西真奈美や乙葉や佐藤隆太など、意外に豪華な顔合わせです。特に天海祐希の出演は、なんか映画の格が上がったように感じてしまいました（あまりTVや映画に出ないからか?）。それに今回の祐希サン、露出度高いのがお楽しみだで。
中盤のエピソードで、荒川良々がパグの声をやっているのが、なかなかに笑えました。

すでに見た人

メインの話である中村獅童のエピソードは、しょっぱなのCM制作のパートはそれなりに笑えるけど、「いぬ」の話ではないでしょう。最後に犬と出会うのもパターンだし、その前のボールが飛んでくるシーンなんて、一歩間違えばホラーです。
これなら中村がポチと再会して自分を取り戻し、ちゃんとしたCMを作る、というストーリーにすべきだったと思います。

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カ　ナ　リ　ア

まだ見ていない人

カルト教団「ニルヴァーナ」で母と妹と共に入団していた12歳の光一（石田法嗣）は、収容されていた京都にある児童相談所から脱走し、その途中、ある車の前に飛び出してしまう。避けようとしてひっくり返った
車の中から出てきた由希（谷村美月）は、援助交際で引っ掛けた、その車を運転していた男に乱暴されそうになったところだった。由希は光一にお礼として、彼が妹の奪還のために埼玉の祖父の家に行く手伝いをすると言い出し、やがて彼の旅に同行してしまう…。

「黄泉がえり」で大ヒットを飛ばした塩田明彦監督が、オウム真理教に題材を取った物語です。
しかし映画は宗教団体の話というより、歪んだ「正常な」大人たちの社会を、純粋な「異常な」少年と少女が「生きていく」ロードムービーといった形になりました。

映画では由希を演じる、谷村美月の存在感に圧倒されました。実にいい目をして、よくしゃべり、よくタンカを切り、よく殴り（？）、物語を引っ張っていきます。
由希は親からも世間からも見捨てられた存在、という設定ですが、もしこれがフツーに両親のいる家のお嬢ちゃんという設定であったら、言うことに何の説得力も無かったことでしょう。彼女なら、世間にガンを飛ばす資格があります。

出てくる大方の「普通」の大人がろくでもない奴ばかりで、教団にいた、世間から後ろ指を差されるような大人がまともなことを言う、といった逆転の構図は面白いし、「権威」が疑わしい今の時代に合っています。
そんな、世間からは異常視される大人である、西島秀俊演じる伊沢の最後のセリフにはジーンと来ました。
この西島君、あまり表情が出ないせいか、教団で儀式をやってるシーンなんてぴったりだと思いましたが、こういう熱いシーンでも似合ってしまうのは奇妙な俳優です。

オウム真理教がモデルであろう、宗教団体のパートは映画の中ではあまり長くはありませんが、それでもドラマでは初めて（ドキュメンタリーでは「A」「A2」がありましたが）まともに、オウム信者の心中に沿った作品ではないでしょうか。
教団を純粋に信じていた人たちだけでなく、教団の家族も被害者、という描写は「A2」同様、「普通」の人のイヤらしさが見えるシーンでした。

ラストは「ハウルの動く城」を連想しました。そう簡単にめでたしめでたしにはならんでしょうが、希望を信じられる、爽やかな終わり方です。
「黄泉がえり」よりも制作費は安いでしょうし、公開規模は小さいですが、この「カナリア」の方が完成度が高く、監督の思い入れが感じられました。

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冒頭で由希が何気なく語る、母と祖母の骨が同じように焼けない、というエピソードは後半で明らかになる、光一の母と祖父の関係とリンクするように思えました。
光一の母と祖父も実は似たもの同士なのかもしれません。お互いに決め付けてしまう性格で、分かり合う努力をしないのでしょう。光一の母がニルヴァーナに入ったのは、祖父の無理解があったと想像したくなりました。父親に何か思うところがあって、許さなかった、なんてことがあったかもしれません。

ラストでの、音楽の入り方は気に障りました。いいシーンなのにいきなり「ギャー！」というヘビメタぽい絶叫で始まるのは、雰囲気ぶち壊しです。
でも３人が手をつないでいるシーンで、妹を真ん中につなぎ直す、てのはホッとさせられました。

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父と暮せば

原爆投下から３年後の広島。雷におびえる美津江（宮沢りえ）の前に原爆で亡くなった父・竹造（原田芳雄）が現れる。彼は、美津江が働く図書館で原爆資料を借りに来た木下（浅野忠信）に、彼女が恋をしたことで呼び寄せられたと言い、娘の“恋の応援団長”としてあれこれアドバイスをする。だが原爆で生き残った美津江は、自分が幸せになってはいけない、と固く信じていた…。

「明日」や「美しい夏キリシマ」など原爆にこだわる黒木和雄監督が、井上ひさしの戯曲を映画化した作品です。
この作品は2004年度に岩波ホールで公開され評判となったことで、再び同ホールで再公開の時に見てみたものですが、会場内がじーちゃんばーちゃんたち、お年寄りで満席になったのにはびっくりしました。

原作が戯曲であるからなのか、映画は宮沢りえと原田芳雄の一人語りのシーンが多いし、照明が時折いかにも舞台なライティングになります。これは意図的だろうと思いますが、だったらこの話は映画でやんなくてもいいのではないか、とも思ってしまいました。
とはいえ、宮沢りえと原田芳雄の圧倒的な「語り」の演技が、そんなちまちました文句を忘れさせてくれます。彼らのセリフがかつてあった悲劇を鮮明にあぶりだし、会場からはすすり泣きの声が何度も聞こえました。「じゃんけん」のシーンでは、僕も涙がこぼれました。
幽霊というファンタジーの形を取ったことで、原爆で死んでしまった竹造、生き残った美津江、両方の原爆の被害者の「想い」が上手く出た内容になっています。

映画には短いながら、原爆炸裂のシーンが出てきます。描写は「ターミネーター２」での水爆シーンに似ているように思いましたが、実際にあった建物が炎に消えていくインパクトは、「T2」なんぞの比ではありません。

ラストは爽やかなのに、エンディングの音楽が暗かったのは、いい雰囲気が削がれて気になりました。

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鉄　人　2　8　号

金田正太郎（池松壮亮）は母・陽子（薬師丸ひろ子）と２人暮らしだが、転校したばかりの東京の小学校に馴染めなかった。そんな時、謎の巨大ロボットが突如飛来し、陽子も巻き添えを食って大怪我をする。その直後、正太郎は亡き父・正一郎（阿部寛）の後見人と名乗る老人・綾部（中村嘉葎男）に離れ小島に連れてこられ、そこで祖父が太平洋戦争勝利のために造り、父が改良したというロボット「鉄人28号」を見せられ、その操縦を託される。正太郎は不慣れなまま、再び飛来したロボット「ブラックオックス」に鉄人で立ち向かう…。

60年代に大人気を博したアニメ「鉄人28号」はその後も何度かアニメになり、2004年の春には原作を今の視点からシリアスに解釈したアニメが放映されました。今回の実写映画版は、このアニメと同時進行のプロジェクトとして動いていたもののようです。
監督は富樫森氏で、映画のメインをロボットバトルや鉄人の成り立ちではなく、正太郎の話にしてるのは前作「ごめん」の監督らしいし、ケンカのシーンはモロに「ごめん」を思い出しました。
正太郎がうじうじしすぎな感じはしましたが、勇気を振り絞るシーンは定番ながらも燃えた！し泣けました。

しかし、敵と正太郎のつながりがほとんど無いのは気になりました。ここは父の死に宅見が関わってるような設定にしたほうが良かったように思います。ただ、そういうエピソードにすると復讐話になって陰惨になるかもしれないので、製作者が避けたのかもしれません。

それに、警察も歯が立たないロボットが暴れてるのに自衛隊は出動しないし、ガキンチョが操縦するロボット１体だけで立ち向かう、というのは考えてみるとヘンです。また正太郎以外の鉄人の操縦士のバックアップはいないし、正太郎に警護が付かないなど、不自然に見える設定が映画には多々見受けられます。
こういう部分は「鉄人28号」での「お約束」として大目に見るべきかもしれませんが、アニメが放映された60年代とは違い、情報化社会の今ではどうしてもヘンに見えてしまいます。今作るのなら、もうちょっと納得できる設定を出してほしいところでした。正太郎が半ズボンである必要も無いし、平成に合わせてもっとアレンジしてもいいでしょう。原作に忠実に描いて喜ぶのは、マニアだけです。
鉄人やブラックオックスも同様で、原作通りではあるものの、鉄板を広げただけでのっぺりし過ぎた質感が、いかにもCGに見えてしまいました。今っぽくパーツ分けをした方がリアルだろうし、質感もごまかしがきくと思います。
映画は今一つヒットしていないようですが、こういった設定や描写が「見たい」という人の気を削いでいるように思います。

とはいえ、ロボットと実景の合成は結構馴染んで見えました。
それに、鉄人のパワーアップをする技術者が下町の町工場の職人たちというのが、製作者たちが日本のモノづくり技術者たちにエールを送っている感じで、うれしい設定です。

クライマックスはちょっと「アイアン・ジャイアント」に似た印象を受けました。しかし鉄人に自意識みたいなものを持たせるのはどうか？と思うなあ。

予告で「鉄人は武器を持たないロボットなんだ」という正太郎のセリフが出てきますが、アニメでこのセリフが出たシチュエーションを考えると、本編ではこれは無いのではと思ってたら、その通りでした。ま、これはセリフではなく宣伝コピーということなのでしょう。

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あ　ず　み　２
Death or Love

戦国時代末期。あずみ（上戸彩）は激戦の末、唯一生き残った仲間のながら（石垣佑磨）と共に最後の標的・真田昌幸（平幹二朗）を追っていたが、ながらが敵の攻撃に傷ついてしまう。彼を隠れ場で介抱し、店に食事を買いに出たあずみはそこで客の金を巻き上げる野党に遭遇するが、その中の一人銀角（小栗旬）が初恋の人・なちと瓜二つなのに驚く。隠れ場で味方に合流したあずみとながらは徳川方の天海僧正（神山繁）に会い、伊賀者と協力して真田昌幸を撃つように命じられ、昌幸の館への道案内としてこずえ（栗山千明）がついて行く事になる…。

小山ゆうのコミック原作で、上戸彩主演の作品の第２作です。今回はあずみやながらなどメインキャストは前作と同じですが、監督は前作の北村龍平氏ではなく、平成「ガメラ」シリーズの金子修介氏に交代しています。まあ、北村氏のあのクオリティでパート２をやるのは辛いところでしょう。
今回は人間ドラマに関しては前作より重きを置いているようで、あずみが使命と愛の間で揺れることになります。暗殺者の宿命、といったものを描きたいのでしょう。でも深みが無く薄っぺらで、キャラクターに思い入れが感じられず、共感も感動もありません。
前作は話はともかく、アクションには「こだわり」が感じられましたが、今回はそんな思い入れも感じられません。ただ「仕事」で作っただけのように見えました。
アクションはそこそこ見られるものになってはいますが、早すぎて動きが分からないカットがちらほらあるし、動きをデジタルで早くしたカットなんて、ただボカしてごまかしただけのように見えました。前作の方がまだ、動きをしっかりと見せていたと思います。

前作では気づかなかったけど今回、上戸彩のセリフは棒読みぽく聞こえた箇所がありました。金子監督、演技指導手抜いたんじゃないでしょうか。栗山千明の方が上手かったかもしれません。上戸の茶髪も気になってしまって、やはり黒く染めた方が良かったように思います。大河ドラマ「義経」でのうつぼは髪黒いのに。
敵役の高島礼子は「大奥第一章」もそうでしたが、コワイおばさんはぴったりの役です。でもいきなり「極妻」ぽくなるのは…笑えなかった。彼女が仕える真田昌幸役の平幹二朗は最後に殺陣を見せて、若いモンには負けんぞ、と言いたそうです。
TBSの人気アナウンサーの安住君が出演、しかもちゃんとセリフのある役だったのはびっくりしました。名前が「あずみ」だからじゃあるまいな？（アホ…）

この「あずみ２」の公開の前の週に、金子監督の名を轟かせた平成「ガメラ」シリーズで、特技監督を務めた樋口真嗣氏の監督作「ローレライ」が公開されました。
「あずみ２」も「ローレライ」も特撮を使っていますが、樋口監督の「ローレライ」は特撮とドラマがちゃんと絡み、まともな話を見せています。それに比べると金子監督のこの「あずみ２」はドラマが薄く、デジタルの効果もあまり出ていなくて、スタッフも金子氏の気合も「ガメラ」のレベルに達しているとは言えません。
同じ「ガメラ」で名を高めた２人の映画が同時期に公開され、こうも違う出来になったのは興味深い現象です。

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M A K O T O

法医学研究所の監察医・白川真言（マコト）（東山紀之）は、死んだ者の霊が見えるという能力があった。彼はその能力に悩みつつも、死者の想いを読み取って、彼らの死因とそれを引き起こした事件を解決していく。だが彼は、一番身近な人の想いを読み取れないでいた…。

「踊る大捜査線」シリーズの脚本家、君塚良一が初監督した作品です。
死者が見える話、というと「シックス・センス」が連想されます。確かにこの映画、「シックス・センス」の主人公の少年が成長した物語、と言えるかもしれません。ただ「シックス・センス」はホラーのテイストがかなりありましたが、この「MAKOTO」は感動といった人間ドラマをメインにしているのが大きな違いでしょう。ゆえに「MAKOTO」には１箇所だけホラー的なシーンがあるのですが、雰囲気にそぐわない感じがしました。

僕は「ほんとうにあった怖い話」や「スカイハイ」で時々あるような、幽霊が関わる感動話にはかなり弱く、涙腺が緩みます。この「MAKOTO」でも、前半はその意味で泣ける箇所がありました。
しかし後半では、主人公のマコトがある「秘密」をめぐって、うじうじした態度を取っているのがもどかしくなり、眠くなりました。最後にこの「秘密」が明らかになると、彼のそういう態度もまあ分からないことはありません。それでもこの「秘密」には、僕は共感できませんでした。
でも、死の真相を知ることが必ずしも幸福でない、というような見方を出している点は面白いところです。

あと、あることが起きると、マコト以外の人間にも幽霊が見える、というのはやりすぎのような…。

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パ　ッ　チ　ギ　！

1968年、京都。東高２年の康介（塩谷瞬）は、ケンカの巻き添えでボロボロにされてしまった朝鮮高校に親善サッカーの試合を申し込みに行くハメになるが、そこの音楽部でフルートを吹くキョンジャ（沢尻エリカ）にひとめ惚れしてしまう。だが彼女の兄は彼をノしたアンソン（高岡蒼佑）だった。康介は韓国語とギターを覚えて、何とかキョンジャと仲良くなろうと奮闘する…。

「のど自慢」や「ゲロッパ！」を作った井筒和幸監督は、「冬のソナタ」のヒットといった「韓流」ブームが不満なようで、「韓国と日本の間に何があったかという歴史を知らなければアカン」と、この作品を企画したそうです。
監督のその思いは分かるけど、映画でキャラクターが自分たちの歴史を語りだすシチュエーションは唐突な感じを受けました。その気持ちも分からないことはないけど、主人公に当たらなくてもいいんじゃないかねえ…。

この映画にはやたらと、ケンカのシーンが出てきます。そのリアルな迫力はさすが「岸和田少年愚連隊」（見てないけど）を作った井筒監督と思いますが、あまりにも血なまぐい描写には閉口しました。これを見ると、在日の人ってガラが悪いような印象を持ってしまいます（ま、昔の話だろうけど…）。

キャラクターはそれなりに感情が伝わってきて、よく描けていると思います。敵の空手使いなど、主人公より脇の方で個性的な顔が目立ち、マイルドな顔の役者が多い今、よくこういう役者たちを集めたと感心します。

話は分かりやすく作られていますが、クライマックス前の主人公の行動は、何をしたいのか分からなくて戸惑いました。でもクライマックスは、音楽の使い方が上手い感動的な見せ方になっていて、ラストも爽やかです。
話のストレートさでは「ゲロッパ」の方が上のように思いますが、感動の度合いは、この「パッチギ！」の方が上でした。

ヒロインを演じる沢尻エリカが、結構上手くて驚きました。TVの昼メロなんかに出ていたのは知ってたけど、グラビアアイドルの印象が強すぎて、意外だ…。

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着　信　ア　リ　２

奥寺杏子（ミムラ）の恋人・尚人（吉沢悠）がバイトしている中華料理店の店主が謎の死を遂げる。その少し前、その店に杏子といた親友（ちすん）の携帯に、店主が死の直前に取った携帯の着メロと同じメロディが鳴る。尚人はルポライターの野添孝子（瀬戸朝香）の取材を受け、それが１年前に流行した死の着メロだと知り、彼女の部屋に行くが既に遅かった。そこへ親友を心配して来ていた杏子の携帯に死の着メロが鳴り、その発信は３日後だった。取材で呪いの源流が台湾と推理した野添は、台湾にいる前夫ユーティン（ピーター・ホー）に連絡を取ると、そこでも同様の事件が発生しているという…。

柴咲コウ主演でそこそこヒットした「着信アリ」のパート２。ですが今回は前作とはあまりつながりのない、ほぼ新しい話として展開します。
呪いの原因を突き止める、という話は前作と同じパターンです。ただ前作では、それを呪われた本人である柴咲コウ自身がやりましたが、今回は呪われたミムラも手伝うものの、中心で行動するのは瀬戸朝香です。その行動は過去のある出来事が原因になっていますが、これって本筋の「呪い」とあまり関係ないように思います。
前作の悪玉の上にまだ「悪」がいた、というパターンは続きモノでは珍しくありませんが、今回の話は前作に比べると大ざっぱで、都合のいい展開が目立ちます。特に主人公たちが台湾から帰ってきた後のシーンは、某ハリウッド製大ヒットホラームービーの粗悪なパクりに見えました。
またお話の舞台は台湾まで拡大してはいますが、その台湾が出てくる必然性が分かりません。そのくせ海外まで行ったようなスケール感もなく、こじんまりとしたB級話になっています。
前作もオイオイ！と言いたくなる出来でしたが、それなりに話の面白さはあり、今作よりは前作の三池監督の方がまだ上手と言えるでしょう。今回の監督、塚本連平氏は先ごろ公開された「ゴーストシャウト」の監督だそうで、あれの出来を思うと今回の出来もこんなもんと、分かる気はします。
とはいえ、ホラー描写はそこそこ怖がらせてくれるし、クライマックスの「入れ替わり」は感動的で、部分的には見れる描写もあります。

今回、前作から引き続き登板するキャラは石橋蓮司のみです。柴咲コウは回想で登場するだけですが、前作のラストが今回の物語の発端、というところでしょう。

瀬戸朝香の元夫役のピーター・ホーは「仮面ライダー555：パラダイス・ロスト」に続いての日本映画の登場です。でもこれにしてもTV(DVD)版「グリーン・デスティニー」にしても、彼はやはりアクション俳優というイメージがあるので、アクションを見せないピーター君なんて出てる意味がないように思いました。話す言葉も日本語ばかり（けっこう上手いけど）だし、この役は日本人俳優でもいいように思います。

このぶんだと来年は「着信アリ３」という可能性も。毎年１作ずつ続いたりして…やだなあ。

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妖 怪 大 戦 争

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魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE

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フライ,ダディ,フライ

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姑 獲 鳥 の 夏

姑 獲 鳥 の 夏

H I N O K I O

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逆 境 ナ イ ン

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地 獄 甲 子 園

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戦国自衛隊1549

四日間の奇蹟

四日間の奇蹟

電 車 男

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村 の 写 真 集

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花 と 蛇 ２ パリ／静子

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阿修羅城の瞳

阿修羅城の瞳

いぬのえいが

カ ナ リ ア

父と暮せば

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鉄 人 2 8 号

鉄 人 2 8 号

あ ず み ２ Death or Love

あ ず み ２ Death or Love

M A K O T O

M A K O T O

パ ッ チ ギ ！

パ ッ チ ギ ！

着 信 ア リ ２

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妖怪大戦争

妖怪大戦争

魁!!クロマティ高校
THE★MOVIE

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姑獲鳥の夏

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逆境ナイン

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地獄甲子園

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電　車　男

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村の写真集

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花　と　蛇　２
パリ／静子

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カ　ナ　リ　ア

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あ　ず　み　２
Death or Love

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Death or Love

パ　ッ　チ　ギ　！

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着　信　ア　リ　２

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