Mulan

ディズニーブランドだけに、キャラクターの表情はいつものごとく非常に豊かなのですが、目玉が黒目オンリーで、中に白目が無かったのが変な感じを受けました。「リトル・マーメイド」みたいに白目（この目は日本のアニメの影響ではないかと思います）を入れてくれればもっと好感が持てたと思います。でも、宣伝用のスチルにはなぜか白目が描いてあるんですよねえ。

ストーリーはそれなりにドキドキさせ、ジーンとさせてくれます。ただ先が読めて、いかにもヒーロー（ヒロイン？）ものという展開で、物足りない感じはしました。一応ミュージカルではありますが、歌は印象に残りませんでした。

声のキャストは有名アメリカ系アジア人総出演という感じで、キャラクターもそれっぽく見えます。特にパット・モリタが声をやった皇帝はキャラの感じがそのものでした。

パンフでは触れられてませんが、「スター・トレック」のジョージ・タケイもムーランのご先祖役で出ています。キャラは太っているので本人と全然違いますが。

ドラゴンはエディ・マーフィーが声をやっていて、熱演でしたが、どこか違和感を受けました。彼は「ゴールデン・チャイルド」（駄作だけど）にも出ていたから東洋に縁があるのでしょうか。「バットマン」のパロディは笑えました。

今作の悪の親玉、シャンユーは多少は頭が働きますが粗暴さが目立ち、魅力が無いのが物足りません。彼のペットの鷹もすぐやられるし。日本語版ではシャンユーの声を藤岡弘がやっているというので聞いてみたいです。これは「ヤマトタケル」のクマソ王からのキャスティングでしょうか？

ムーランが父親に抱き着いたりするアクションはアメリカ的な感じがしました。古代の中国でこれはないでしょう。アメリカ映画だから仕方ないと思いますけど。

ムーランの部隊の武術訓練シーンは「ドラゴン／ブルース・リー物語」や「少林寺」を思い出します。しかしこの作品に限らず、映画で訓練シーンが出てくると、ほとんどは明るい音楽に乗って数々の訓練シーンの経過が流れていくっていうパターンを使いますね。ま、見てて気持ちがいいから構わないんですけど…。

ムーランが刀を抜き、髪を切って、家を出て行くシークエンスは音楽と合った迫力あるシーンでした。

山や煙など、背景や効果が東洋ぽい、山水画や屏風絵を思わせる描き方で、雰囲気を出していました。

フン族大軍団来襲のＣＧは迫力あります。｢アナスタシア｣と違い、ディズニーアニメはＣＧシーンでもＣＧぽく映さないのが上手いです。

エンドクレジットにあった「平衡」や｢友情｣「孝道」とかの漢字はどういう意図で入れたのか分かりかねました。

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