まだ見ていない人
見たのは東京国際映画祭です。本当は「踊るマハラジャ2」を見たかったんですけど、前売り買おうと思った時にはすでに券が売り切れていたので、第2希望でほぼ同じ時間だった「モスラ3」にしました。東京国際映画祭は前売りなら1000円で安いですから。封切り時に1500円(鑑賞券で)払って見たら高いと思うかもしれないので。
平成版第1作はファンタスティック映画祭でやったのに、今回はなぜか招待作品になっています。見る前から、ファンタスティック映画祭なら分かるけど、こんなのを招待作品で出してほしくないと思っていましたが、見た後ますますその思いを強くしました。
上映は渋谷のオーチャードホールで、スタッフとキャストの挨拶があり、小林恵&建みさと&羽野晶紀の三姉妹役が来てましたが、小林恵は髪を切って、感じもめちゃくちゃ明るく、映画のキャラとはずいぶん印象が違います。建みさとと腕組んで仲良さそうでした。
今回の敵怪獣はキングギドラです。しかし、平成版第1作の敵がデスギドラという、キングギドラの類似みたいな奴でしたから、代わり映えしない感じがします。
キングギドラは自分のエネルギー源にしようと子供を誘拐していきますが、子供を誘拐する、というネタはかってヒーロー物であった「幼稚園児のバスを誘拐する」という話みたいで、チンケな感じがします。子供をエネルギー源にするというのも、子供をさらってから後の行為が描写されていないので、ギドラがどうやって子供をエネルギー源にしてるのか分からず、子供たちが危ないという緊迫感が感じられません。子供を食べるとかいうシーンはできないだろうから、中途半端になってしまったと思います。
今回はモスラが白亜紀に行きます(モスラって何でもできるんですねえ)が、このシーンでの恐竜の造型もセットの造型もひどいものでした。ジュラシック・パーク・エキジビジョンをそのまま撮っただけみたいな感じです。20年以上前に円谷が特撮を担当した恐竜映画「極低探検船ポーラーポーラー」と変わらないクオリティと言っていいでしょう。「ジュラシック・パーク」なんかが出た後で、相変わらずのこんなクオリティの特撮を見せて、東宝は恥ずかしくないんでしょうか?
恐竜時代でセットを使いすぎたのか、現代でのギドラの襲撃シーンは今作ではほとんどミニチュアセットではなく、合成を使っています。リアルに見えるのはいいのですが、破壊しまくりの面白味が感じられないせいか、物足りません。
今回から特撮監督が川北鉱一氏から鈴木健二氏に変わりましたが、そのために特撮が今までと比べて変わった、ということは感じられず、かえって悪くなった感じさえ受けました。
今回は三女役が山口紗弥加から建みさとに代わりました。山口はこんなシリーズから早く離れて正解だと思ったのですが、ナレーション(あったっけ?)で参加していたとは意外でした。。
建みさと自身は悪くはありませんが、演じてるキャラクターが大して面白くないので、彼女の良さが出ていません。テレ東で深夜にやってたドラマ(?)「風の娘たち」での方がよっぽどいい演技を見せています(特に太田隆文監督の回ね)。
すでに見た人
2姉妹とよく敵対していたベルベラが今回はあっさり味方になってしまう理由がよく分かりませんでした。キングギドラがなんで地球の敵になるのかもよく分かりません。ギドラが都市を破壊するシーンは出てきますが、これは人間に敵対するものであって、自然を破壊してるわけではないですから、自然を破壊する人間に反感を持っているベルベラは、ギドラを応援すべきではないでしょうか?
今回も自衛隊は出動しません。なので、怪獣と対抗しようと思うのが人間側では子供一人だけとは不甲斐なさ過ぎると思います。
今回のモスラのクライマックスでの変身は「鎧モード」です。聖衣(古いか…)みたいなもんでしょうか。変身後はいつも通り、敵をあっさりやっつけてしまうのはパターンというか、安心して見ていられるというか…。