仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル |
仮面ライダー夏恒例の劇場版は、ようやく「仮面ライダーオーズ」の単独主演です。よく考えるとアラがかなりありそうな話なのですが、テンポのいい展開で退屈しませんでした。
今回のウリは「暴れん坊将軍」との共演です。でも将軍様はチョイ役で、必然性もあんまりありません(全くないこともないけど)。とはいえ、この役をちゃんと松平健がやっているのは凄い!さすが東映といったところです。将軍様が怪人(下っ端)を斬っていくシーンはやはりかっこいいです。
映司やアンク、比奈が手を繋ぎあうのは最終回への伏線のような感じがしました。映司がバースに変身するのは、TV版にも無くて興味深いシーンです。
また、オーズの変身バリエーションの大方が一同にそろうのも、映画版ならではのサービスでしょう。ただそのために敵方であるはずのグリードたちがオーズに協力してしまうのは、そこまでやらないであろう違和感を持ちました。
次の仮面ライダー「フォーゼ」がやっぱり出てくるのも、例年通りでした。
THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船 |
ゴーカイジャーが劇場用作品で初登場した「ゴーカイジャー ゴセイジャー:スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」とは違い、彼らが単独で活躍するこの劇場版では、ゴーカイジャーの面々があらゆる願いを一つだけ叶えるというお宝を求めて、ドでかい幽霊船に乗り込むお話です。
そこでマーべラスたちは異世界に飛ばされてしまいます。ここに過去の戦隊メンバーや怪人たちが出てくるのは楽しい(「ゴーオンジャー」の3人娘!)のですが、異世界に飛ばされるシチュエーションは前の「スーパー戦隊199」でもやっていたので、しつこいように見えてしまいました。
それにマーべラスの「願い」は、まあ仲間思いではあるけれど、海賊としてはどうかと思います。
映画の冒頭はゴーカイシルバーだけが戦います。しかしシルバーは中盤の幽霊船の部分では出てこなくて、エンディングのみで再登場になります。もしかしたら、映画の中盤はゴーカイシルバーが決まっていないときに撮影したのかもしれません。
しかしシルバーも含めて、エンディングのダンスがないのが今回は特にさびしいところでした。
映画は例によって?3D仕様です。ナビィや小さい幽霊が飛びまわるシーンだけは、いかにも3Dを意識したような画でした。
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オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE |
昨年の「仮面ライダー ダブル&ディケイド:MOVIE大戦2010」から、仮面ライダーの映画は夏だけでなく、冬にも定期的に上映するようになったみたいです。今回のコンビはダブルとオーズですが、「ダブル&ディケイド」と同じように2つのライダーのエピソードの始まりは別々で、最後に彼らの話が1つになる形です。
仮面ライダーダブルの方は「仮面ライダースカル誕生物語」というサブタイトルを付けた方がいいような内容で、実質的にはスカルの話が大半です。仮面ライダースカル=吉川晃司がひたすらかっこよく、魅せてくれます。ただそのおかげで、ダブルやアクセルはあまり目立たなくなってしまいました。
それはいいとしてもこの話、死人の量が多いのには残酷な感じがしました。対象年齢には子供も含まれているだろうに、もう少し気を使うべきだと思います。
仮面ライダーオーズの方は、あの織田信長がメダルの力で復活してしまうお話です。信長が出てくるわりにはスケールの小さい感じがしたのは残念でしたが、ラストの方はちょっと感動的なシーンがありました。
ダブルとオーズが1つになるのは、CMでよく出ている仮面ライダーコアの話です。しかしこのエピソード、単に2つのライダーの話をつなげるだけにでっち上げた感じで何の必然性もなく、一番いらない話でした。
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仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ |
「仮面ライダーダブル」の劇場版は前に「MOVIE大戦2010」がありましたが、これは「仮面ライダーディケイド」とセットでした。今回は夏恒例のTV放映版ライダーの映画版ということで、ようやくの「ダブル」単独主演です。
今回は風都に侵入したミュージアムの対抗勢力NEVERによってガイアメモリが使用不能、つまり仮面ライダーダブルやアクセルに変身できない、という最悪の状態になった上で翔太郎たちがいかに戦うのか?という点に注目です。そんな中での、ダブルとアクセルとの名コンビネーションや、翔太郎単体の変身「ジョーカー」は見ものです。またこいつやダブルで見せるバイクアクションやライダーキックなど、意外に正統派ライダーの描写もあって、退屈させません。
ただガイアメモリが使えない事態なら、ミュージアム側にも損害のはずだから、黙って見ていないでダブルたちに協力すればいいのに、とは思ってしまいました。
今回の最大の敵・仮面ライダーエターナルは松岡充が存在感たっぷりに好演しています。たださすがに年を取った感じには見えてしまいました。また彼の配下の一人を須藤元気が演じていますが、オカマ風のノリノリの怪演を見せてくれます。
今回のもう一人の大物ゲストは杉本彩。フィリップが彼女に母親の面影を重ねてしまうことで話がややこしくなります。ただこの映画が公開された時期には、既にフィリップの母であるシュラウドの正体は分かっているので何を今さら、という感じがしてしまいました。それにフィリップと杉本彩の2人きりのシーンは、彩様がなぜか下着姿のせいか、熟女ビデオを見てるみたいでした(母子モノだし)。
これまで翔太郎たちに絡んできた風都の住人が応援団で出演するのは感動的ではありました。ただこれだと今後、翔太郎たちが有名になりすぎて、捜査がやりにくくなるような…。
AKB48の2人が拾ってきたメモリが「A」「K」「B」というのは笑えました。板野友美チャンは変身したそうだったから、すればよかったのに。どんなドーパントになるのか?気になるところではありました。
CMで流れている通り、この映画には新ライダー・仮面ライダーオーズが登場しますが、まるで宣伝で都合よすぎです。「ディケイド」から、ライダーの映画版には新ライダー登場がつきものになってしまうのかなあ…。
今回は世の流れに乗って、映画は一応3D版です。ただこの「ダブル」については、それほど効果的とは思えませんでした。この部分では同時上映の「ゴセイジャー」に軍配が上がります。
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一度滅ぼされたオースターの残党が、地球に攻撃を仕掛けるお話です。しかし過去にやられたオースター軍団の再登場は、ただの時間稼ぎのように見えました。
ゲスト出演の磯山さやかは、かつて「グランセイザー」だったから、変身すればよかったのに。ゴセイナイトはいなくてもよかったところでした。
今回は3D上映ですが、意外にも破壊のシーンでの瓦礫の飛ぶ感じが、一番3Dということを体感できたシーンでした。ただ、チネチッタのXPANDのメガネって暗いなあ…。
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MOVIE大戦2010 |
これまでのライダーシリーズの終了時期よりやけに早い、と思った「仮面ライダーディケイド」のTV版のラスト。モロに「つづく」という終わりは、予想していなくて唖然とさせられました。まあ映画版で完結、という形はTVドラマでもあったから珍しくはありませんが、いきなりそう言われると何かあこぎな感じがします。
「ダブル」と「ディケイド」は別のお話ではありますが、「ディケイド」がパラレルワールドの話ということからか、別々に進行していた2本の話が後半で合体します。両方のエピソードの融合はこじつけぽいけど、面白い構成だし、ダブルとディケイドの共演はなかなかにかっこよく見せてくれます。
しかし敵がアレでは、どうなんでしょう…。僕のようにライダーのシリーズを見てきている人なら、ああアレね、と分かるところでしょうが、そうでない人、または平成のTV版のライダーしか見ていない人にアレを出しても、何これ?と思ってしまうのではないでしょうか。
また「ディケイド」は完結編ということだけど、肝心のディケイドの戦いの理由が相変わらずよく分かりません。しょせんはやはり、ライダー達を戦わせるため&ガンバライドカードの宣伝のためということなのでしょう。
それに、今回いきなり出てくるタックルが何のためにいたのかもよく分かりません。ただ女性キャラに関して言えば、夏海が変身するとは意外でした。女のコのライダーとは珍しいし、変身の時にハートが出てくるのが、いかにも女子ライダーらしいパターンです。
しかしこれで「ディケイド」では結局、メインキャラはみんな変身することになりました。おじいちゃんも死神博士だし。でもそのアイテムが「ダブル」のアレというのは、オイオイ!て言いたくなりました。
TV版では意味深なイメージだった鳴滝も、正体がショッカーのあの幹部というのは、安直だし、キバ役でわざわざ瀬戸康史を出した意味も無いでしょう。
そんな中で、ハチ女が及川奈央というキャストは面白いところでした。オリジナルのハチ女は目を見せていませんが、今回は顔を見えるようにしているのは、観客の父親層を意識したのかもしれません。
今回は「仮面ライダーダブル」の方がまだ、ちゃんとしたお話になっていて楽しめました。でもまだ裏がある話で、フィリップ君の出自の謎をTV版の後半につなげようという魂胆なのでしょう。
ここで新登場の仮面ライダースカルは、石ノ森章太郎氏の「仮面ライダー」のオリジン「スカルマン」を思わせる意味深な名前です。演じる吉川晃司はライダーとしては合っているし、ダンスぽい戦い方は面白いけど、「オヤジさん」というにはかっこよすぎだし、若すぎるようには思います。
映画にはスカイライダーが本当に飛んでいたり、バイオライダーが流動体に変身したり、クライシスの要塞がロボットみたいに動いたり、と過去の「仮面ライダー」の特撮ではできなかったであろう描写が見られます。本来はこういうイメージだった、と言ってるようで、CG時代の恩恵でしょう。
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仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー |
平成仮面ライダー10周年として企画されたという「仮面ライダーディケイド」は、それまで放映された仮面ライダーの世界を巡っていくお話です。この劇場版ではライダー達が一同に介し、謎であった主人公・士(つかさ)の過去が明らかになります。
とはいえラストがあんなんではお話はとってつけたようで、舞台を士の世界にした意味が無いでしょう。彼の「正体」も奇をてらっただけのようでした。最終回らしい話の構成も肩透かしで、次回の映画版まで持たせようという魂胆に見えます。
またタイトルには「ディケイド」とありながら、次のライダーである「仮面ライダーダブル」がちょこっとだけしか出ないくせに、おいしいところをさらっていくのも気になりました。この映画の上映時にはまだ「ダブル」は放映してないのに、あまりにも目立ちすぎで、宣伝臭がプンプンし過ぎです。
意外にいいところが少ないディケイドに比べると、クウガはけっこう活躍している感じで、TVより目だっています。映画ではオリジナルのフォームも出てくるし、ユウスケよかったね、と言いたくなりました。
悪役ではシャドームーンが結構目立っているし、脇でもう一人「仮面ライダーBLACK」に出ていた悪のキャラが出てくるので、「BLACK」が好きな人には、この映画はけっこう楽しめると思います(僕がそう)。
今回はショッカーが復活してくれて、顔見せ程度ながらも、シオマネキングやガニコウモルなどの、ショッカー怪人の登場は見どころでしょう。ショッカーの幹部も、役者は違うけどあのコスチュームで出てくるのはうれしいところです。
その中で地獄大使を演じるのが、あの大杉蓮というのは意外なキャストでした。変身の時のオヤジギャグは「オイオイ!」ですが、それはそれでらしいかもしれません。ただ死神博士があの人、ていうのはいいのかなあ(最後は元に戻るし…)。
ゲスト格で登場のGACKTは役名が「結城丈二」なので、ライダーマンじゃないの?と期待してしまいました。せめてプロモみたいに、戦闘シーンでもあればよかったのに…。
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今回の戦隊の劇場版は、3D対応ということのせいか20分という、TVよりも短い上映時間になっています。
なのでテンポは確かにいいのですが、駆け足のダイジェスト版を見せられているようで、もの足りないように思いました。
映画ではシンケンジャーたちが馬に乗ったり、派手なワイヤーワークを見せたりなど、それなりにお金はかかっているし、新兵器や新変身パターンなどのお約束で楽しめます。
エンディングでメインキャストが踊るのもお約束ですが、TV版のエンディングではまだ出させてもらえない、源太がいるのがうれしいところでした。
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