ナルニア国物語
第２章
カスピアン王子の角笛

まだ見ていない人

「ナルニア物語」の第２作です。
第１章「ライオンと魔女」では、ぺベンシー４兄弟は自分らの意思でナルニアに行きましたが、今回は彼らがナルニアに引き込まれる＝呼ばれるところから始まります。ただ今回、ぺベンシー兄弟は主役ではない、お助けの役回りで、主人公はタイトル通りカスピアン王子です。
敵に追われたカスピアン王子が、人間に迫害されたナルニアの怪物たちと共闘していく物語です。なのでお話のポイントは、人間であるカスピアン王子が人間と魔物たちの間で、どちらを生かすかと悩む部分でしょう。それが十分に表現されていれば重量感のある内容になったと思いますが、一番出ていたのは氷の魔女のシーンくらいで、いま一つ物足りないところでした。まあ、あまり重くやると低年齢層の観客が退屈するかもしれないので、エピソードの配分が難しいところではあります。

今回も前作同様２時間半と長い尺ですが、話をあまり深くしていないおかげで、わりかし単純に見れる仕立てになっています。物語のペースも快調で、そう退屈はしません。ただ中盤の、敵の親玉・ミラースとぺベンシー兄との決闘シーンはちと長く感じました。彼のように、ナルニアに来たらいきなり戦闘レベルが上がるぺベンシー兄弟には突っ込みたくなります。
バトルには予告通り、前作より派手なスペクタクルがありますが、そういうシーンは後半に集中し、あまり長くありません。

魔物（魔法）VS人間という構成は、自然と人間の共生を訴えてるようで、「もののけ姫」を思い出しました。魔法を信じない人間には、現代人が投影されているようにも見えます。

すでに見た人

アスランがやって来るのは「おおっ！」と思うけど、こいつが出てくれば全て解決するような作りは疑問になりました。

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ナルニア国物語
第１章
ライオンと魔女

第２次大戦中、ロンドンに住むペベンシー家のピーター、スーザン、エドモンド、ルーシー４人の兄弟姉妹は、空襲から疎開して両親の知り合いの教授の館に身を寄せることになる。ある日４人がかくれんぼをしている時、隠れ場所を探す末っ子のルーシーは、一室にある大きな衣装ダンスの中に入るが、その奥には雪景色が広がっていた。そこで出会った半人半獣のフォーン「タムナスさん」に、そこがナルニアと呼ばれる世界で、そこに人間が現れる時、100年に渡る冬が破られるという予言があると言われる。そのため冷酷な白い魔女（ティルダ・スウィントン）が、ルーシーたちを捕らえようとしているらしい…。

C.S.ルイス原作のファンタジー「ナルニア国物語」シリーズ映画化の第1弾です。
映画の企画は「ロードオブ・ザリング」のヒットによって立てられたもの、あるいはずっと見送られていた企画がそれで現実化したものだと想像します。
しかしサブタイトルには「第１章」と付いていますが、今回は「ロード－」とは違い、お話は「ハリー・ポッター」のように一応完結する終わりになっています。なので「ロードオブ・ザリング」の第１部のように、先が分からなくて困る、というフラストレーションを抱く人はあまりいないと思います。
お話は「ロード－」の第１部と比べると分かりやすいし、退屈はしませんでした。ただ中盤には分かりにくい展開がありましたが、作者はキリスト教の敬虔な信者だったそうで、それを連想しました。

主人公たちが始めてナルニアに出てくる場所は、モロにセットに見えました。それ以外の場所もいろいろ出てきますが、「ロードオブ・ザリング」に比べると広がりに乏しく、世界の命運と言うより、ご近所の小競り合いといったスケールの感じがしてしまいました。
ただ、「ロード－」では人がけっこう死ぬし、重苦しさや悲壮感がありましたが、「ナルニア」にはそこまで重い雰囲気はありません。
お話の中心は家族なので、子供にもとっつきやすい内容だと思います。兄弟のキャラクターはありがな感じではありますが、分かりやすく描かれていて、後半ではその兄弟愛でウルウルとなるシーンがちらほらありました。
しかし、彼らが戦うことに関しては違和感がありました。自分たちが死ぬかもしれないのに、ろくな訓練もしないであっさりと戦いに参加するのは、いくらナルニアのためを思ってるとはいえ無謀過ぎます。主人公達はナルニアの生き物には傷をつけられない、とかいう理由でもあればまだ分かるのですが。
戦闘シーンも、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと同じニュージランドのロケにしてはスケールが小さくて、迫力は比較になりません。そのうえ雰囲気が「スター･ウォーズ:エピソード1」の戦闘シーンにやけに似ているのは、もっと工夫が必要でしょう。

原作は全７巻だそうで、第２章の製作は決定しているそうです。今回の話は完結している形とはいえ、ナルニアはいかにして作られたのか？なぜ衣装ダンスでナルニアに行けるのか？ルーシーたちが来るという予言をしたのは何者なのか？白い魔女はなぜナルニアを制圧できたのか？など、謎がいろいろ残っているので、今後の話でそれらが明かされることを期待しましょう。