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見た後にパンフ(見た映画を全て買うとどんどん溜まってしまうので、気に入った作品しか買わないようにしてます)はおろか、CDまで買ってしまいました。ヒットしてることは知ってましたが、インド映画っていうと何か重いイメージがあったので、本当に面白いのかどうか疑って見たんですけどね…。
いやー!こんなに面白いとは思いませんでいた!
途中で拍手が起こったのですが、日本の映画館で拍手が起こったのはここ数年見た記憶が無いです。ただ、この拍手が起こった個所は「ニュース23」で「ムトゥ」の特集をやった時に紹介したシーンだったため、展開が分かっていたので僕は拍手はできませんでした。こういう映画紹介の時はネタばらしをしないように気を使ってほしいです(だからこのHPは2つに分けてるのです)。
内容はミュージカルで、筋は使い古された勧善懲悪&身分違いの話ですが、唐突にシーンが変わったりするとこや、御都合主義を開き直るように突っ走る展開やアクションの見せ方、そしてなんといっても、ミュージカルシーンでの素早く、またテンポのいいカット割り(MTVなんか目じゃないって感じ)で楽しく見せ、引き付けてくれます。
カットによってはピンぼけが見られたり、色調が違ったりしてるのがありましたが、内容の面白さに比べればささいな問題でしょう。
2時間46分は多少長いとは感じましたが、それでも飽きはしませんでした。この長さは「タイタニック」と同じくらいで、映画自体の出来からいえば、シナリオでも演出でも技術的にも「タイタニック」の方が上で、「ムトゥ 踊るマハラジャ」はそれに及ばないと思います(あちらはアカデミー賞ですから)。しかし大作然として、まとまった作品である「タイタニック」が都会的だとするなら、「ムトゥ 踊るマハラジャ」にはあらゆるジャンルのエンターテイメントをごった煮にして、絶妙なブレンド加減でそれに迫る、土着(田舎?)パワーみたいなものを感じます。
確かに「バカ映画」と言えるかもしれませんが、、本当に何も考えてないバカではなく、バカに見えながら、その裏では巧みに見せ方を計算して「楽しませてやる」という意図が感じられます。だからこそ日本でもウケたのでしょう。
とはいえ、インドでは年間何百本と映画を作っているそうなので、全部がこの「ムトゥ」のような傑作というわけではなく、相当量の駄作もあると想像します(香港やハリウッドだってそうだし)。
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主役ラジーニのクレジットに出る「SURER STAR」の字幕はのっけから笑わせてくれました。かけ声と共に「RAJIN」の字がアニメで飛んでくるのが凄いです。
冒頭「主はただ一人」のミュージカルシーンの中の主人公が3人並んで歌う合成カットも、こんなカットが出るとは思ってなかったし、3人の動きがぴったりハマって大爆笑!股をくぐるカメラも大いに受けてました。
オープニングでの出演者のクレジットが、似顔絵付きで出ていました。どこか古い感じがしましたが、観客にここで拍手してもらうためのものなのでしょうか。
拍手が起こった個所は馬車に乗ったムトゥとミーナが悪漢たちに追われてるところで、馬車が峡谷を飛び越えるシーンでした。まさかオプチカル合成であんなシーンを作るなんて…知らなかったら驚いて拍手したろうなあ…TBSのバカッ!
映画の途中で向こうの言葉の字幕が入ったのですが、パンフによれば、インドでは途中で休憩が入るのが普通だそうなので、この字幕は休憩の意味で入っていたのではないかと思います。長い話だから、その通りに休憩を入れてくれてもよかったとも思いました。
不満といえば、ラスト近くでムトゥの出生の秘密が分かって以降、話の展開が荒くなってしまった感じがしたことです。ただここまでくればあとは勢いなので、まあ許せる感じではありましたけど。
後日また見に行ってしまいましたが、その時はムトゥが音楽とともにジャンプして登場するシーン、馬車が峡谷を飛び越えるシーン、そしてエンドクレジットが流れ出した時、の計3回拍手が鳴りました。たぶん僕みたいなリピーターが来てますね。
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